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日本

yasuokaの日記: Re: あなたのスタジオ「人名漢字をふやすな」

日記 by yasuoka

1976年5月10日の『あなたのスタジオ』(NHK総合、22:15~23:00)は、「人名漢字をふやすな」というテーマだったらしい。ちょっと気になったので、とりあえず『京都新聞』縮刷版のテレビ欄(第33985号p.20)を見てみた。

最近、国民の要望にこたえて人名漢字、七十六文字をふやそうという動きがある。ところが「人名・地名研究会」は、人名漢字をふやすことに断固反対する。この会の人々は、「当用漢字が定められて、日本語をわかり易く、読み易くする方向が確立されたはずである。ところが人名や地名の読み方は音訓が適用されず、当用漢字の抜け穴になっている。この上人名漢字のわくをひろげることは、日本語を読みにくく、わかりにくくするものである」と主張する。難解な地名はむつ市、いわき市などの例のようにカナ書きにすべきであるというのが「人名・地名研究会」の主張である。

うわぁ、さすがに1976年だと過激だなぁ、と思いつつ、『読売新聞』縮刷版のテレビ欄(第35826号p.24)も見てみた。

人名漢字の制限に不満をもつ人は多い。子どもの名前くらい親の自由にさせろという声が、役所の窓口でしばしばトラブルを生む。最近、こうした要望にこたえて七十六文字を増やそうという動きがある。ところが〝人名地名を考える会〟の人々は、人名漢字を増やすことに断固反対している。その主張を紹介する。

こうなると、放送内容を視たくなるのが人情だが、どうもNHKアーカイブスには残されていないようだ。仕方ないので、当時の記事を少し探してみたところ、原幸一の『人名漢字を減らすな』(朝日ジャーナル, Vol.18, No.22 (1976年6月4日), p.115)という一文を見つけた。

五月一〇日にNHKテレビで放映された「あなたのスタジオ―人名漢字をふやすな」を見た。「人名地名を考える会」という面白い名前に惹かれて、さぞかし白熱した議論が展開されるだろうと期待して見たのだが、議論などいつまでたっても現れず、会の人の一方的な主張に終始して、あとには白けきった感情だけが残った。そもそも、テレビに出演した会の人たちが、漢字というものをあまりよく理解していないらしいのである。
(中略)
彼らの重大な誤りは、凝った難しい読み方をする人名は、漢字の使用を制限したために生じてきたのだ、ということに彼らが気づいていないことである。親たちは、個性的でいい名前を子につけたいと思う。難しい読み方をする人名は、つけられた本人も、また世間の人も不便だから、人名漢字をふやせばおのずから減ってくるものと思われる。

40年以上前の記事にもかかわらず、私(安岡孝一)の持論の一つを先取りしていて、ちょっとクヤシイ。しかも、この当時、子供の名づけに使えた「靑」「淸」「聰」「龜」は、現在は出生届に書けなくなっていて、二重の意味でクヤシイ。もっともっと人名用漢字を増やすべきだと思うのだけど、さて、どうすればいいんだろう。

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