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Digital

電子処方箋を導入している医療機関・薬局はわずか2% 49

ストーリー by nagazou
思った以上に少ない 部門より
2023年1月から運用が開始された電子処方箋だが、時事通信の記事によると、想定よりも導入が進んでおらず、導入している医療機関・薬局は、わずか2%にすぎないいう。厚生労働省によると2日時点で全国に約23万ある医療機関・薬局のうち、導入済みは2%の4690施設。内訳は9割が薬局(4229施設)で、医療機関側は461施設(医科診療所423、歯科診療所24、病院14)だけとなっている。このため、政府の設定している2024年度末にほぼ全施設をカバーするという目標の達成は厳しい状況にあるという(時事ドットコム)。

導入が進まない要因の一つとして、電子処方箋を発行する際に必要となる医療従事者の資格証明書「HPKIカード」の発行に時間がかかっていることが挙げられる。HPKIカードは医師や薬剤師などの資格を証明するもので、現在は受け取りまで通常より1~2か月ほど時間を要しているそうだ。また、導入を見送っている病院からは、補助金も受けられるが、経費負担が大きいとの指摘も出ている。導入した全国展開する大手調剤薬局からは、入力時間の短縮やミスが少なくなったと歓迎する声もあるが、それでも電子処方箋を受け付けたのは10店舗に満たない状況だという。
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  • 電子処方箋は、単純に処方箋を電子化しました、というだけではなく、
    ・(院外)処方箋情報の全て(電子・紙の処方箋全て)を支払基金・国保連が管理する、電子処方箋管理サービスに登録する。
    ・それにより、全ての医療機関で(全てが導入されればですが)今から処方する患者の、他病院の処方情報が確認できる(マイナカードによる患者の許可が必須)
    ・紙処方箋を含め、処方情報が薬局側でも電子的に取り込め、入力の手間なく取り込める。
     QRコードでもほぼ出来てはいますが、薬剤がコードと共に取り込める(テキストだけでなく)ため、保険・薬剤の請求情報とも確実にマッチさせることが出来、薬局側の事務作業の正確性と時間削減ができる。
    ・これから処方する薬剤が、他院で出されている薬剤との重複(過剰投与)、禁忌(飲み合わせが良くない、危険等)の自動チェックがかかる。

    とくに最後のものは、医療安全の面で患者と病院にもメリットが有る。
    が、厚労省の動きが通常に比べてもやや高圧的と感じる人が多いようで、医療機関側がメリットを認識できないこと。なによりも、電子カルテ側の対応が遅れていたり(ちらと横を見る)、院内準備が間に合わなかったり(最大2万件超えの薬剤と、数百はある「用法」(毎食後1日3回、など)の標準コード紐づけの作業もあるため、導入には時間がかかっている事例が多い。

    この秋から、若干の昨日アップがあるため、そこをターゲットに動いているところも多いと思います。

    厚労省はこのサービスにより、重複薬剤の削減や大量投与の防止、これによる医療費削減の数値目標を財務省に提示して大幅な予算を取っているため、表には出ませんが、財務省から相当のプレッシャーを受けているように見えます。
    そのあせりが、医療機関側から見ると高圧的にも見える態度になっているかと。

    ちなみに、電子処方箋の案内サイトがこちらですが、情報がごちゃごちゃしていて、決して理解しやすいとは思えません。仕様や設計・テストに必要なな情報も分散していて、また複数の場所の書類を全部見ないと、穴埋めが出来ない、といった状況にもあります。
    (もちろん厚労省側もIT専門家を常駐させて対応には当たっているのですが・・・)
    https://www.mhlw.go.jp/stf/denshishohousen.html

    電子処方箋ポータルも作られているが、こちらはシンプルすぎて、どこにどんな情報があるかさっぱりわからない。(真正以外では使いにくい)
    https://iryohokenjyoho.service-now.com/csm?id=sc_category&sys_id=b24c3e06db7b415094889082f39619c4
    • by Anonymous Coward

      他薬局との重複投与や薬剤禁忌については結局データがきちんと揃わないので
      お薬手帳の方が信頼性が高いのが現実なんすよ。

      あと電子処方箋で薬局側が本当に欲しいのは病名、それもレセプト病名ではなく診断病名と疑いの有無なんですが
      こっちは全然改善されませんね。まあ、患者からしても最もセンシティブな情報なので難しいのですが。
      結局薬剤が変わったり初めての患者さんの場合には窓口で会話しながらヒアリングの必要性は全く変わらないので
      金がかかるだけで終わってます。

      • お薬手帳については、薬剤師さんが全部張ってくれるところは良いのですが、私のお薬手帳は、自分の覚えのためなので、変薬タイミングくらいしか登録しておらず、参考程度にしかなりません。うちの奥さんのも似たりよったり。

        病名については、指摘の通り、診断病名がほしいところですが、告知の問題や、薬剤や検査のための「レセプト病名」が保険診療録には存在します。現在すでに医療機関が請求した、薬剤、検査、処置、指導などの内容は、医療機関と本人に向け開示されていますが、病名は議論百出。厚労省は昨年春から開示の予定で進んでいたのですが、論点がまとまらず目処が立たない状態ですね。

        以下は完全に個人の感想です。現場の方は聞き取るから良い、とよく言われるのですが、患者の立場として、実際には聞き取りで全ては解決しません。
        「処方歴見てもらえれば、「あれ?」と思う薬剤が、1年前にあるのになぁ」、と思いながら先日もインテークが終わりました。処方歴があれば大丈夫とは全く思いませんが、専門家の目でちらっと見ておけば、発見やヒヤリハットの回避のきっかけになる、程度の役には経つのではないかと思っています。
        自分もやってみていますが、仕事上カルテを読み慣れている人なら、10~20秒ほど歴に目を通せば、気づきの有無は確認できる、目を通すだけ通しておく、で良いものではと。
        親コメント
        • by Anonymous Coward

          レセプト病名って結局は〇〇の処方や検査のためにはこの病名が必要という逆転した理由で付けられる事が多々あるので
          あまりうのみに出来ない。レセプト病名に胃炎と書いてあるからと言ってそれを書いた医師が患者が胃炎だと
          診断したことはむしろ稀みたいな。ついでに言えばレセプト病名が付くのは大概が翌月なのでそもそも間に合わないのですが。
          だからこそ投薬指示を見てピンっときたら処方箋を書いた医師に疑義照会で解決のルーチンが減ることは多分無い。

    • by Anonymous Coward

      こういう導入メリットを声高に主張するだけで、コストやオペレーションを一切考えずに始めたんだから普及しないのも当然。

  • by Anonymous Coward on 2023年07月20日 19時08分 (#4498156)

    ・まだ義務化とは言ってないのでみんな本気になってない。
    ・院内処方しかしてない医院には無用の長物。
    ・重複処方などを防げるとか言ってるが、実は院内処方にはまだ未対応なのでどこまで有用か微妙。
    ・対応しているレセコンが少ない(開発のハードルが高い(オンライン資格確認では無償だった通信モジュールを自作するか有償のを購入が必要、等々)等々)
    ・etc…

    なお、HPKIカードの代わりにマイナンバーカードを使えるようにしよう、とか考えてるらしい。

    • by Anonymous Coward on 2023年07月21日 10時46分 (#4498481)
      HPKIカードではなく、マイナカードによる医師の電子署名は、この秋から実施予定で、すでに規格は配布されました。
      仕組み自体は、すでに使用されている、HPKIの電子署名をカードを使わずログインする、「リモート署名(セカンド証明書)」の機能を使用するため、導入までの期間は大幅に短縮されました。
      親コメント
  • 全部機械にやらせる(≒ブラックボックス化)じゃなくて、
    人が読めて、機械にも優しい形式にしないと普及しないってことだね。

  • by Anonymous Coward on 2023年07月20日 20時16分 (#4498189)

    いい加減DECのロゴを使うのはやめてクレメンス

    • by Anonymous Coward

      今はなきDECのロゴ見れるのはココぐらいなんだから、許してくれ。
      DECのロゴついたワークステーション欲しかった…。

    • by Anonymous Coward

      対抗?してソフトウェアの話をするときはソフトバンクのロゴを使おう。

      • by Anonymous Coward

        さすがに現存する会社のロゴはちょっと…と言いたいところだがトピックアイコンの中には普通にあるな。AMD、Facebook、IBM、Intel、Oracle、マイクロソフト、レッドハット…。Twitterに至っては使用が禁止された旧アイコンをいつまでも使っているし

    • by Anonymous Coward

      新卒の時、同期で教授推薦でDECに入ったやつがいたが、数年でHPに買収されて腐っていたのがいたな。今どうしてるんだろう。

      • by Anonymous Coward

        それより、その前にCompaqに買収されたときのほうがショッキングだったんじゃなかろうか。
        ワークステーションの名門が、はるか格下と見下していたいたはずのコンパチPCメーカーに飲まれてしまったんだから。

        • by Anonymous Coward

          完全な部外者だけど、あれは確かにショックだった。日本の事例で言うと、有楽町そごうがビックカメラに変わったくらいの。

        • by Anonymous Coward

          当時中の人でしたがショックでしたね。悲しかった。
          HPに買収されたときはびっくりした。
          技術的に優れていた(と思う) 製品が消えていったのも残念。

  • by Anonymous Coward on 2023年07月21日 1時39分 (#4498305)

    HPKIカードなんて謎なのじゃなくて、マイナンバーカードに追加アプリと証明書で十分。
    だって、運転免許も入れるんでしょ…。

    処方箋だって、マイナポータルに薬局から突っ込めるんだから、病院からでも突っ込めばいいじゃん。

    と思ったりして

    • by Anonymous Coward on 2023年07月21日 10時41分 (#4498477)
      処方情報自体をマイナポータルに置くことは出来ません。
      他のものと同じで、あくまで「ポータル」
      で、すでに、自分の処方情報や過去の請求情報を見る仕組みは、すでにマイナポータルにできています。
      情報集約は、(それなりに)進んでいます。
      親コメント
    • by Anonymous Coward

      行政関連とその問い合わせは全部マイナカード/マイナポータルに集約してもいいんじゃないか?

  • by Anonymous Coward on 2023年07月20日 18時36分 (#4498132)

    かかりつけ医院(個人医院)の処方箋にはQRコードが入ってた。
    サイズから考えると患者情報と処方薬情報がそのまま入ってそう。
    薬局側はそれを読み取れば自動入力できるみたい。
    例: https://v7.chouzai-sys.com/feature/5403 [chouzai-sys.com]

    というわけで、一旦紙に印刷経由でもデジタル情報で転送できてるっぽいので、電子処方箋の現場での必要性が薄いんじゃないのかなー。
    患者としても、処方内容を印刷された文字で確認できるから、こっちの方が良いんだよな。どうせ9割9分は読まないにせよ。

    ※例に挙げたの見るとなんか無理矢理感あるな。電子カルテ系のシステムはカオスというから仕方ないんかね。
    ※QRコードの内容は標準化されてるんだろうか…。

    • by Anonymous Coward on 2023年07月20日 19時11分 (#4498159)

      処方箋のQRコードは規格化されています。そうじゃないと院外薬局で読み込めませんから。

      あと、薬局が患者に渡す紙に印字されているQRコードも規格化されていますが、こちらは上記とはまた別の規格です。
      こっちはスマホで撮影してアプリのお薬手帳に取り込める奴ですね。

      親コメント
      • 今通ってる処方箋薬局はマイナカード受付はするけど
        電子処方箋やお薬手帳っぽいのには対応できない、当分は予定されているシステムが使えそうにないとのことでした
        98%の一つでしょうね

        10年以上前
        医者の受付で利用する処方箋薬局を指定してFAXで処方箋送信してもらってた
        薬局に着いたら処方箋を見せて照合?できたら説明聞いてお会計

        親コメント
        • by Anonymous Coward

          FAX処方箋は今も生きてます。
          大体が病院の近くの薬局、いわゆる門前薬局へ会計が終わった時点でFAXしておくと
          薬局の方では受信したFAXを受けて疑義がなければ調剤開始。
          患者は移動しての待ち時間が少なくなるというものですが、正直近い場所の薬局だとあまりメリットがありません。

          しばらく前にこのFAXを処方箋に加えて、スマホのカメラで撮影した画像を添付して電子メールで送るのも有効と
          厚労省より通達がありましたが、これをまともに使ってる薬局を私は知りません。

          • スマホのカメラで撮影ってのもねぇ
            処方箋の共通かスタンダードなデジタルフォーマットって無いのかな
            印刷してるならPDF化もできるでしょうし

            親コメント
          • 門前薬局じゃなくてかかりつけ薬局を使っている場合は、FAX便利ですね。
            複数医院を横断しての投薬管理をするなら、そちらの方がいい

            特定の医院に特化していない薬局の場合、薬の在庫がない場合がありますが、
            慢性疾患で長期的に同じ薬を服用している場合は問題にならないですね。
            翌日には入荷しますので(最近は入荷が不安定のようですが)

            急性疾患の場合は、確実に在庫がある、
            仮に在庫切れの場合も医院側にも連絡が言って処方の時点て配慮がされる
            門前薬局の方を使いますが

            親コメント
          • by Anonymous Coward

            マツキヨがアプリから撮影で処方箋を出せたような

          • by Anonymous Coward

            kakariというお薬手帳アプリが処方箋画像送信機能に対応しているので、対応薬局なら使えるはず。
            調剤ステータスも分かるので、送信して薬が出た頃に薬局に行く、みたいなコトも可能なはず。

            • by Anonymous Coward

              その機能はどのお薬手帳アプリでも搭載してますが、乱立して薬局ごとにバラバラなので門前薬局ごとに別のアプリを入れないとなりません。
              あと、kakariは薬局による囲い込みを推奨するための設計が競合の中でも一番前面に出しているアプリなので、処方箋送信以外のお薬手帳機能の利用はお勧めしません。

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