ごく普通の粘着テープからX線が放出される 54
ストーリー by hylom
真空中で粘着テープをはがす際はお気をつけください、 部門より
真空中で粘着テープをはがす際はお気をつけください、 部門より
TarZの日記 曰く
Scotchテープといえば、オフィスや家庭でごく普通に見られる例の粘着テープ。これを使うときにはロールから必要なだけのテープをビリっと引っ張り出すが、このときになんとX線が放出されるのだそうだ(本家/.「X-Rays Emitted From Ordinary Scotch Tape」、元ネタ「X-rays emitted from ordinary Scotch tape」)。元ネタの記事やNature Newsの記事には、そのX線で感光させた指のレントゲン写真やテープがX線を発している写真が掲載されている。
なぜX線が放出されるのかというのが大変気になるが、元ネタの記事によると、粘着テープを剥がす瞬間にテープの摩擦で電気が発生し、ロール側と剥がしたテープの間(距離0.05mmほど)で微小な放電が起こることがキモらしい。このとき、電子がテープの粘着面にぶつかって急激に減速することでX線が放出される、という原理のようだ。
(つづく...)
テープ剥がすたびにX線被曝かよ!とびっくりしかけたが、X線を発生させるには作業を真空中で行う必要があり、日常的な使い方(空気中でテープを剥がす)であれば問題はないとのこと。
ガムテープを急速に剥がすと発光する現象はテレビなどでも時々紹介され、自分で実験してみた人もいると思うが、まさかごく普通のテープでX線まで出せるとは思わなんだ。
この写真はNature の表紙にもなっており、実験したビデオ [nature.com]も用意されています。
Natureの表紙 (スコア:5, 参考になる)
実験したビデオ [nature.com]も用意していて、ほんとに X 線出てます。
Re:Natureの表紙 (スコア:4, 参考になる)
X線が発生すること自体は、言われれば納得ですが、それが「X線摩擦ルミネセンスは、X線画像撮影用のX線源に使えるほどの強度であった」というところにまたびっくりで。
#1442861 [slashdot.jp]のAC氏が書いている通り、現象名としては摩擦ルミネセンスに含めてよいようですね。
Re:Natureの表紙 (スコア:1)
気軽に手をかざしちゃってますが大丈夫なのか。
署名スパムがウザい?アカウント作って非表示に設定すればスッキリさ。
Re:Natureの表紙 (スコア:5, おもしろおかしい)
「大丈夫だろ、きっと」-- W.レントゲン
「とかいいつつ俺の手をかざすな!」-- A.コリカー
そのうち (スコア:3, おもしろおかしい)
オフィスにある粘着テープの横に鉛プレートが入ったエプロンと手袋、鉛ガラスのヘルメットが置かれて、
「使用の際は装着すること」
と書かれるようになるか?
医者「おめでたですね。3ヶ月です。ご家庭での粘着テープの使用は控えるようにしてください」
妊婦「・・・・・」
Re:そのうち (スコア:3, 興味深い)
>妊婦「・・・・・」
粘着テーププレイとか妄想しますた(*´Д`;)
Re:そのうち (スコア:3, 参考になる)
誰だ「興味深い」のモデレートしたのは. 基本は荒縄だろうが.
# これも「興味深い」になったら終わりだと思うのでID
Re:そのうち (スコア:2, すばらしい洞察)
別に「縛り」でなく「拘束」を重視するのであれば,
粘着テープもアリでは? あとライト系とか.
># これも「興味深い」になったら終わりだと思うのでID
「すば洞」とモデレートされているということは...
# なぜか X-ray でなく X-rate の話になっている.
Re:そのうち (スコア:1, 参考になる)
Re:そのうち (スコア:1)
>粘着テープもアリでは? あとライト系とか.
いまどきだと粘着しないタイプのビニール(?)テープじゃないですかね。
テープに粘着物質はついてないけど、テープ同士には強い摩擦力があるって奴。
テープが重なるよう2~3回グルグル巻きにするだけで拘束完了、
でも丁寧にはがせば綺麗に除去できる。
胸や股、口や目など比較的デリケートな場所でも自由に使える。
粘着テープだと巻きつける手にくっついたりテープ同士がくっついたり毛を巻き込んだり色々大変ですからね。
廃棄の時も粘着性が残ってるとゴミ袋に入れるのも大変。
#経験談ではないのでID
Re:そのうち (スコア:1)
旦那の背中にテープを貼り付けて、思いっきり引っ張るとか?(違
#普通、無駄毛処理とかじゃないですかね?
Re:そのうち (スコア:3, おもしろおかしい)
【禁止!】粘着テープを勢い良く引き剥がさないこと。
粘着テープを勢い良く引き剥がすとX線が放出され、被曝により健康に害を及ぼす恐れがあります。
粘着テープを引き剥がす際には必ずゆっくりと引き剥がしてください。
やむを得ず勢い良く引き剥がす場合には、特に周囲に妊婦の方がいないことをご確認ください。
Re: (スコア:0)
という注意書きも必要になりますね。でないと、そのうち野田議員が出て来ますよ。
Re: (スコア:0)
Re:そのうち (スコア:1)
みたいなプラネテスの1シーンが。
#マジックテープも同様だと思うけど結構使われているような?
Re: (スコア:0)
Re:そのうち (スコア:1, 参考になる)
ttp://wiredvision.jp/news/200810/2008102323.html
> なお、十分なX線量を得るためには真空中で実験を行う必要があり、
> 一般の人が普通の環境でテープを剥がしてもX線被爆を起こすことはない
空気中では十分なX線量を得られないので、
(健康への悪影響があるほどの)X線被曝は生じない、ってことかな。
テープがまさに剥がされようとしているとき、
そこに微小な真空が発生しているような気もしますが。
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
X線が出てるぢゃないかー (スコア:2, 参考になる)
WIRED日本語記事 [wiredvision.jp]も出てます。いろいろ写真あり。
はい、胸のレントゲン撮りますよ (スコア:2, おもしろおかしい)
ちょっと痛いかもしれませんが我慢してくださいね。
あれー、胸毛大丈夫かなぁ?
応用例 (スコア:4, おもしろおかしい)
まず、テープで被写体の周囲をぐるぐる巻きにするのです。しかる後に…
「よいではないか、よいではないか」
「おやめくださいませ、おやめくださいませ、あーれぇー」 (くるくるくる…)
…なんてことをする。こんなシチュエーションにも関わらず、なんとCTのようなX線ヘリカルスキャンが実現!
(真空でないといけませんが)
Re:はい、胸のレントゲン撮りますよ (スコア:2, おもしろおかしい)
中には無問題な人もいるだろうが。え? 私はまだしばらく大変な事になりますよ。ええ。
Re:はい、胸のレントゲン撮りますよ (スコア:2, すばらしい洞察)
別に背中に貼ればいいのでは?
Re: (スコア:0)
Re:はい、胸のレントゲン撮りますよ (スコア:1)
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
#見えすぎちゃって困るの♪
ガイガーカウンタの実験用に (スコア:2, 興味深い)
最近はグローランプも入手できなくなってきて、困ったなあという話でしたが、粘着テープなら簡単に入手できるのでいいかもしれませんね。
問題はどうやって真空を確保するかですが・・・今回のやつは、どのくらいの真空度があれば再現できるんでしょうかね?WIREDの記事に「A turbo vacuum pump」とあるのでターボ分子ポンプ [shinku-pump.com]でしょうか。だとすると相当の高真空になるはずなので、やっぱり個人では難しいかも。
ちょっと調べてみたら、ターボポンプは低真空だとタービンが壊れるとかで、粗引き用真空ポンプと組み合わせてシステムを構成しないといけないとか何とか。軽く数百万になってしまいそう。レンタルでも二桁万円でしょうか・・・。
Re:ガイガーカウンタの実験用に (スコア:2, 参考になる)
論文流し読みしただけなので間違ってるかもだけど、シンチレーターが青白く光ってる写真での圧力は 10-3 Torr (約 10-1 Pa) だそうだから、 ロータリーポンプでもぎりぎりなんとかなりそうだ。
まぁ個人で買うものでもないと思うが。
Re:ガイガーカウンタの実験用に (スコア:1)
KClとかで良いのでは?
簡単に手に入るし,安いし.
500gのやつなら量も十分でしょう.
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
>軽く数百万になってしまいそう。レンタルでも二桁万円でしょうか・・・。
低排気速度のものでよければ、例えばPfeifferの小型のやつなんかだと安い。
http://www.hakuto-vacuum.jp/pfeiffer_vacuum/02.cgi [hakuto-vacuum.jp]
ダイヤフラムの補助引き付きで8-90万円ぐらい。たまにやってるセールとかだと70万ぐらいで
出てたりすることもある。ちょっと何かを加熱とかするのに便利なんでうちの研究室ではすでに
Re: (スコア:0)
判明しているのはフランスとスウェーデン限定らしいが、きっと今頃日本全国のエレベータの測定をしまくっているに違いない
摩擦ルミネセンス (スコア:1, 興味深い)
それをネタにしてX線撮影するという発想は新鮮ですね。
#なんで氷砂糖が(原理的に)その手の話の素材として真っ先に上がってるのかは知らんけど。
Re:摩擦ルミネセンス (スコア:4, 参考になる)
歴史的な要因が大きい気が.
そもそもこの手の発光現象(triboluminescence)がはっきりと認識された最初の例が砂糖です.
#手元の化学大事典によれば砂糖のさらなる精製を試みていた際に発見された,とか書かれていますね.
知っている限りでは,文献でもっとも古いものは確かフランシス・ベーコンによるもの(当然砂糖が対象)
だったかと.次あたりで有名どころはボイルだったか?
あとは身近にあるとか発光強度が強くて見やすいとかもあるかもしれませんが.
Re:摩擦ルミネセンス (スコア:2, 参考になる)
砂糖の比誘電率が3とそこそこ低いので、含水率の低い(乱暴な言い方ですが)砂糖の結晶体である氷砂糖では圧電現象などが非常に起きやすいと言うことではないかと…方解石の比誘電率が8.3ですから、結晶の選定と周囲の環境に気をつかって氷砂糖がしけないようにすれば、却って実験がやりやすいのかも。
それで氷砂糖は他の誘電体よりも格段に入手しやすいあたりが兼ね合って実験やりやすいのでは…?
Re:摩擦ルミネセンス (スコア:2, 興味深い)
(実験方法)
夜、キャンデーと鏡を持って布団に頭をつっこみ、可能な限り暗い環境を作る。
布団の中の真闇に目を慣らす(最低10分以上)。
口を半開きにして鏡を向いてキャンデーを噛み砕く。
口の中がほのかに青緑色に光る。
歯磨きを忘れずに。
Re:摩擦ルミネセンス (スコア:1, 参考になる)
比誘電率が低いことと関係が?
triboluminescenceは別に誘電率が低い方が光りやすいと言うこともありませんし(ZnSとか)、
圧電現象自体別に低い誘電率を要求しませんが。
Re: (スコア:0)
なぁに、かえって免疫がつく。 (スコア:1)
ルミネセンス? (スコア:0, 既出)
Re:ルミネセンス? (スコア:1)
真空中でセーターを…息はどうするんだ
これからは (スコア:0, 興味深い)
Re:これからは (スコア:4, おもしろおかしい)
一般的に引き剥がせないから粘着野郎なのであり、
X線の放出を確認するのは極めて困難であると考えられます。
Re: (スコア:0)
普通にある (スコア:0)
WiredVision にも翻訳記事でましたね (スコア:0)
ガムテープ大活躍の (スコア:0, オフトピック)