東大研究チーム、オス決定遺伝子「OTOKOGI」を発見 32
ストーリー by Acanthopanax
やらないか 部門より
やらないか 部門より
産経新聞の記事によれば、東大大学院の野崎久義助教授らの研究グループは、生物の性はメスが原型でオスはその派生型であることを示唆する遺伝子「OTOKOGI」を緑藻類の一種から発見し、19日発行の米専門誌「Current Biology」に発表しました(論文: Males evolved from the dominant isogametic mating type、プレスリリース(編注: コメント#1080554で教えていただいた))。
有性生殖は、性は異なるが同形・同大の二つの細胞がくっついて遺伝子を交換する「同型配偶」から出発、その性が後に、精子を作るオスと卵子を作るメスへと進化したと考えられています。 同助教授らは津久井湖で採取した新種のボルボックスの雄株のゲノムを解析し、オスだけに現れ精子の核に局在する遺伝子「OTOKOGI」を発見。さらにそれが同型配偶する単細胞藻類(クラミドモナス)の性を分ける遺伝子から進化し、精子の核にあるたんぱく質を作ることを突き止めたそうです。この結果、「性の原型はメスで、オスはOTOKOGIのような性決定遺伝子を持つことでメスから派生する」と考えられるといいます。
ちなみに「OTOKOGI」とは野崎助教授が好きな仁侠映画にちなんだ命名で、漢字一文字で「侠」と書くそうです。
ひとつだけ言わせてくれ (スコア:3, おもしろおかしい)
# 脱力した
Re:ひとつだけ言わせてくれ (スコア:5, 参考になる)
名前を(原則)自由につけられるのは、発見者の特権ですから
有名どころではsonic hedgehog [wikipedia.org]とか
個人的には、名前からその遺伝子の機能が類推できるっていうのは大切なことです。
よく別々の研究者が同時期に同じ遺伝子を発見したりしますが、そうなると別々の名前をつけたりします。
どちらを使っても構わないのですが、後々の世界まで残るのは『判りやすい』『憶えやすい』『発音しやすい』という共通項があるように感じられます。
なかには、某変異体を『アホ』と呼びたいがために"Abnormal Hunger Orientation"とこじつけた人もいますけど
Re:ひとつだけ言わせてくれ (スコア:3, おもしろおかしい)
Re:ひとつだけ言わせてくれ (スコア:0)
確かに踊ってる様に見えなくもないが……
Re:ひとつだけ言わせてくれ (スコア:1)
#中文表記でも通用する漢字なのかな?
-+- 想像力を超え「創造力」をも凌駕する、それが『妄想力』!! -+-
Re:ひとつだけ言わせてくれ (スコア:1)
簡体字でも「侠」は同じらしいし。
『漢』と書いて「おとこ」と読む (スコア:1)
もうIDで良いや
Re:ひとつだけ言わせてくれ (スコア:1)
アレゲ祭りの直前にネタ提供する野崎助教授が一番の「侠」かもしれません
☆大きい羊は美しい☆
なるほど (スコア:3, おもしろおかしい)
# ひ、紐よりはもうちょっとマシなんだから!!
まぐろたべたい
侠遺伝子もいいけど (スコア:3, 参考になる)
http://med-legend.com/mt/archives/2004/03/post_218.html [med-legend.com]
その後どうなったのかしらん。
-- Tig3r on the hedge
侠、覚悟ときたら (スコア:1)
部門名 (スコア:1, おもしろおかしい)
#ウホッ!いい男…
#諸行無常を感じAC
ウホッ (スコア:1, おもしろおかしい)
Re:ウホッ (スコア:0)
教えてエロイ人 (スコア:0)
#これで旧約聖書の記述にケチがついた訳だ…(違
しかし、今回明らかになったのは藻(植物門)の雌雄であって、
それって動物門の雌雄の別にも当てはまるのだろうか?
進化的に性の萌芽って、動物・植物の門の分離の前だったっけ?
Re:教えてエロイ人 (スコア:4, 興味深い)
動物ではすでにメスがベースであるとされています。
手元に資料がないので記憶を頼りに書きますが……
ヒトの場合、Y染色体上のSryと呼ばれる遺伝子が発現するとオスになります(マウス等でも同等の遺伝子があります)。
組換えなどでSryを消失したY染色体の場合、XYでもメスになりますし、逆にSryを獲得したX染色体ではXXでもオスになります。
#遺伝学的な性別の場合です
#ホルモン受容体の異常は別で、これはこれで面白い話なのですが……
Y染色体は、このSryのためだけにあるような染色体で、オスとなるのに必要な遺伝子の多くは常染色体上にあるので、オスもメスもこれらの遺伝子を持っていることになります
(メスでしか発現しない遺伝子も存在します)
ここで、実験的に『メスにオスにしか発現しない遺伝子を発現させる』及び『オスにメスにしか発現しない遺伝子を発現させる』なんてことをしたらどうなるか……と調べるヒトがいました。
結果、
『メスにオスにしか発現しない遺伝子を発現させる』……拒絶反応(細胞レベルか、個体レベルか、若しくは別の反応か忘れました)
『オスにメスにしか発現しない遺伝子を発現させる』……問題なし(上ほど酷い症状ではない、くらいだったかも)
というわけで、『オスと言うのはメスを基盤とした存在である』みたいな解釈がされています
#専門外なので間違ってたらツッコミ宜しくお願いします
ちなみに、性別とは生物学的には『互いに有性生殖を行うことが出来る』という感じに考えられていて、ゾウリムシ(だったかな?)は十数の性別があります。
高等動物・高等植物の殆どがオスメス2つの性しか持たないっていうことも、テーマとして面白い分野ですね。
Re:教えてエロイ人 (スコア:2, 参考になる)
言いたいこと不足していました。
動物門で「メスベース」というのは既知というのはぼんやりながらどこかで聞いていた気がします。
で、今回、植物門で「メスベース」という証拠が出た。
ところで、動物のメスと植物のメスって同じなの?という疑問です。
#いろいろ追記したいけど全削除
Re:教えてエロイ人 (スコア:2, 興味深い)
手前味噌で申し訳ありませんが,以前の私の日記 [srad.jp]で紹介した論文によると,イタリアに存在するある家系ではXXでも男として成長して子孫も残せるという例があるそうです.
こういった症例はSryが転位した場合でもそうなるのですが,この家系の場合はSryは関係なく,ある一つの遺伝子の変異による機能消失が原因であったそうです.
つまりSryは持っていないのに男という例もあり,まだ結論は出せないかなという部分も残っています.
kaho
Re:教えてエロイ人 (スコア:1)
「こんなにかわいい子が女の子なわけないじゃないか!」(どぎゃーん) [hatelabo.jp]
女の子ですけどー(遺伝子的に)。
Re:教えてエロイ人 (スコア:1)
とすると、オス、メスのラベルを付ける指標って何でしょう?
ある程度までは、卵を産む方がメス、で片が付きそうですが、単細胞生物まで行くと、ついうっかりオスメス逆に定義しちゃったよ、みたいな事例は起きないもんなんでしょうか?
電子の電荷がマイナスになっちゃったみたいな感じで、長らく雌株と呼称されてるけど○○生物学的な意味では実はオスでした、みたいな。
Re:教えてエロイ人 (スコア:2, 興味深い)
厳密な指標は存じませんが、別にオスメスで区別する必要はないでしょう。
区別できれば良いので、単細胞生物のように区別不能であるなら、aとbみたいな分け方でもかまいませんし。
ちなみに、オスメス逆に定義するには、オスとは何か、メスとは何かを定義する必要があります。
適当に「こっちをオスと呼ぼう」と言って、あとで撤回するのは研究者的に汚点なので(笑)やりたくないことですね
そう発表するのであれば、それなりの根拠があるはずです
あと、オスメスの違いについて、動物、植物、単細胞生物、原生生物まで網羅するような基準については存じません。
せいぜい、卵を持っているか精子を持っているか、という程度のものだと思います
A電子やS電商のカタログを見てて思いついたこと (スコア:2, おもしろおかしい)
何分にも生物学についてはド素人なので問題点があるようでしたらご指摘いただければ幸いです。
Re:A電子やS電商のカタログを見てて思いついたこと (スコア:0)
Re:教えてエロイ人 (スコア:2, 興味深い)
配偶子の大きさや機能に明らかな差異がある時、
大きい方(ex.卵子)を持つのがメス、小さい方(ex.精子)が雄では。
その差がない場合は、そもそも雄雌の区別が無くなる。
>単細胞生物まで行くと、ついうっかりオスメス逆に定義しちゃったよ、
でその差が小さくて機能面でも差異がない時は雄雌の定義が弱くなるんで
しょうね。たとえば蝸牛とかミミズとかのように雌雄同体というのもある。
また一部の魚類でも条件に応じて性転換する種があるように、雄雌の区別は
必ずしも絶対的なものではないようです。
「攻め」だの「受け」だのとは無関係な話のです。 orz
Re:教えてエロイ人 (スコア:2, 参考になる)
たとえばマツタケなどのキノコも有性生殖を行いますが、種によっては数千の「性」があると推定されています(実際にいくつ性があるか確認することは不可能に近いです)。で、ある性の個体は同じ性の個体とは交配できないが、それ以外のあらゆる性の個体と交配可能、といった様式になっています。
# ここは細かく説明すると非常に面倒くさいし、私自身最新の研究をフォローしていないので、
# おそろしく乱暴に簡略化した説明になっています。
# 詳しいことが知りたい方は菌学の入門書などを読んでください。
また、これらのキノコでは、動物のように減数分裂で生じた交配用の細胞同士が単細胞のまま融合するのではなく、減数分裂で生じた胞子が発芽して多細胞になってから細胞融合を行い、交配が成立します。さらに、交配前の個体が交配後の個体と出会うと、交配後の個体から性の合うハプロイドの核を1個もらって交配するというワザを使うグループもあります(もちろんこうしたグループでも、普通のタイプの交配もします)。
ここまで有性生殖のやり方が違う生物について「オスメスをどう決めるか?」などと考えることに意味があるでしょうか? むしろ「オスメス(という二分法)」などというのは、所詮人間を含む一部の生物でだけ有効な概念であって、生物全体に一般化できるものではない、と考える方がよいのではないでしょうか。もちろん、「一部」とは書きましたが、オスメスのある生物は沢山いますし、実用的にも重要な生物が多いのですが、しかし生物はそういうものだけではないのです。
こういう、「変わった」様式を包含するような、既知の有性生殖の様式全体の概念的整理というのは果たしてあるのでしょうか? 私は生殖生物学に詳しいわけではありませんので、どなたか教えていただきたいです。
Re:教えてエロイ人 (スコア:0)
・オス/メスには共通の abstract な super class A が存在する。
class A は単なる interface ではなく、いくつかのメソッドに
ついて予め実装がなされている〈テンプレートパターン〉。
・メスのクラス class F extends A では、class A で実装済みの
メソッドをいくつか非互換な形で override しており、そのため、
『メスにオスにしか発現しない遺伝子を発現させる』と拒絶反応
が生じる。
・オスのクラス class M extends A では、class A で実装済みの
メソッドを override していないか、もしくは上位互換性のある
形で override しており、故に『オスにメスにしか発現しない
遺伝子を発現させる』場合でもそこそこ動作する。
ということですかな。
以下 (スコア:0, 余計なもの)
#言ってやった言ってやった
openDoe-Ming Ver.0.72.9beta
Re:以下 (スコア:0)
Re:以下 (スコア:0)
#どっちかツーと健さんのイメージが「侠」の文字に
素晴らしい発見 (スコア:0)
「メイドロボを作るのはともかく、何故女性型である必要が…」
というツッコミに論理的な対応が!
#侠気に欠けるのでAC
東大理学部のプレスリリース (スコア:0)
http://www.s.u-tokyo.ac.jp/info/otokogi.html [u-tokyo.ac.jp]
# ボルボックスが微グロかもしれないが :)
Re:東大理学部のプレスリリース (スコア:1)