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325201 journal

margaletの日記: 新茶の季節 2

日記 by margalet
新茶の時期だというのに検出されたと言うことで、念のためご紹介。

The Effect of Green Tea and Related Substances on the Gastrointestinal Absorption of Strontium 90 Journal of Radiation Research 6(2), 55-63, 1965

要約(の和訳)

ストロンチウム90の腸からの吸収に緑茶と関連成分がおよぼす影響をWistar系ラットで検証した。 その結果、緑茶は腸からのストロンチウム90の吸収に阻害的に作用し、その効果の一部は緑茶がもたらす渋みの作用と腸管の蠕動運動の抑制によることが示された。

1965年に発表されたこの論文は、1954年にビキニ環礁で実施された水爆実験と、その際に被爆した第五福竜丸により、放射性降下物、特にストロンチウム90が日本国内で問題とされた時代に実施して発表された実験で、緑茶中のタンニンがストロンチウム90と結合することで筋肉への移行を阻害するということで緑茶の機能性を始めて具体的に示したことで知られる。

今ざっと見たところ、なにぶん古い論文なので統計的な有意差がどうもはっきりとしないのだが、吸収阻害作用は完全ではないものの、多少は効果があるように見える(ただしラットの実験)。

現在問題になっているセシウムも緑茶を飲むことで筋肉への吸収が抑えられるという話を聞くのだが、効果はあるだろうが、同じように具体的に調べた論文はあるのだろうか(さすがに人間で試すわけにはいかないだろうが)。

この議論は、margalet (42269)によって ログインユーザだけとして作成されたが、今となっては 新たにコメントを付けることはできません。
  • 福島の人が恩恵を受けることはないかもしれないけど、
    福島の人から得られた結果は他の原子力災害に遭った人に恩恵をもたらすかもしれません。
    いや、それぐらい人を無計画に放射線に晒して危険なことやってるという意味なんですが。

    • コメントありがとうございます。

      被爆された方の治療や対策は最優先で行われるべきで、そこに科学的実験の入り込む余地はありませんが、その過程で得られたものを慎重に検証していけば未来につながる何らかのデータが得られ、我々が賢明であればその結果をもとにより大きな惨事を回避することも出来るかもしれません。

      確かに福島を始めとする関係者のお役にすぐにたつかどうかは微妙なところかもしれませんが、放射線と健康については眉唾物(というかエセ科学の類)の情報が大手を振って歩いており、「放射能に利く」とかの意味不明なコピーで効能のない食品や民間療法が氾濫する結果、より被害を拡大したり、有効な医学的措置が遅れたり、それが回り回って科学的な検証の有効性を疑う風潮につながる可能性を危惧しています。

      ただ、

      いや、それぐらい人を無計画に放射線に晒して危険なことやってるという意味なんですが。

      現状が危険であることは仰る通りですが、少なくとも事故の起こる前は厳格な規制を設けて細心の注意を持って管理してきたわけで、「無計画に」というのはすこし違うのでは、と思います。
      もちろん、いわゆる「想定外」を「無計画」と言われるのであれば、確かにその要素はあるかもしれませんが。

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コンピュータは旧約聖書の神に似ている、規則は多く、慈悲は無い -- Joseph Campbell

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