「偽学術誌」への論文投稿、国内著名大学からも多数 74
ストーリー by hylom
本数をノルマにするから 部門より
本数をノルマにするから 部門より
あるAnonymous Coward曰く、
厳密な査読無しに論文を掲載する論文誌の存在は数年前から問題とされているが、国内からもこういった論文誌に多くの投稿があるという(毎日新聞)。
お金さえ払えば大した査読もされず掲載されるような例もあるのでしょうか。オープンアクセスジャーナルに詳しい諸氏の意見や実体験があればぜひお聞きしたいです。
毎日新聞と和歌山大学の和田俊和教授が調査を行ったところ、筆頭著者が国内の大学・研究機関に所属する論文は3972本存在し、九州大学から147本、東大132本、阪大107本、新潟大102本など、国内の大学から少なくない数の論文が投稿されていることが分かった。特定の研究者がこういった論文誌に繰り返し投稿していたケースもあったそうだ。
arXivみたいなもんでしょ (スコア:1)
そういうのもあっていいし、学者も出せばいいと思うが。
住み分けりゃいいだけだろ。
査読なしでの発表は問題ってんなら画期的内容や既存の査読者が軽視している分野はいつまでも世に出ないでしょ(査読付きで通る事もあるだろうが)。
問題はこういう論文誌がある事ではなくて、それを査読付きの所と区別せずに評価する事であって、そっちに手を付けたくないからって論文誌を潰そうとかいう発想は謎。偽でもないし。
Re:arXivみたいなもんでしょ (スコア:1)
全然違う。arXiv はちゃんとした研究者が見に行く。後日ちゃんとした雑誌に受理されたらその情報も載る。
Re: (スコア:0)
IT系の論文なんかはarXivだらけですしね。まぁ検証しやすい分野だから、ということもあるのでしょうけど。
Re: (スコア:0)
近年は機械学習系が乱造されてるけど検証されてるんでしょうかね。
Re: (スコア:0)
どっちかというとWELQみたいなもんなんじゃないかな
特定の研究者が繰り返し投稿 (スコア:1)
これしか無いんだろうなー
the.ACount
英語で書いてある分 (スコア:0)
大学の紀要よりマシではないでしょうか
和文誌だって、国内の不勉強な査読者にあたったら地獄ですし
Re: (スコア:0)
今見えてる問題と、将来的に起こりうる問題を混同したらダメでしょ。
端的に言うと、小保方さんみたいなのがずっと学内に残り続けて、やがては教授になって沢山の弟子を育てることになるわけだよ。科学と魔術の見分けがつかない時代では、ソーカル事件で槍玉に挙げられたような似非学問が、実は学問の世界の大半を占めているということにもなりかねない。査読がついててすら現在進行形で一部に存在してしまっているのに、学術誌の大規模汚染があれば、こういうバカの拡大再生産であっという間に勢力が塗り替わるだろう。
Re:英語で書いてある分 (スコア:5, 興味深い)
いや、研究者は読む雑誌がどの程度のレベルかちゃんと見ています。
ハゲタカジャーナルのようにインパクトファクターがついていない雑誌にいくら掲載されても、まともな組織なら業績とは認めないですよ。中国のことは知らないけど。
ハゲタカ雑誌に論文無数に載せて教授になるような、そんな大学があるとすれば、現時点でその大学は終わってます。
国の研究機関は 論文数×インパクトファクター で業績を数値化したりしてますから、インパクトファクター0の論文はないのと同じです。
#全部の国の研究機関(独法)じゃないですよ。念のため
「学会」であることに価値は無い (スコア:0)
「学会」とか「論文誌」は自由に名乗れるのです。
http://www.umin.ac.jp/ac/about... [umin.ac.jp]
「と学会」とかあるよね。
3474823でも書かれていますが
研究者は論文の内容まで読みます。
そうする時間が無いときでも
どの論文誌に載ったかは見ています。
「あの論文誌はダメだ」というブラックリストを作りたいようですが
論文誌の発行が自由である以上
ホワイトリスト方式にしないとうまくいかないでしょう。
研究者であれば自分の専門分
Re: (スコア:0)
文系の学問は比喩が本質ですが、ソーカル本が指摘した誤りはあまり本質的ではなく差し替えができるものだというのが共通認識なんでしたっけ?
たしかに間違いだが非専門家にはどれが重要な比喩でどれが重要でないかはなかなかわかるものではないし、あんまり鬼の首を取ったように言われても、ということらしい
あとソーカルのインチキ論文を通したジャーナルはこのストーリーのようなインチキジャーナルらしいですぞ
Re: (スコア:0)
非専門家は解釈することすら許されないのが似非学問だからね。比喩的に言うなら、イニシエーションを受けて位階を進めないと魔術の秘奥には到達できない。こういうのにも科研費なんかから税金をドバドバ出してる現実がある。
文系の本質は比喩じゃないよ。歴史学なら比較することはあるかもしれないけど、そんな曖昧なもんじゃない。神の手だなんだって不祥事はあるけど、正常な学問なら、ソーカル事件みたいなのは分野を問わず起こりようがない。
Re: (スコア:0)
> 非専門家は解釈することすら許されないのが似非学問だからね。比喩的に言うなら、イニシエーションを受けて位階を進めないと魔術の秘奥には到達できない。
ものすごく当たり前のことですが、数学や物理学と同じく文系の学問も修練が必要なだけですよ
なぜか理系の人は文系学問は誰でも10分で理解できると思い込んでいる
> こういうのにも科研費なんかから税金をドバドバ出してる現実がある。
専門的かつ有用だと思われているからですね
> 歴史学なら比較することはあるかもしれないけど、そんな曖昧なもんじゃない。
それがあなたの考える比喩なんですか
どうしてあなたは文系の学者が一生を捧げるものを、10分で理解できたと思ったのですか?
Re: (スコア:0)
#3474848 の意図を無視して枝葉に噛み付いた結果、
外野から見ると文系 = 似非学問 って言ってるみたいに
メタ的に文系学問の本質を教えてくれてるんでしょうけど
Re: (スコア:0)
紀要を論文にカウントする研究者なんかおるの?
Re: (スコア:0)
現実は想像以上に酷いもんですよ。
「あいつ恥ずかしげも無く紀要を発表論文に挙げてら」よりも深刻
Re: (スコア:0)
分野によるんじゃない?
歴史や思想系はページ制限が緩い大学紀要こそ良い論文があふれているけど.
大学改革(改悪)の成果 (スコア:0)
研究者の評価の基準がおかしいのを放置して、こういったことで騒いでもしょうがない
評価基準がおかしいから、こういったのを使うしかない
Re:大学改革(改悪)の成果 (スコア:1)
大学改革というか元から研究者は論文書いてナンボな世界です
一部の学者の中では論文は中身より書くことに価値があるのです
なので中身がないのを自身でわかってるから緩い査読無しのとこにしか投稿できないんですよ
でも別に学者に限った話じゃないですけどね
例えばノルマ達成のために自前で商品買ってみたりなんてのも同じようなことだと思います
Re: (スコア:0)
良い成果を出しても講座の教授がご存命のうちは昇格はあり得ませんしね
上に政策あれば下に対策あり (スコア:0)
研究者の評価の基準がおかしいのを放置して、こういったことで騒いでもしょうがない
評価基準がおかしいから、こういったのを使うしかない
論文掲載本数だけを評価基準にしたらそりゃこうなるよ
Re:大学改革(改悪)の成果 (スコア:1)
>例えば?
本来は研究者毎の被引用件数、すなわち他者へ影響を及ぼし、人類の知的財産の蓄積に貢献したことで評価すべきでしょう。
例えば中学校の教科書に載るくらいの発見であれば、最大級の評価をして良いでしょうね。
よく言われるインパクトファクター(IF)てのは、そういった考えを元に被引用件数で決まる値です。
ただしIFは、雑誌毎の平均的な値で、一本の論文そのものの評価はでき無い値です。
オボちゃんの事例の様に、中身がカスな論文でも、たまたま高IF雑誌に載ったら高い評価を得るてのはおかしいですし、
生涯に相対論レベルの論文を一本しか書いてない学者はクズなのでしょうか?
したがってIFは投稿先を選ぶ指標とかにつかうべきで、個人の評価には適さないのですが、
評価する側がバカでも分かる論文本数とか流行りのIFなんかで評価しようとするからおかしくなる。
ただ、被引用数はキャリアが長いほど有利なので、それはそれで問題があるのですがね。
代わりにh-index などが開発されてますが、あまり定着していませんね。
学者は論文書いてナンボと他でも書かれてますが、本来は読まれて引用されてナンボなんですよね。
学者自身も、IFなどに踊らされていて、冷静な判断できて無いと思います。
銭次第 (スコア:0)
アカデミック界のモンドセレクション
Re: (スコア:0)
工業製品としての学者の品質が判定基準値を満たしていればモンドセレクション金賞を受賞するでしょう。
学者の能力やお菓子の味を評価する賞ではないことをお忘れなく。
#大学とは学者工場であるからモンドセレクションを応募する資格があり、わが校の品質なら金賞は確実。。。。って大学があったら嫌だな。
Re: (スコア:0)
グッドデザ…おっとそれ以上はいけない。
学者の一分 (スコア:0)
こういう論文誌がダメだと思っているかどうかが学者の一分
ただ、日本人お得意のちょっと無理目の目標にチャレンジするのがよいという
社会環境を維持したままだと、こういう水増し論文もタイミングによっては使わざる
を得ないこともある
スーパースター以外は全員クソと言っているのは勝手だが、どんな社会にも
1軍と2軍を行ったり来たりするレベルの研究者はいる
たまに1軍に上がれる程度の研究者なら、ある程度こんな論文誌でも認めないと
すそ野が枯れる
すそ野が枯れればスーパースターも輝けないのは周知のとおり
Re: (スコア:0)
奨学金の免除などで査読付き論文がたくさんあると有利でして、
時間がかかる良い論文よりも時間がかからない良くない雑誌に投稿する場合もあるそうです。
Re:学者の一分 (スコア:2)
月に1通は、投稿締め切り一週間後、開催2週間後の査読付き国際会議へのCFPメールが来ます。
金さえ払えば、無条件で採択なんだろうと思いつつ迷惑メールフォルダ行き。
CFP (Call For Paper: 論文投稿依頼)
Re:学者の一分 (スコア:3)
共著者として名前が乗ってるだけの私にもCFPがガンガンきます。月に一度どころが週5本くらい。
迷惑メールではなくTrash行き。
Re: (スコア:0)
おれは日に3通くらい
本文のはじめが名前になっているものや、不特定多数になっているもの
スパムCFPを送るにあたってメアドを手に入れた論文名が書いてあるものなど意外と多彩
Re: (スコア:0)
なんか単に日本の知的レベルが低いから論文を数で評価せざるを得ず
したがってこんな状況になったとしか見えない
分相応ってことか
掲載論文数増えるしいいじゃん (スコア:0)
どっかにのればクビにされないんでしょ
Re: (スコア:0)
金稼ぎがメインの運営だと内容の精査よりもマスゴミ受けするかどうかが大事だからな
ぜんぶ、財務省のせいだ (スコア:0)
財務省(及び内閣府)が研究予算を削りたい
→文科省が予算削るためにおかしな評価基準にする
→研究が少なくなる
→(中略)
→国が衰退する
ってことですか?
Re:ぜんぶ、財務省のせいだ (スコア:1)
→国が衰退した
そんな感じに見えた
Re: (スコア:0)
→文科省が予算削るためにおかしな評価基準にする
→研究が少なくなる
この因果関係は成り立たないですよ。
文科省の評価基準は明快に接待の金額で決まってるわけですから。
Re: (スコア:0)
成り立つんじゃね?
> →文科省が予算削るためにおかしな評価基準にする
→ 研究者が接待に時間を取られる
> →研究が少なくなる
リストがあったんですけど (スコア:0)
これってブラックリスト?ホワイトリスト?ホワイトを列挙し出したらきりがないと思うんだけど教えてエロイ人
https://mp.uu.se/web/nyheter/-/oseriosa-arrangorer-av-vetenskapliga-ko... [mp.uu.se]
Re: (スコア:0)
ブラックリストとして有名なのは、Beall's List of Predatory Journals and Publishers ですね。
https://beallslist.weebly.com/ [weebly.com]
ここに掲載されている出版社の発行する学術誌はあやしい。
正しいものを選べ (スコア:0)
設問) 査読とは、
(1) お友達の投稿は無条件に採択する
(2) 誤字・脱字があれば書き直しを要求する
(3) 査読者の主張に対立する内容は却下する
(4) 興味深いネタがあればパクる
(5) 出典が怪しくても面倒なので調べない
Re: (スコア:0)
(6)競争相手の論文は期限いっぱいまで引き伸ばした後、リジェクト
も追加で
Re:正しいものを選べ (スコア:1)
(6)’ リジェクトする前に、競争相手の論文の弱点に対応した論文を投稿
も追加
Re:正しいものを選べ (スコア:1)
(7) さりげなく自分の論文を引用するようにコメントをつける。
なんてのもあるなあ。投稿先の論文誌から**件以上引用することが望ましい、なんてコメント貰ったこともあるし。
何が問題なのかわからん (スコア:0)
論文の内容できちんと評価できるのであれば何も問題ないはず。
まさか、論文の数だけで業績評価してないよね。そんな業績評価システムで、任期制の若手研究者クビにしてないよね?
Re: (スコア:0)
「学術誌に掲載された」
という宣伝文句で非論理的な偽科学を広めようとする輩が昔からいるわけですが
「何が問題なのかわからん」のはあんたの視野が狭いだけ
Re:何が問題なのかわからん (スコア:2)
学会自体をお墨付きにしないとダメだとか言うのは学問の自由に真っ向から反対しますのでねぇ
ただなんだろう、何かお墨付きがあってもいいかもしれないな HTTPSみたいな
認定学会、とか…かなぁ
結局それも微妙なのか
Re: (スコア:0)
論文の数で評価するならまだマシ。
文科省のプロジェクトが終了したので予算がなくなり、切られる研究者が続出中。
Beall’s list (スコア:0)
https://beallslist.weebly.com/... [weebly.com]
欧米ではだいぶ以前から怪しい出版社とジャーナルがリストアップされてます。
みなさんも気をつけましょう!
Re: (スコア:0)
https://m.srad.jp/comment/3474... [m.srad.jp]
既にアップされでましたね。
失礼しました。
偽論文誌がまかり通る理由 (スコア:0)
中にいたことがある人間として、偽論文がまかり通る理由は、いくらでもあります。
一番大きい点として、論文の中身を業績として評価するのが難しいからです。
・同一大学内に、分野が完全に重複している研究者は少ないので、名前を聞いただけでは、重要な論文誌か偽論文誌かは分からない。
・論文誌のInpact factorは、一つの指標としてしか機能しないので業績には使いづらい。しかも、偽論文誌の中には、偽論文誌内での引用を奨励してInpact factorの数値を大きくしようとしているところもある。
・論文の引用数は、長期的な評価には有効だが、直近数年の評価では使いづらい。しかも、偽論文を出すような輩は、セルフ引用する傾向があるので、むしろ引用数が多い部類に入ったりもする。
・世界に比べて少ないと言われている論文採択数とはいえ、1大学あたりで、地方国立大でも年間5千本、旧帝大だと数万本以上の論文が採択されていて、精査できる人材もお金もない。
・偽論文誌かどうかを比較的正しく判別できるのは、近い分野の教授になるが、そんな人間に評価させるのは、本業の研究が滞るので、マイナス効果の方が大きい。
上記のような理由があり、論文の中身を業績として評価するのが難しいため、表面的に数でしか評価されない事態が発生している。
ただし、採用に関係する場合は、話が別で、その分野の専門家がチェックするので、偽論文誌は評価されない。そういった人間は、長期的には排除されていくと思われる。