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人工知能

yasuokaの日記: 「象は鼻が長い」の「象は」は、どこに係っているのか 6

日記 by yasuoka

昨日の日記の読者から、国文法における係り受けは文節と文節の間で考えるものであって、複数の文節にまたがる係り受けという考え方は無い、という趣旨の御指摘をいただいた。Tesnière流の依存関係を「係り受け」として考えるなら、そういう考え方も有りだとは思うものの、私(安岡孝一)個人はその考え方には与しない。日本語における係り受けは、文節と文節の間のみには限定されない。その考え方だと「象は鼻が長い」を、うまく解析できなくなるからだ。

「象は鼻が長い」という文において、「鼻が」が「長い」に係っているのは、まあ間違いないと思う。「鼻が」が主部で、「長い」が述部である、と言い換えてもいい。では「象は」は、どこに係っているのか。「鼻が」なのか「長い」なのか「鼻が長い」なのか。私個人の見解としては、「象は」を主部とするなら、述部は「鼻が長い」全体だとせざるを得ないと思う。もちろん、Lucien Tesnièreは私の見解に反対するだろうが、それは、文の構造というものをどうモデリングするかの差なので、そもそも仕方ないだろう。

ただし、私の見解に従うと、今度は「鼻が象は長い」という、いわば転置文に苦しめられることになる。Tesnière派にしてみれば、それ見たことか、だろうと思う。まあ、この転置文については、「うなぎを浜松に食べに行く」同様、直接構成鎖解析(immediate catena analysis)がかなり有効なのだが、まだまだ研究が必要だろう。

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  • by ei (19798) on 2019年10月27日 15時35分 (#3707115) 日記
    が妥当かな。「象の鼻は長い」

    (象の鼻)→長い

    の方が判り易いけど…

  • を読み始めたら、難しいので中断しました。予備知識不足を補わないと...

  • by ChaldeaGecko (48775) on 2019年10月27日 22時50分 (#3707168) 日記

    象は尻尾が短い。鼻が象は長い。

    主部は「鼻が」で、「鼻が」も「象は」も「長い」に係っていると言いたくなります。

    鼻は猿が短い。象が鼻は長い。

    これだと「象が」が「鼻は長い」に係っていると言いたくなりますね。

  • by popopo (48918) on 2019年10月28日 0時53分 (#3707190)
    「象は」が係っているのは「長い」である。 どうも安岡氏は単語の心理的結合の度合に惑わされているのではないだろうか。 象は鼻が長いというステレオタイプのイメージに。 例えば単語を置き換えてみると分かりやすいと思う。 「トマトは実が赤い」これなら「トマトは」が「赤い」に係っているのは間違いないであろう。 ここで、もう一文、「トマトは葉が緑だ」ではどうだろう。トマトの赤いイメージに押され「葉が緑だ」の心理的結合度が高いことがお分かり頂けるだろうか。しかし、文法的に考えれば「トマトは」が係っているのは、やはり「緑だ」になる。 つまり、「象は」が係っているのは「長い」にである。
    • by Dharma-store (47177) on 2019年10月28日 9時58分 (#3707227) 日記

      「トマトは実が赤い」は「トマトは実が赤い〈のである〉」が省かれているのかなぁ
      (「述語の省略」と習った覚えが)と思ったりするのですが、「トマトは葉が緑だ」は、
      なんかそれでは通らない感じがします。まぁ、「赤い」と「緑だ」はそもそも品詞が
      違うんですが。

      親コメント
      • by popopo (48918) on 2019年10月28日 21時48分 (#3707540)
        それを言うなら、象は鼻が長いのである。ということでは? これでも、やはり「象は」は「長い(のである)」に係るのは同じです。 例は、主部、述部の関係を表す為の例なので品詞はそこまでこだわってません。別に、「黄色い」でも良いのですよ。「そのトマトは葉が黄色い」のように。
        親コメント
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