yasuokaの日記: 法令の号を細分する場合には「イロハ」を使う 2
昨日の日記の読者から、『新訂 ワークブック法制執務』(ぎょうせい)を読むべき、との御連絡をいただいた。さっそく京都大学附属図書館に降りてきて、5版(平成26年2月25日発行)を読んでみたところ、問87(pp.210-211)に、法令の号を細分する方法が書かれていた。
問87 号を更に細分する場合には、どのようにするのか。
答 号は、「一、二、三……」と号名を漢数字で表すが、号の中を更に細分して列記するときは、まず、「イ、ロ、ハ……」を用いる。これを更に細分して列記するときには、「⑴、⑵、⑶……」を用いた例、「㈠、㈡、㈢……」を用いた例があるが、現在では、「⑴、⑵、⑶……」を用いることに統一されている。これを更に細分して、「(i)、(ii)、(iii)、………」を用いて列記した次のような例もある。
号の細分に「イロハ」を使うことは大前提であるらしく、問189(pp.455-462)では、改正法令中の号の細分の繰下げについて、以下のように書かれている。
なお、連続する四以上の号の細分〈問87 参照〉を繰り下げる場合については、従前は一括して繰下げを行うことはせず、「第○条第×号中ホをトとし、ニをヘとし、ハをホとし、ロをニとし、……」とすることとされていたが、最近では、条、項又は号を繰り下げる場合の方式に準じて、「第○条第×号中ホをトとし、ロからニまでをニからヘまでとし、…」あるいは「…同号ホを同号トとし、同号ロからニまでを同号ニからヘまでとし、…」というように、その最後尾のものについては原則どおりの繰下げを行い、その前の三以上の号の細分については一括して繰下げを行って差し支えないこととされている。
ただ、なぜ「イロハ」を使うのかは、ここには書かれておらず、私(安岡孝一)個人としては納得がいかない。また、「ヱヒモセス」まで行ってしまった後に、どうするのか(どうやら「ン」「イイ」と続くらしい)も明記されていない。その一方で、付録「公用文作成の要領」(pp.801-811)では
項目の細別は、たとえば次のような順序を用いる。
(横書きの場合)
第1 1 (1) ア (ア)
第2 2 (2) イ (イ)
第3 3 (3) ウ (ウ)
(縦書きの場合)
第一 一 1 (一) (1) ア
第二 二 2 (二) (2) イ
第三 三 3 (三) (3) ウ
と「アイウエオ」順を推奨していて、もうワケが分からない。さて、こういう状況で、何をどうすればいいんだろ。
「ン」ではなくかるた同様「京に田舎あり」の可能性は? (スコア:1)
>「ヱヒモセス」まで行ってしまった後に、どうするのか(どうやら「ン」「イイ」と続くらしい)
他の可能性は排除されているのだろうか?
京
垓
𥝱
穣
溝
澗
正
載
極
恒河沙
阿僧祇
那由他
不可思議
無量大数
此処迄使い切る前には細分方法に問題があったのではないかと気がつけ
と再考を促す親切心な配慮?
ヱ、ヒ、モ、セ、ス、ン、イイ (スコア:2)
「ン」と「イイ」を使ってるのは、たとえば「電気用品の技術上の基準を定める省令の解釈について」 [meti.go.jp]の別表第八。「ン」を使ってたのは「国土庁設置法」 [houko.com](平成11年7月16日廃止)。もうちょっと探してみますけど、うーん、「ン」については確定でいいんじゃないかと。