日本の元プロ野球選手の上告により、英単語「interpretation」の解釈を米連邦最高裁が審理 20
ストーリー by headless
審理 部門より
審理 部門より
binsmax 曰く、
日本の元プロ野球選手、谷口功一氏による「interpreation」という英単語の解釈をめぐった異議申し立てについて、米連邦最高裁が21日から審理を開始したという(WSJ日本版の記事1、WSJ日本版の記事2)。
発端は2006年に谷口氏がサイパンのホテルでデッキから落ちたこと。谷口氏はホテルの過失であるとして2008年に提訴したが、敗訴したためホテル側から裁判費用として5,517.20ドルを請求された。費用のうち5,257.20ドルは日本から取り寄せた医療記録などの翻訳にかかったものだという。翻訳費用は連邦法で勝訴側が回収できると定めている「interpretation」費用に含まれないとして谷口氏側が異議を申し立てたが、サンフランシスコでの控訴審では敗れたため、上告していた。上告は全体の1%未満しか受理されないが、過去にシカゴの控訴裁判所で「interpretation」に翻訳は含まれないとする判決が出されており、控訴裁判所間で判決が分かれたために連邦最高裁で審理が行われることになったそうだ。21日の審理では、「interpretation」という単語が文書の翻訳という意味で使われることはないといった意見が複数の判事から出ており、谷口氏側が優勢なようだ。判決が出るのは7月とのこと。なお、谷口氏自身は日本におり、審理には出席していない。
英単語の解釈をめぐる米国での裁判に日本の元プロ野球選手が絡むというのは、いささか奇妙なものである。
誰にでも (スコア:2)
アメリカの裁判事情に疎いことに付け込んで、ぼったくる弁護士は多そうだけど、
この場合も野球選手というより、医療記録が必要な裁判の問題だと思う。
他にも離婚裁判で日本での法的記録とかでも、同じくinterpretation とtranslationの問題は出そう。
ちなみに、
interpretationの解釈をめぐる裁判をアメリカで起こすと、まさに勝てば官軍で
資料作成にかかった費用はすべて負け側に追わせられるのだな。
ひどい (スコア:2, 参考になる)
つまり翻訳費を除けば260ドルだけでいいわけで、そりゃ控訴しますわな
Re: (スコア:0)
裁判費用がそんなに安いのは良いことっていう気もしますが。
Re:ひどい (スコア:2)
念のため補足しますと、敗訴側に負担させられる事務関連費用が5,517ドルで、その内問題となっている翻訳費用が5,257ドルというだけで、弁護士費用等は含まれていません。
ホテル側としても、勝手に訴えてきたから自己防衛として証拠資料を集めて翻訳して、何とか勝訴したにもかかわらず、(弁護士費用のみならず)その翻訳費用は自己負担ということになったら納得できないでしょうね。
この判決次第で、アメリカの裁判における非常に重要なディスカバリー(証拠開示)手続きをどう行うかにも影響しうるということで、それなりに注目されているようです(リンク先は一例)。
http://www.insidecounsel.com/2011/10/06/litigation-lost-in-translation [insidecounsel.com]
Re:ひどい (スコア:2, 興味深い)
ところで、その記事には
Because the injuries precluded him from playing professional baseball, Taniguchi was forced to breach his baseball contract. In an attempt to recover his lost wages, he sued Kan Pacific for negligence, ultimately losing when the court granted Kan Pacific summary judgment. Adding insult to injury, the court awarded Kan Pacific costs incurred for translating Taniguchi’s baseball contract, as well as other documents, from Japanese to English.
「この怪我でプロ野球選手としてプレイできなくなり、年棒を棒に振ることになったため、その失われた年棒を埋め合わせようとKan Pacificを訴えたが負けた」「翻訳したのは野球の契約書などの書類だ」とあるけど、Wikipedia [wikipedia.org]によれば谷口功一選手は2002年で選手をやめているし、WSJ日本版の記事によれば翻訳したのは谷口氏の医療記録だと言うことになっている。
どういうことだろう。
Re:ひどい (スコア:1)
「この怪我でプロ野球選手としてプレイできなくなり、年棒を棒に振ることになったため、その失われた年棒を埋め合わせようとKan Pacificを訴えた」ものの、Kan Pacific側が野球の契約書により既にプロ野球選手としての契約が切れていることを示して勝訴したという流れではないでしょうか。
裁判の争点としてはそちらが主要なものの、翻訳に掛かった費用としては医療記録がメインなのではないでしょうか。
ディスカバリー(証拠開示)は怖い (スコア:0)
>この判決次第で、アメリカの裁判における非常に重要なディスカバリー(証拠開示)手続きをどう行うかにも影響しうるということで、それなりに注目されているようです
アメリカの裁判のディスカバリー(証拠開示)の手続きは怖い
下手に証拠隠蔽しようとしても次々にディスカバリーの要求があって、どうやっても隠しきれない状況に追い込まれて後々非常にヤバくなる
~という話を昔々当時の有名訴訟にも関わった特許部の人から聞いたことがある
その訴訟の時は設計部門から一切合切の文書を特許部に運び込んで開示すべき資料の選別作業をしたもんだから、設計部門は業務停止状態に追い込まれたとか.......
言われてみれば確かに日本から提出した資料の翻訳ってずいぶんと金がかかったはずだ
というわけで、今回の一件は日米の企業間の訴訟問題にも影響するものなのでしょうか?
Re:ディスカバリー(証拠開示)は怖い (スコア:1)
というわけで、今回の一件は日米の企業間の訴訟問題にも影響するものなのでしょうか?
判決次第では影響すると思います。
例えば、(アメリカでの特許について)パテントトロールにアメリカで訴訟を起こされた場合、日本で発明したものであれば様々な技術資料を英訳して提出する必要があるかと思います。
これまでは勝訴すればその翻訳費用は敗訴側に負担させられていたものの、谷口事件の判決によっては勝訴しても翻訳費用が回収できない恐れがでてきます。
適法に取得した特許を防衛するだけで、弁護士費用が掛かり、技術部門や知財・法務部門の労力も大きく割かれるのみならず、翻訳費用も更に負担する必要が出てきたら大変でしょうね。
「翻訳」のような微妙なラインはさておき (スコア:1)
同一言語内での解釈が前提?
数式の解釈やソースコードの解釈なんかは含まれるんでしょうか
「アパッチ族の丸太小屋システム」じゃないんだから (スコア:1)
ネタにマジレスかもしれないけど。。。
手元の和英辞典ですが
翻訳: translation
通訳: interpretation
編集: compilation
外国人を交えた裁判において、証人や被告との(同時) 通訳は必要なものなので、
その費用は請求できるという意味だったのでは。
>英単語の解釈をめぐる米国での裁判に日本の元プロ野球選手が絡むというのは、いささか奇妙なものである。
専門外だけど、裁判において単語の解釈が争点になるのは珍しくないと思う。
たまたま今回は「翻訳」と「通訳」がどこまで含まれるかという議論だったので、
その関係者に英語ネイティブでない人間が含まれるのは、これもおかしくないだろうね。
Re:「アパッチ族の丸太小屋システム」じゃないんだから (スコア:2)
ここかいわいだと interpretation ときいてまず解釈という日本語を連想する人も少なくないだろうから、記事タイトルは「解釈」の解釈を巡る争い、と見えて面白さを感じる(べき)ところなのだと思いました。
;; カオス理論で「兵站の地図」ってなんなんだ?と悩んだクチです。
Re: (スコア:0)
高級言語をマシン語に通訳してるんですよ。
マイコン時代の入門書にはインタプリタを通訳にたとえた説明がよく載せられていたような。
Re: (スコア:0)
二村射影
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%83%A8%E5%88%86%E8%A9%95%E4%BE%A1 [wikipedia.org]
Re:「アパッチ族の丸太小屋システム」じゃないんだから (スコア:1)
interpretationに翻訳が含まれないというからもっと広く「解釈」と解釈していました。
訳するものが文書か会話かで含める範囲が変わる(可能性がある)って事ですね。
ENIAC (スコア:0)
それを言ったら、世界で最初のコンピュータは裁判で決着した(気まぐれパテントエッセイ「崩れなかったENIAC神話」 [zoomin.co.jp])のだから、コンピュータ業界も人の事は言えないのでは。
Re: (スコア:0)
よ・・・読み難いエッセイだことで・・・width=110%のtableレイアウトとか正気じゃねーよ。
日本語的にもなんか読み辛い気がするけど、崩れなかったとか言いながら結局何も言えてないとかどういうことだオイ。
崩れなかったとする根拠がENIAC陣営にいたノイマンを雇ったIBMの文書とか、どんだけ中立性が無いんだコイツ。
その上「コンピュータを定義しないで、コンピュータを誰が真っ先に発明したか、議論しても意味がない。」
とか延々述べた話を全否定してくれちゃってもう・・・
閑話休題。
>それを言ったら、世界で最初のコンピュータは裁判で決着した
そのコラムによれば、裁判で決着したのは特許無効(公知か否か)の件だけで、世界で最初のコンピュータの定義も、世界で最初のコンピュータに認定も一切してない事になる。
決着してねーじゃん。
スペルミス (スコア:0)
> 日本の元プロ野球選手、谷口功一氏による「interpreation」という英単語
interpretationですよね?
Re: (スコア:0)
今回の話題で一番タイポが許されない部分ですね。早めの修正を希望します。
どーでもいいことだが。 (スコア:0)
谷口某なるプロ野球選手を知らないのでぐぐったら
天理高の投手で甲子園優勝がキャリアハイの人でした
ナベツネ野球軍に買われたが肩を壊し日本のプロ実働通算で2年
渡米してマイナーや独立リーグを転々としていたので
アメリカの裁判に絡む環境にあったというわけですね