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日記

yasuokaの日記: 春秋戦国時代の「獨」の「けもの」用例

日記 by yasuoka

「獨逸」の当て字に関する私(安岡孝一)の一連の日記(これとかこれとかこれ)の読者から、「スピリチュアルな本を生み出す人々 - interview with クリストフ・シュミッツ氏」(ブッククラブ回Newsletter, vol.104, 2016年12月)という記事を御教示いただいた。インタビューのせいか、かなり微妙な記事だが、一応ツッコミを入れておこう。

日本人は今なお獣偏の漢字をドイツ人とその国・言語に当てていますが、その意味がわかる数少ないドイツ人として痛ましいことです。人の命にも関わる日本の医学等の歴史はドイツの医学等なしには考えられないのですが、この字を平気で一般に使用できる心境が分かりません。将来を担う若者たちにこの重い負担をさせてはいけない。字面では戦国時代続きの臨戦状態に見えるので、その意味でもその廃止を願わなければならないのです。

春秋戦国時代の「獨」の用例と言えば、たとえば『孟子』梁恵王章句下の「老而無子曰獨、幼而無父曰孤」なんかが浮かぶ。でも、この「獨」は、前後を読む限り、人をさしていて、けものを意味しているわけではない。もう少し古い用例としては、『周易』の「䷗」(復)の「六四 中行獨復」なんかも思いつくが、この「獨」も、けものではない。ただ、上海博物館の戦国楚竹書では、『周易』のこの部分が欠けていて、「獨」の字形(というか字面)を確かめることができない。「字面では戦国時代続きの臨戦状態に見える」とのことだが、戦国時代の「獨」の字面って、具体的には、どの字面のことを言っているんだろう。その字面は本当に、けものを意味する用例なのだろうか?

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