
akiraaniの日記: プレイ動画問題について 6
表のストーリーにすっかり出遅れてしまったので日記に。
プレイ動画問題、特にニコニコ動画でのプレイ動画の是非について考えるときに、避けて通れない事例がニコマスの存在だろう。
わからない人のために簡単に説明しておくと、ニコマスとはバンダイナムコから発売されているTHE IDOLM@STER(通称アイマス)に関連したニコニコ動画への投稿動画のことで、ゲーム画面をクリッピングして別の画面に合わせたり、スクリーンショットを切り張りして二次創作に使われたりなど、ゲームプレイ動画、素材、音楽が多数利用されている。
ニコマスはニコニコ動画内では御三家と呼ばれるほど多数の動画が投稿され、また閲覧されていて、仮にニコマスをゲームプレイ動画に含めてしまうと、プレイ動画の大半がアイマスで埋まってしまうことになるくらいの人気ジャンルでもある。
ニコマスはそのほとんどすべてが著作権法的には今現在も限りなく黒に近いグレーであるし、規模があまりにも大きいので権利者であるバンダイナムコ、製作スタッフ、出演者も含め関係者その存在は知らないはずがない。
クリエイティブコモンズやフェアユースなど世界的に主流の考え方では、こういった二次利用作品をファン活動の一環として容認するのであれば素材利用のガイドラインを提示するなどするのが普通だろう。現に、ニコニコ動画内でアイマスと並んで人気のある東方シリーズでは、著者本人が二次利用のガイドラインについてかなり詳しく言及している。
では、バンダイナムコはニコマスに対してどう対応をしているのかというと「見なかったふり」を貫いている。同じニコニコ動画内で関連する公式チャンネルを持っていたり、ライブの様子をニコニコ生放送で中継していたりと、ニコニコ動画そのものとは積極的にかかわっているにもかかかわらず、ニコニコ動画以外も含め公の場ではニコマスには一切言及しない。
規模的に考えて、ラジオの出演者などの直接の権利者でない人々も含め、公式の場ではニコマスには触れないよう指示を出しているとしか考えられない。
以下は推測でしかないが、販促効果が巨大であるため本音としては容認なのだが、コミュニティが巨大すぎて公式に容認するには管理コストが大きすぎるため、あえて見なかったことにしているのではないだろうか。
ここまではOKでここからはNGですよ、といったガイドラインを作ってしまうと、それに違反する動画に対して何らかのアクションを起こさないといけなくなるし、膨大な数の二次利用作品についてチェックを迫られることにもなりかねない。また、万一ガイドラインに反しないが不利益をこうむるような動画が乱発された場合に対処する方法がなくなってしまうし、バンダイナムコの他のゲームのプレイ動画の扱いに影響する可能性もある。
ようするに、下手に口を出してもまったく利益にならず、個々の動画を見れば許可しがたいものが中には混じってはいるものの、総合的に見ると放置しておいても利益の方が多いという状況なのではないだろうか。もしこの推測が正しいとすれば、状況が変わって総合的に権利者の不利益になるようであれば、改めて一律不許可の方針で対処されることになる。
プレイ動画の是非について考える場合、厳密に法を適用すると黒にしかならないプレイ動画は「著作権利者のスタンス」が重要になってくる。しかし、ニコマスのように権利者のスタンスをあえて明確にしないことで対処されるケースもある。
このあたりを踏まえてあえて結論を出すとすれば「プレイ動画投稿者が空気を読む」ということになってしまうんじゃないだろうか。
同じプレイ動画でも明確に区分けされているようで (スコア:2)
リズムゲームパートは黙認ですが、
ストーリー部分は問答無用で削除対象になるようです。
一人以外は全員敗者
それでもあきらめるより熱くなれ
丸か加工品か (スコア:1)
プレイ動画をまるまる上げるのと、アイマス系(いわゆるニコマス)ように(ある意味MAD的に)大きく加工して上げるのとでは、相手方の態度も変わってくるのではないかと。
アイマス系も、いわゆるプレイ動画というものは(視聴側からも)厳しい目で見られがちな気がします。
まぁ、結局はそれぞれの基準は権利者の方針次第なんでしょうけど。
# 今回のように、特に大半のエロゲに代表されるADVやビジュアルノベルの類は、
# 要素の多くをシナリオに依存しているので、プレイ動画というものには厳しくなるのかも。
Re:丸か加工品か (スコア:1)
まあ、「動画投稿者が空気を読む」ってのはそういうことですな。
バンナムのニコマスへの対処が特殊だと思うのは「単なる黙認」ではなく「権利者の方針が意図的に隠蔽されている」という点です。
単に黙認しているだけなら、客層のほとんどがニコマスファンであるニコ動で積極的にプロモーション的な展開をするはずがないわけですが、実際にはニコ動を宣伝の場として積極的に活用しているわけです。
にもかかわらず、ニコマスへの言及を不自然なまでに避けているわけで、あの場あのコミュニティだけで通用する非常に特殊な運用例だと思います。ただ、特殊であると同時他に類を見ない大規模コミュニティでもあるあたりがややこしいです。
しもべは投稿を求める →スッポン放送局がくいつく →バンブラの新作が発売される
平沢進「そこから先は黙認ですよ。……あっ。」 (スコア:1)
アイドルマスターL4Uのブルーバックコマンドの存在は、製作者の少なくとも一部からのメッセージなんでしょうね。自分達は消極的容認を超えて支援する意思があると。
まぁそれは公の発表になりえないし、心得違いをする者が居れば全部終わるのでしょうが。
時既に遅し (スコア:0)
見なかった振りを公認と受け取り、自浄も自重も無く
「プレイ動画投稿者が空気を読まなかった」結果がこの顛末なのでは?
喩えが適切かどうかはわからないが (スコア:0)
(著作権違反でコピされている)エロ動画と隣接していると考えると違和感がない
恥ずかしいものは、訴えるのも恥ずかしい