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教育

yasuokaの日記: 「C. Latham Sholes, Sept. 1867」の元ネタ

日記 by yasuoka

7月24日にBBプラザ美術館で『タイプライターの歴史』と題するギャラリートークが開催されたらしい。YouTubeで記録動画が公開されていたので、ざっと見せてもらったのだが、あまりに残念な内容だった。ただ、まあ、このままほっとくわけにもいかないので、以下のコメントを残しておいた。

Koichi Yasuoka
いくつか疑問点があるのですが、とりあえず「C. LATHAM SHOLES, SEPT. 1867」(30分40秒あたり)は非常に疑問です。U. S. Patent No.79868のキーボードには、数字の「1」やコンマは無いからです。また、このモデルは現実には数字を打つことができず、ショールズ自身2年後の手紙においても、日付を「OCTOBER XVIII, LXIX.」のように打っています。

このガセネタのネタ元は、私(安岡孝一)の知る限り、『Henry W. Roby's Story of the Invention of the Typewriter』(George Banta, 1925)に出てくる以下の一文だ。(p.32)

Some overran and some fell short on the alignment, but at last, when all was ready, our gray-haired wizard sat down and wrote, “C. Latham Sholes, Sept. 1867,” and we had a great time of rejoicing.

ショールズのクセから考えると、月と年の間に日を打たないはずがないので、どう見てもガセネタだ。それに、そもそもU. S. Patent No.79868には、小文字もコンマも数字の「1」も無い。ギャラリートークを担当したMatthew Theadoも、安易に大文字に直すだけじゃなくて、もう少しちゃんと調べてから話せばいいのに。

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