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日本

日本のソフトウェア産業は税制で不利益を得ているのか 53

ストーリー by hylom
時代に合った税制を求む 部門より

ソフトウェアを固定資産として扱うことは日本のソフトウェア産業にとって不利益なのでは、という問題提起議論になっている

日本においては、ソフトウェアは固定資産となり、たとえば自社で開発したソフトウェアは資産として計上され、数年で減価償却を行うことになっている。そのため、ソフトウェア開発に人件費を投入しても、その大多数は資産として計上されることになり、多額の法人税を支払う必要が出てくる場合があるという。

いっぽうおごちゃんの雑文によると、ソフトウェアを資産計上するようになったのは、ソフトウェア会社が銀行から融資を受ける際に資産があったほうが都合が良い、という理由だそうで、過去の日本においては意味があったようだ。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by Anonymous Coward on 2017年08月25日 20時03分 (#3267716)

    問題提起 [irnote.com]の内容だが、本人はそう信じてるのかも知らんけど、ちっと問題ありかな。

    ネット売上 10億円
    エンジニア人件費 5億円
    その他販管費 5億円
    営業利益 0円

    で、アメリカ企業は税負担が0、日本は利益4億円に対して法人税を払うケース。こういう儲けを全額開発にぶち込む事を繰り返す会社って、日本では珍しいんじゃないかな。なら、3年なり5年なりのスパンで考えた場合は、アメリカも日本も変わらないだろう。

    そして、ここだ。

    これだけ動きが早い業界で、5年間も同じソフトウェアを使い続ける保証などどこにもありません。例えば今年開発したサービスが、2年後にやっぱり駄目だとなった場合、3年分の減価償却分を終えていない資産がまだ残っていますので、サービスを終了させるという判断を躊躇したくなる経営者も多く出てくるでしょう。

    この人は企業会計とか税務に詳しくないのかな。資産の除却を知らんみたいだし。使えなくなったソフトは除却をすれば、残存価格を一括で損金計上出来る。サービスを止める時点でのソフトへの支出は、アメリカも日本も変わらない。除却で大赤になるなら、欠損の繰越で翌期から税負担が無くなる/軽くなるし、なんならこれまでに支払った法人税は返して貰う [nta.go.jp]事も出来る。

    • by Anonymous Coward

      そりゃ日本企業が不利だからそいう企業が珍しいんでしょ。

      • by Anonymous Coward on 2017年08月25日 23時55分 (#3267819)

        その通りですが、そこで税務署にその税制がおかしいと抗議しても無意味です。
        かといってどこに抗議しても税制は変わらないので、所与のものとして扱うのが企業としては合理的です。
        同様の理由から、有権者がそうした産業に寄与する候補者に投票せず原状が変わらないのもまた合理的です。
        なので消極的に保守層に投票して迎合してその所与の環境の中でもっとも収益を上げられるビジネスモデルを見つけてそこに投資するのがもっとも効率的です。
        つまり現状を変えようとする意味はありません。
        そうした事情を無視して理想論に走るのを「ケツが青い」と笑うのが、スラドではフレームのもととモデされても、事実上もっとも効率的であります。
        #フレームのもとなのでAC

        親コメント
        • by Anonymous Coward

          いっぽう欧米は自分たちに有利になるようにルールを変えた。
          そりゃ日本が勝てるわけないわ

          • by Anonymous Coward

            身近なことから変えていかないとね。家族ルールにしても会社ルールにしても。

        • by Anonymous Coward

          30年前、まさにそのケツの青い連中が消耗品として扱うしかないことに抗議したことで税制が変わったんだろ。

      • by Anonymous Coward on 2017年08月26日 1時37分 (#3267853)

        そりゃ日本企業が不利だからそいう企業が珍しいんでしょ。

        それはどうかな。
        日本企業が不利だとしても、売上高営業利益率が50%で、開発投資の倍の売上があって、儲けを全額開発にぶち込む事を繰り返す会社なら、成長率は大体60%位になる。10年で90倍位、15年で1000倍位の売上規模になる。初年度の売上が10億なら、15年後には1兆円企業。そういう会社が日本にあるか、だけど、まあ、無いわね。

        まあ、元々、売上高営業利益率が50%とか、開発投資の倍の売上とか、儲けを全額開発にぶち込むとかの設定が、空想というか妄想の産物では無かろうかと。特に日本では、ね。

        親コメント
  • by Anonymous Coward on 2017年08月25日 23時50分 (#3267815)

    なんかごっちゃになっている気が。
    日本企業は大抵下記の会計基準のうちのどれかを選択していますが、どれを使わなければならないということはなく、会社毎の選択のはずです。(私の前の会社はIFRS,今の会社は米国基準を採用)

    日本基準と国際財務報告基準(IFRS)と米国基準(US GAAP)の3基準比較 [shinnihon.or.jp]によれば、
    [日本基準]
    認識基準:無形資産の認識基準に関する明文規定はない。
    内部創出研究開発費:ソフトウェア制作費のうち、研究開発に該当する部分も研究開発費として費用処理する。

    [IFRS]
    認識基準: 所定の定義に合致し、さらに以下を満たす場合にのみ認識されなければならない。
     ・当該資産に起因する、期待される将来の経済的便益が企業に流入する可能性が高い。
     ・当該資産の取得原価を、信頼性をもって測定できる。
    内部創出研究開発費: 研究費は発生した時点で費用として認識する。開発費については、技術上の実行可能性や使用又は売却するという企業の意図等、一定の要件がすべて立証可能な場合のみ、無形資産として認識しなければならない(満たさない場合には発生時に費用処理する)。コンピュータ・ソフトウェアの研究開発費に関する個別の指針はない。

    [米国基準]
    認識基準:IFRSと同様。
    内部創出研究開発費: ソフトウェア制作費のうち、研究開発に該当する部分も研究開発費として費用処理する。内部利用のソフトウェアは、アプリケーションの開発に関する費用は資産化される。
    です。(強調は拙者)
    いっぽう、税務上の資産とする基準はなぜかエビデンスが出てこない。

  • by Anonymous Coward on 2017年08月26日 3時13分 (#3267868)

    どこかに発注して自社専用ソフトウエアとして実装する場合は
    受注する側から見ると、建設業に近いんだよね。
    実際、使う側から見ても建物みたいな会計になる。
    この場合、ソフトウェアを資産計上するのは本当に妥当な感じだと思う。
    古くはこういうビジネスモデルばかりだったのでそれで良かったと思った。

    ところが、パッケージソフトとして販売したりすると、これは書籍みたいな感じになる。
    こうなると固定資産?違うだろって印象だ。
    さらに、ウェブベースにしてサービスとしてしまうと、遊園地の運営みたいになる。

    ビジネスモデルが物凄く多様で、会計基準をソフトウェアか器物かという分類にするのではなく、ビジネスモデルで別けないとまともな会計できないなと思った。

    • by Anonymous Coward

      >どこかに発注して自社専用ソフトウエアとして実装する場合は
      >受注する側から見ると、建設業に近いんだよね。

      それは、ソフトウェアの開発。

      自社業務のためだったり、販売目的だったりの、パッケージソフトウェアを開発することと、
      ソフトウェア技術の研究開発に投資することは似て非なるもんなんだよね。

      ソフトウェアの開発に投資するか、ソフトウェア「技術」の開発に投資するか。
      Amazonがやっているのは後者。

      • by Anonymous Coward

        技術開発(直接使うソフトではなくライブラリなど)であれば、すでに研究開発費という科目があって
        これは、普通に減価償却が正しい処理方法であるし妥当かと思われます。
        なので特に議論の余地は無いかと。

  • by Anonymous Coward on 2017年08月25日 18時30分 (#3267645)

    ちょっと検索してみたら下記のような文書を見つけました。

    米国におけるソフトウェアの会計基準
    http://www.iic.tuis.ac.jp/edoc/journal/ron/r5-1-12/r5-1-12d.html [tuis.ac.jp]

    準備段階ではソフトウェアは資産に計上しないが、
    準備段階が完了すれば資産に計上していたようです。(2001年8月時点)

    耐用年数は管理者の見積もりとして、明記されていませんが、
    現在では日本とどのくらい差があるのか気になるところです。

    • by Anonymous Coward on 2017年08月25日 20時17分 (#3267719)

      「問題定義」のブログ記事には?な部分がある.日米間や会計・税務間で基準に差があるものの,将来利益を生み出すソフトウェアは固定資産として計上して,利益を生まないものや会計年度内で償却する少額のものは費用として計上というのが原則.

      そのうえで,アメリカでもソフトウェアは固定資産として計上される(親コメ).日本でも,研究開発費(自社利用のソフトウエアについては、その利用により将来の収益獲得又は費用削減にならないことが明らかであるもの)は費用計上できます(No.5461 ソフトウエアの取得価額と耐用年数 [nta.go.jp]).

      東芝ののれん代(これも無形固定資産)問題と同じで,いつ利益を生むか否か,将来の耐用年数は経営者と監査が合理的に判断します(税務署との間で齟齬が生じて修正申告を迫られる場合もあり).もし,「問題提起」のように,開発費すべてが資産として計上できるのなら,粉飾決算の温床になりかねない.

      耐用年数の見積もりは,将来の利益(経費削減)に与しないと判明した時点で損金が発生します.
      研究開発費及びソフトウェアの会計 処理に関する実務指針 [jicpa.or.jp]」に,利用2年目に耐用年数が残り2年目と判明した場合の対応事例が掲載されています.

      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2017年08月25日 19時36分 (#3267691)

      普通金を払って作ったものはだいたい資産ですよ。ソフトウェアの場合価格を恣意的に設定できるというか評価額をどうするのかという問題はあるが。自社用ソフトウェアなんて大抵市場価値ゼロですし。
      日本のソフトウェア産業の問題点はパッケージソフト市場が弱いから生産性が低いってことなんじゃ。

      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2017年08月25日 21時11分 (#3267745)

    2009年頃の税収が減っていた時期に、監査で
    「Excelのマクロもソフトだ。当然、自動記録したものも、だ。」
    「おたくはソフトウェア産業じゃないんだから、ソース1行あたりの工数は大きい。1時間に10行ぐらいが妥当だ。」
    というご指摘を受けてしまいました。
    自動記録したやつって簡単に数十行以上となるため、うっかり複数記録すると固定資産相当になりやがります。
    そのため、全社に対しExcel自動記録の原則禁止令がでてしまいました。
    「ソフトウェア産業じゃないから関係ないや」と思ってると、思わぬ罠が待っておりますので気をつけてください。

    • by Anonymous Coward

      > 2009年頃の税収が減っていた時期に、監査で
      監査役とか、会計士(税理士)がそういう指摘をしたの?
      それとも、監査ではなくて税務調査?(これは税務署が行う)

    • by Anonymous Coward

      せんせーい
      自社サイトにjsで
      四半期ごとに季節のウェルカムメッセージ出したいんだけど
      一行で書けばセーフですか?

      # ソフトウェア業の基準っていったい。。。

  • by Anonymous Coward on 2017年08月25日 18時23分 (#3267639)

    ×不利益を得る
    ○不利益を被る

    ゆ、と、り、

    • by Anonymous Coward on 2017年08月25日 23時40分 (#3267808)

      不利益を蒙る(フリエキ ヲ コウブル)だよ

      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2017年08月26日 0時02分 (#3267825)

        函数とか共軛複素数とかで編集合戦してそう

        親コメント
      • by Anonymous Coward

        手元の漢字海では、「被る」で「こうむる」の読み仮名がふられているし、(災害を)受けるという意味で使うことができるとなってますねえ。

        で、「蒙る」にしないといけないのですね。

  • by Anonymous Coward on 2017年08月26日 2時02分 (#3267858)

    「ソフトウェアの固定資産計上」の影響を針小棒大にとりあげる雑な主張だねコレ、で片付く案件では。

  • by Anonymous Coward on 2017年08月25日 18時08分 (#3267629)

    ヒゲのおじさんの考え方のようにソフトはフリーにしてサポートで儲ければソフトそのものの資産価値が0になる・・・のか?

    • by Anonymous Coward

      そのおじさんと同世代の日本人のおじさんは、サービスに金払うのを確実に拒絶するから。

      ♯おじさんに限らず同世代以下も変わらんか。。

  • by Anonymous Coward on 2017年08月25日 18時24分 (#3267640)

    得てどうするんだ?

  • by Anonymous Coward on 2017年08月25日 18時28分 (#3267642)

    損失扱いになるんだろうか

    • by Anonymous Coward

      会計的には、資産を減少させるためには何等かの費用の発生が必要です。
      持ってた株が値下がりしたのと同じだから。株の場合には有価証券評価損とか損失がでたことにします。

      でも、ソフトウェアの資産化ってリース契約するのに必要だからやったんじゃなかったのか。
      会計的な意味で費用にしたら開発費でないけど。

    • by Anonymous Coward

      おまえらの書いたコードなんて負の資産に決まってる

      • by Anonymous Coward on 2017年08月25日 20時06分 (#3267718)

        やったね、たえちゃん!資産が増えるよ!!

        〇〇ソフトウェア株式会社 仕訳帳
        3/31
        スパゲティコード開発費 ¥100,000,000 人件費 ¥100,000,000
        無形固定資産 ¥100,000,000 スパゲティコード開発費 ¥100,000,000

        親コメント
        • by Anonymous Coward

          よく分からないんだけど、例えば1千万円かけて作ったソフトが売れなかったら1千万円は丸々赤字になるわけじゃないの?

          • by Anonymous Coward
            いつかは売れるものとして、諦めるまで損害は発生しません。
            過剰在庫も市場価値があると判断されるうちは資産(もしくは将来の売上)として扱われるのと一緒。
        • by Anonymous Coward

          株券印刷業系のベンチャーですわな
          上場ゴールで市場から資金を吸い上げます

      • by Anonymous Coward

        実際冗談抜きで将来の費用を引当金計上しないと、粉飾に近い状態が作られるので
        状況次第では負の資産として計上するのは正しいと思う。
        特に、み○ほとかIT界のサグラダファミリァな所。

    • by Anonymous Coward

      損失扱いになるんだろうか

      対象は開発だけに限ったことなのかな

      MS OfficeからLibre Officeにしたら
      資産なくなっちゃうん?

      はたまたプロプラだけど
      譲渡も売却も貸し出しも不可なソフトのライセンスは資産なの?

      って考えたらどうだろう

  • by Anonymous Coward on 2017年08月25日 18時54分 (#3267660)

    ソフトウェアを資産計上しなくなれば、また銀行からお金を借りれなくなりそう・・・。

    • by Anonymous Coward

      固定資産しか担保にできない(させない)融資者たる銀行がクズだという話では?

      • by Anonymous Coward

        市場価値(汎用性)がゼロの資産をどう扱うかってのは難しいと思う。

        # 俺の書いたプログラムには1兆円くらいの価値があるはず

      • by Anonymous Coward

        銀行はそんなもんですよ。だから高度テクニカル分野の融資は、VCや商社が一般的

      • by Anonymous Coward

        銀行は各種の法律で手足を縛られているのでリスクを取るのが難しい。
        それに危ないことしなくても儲かるし。

  • by Anonymous Coward on 2017年08月25日 21時07分 (#3267743)

    わーい、おごちゃんだー、なっつかしいなー

    • by Anonymous Coward

      生越さんだっけ?
      越生さんだっけ?

  • by Anonymous Coward on 2017年08月27日 14時13分 (#3268472)

    不利益って「こうむる」もんじゃないの?

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にわかな奴ほど語りたがる -- あるハッカー

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