taggaの日記: 幼稚園が大切らしいぞ 1
Jonah Lehrer
「幼児教育が人生に与える影響:研究結果」
(2011年2月23日)
Wired Vision
http://wiredvision.jp/news/201102/2011022320.html
(日本語版:ガリレオ-高橋朋子/合原弘子)。
(原文: http://www.wired.com/wiredscience/2010/07/how-preschool-changes-the-brain/)
元ネタ:
Flavio Cunha & James J. Heckman
"Investing in Our Young People"
http://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=1641577
いろいろな調査をもとに、幼稚園教育に投資をすると、 社会全体としてはメリットが大きいという結論らしい。
研究者たちは広範な調査結果を引用しているが、最も印象的なものは、幼児教育の長期的な影響を追跡した調査だ。例えば『Perry Preschool Project』は、ミシガン州イプシランティにおいて、低所得層のアフリカ系米国人の子ども123名(最初のIQスコアは、全員が75から85)を対象に行なわれた調査だ。子どもたちが3歳のとき、実験群と対照群とに無作為に分け、前者には質の高い就学前教育を受けさせ、対照群には就学前教育を受けさせなかった。その後、被験者たちを数十年にわたって追跡し、直近では彼らが40歳のときに、両群の比較分析を行なっている。
これは金と時間がかかっているなあ。無作為で二群に分けたものを 35年間かけて、追いかけているのか。 IQ が低いね。環境はかなり悪いようだ。
成人した被験者を比較した結果、就学前教育を受けた群は、受けなかった群に比べて、高卒資格を持つ人の割合が20%高く、5回以上の逮捕歴を持つ人の割合が19%低かった。離婚率も低く、生活保護等に頼る率も低かった。[Perry Preschool Projectに関する日本語の文献はこちら(PDF)。「月収2000ドルを超える者の割合は実験群が対照群の4倍で、家を購入した者も実験群が3倍高かった」という]
興味深いのは、この実験が「IQスコアの向上」に長期的な効果をもたらしたわけではないことだ。就学前教育を受けた子どもたちは、最初のうちは一般知能の向上を示したが、この傾向は小学2年生までに消失した。代わりに就学前教育は、さまざまな「非認知的」能力、例えば自制心や粘り強さ、気概などの特性を伸ばすのに効果があったとみられる。
ということで、「○歳までに……」的なやつは知能には意味がない。 けれども、幼稚園で人間として鍛えてもらえってことだな。
ママ連から金をしぼりとる早期教育があんまり役に立っていないのは、 高校生や大学生を教えた経験があれば、そうだよなってことなんだけど、 いつまで経っても撲滅しない。 長期的な結果の評価をきちんとしないから成立する商売なんだろうけど。
「非認知的」能力のあたりを勝手に膨らまして、変な躾万歳論者が湧いて出ないことを 祈ろう。
三つ子の魂百までも (スコア:1)
精神面での成長の仕方が変わってくるのかもしれませんね。