yasuokaの日記: Controlキーは「A」の左横なのか左下なのか 6
『キーボード配列QWERTYの謎』の読者から、松尾公也の『HHKBのControlキーはなぜAの左なんだぜ』(ITmedia NEWS、2019年12月10日)という記事を読んでみてほしい、との連絡をいただいた。
この頃使われていたSun type3キーボードの配列を参考に、HHKBは作られた。だからControlキーがAの横にある。だが、それによってどんなメリットがあるのかという疑問が残る。それは「UNIXハッカーのため、プログラマーのため」だ。
プログラマーはUNIXのコマンドラインインタフェースを多用する。vi、Emacs、シェル。いずれもControlキーが多用される。それは、これらが開発された頃にはControlキーがアクセスしやすい位置にあったからだというのだ。確かに、現在のようにControlキーがはるか左下の遠い位置にあったら頻繁に使うキーコンビネーションは考えにくかったろうし、AppleのTouchバーのようにEscapeキーを排除していたらviのあのショートカットはなかったろう。
ControlキーがAの左にあるのは、さらにさかのぼればDECのVT-100ターミナルで使われていたキーボード配列に由来するようだ。
Controlキーが「A」の左横にあるキーボードは、私(安岡孝一)の知る限り「Teletype Model 33」および「Teletype Model 35」に遡る。DECの「VT100」より10年以上前の話だ。このあたりは『コンピュータ端末の元祖になった電信機「テレタイプ」』にも書いたとおりで、UNIX初版の開発に使われたのが、この「Teletype Model 33」だったりするわけだが、大文字しか使えない。一方、小文字が使える「Teletype Model 37」では、Controlキーは「A」の左下に移っており、「A」の左横はSHIFT LOCKだったりする。つまり、UNIX初版開発時点の「PDP-11」には、Controlキーが「A」の左横にあるテレタイプと、Controlキーが「A」の左下にあるテレタイプが、両方とも接続されていたわけだ。
「これらが開発された頃にはControlキーがアクセスしやすい位置にあったからだ」などというのは、当時のキー配列をちゃんと調査していない輩のタワゴトに過ぎない。というか、DECの「VT100」のControlキーは、「A」のすぐ左横ではない。Controlキーと「A」の間にCAPS LOCKがあるはずだ。ちゃんと調査してごらん。
和田先生のせいです (スコア:2)
> この頃使われていたSun type3キーボードの配列を参考に、HHKBは作られた。だからControlキーがAの横にある。だが、それによってどんなメリットがあるのかという疑問が残る。それは「UNIXハッカーのため、プログラマーのため」だ。
和田英一氏がtype3の愛好者で、そこから自分の使わないキーを排除したものをPFUに作らせた、というのが事実です。合理性なんてなにもありません。
Re:和田先生のせいです (スコア:1)
UNIXハッカーのためだというのなら、~が遠いところにあるのは合理的ではない。
~の位置はキーボードの一大トピックで、NeXTなどはテンキーに追いやって不評を買ったりしています。
和田先生はピアノ奏者でキーが遠いところにあるのは苦にしない人だから、type3でもかまわなかったのです。
cshとviと~ (スコア:2)
「~の位置はキーボードの一大トピック」なのは事実なんですけど、それはBill Joyがcshを作ってから後の話かなぁ、と個人的には思ったりするのです。まあviにも既に~があった気がするのですが、そもそもviの開発端末ってADM3Aですよね。
IBM PC (スコア:1)
何かの文書で「人間工学的に正しい」と自信を持って「Ctrlは手の腹で押すのです」みたいな事が書かれてあるのを見た気がします。
(まぁそういう前提なら小指が特殊な操作をせずに済む訳です)
Re:IBM PC (スコア:1)
>IBMのPC
Wikipedia日本語版 [wikipedia.org]によると1987年の拡張キーボード登場からみたい。
記述式の場合 (スコア:1)
SHIFTキーとCTRLキーに関して語るとき文字コードにまで言及があれば、10点加点、、とか
おそらく、SUNのType3はおろか、Type4ですら見たこともない世代が書いてるんでしょうね。
なお、IBM PCのCTRLキーの数と位置については、ハンデを負ったひとにやさしい、だったような気がします。