yasuokaの日記: 「象は鼻が長い」の「象は」は、どこに係っているのか 6
日記 by
yasuoka
昨日の日記の読者から、国文法における係り受けは文節と文節の間で考えるものであって、複数の文節にまたがる係り受けという考え方は無い、という趣旨の御指摘をいただいた。Tesnière流の依存関係を「係り受け」として考えるなら、そういう考え方も有りだとは思うものの、私(安岡孝一)個人はその考え方には与しない。日本語における係り受けは、文節と文節の間のみには限定されない。その考え方だと「象は鼻が長い」を、うまく解析できなくなるからだ。
「象は鼻が長い」という文において、「鼻が」が「長い」に係っているのは、まあ間違いないと思う。「鼻が」が主部で、「長い」が述部である、と言い換えてもいい。では「象は」は、どこに係っているのか。「鼻が」なのか「長い」なのか「鼻が長い」なのか。私個人の見解としては、「象は」を主部とするなら、述部は「鼻が長い」全体だとせざるを得ないと思う。もちろん、Lucien Tesnièreは私の見解に反対するだろうが、それは、文の構造というものをどうモデリングするかの差なので、そもそも仕方ないだろう。
ただし、私の見解に従うと、今度は「鼻が象は長い」という、いわば転置文に苦しめられることになる。Tesnière派にしてみれば、それ見たことか、だろうと思う。まあ、この転置文については、「うなぎを浜松に食べに行く」同様、直接構成鎖解析(immediate catena analysis)がかなり有効なのだが、まだまだ研究が必要だろう。
象→(鼻が長い) (スコア:2)
(象の鼻)→長い
の方が判り易いけど…
『象は鼻が長い』 (スコア:1)
を読み始めたら、難しいので中断しました。予備知識不足を補わないと...
象は尻尾が短い (スコア:1)
象は尻尾が短い。鼻が象は長い。
主部は「鼻が」で、「鼻が」も「象は」も「長い」に係っていると言いたくなります。
鼻は猿が短い。象が鼻は長い。
これだと「象が」が「鼻は長い」に係っていると言いたくなりますね。
トマトは赤い (スコア:1)
Re:トマトは赤い (スコア:2)
「トマトは実が赤い」は「トマトは実が赤い〈のである〉」が省かれているのかなぁ
(「述語の省略」と習った覚えが)と思ったりするのですが、「トマトは葉が緑だ」は、
なんかそれでは通らない感じがします。まぁ、「赤い」と「緑だ」はそもそも品詞が
違うんですが。
Re:トマトは赤い (スコア:1)