Glibc2.2.4におけるFSFの内輪もめ 24
Ulrich-Drepper、RMSステ 部門より
・glibc 2.2.4 release notes
・・・(省略)・・・
And now for some not so nice things.
そして、あんまり良くない話しがあります。
Stallman recently tried what I would call a hostile takeover of the glibc development. He tried to conspire behind my back and persuade the other main developers to take control so that in the end he is in control and can dictate whatever pleases him. This attempt failed but he kept on pressuring people everywhere and it got really ugly. In the end I agreed to the creation of a so-called "steering committee" (SC). The SC is different from the SC in projects like gcc in that it does not make decisions. On this front nothing changed. The only difference is that Stallman now has no right to complain anymore since the SC he wanted acknowledged the status quo. I hope he will now shut up forever.
ストールマンは最近、glibc の開発において、私が「のっとり」と表現 したいようなことをしようとしました。彼は、私の背後で共謀して、他の 主な開発者をコントロールすることで、最後には、彼が支配し、彼が望む あらゆることをすることができるように説得しようとしました。この試みは 失敗しましたが、彼はそこらじゅうの人たちに圧力を加え続け、それは本当に 醜いものでした。最後には、私は、SC と呼ぶ組織を作ることに合意しました。 SC は、gcc のようなプロジェクトの SC とは違っていて、決定行為はしません。 表面的には何も変化はありません。唯一の違いは、ストールマンはこれ以上 何も不平を言う権利を持たなくなったことで、それは、彼の望んだ SC が、 現状を承認したためです。私は彼が永遠に口をつぐめばいいと思っています。
The morale of this is that people will hopefully realize what a control freak and raging manic Stallman is. Don't trust him. As soon as something isn't in line with his view he'll stab you in the back. NEVER voluntarily put a project you work on under the GNU umbrella since this means in Stallman's opinion that he has the right to make decisions for the project.
この件の教訓はは、みんなに、ストールマンがどんなに支配好きで、怒りっ ぽい躁病者かということを知ってほしいということです。彼を信じては いけません。何かが彼の思うようにいっていない場合、すぐに彼はあなたの 後ろであなたをいじめるでしょう。GNU の傘の下での、どんなプロジェクトにも 無償で参加してはいけません。と、いうのは、それはストールマンの考えに よれば、プロジェクトに対して彼が決定する権利を持っているということを 意味するからです。
The glibc situation is even more frightening if one realizes the story behind it. When I started porting glibc 1.09 to Linux (which eventually became glibc 2.0) Stallman threatened me and tried to force me to contribute rather to the work on the Hurd. Work on Linux would be counter-productive to the Free Software course. Then came, what would be called embrace-and-extend if performed by the Evil of the North-West, and his claim for everything which lead to Linux's success.
glibc の状況は、もし裏話を知ったなら、もっと怖いものだと言えます。 私が glibc 1.09 を Linux に移植しはじめたとき(これは glibc 2.0 と なりました) ストールマンは私を脅して、Hurd の開発に貢献するように 強制しようとしました。Linux 上の仕事は、フリーソフトの流れのなかでは 反生産的であるというのです。そして、North-West の悪魔がやったんだと したら、embrace-and-extend とても呼ばれるような方法でやってきて、 Linux を成功に導くようなすべてのものに対してクレームを言いました。 (なんか、このへん、うまく訳せん・・・)
Which brings us to the second point. One change the SC forced to happen against my will was to use LGPL 2.1 instead of LGPL 2. The argument was that the poor lawyers cannot see that LGPL 2 is sufficient. Guess who were the driving forces behind this.
これは、第二の点にわれわれを導きます。私の意思に反して SC が強制された 変更は、LGPL2 のかわりに、LGPL 2.1 を使うことでした。その議論は、 馬鹿な法律家は、LGPL 2 を十分に理解できないだろうということでした。 この背後に、誰のどんな力が働いていたか考えてみてください。
The most remarkable thing is that Stallman was all for this despite the clear motivation of commercialization. The reason: he finally got the provocative changes he made to the license through. In case you forgot or haven't heard, here's an excerpt:
一番はっきりしていることは、ストールマンははっきりした商業化の動機に 反してそのようにしたということです。理由は、かれはライセンスに対する 修正によって挑発的な変更を手にいれたということです。忘れたり聞いたこと がないと いけないので、その部分を抜粋します。
[...] For example, permission to use the GNU C Library in non-free programs enables many more people to use the whole GNU operating system, as well as its variant, the GNU/Linux operating system.
たとえば、フリーではないプログラム中での GNU C ライブラリの使用は さらに多くの人たちが GNU/Linux という変種と同じくらい GNU オペレーティング システムの全体を利用することができるようになるということです。
This $&%$& demands everything to be labeled in a way which credits him and he does not stop before making completely wrong statements like "its variant". I find this completely unacceptable and can assure everybody that I consider none of the code I contributed to glibc (which is quite a lot) to be as part of the GNU project and so a major part of what Stallman claims credit for is simply going away.
これは、すべてが、彼を信用しなくてはならないという形で呼ばれることを 要求するものであり、"その変種" というような完全に間違った言い回しを やめることはないということです。私は、これは完全に受け入れがたいことであり、 すべての人に以下のことを約束できます。それは、glibc に対する私の 貢献部分のソースコードは、GNU プロジェクトの一部としてやったつもりのものでは まったくなく、ストールマンが保証している大部分は、単に意味のないものだと 考えているということです。
This part has a morale, too, and it is almost the same: don't trust this person. Read the licenses carefully and rip out parts which give Stallman any possibility to influence your future. Phrases like
この部分も教訓があり、それはほとんど同じです。 この人を信じてはいけません。ライセンスを注意深く読んでストールマンが あなたの未来に対して影響を与えるような可能性のある部分を取り除きなさい。 以下のような部分は、
[...] GNU Lesser General Public License as published by the Free Software Foundation; either version 2.1 of the License, or (at your option) any later version.
just invites him to screw you when it pleases him. Rip out the "any later version" part and make your own decisions when to use a different license since otherwise he can potentially do you or your work harm.
彼が満足するようにあなたを押さえつけるようにしているだけです。 "今後の一切のバージョン" という部分をとっぱらって、別のライセンスを 利用するという決定をあなた自身でしてください。でなければ、彼はあたな とその仕事に害を与える可能性があります。
In case you are interested why the SC could make this decision I'll give a bit more background. When this SC idea came up I wanted to fork glibc (out of Stallman's control) or resign from any work. The former was not welcome this it was feared to cause fragmentation. I didn't agree but if nobody would use a fork it's of no use. There also wasn't much interest in me resigning so we ended up with the SC arrangement where the SC does nothing except the things I am not doing myself at all: handling political issues. All technical discussions happens as before on the mailing list of the core developers and I reserve the right of the final decision.
なぜ SC がこの決定をしたのがにもっと興味があるなら、私はもう少し裏話 をすることができます。この SC のアイディアがもちあがったとき、私は (ストールマンの支配から逃れるために) glibc を分離させるか、どんな仕事 からも手を引きたいと思いました。前者は、コードが断片化する恐れがあるので 望ましくありませんでした。誰かが分離したら、使い物にならなくなるだろう ということだけは同意しました。やめることにもあまり興味がなかったので、 私ひとりで全部できないことを除いては、SC は何もしないという取り決めに よって、議論を終えました。私ひとりでできないこととは、政治的な問題を 扱うことです。すべての技術的な議論は前もっと開発者のメーリングリスト上で なされ、私には最終決定の権利が残りました。
The LGPL 2.1 issue was declared political and therefore in scope of the SC. I didn't feel this was reason enough to leave the project for good so I tolerated the changes. Especially since I didn't realize the mistake with the wording of the copyright statements which allow applying later license versions before.
LGPL 2.1 の文章は、政治的なものとして宣言されたのであり、そのため、 SC の担当の範囲にあります。私はこれはプロジェクトを抜ける十分な理由 だとは思えませんでしたので、この変更に対して寛容であることにしました。 特に、私はコピーライトに関する文章の言葉が、今後のライセンスのバージョンに 対して前もって適用されるという間違いに気が付かなかったのです。
I cannot see this repeating, though. Despite what Stallman believes, maintaining a GNU project is NOT a privilege. It's a burden, and the bigger the project the bigger the burden. I have no interest to allow somebody else to tell me what to do and not to do if this is part of my free time. There are plenty of others interesting things to do and I'll immediately walk away from glibc if I see a situation like this coming up again. I will always be able to fix my own system (and if the company I work for wants it, their systems).
でも、これが繰り返されるのはもう見たくありません。ストールマンが信じて いるのとは反対に、GNU プロジェクトのメンテナンスは、特権でもなんでも ないです。それは、仕事です。そして、プロジェクトが大きくなればなるほど それは、重い仕事になります。私は誰かが私に、もし自分の自由な時間の一部 だとしたら、何をし、何をしないか、と聞くことに興味はありません。もっと 面白いことはたくさんあるし、もし、このようなことがまた起きるようなら 私はすぐに glibc の保守をやめようと思います。私はいつでも自分自身の システムを直すことができるんです。(そしてもし、私が働いている会社が 望むのなら、彼らのシステムを直すことも。)
Ulrich Drepper Red Hat drepper at redhat.com "
Re:ソフトウェアの保守は苦痛であり権限ではない (スコア:4, 参考になる)
GNUプロジェクトを理解するためには (スコア:4, すばらしい洞察)
この2点を理解しないと、GNUプロジェクト自体を理解できません。 ある日、あるとき、「ソフトウェアを自由に使い、作り、改良し、そして再配布を万民に許す法」なんてものが できるとすると、その時点でGNUプロジェクトは目的を達成したわけですから解散となるでしょう。もっとも、そんな法律は某社が何十億ドルかけてでも潰すでしょうが。
それから "Freedom is NOT free"という言葉も覚えておく必要があるかも知れません。これはEFFが よく使う言葉です。自由であるためのコストは、それなりにかかります。オフトピですが先週ワシントンDCでEFF主催のチャリティーディナーに出席したのですが、そのチャリティーフィーは最低250ドルからでした。
すずきひろのぶ
FSFの内輪もめというタイトルは?? (スコア:2, 参考になる)
とっても悪文 (スコア:2, 参考になる)
そして、「実装と拡張」と呼ばれるもの -もし「北東の悪魔」によってなされたのなら- とLinuxの全ての成功へ導く(続く?)彼の犯罪は来た。
ってな感じでなのかなぁ...
とりあえずRMS擁護してみます (スコア:2, 参考になる)
(いや、私はOS2な人なので大分的外れな意見かもですが)
確かに、RMSってのは偏狭で困った人かもしれないがそういう困った性格だからGNUソフトを軌道に乗せ得たという側面は無視できない点だと思います。
LinuxやBSDもGCCが無ければ作れない訳ですし、GNUの恩恵があると思うのですね。
だからRMSはこれで良い、のでは?
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#そんなワタシはOS/2ユーザー:-)
Re:とっても悪文 (スコア:2, 参考になる)
つまり, 「StallmanがやってることはMSがやってることと同じだよ」ということを主張してるんだと思います。
Re:とっても悪文 (スコア:2)
てな感じ?
しっかりしろ、ぐにゅう (スコア:2)
今となってはRMSのGNUではなくて、GPLのGNUであり、MSの最大の敵である。いくらアレゲ世界でも、あんまり有名人になってしまうとこういう独占、または寡占野郎の傾向が出る人って少なくないみたいです。日本人でもチラホラいませんか?
# 初心に返ろうよ(笑)
glibcって、tar玉を開いて読むとすっごい参考になります。system()関数とか、「ここでfork()してexec()やね」とか。
Re:とっても悪文 (スコア:2, 参考になる)
後半の
の個所は
Linuxを成功に導いたものはすべて彼の功績であるとの主張
ぐらいじゃないでしょうか.
Re:ソフトウェアの保守は苦痛であり権限ではない (スコア:2)
開発者が管理しなくちゃいけないって風潮を何とかしてほしいと切に思う。開発に貢献しなくていいからさー、管理やってくれよ(^^; ただし管理を権威と考える人は失敗するだろうから、そのへん弁えている人。
日々たくさんのプロジェクトが生まれて消えて行きますが、手を貸してあげれば発展するのたくさんあるだろうに。
-- wanna be the biggest dreamer
Re:名創業者必ずしも名経営者ならず (スコア:2, すばらしい洞察)
と気になっていました。実際は結構なお金稼いでいると思
うので(この辺まったくの憶測です)、むしろいい服を着て
フェラーリ乗り回しているとかバブリーなイメージでいて
くれた方が後続の励みになって良いと思うんですけどね。
普通の人が見たら、やっぱマイナスのイメージしか持て
ないですよね。
ちなみに私にとってRMSさんは偉人である上に恩人です。
emacsなかったら仕事になりません。足向けて寝られな
いです。
-- AKI・T
GNU/Hurdに対する実装は大変 (スコア:2, 参考になる)
Re:とっても悪文 (スコア:1)
すっかり忘れてた。
# もしかして、俺、北東って書いてた?あぅぅ...バカ丸出し。
Re:とりあえずRMS擁護してみます (スコア:1)
で、これを機に、商用利用に関して寛容な団体が、派閥を作ってスピンアウトして、新たなものを作り始めて
くれたりして。
内紛(じゃないにしても)、論争、分派があると、今よりなお面白くなるかも、というのは野次馬根性かな? B^)
名創業者必ずしも名経営者ならず (スコア:1, 参考になる)
企業でもそうだけど、すぐれた創業者が、必ずしも組織の維持や発展の名人とは限りません。ましてや「営利」という縛りのない組織であればなおさら、ここいらへんのことは曖昧模糊としていると思います。
自分はFounderであってManagerではない、という自覚があるのであれば、Founderの役割が終われば、舞台から自ら退く、ということが必要なことです。そうでないと、みんなに迷惑がかかる。
自分のことばかり考えるのではなく、周りのことも考慮に入れて自分の行動は考えるべきですね。
まぁ、それにしても「言うは易く行うは難し」だからなぁ、とくにこういうことは。でも、そういう認識と判断と行動がないと自滅するよ。ほんとに。
Re:とっても悪文 (スコア:1)
「"Linux上で成功したものは全て, Hurdに移植せよ"と主張した(そのやり方はおいしいとこだけ持ってくMSのようだった)」
という意味のような気がする。(全然自信なし)
ソフトウェアの保守は苦痛であり権限ではない (スコア:1)
>ソフトウェアの保守は苦痛であり権限ではないというのは至言
私もそう思いますね。ソフトウエアの開発って、最初はいいんですけど、そのうち保守とかくだらないこと(政治的な何かとか)に割かれる時間が多くなってきて……。でも、それが続けられるのって、楽しいとか興味があるからなんですよね。
それに、以前から個人的な興味でglibcのロケール関係を見ているんですけど、NLS分科会とUlrichさんとの当時のやりとりを今になって見返しても、Ulrichさんの日本語環境に対する貢献はとても大きいと思いますよ。
Re:GNUプロジェクトを理解するためには (スコア:1)
いよいよ (スコア:1)
そのようなもののにおいがつきまとっていました(オレのなかでは).
ソフトウェア共産主義者(これはほめ言葉)としての評価より,むしろそっちのほうがずーっと気になっていたのですが,
今回の話はそのような文脈で眺めていたわたくしにとっては
やっぱそうですか
という感じでございました.
すべての革命の後にはなぜにテロがあらねばならないのか,という古典的かつ
歴史的な命題の今日的な演習といった気分でございます.
むー.
Re:とっても悪文 (スコア:0)
「LinuxではなくGNU/Linuxだ」というRMSの主張を指すのではないかと。
がいしゅつ?
Re:しっかりしろ、ぐにゅう (スコア:0)
Re:しっかりしろ、ぐにゅう (スコア:0)
Re:名創業者必ずしも名経営者ならず (スコア:0)
Re:名創業者必ずしも名経営者ならず (スコア:0)