yasuokaの日記： 10の-24乗は「涅槃寂静」なのか

「涅槃寂静」が10^-24を指す、というアヤシゲな噂を聞いて、元ネタを辿ってみた。どうも震源地の1つはWikipediaらしく、「涅槃寂静」の項目に10^-26ネタが書き込まれたのが2006年10月27日、「Template:日本の命数」に10^-24ネタが書き込まれたのが2006年9月19日、「命数法」に同様のネタが書き込まれたのが2006年4月28日のようである。ただし、「数の一覧」には2005年6月25日に、「涅槃寂静」を10^-26とするネタが書き込まれており、こちらの方が古い。

その一方、上綱秀治のこのページは、「涅槃寂静」を10^-26としており、参考文献に『単位の辞典 改訂4版』(ラテイス、1981年7月)を引いている。うーん、『単位の辞典』にそんな記述あったっけ、図書館で見てこないとダメかな…。

虚、空の所でずれ発生の模様

[Arimac (10826)]

大数の名前 [moroo.com]を見ると『単位の辞典 改訂4版』には虚、空、清、浄までしか載ってなさそうです。
(リンク元 [hatena.ne.jp])

単位の辞典 改訂4版

[yasuoka (21275)]

図書館に『単位の辞典 改訂4版』(ラテイス、1981年7月)を読みに来たのですが、546ページに

小数の命数法
分、釐、毫、絲、忽、微、繊、沙、塵、埃、渺、漠、模糊、逡巡、須臾、瞬息、弾指、殺那、六徳、虚、空、清、浄の諸数詞がある。

となっていて、「涅槃寂静」は立項されてないようです。ちなみに、172ページでは「刹那」が立項されているので、殺なのか刹なのかは微妙です。それにしても「涅槃寂静」、どこから拾ってきたんでしょうね。