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ビジネス

yasuokaの日記: GLOBISの考えるタイプライターとQWERTY配列

日記 by yasuoka

『「ECONOトリビア」QWERTY記事顚末記』の読者から、GLOBIS知見録の「DMM亀山氏、ヤフー宮澤氏、GCP高宮氏による大放談」(1) (2) (3)(2017年4月20~22日)を読んでほしい、との御連絡をいただいた。読んでみたのだが、高宮慎一(グロービス・キャピタル・パートナーズ)の以下の発言が気になった。

たとえばインプットに関して言うと、現在のキーボードというのは、もともとはタイプライターから来ていて、あれがなぜQWERTY配列かというと、実は昔の技術ではタイプライターのアームがあまり速く動き過ぎると文字が重なってしまっていたから、意図的にスピードが出ないようにしたという話があります。

『キーボード配列 QWERTYの謎』にも書いたが、現在のQWERTY配列が現れた1882年時点でのタイプライターは、いわゆるアップストライク式であり、「アーム」などという機構を有しない。「アーム」を有するフロントストライク式タイプライターは、「Daugherty Visible」(1893年発売)が最初である。「アームがあまり速く動き過ぎると文字が重なってしまっていたから」などというのは、時間的な前後関係が矛盾しており、全くのガセネタだ。また、「意図的にスピードが出ないようにした」というのがナンセンスだ、というのは、『On the Prehistory of QWERTY』でも指摘した通りだ。

まあ、もともと大放談らしいので、このG1サミット2017セミナーで何を話すかは、それぞれ自由だろうとは思う。ただ、「マン・マシン・インターフェース」の例として、これはあまりにも不適切だろう、というのが、私(安岡孝一)の個人的な意見である。というか、高宮慎一は、QWERTY配列に関して、もう少しちゃんと調べてから放談してほしい。

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あと、僕は馬鹿なことをするのは嫌いですよ (わざとやるとき以外は)。-- Larry Wall

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