砂糖からアミロースポリマーを合成 31
ストーリー by Oliver
なんとなくおいしそう 部門より
なんとなくおいしそう 部門より
sillywalk 曰く、 "三和澱粉工業の2月8日付プレスリリースによれば、同社と江崎グリコならびに大阪府立大学大学院・北村進一教授(応用生物物理化学研究室)は共同で、砂糖を原料とした『酵素合成アミロース』の量産化技術の開発に世界で初めて成功したと発表しました。
今回発表されたアミロースは酵素合成によってブトウ糖を直鎖状に連結したもので、繊維、中空糸、ゲル、偏光フィルムなど様々な形状に加工することが可能。砂糖由来のため生分解性も有しており、環境負荷も少ないといいます。またさらに分子配列を螺旋状に合成しチューブとすることで、チューブ分子(ホスト分子)に他の分子(ゲスト分子)を包接できるため、色素、フレーバー物質、界面活性剤などによる様々な分子修飾も期待されます。"
生分解性 (スコア:5, 参考になる)
化合物の性質に由来は関係ありません。
化学的に合成しようが、有機的に得られたものだろうが、化合物としての性質は同じです。
ちなみにプレスリリース [sanwa-starch.com]には と書かれています。
つまり「アミロースはもともと植物が生産するものだから、自然界に分解メカニズムが存在している」ってことです。
この記述には何も問題ありません。
同じくタレコミの「砂糖由来のため(中略)環境負荷も少ないといいます。」は間違いではないが、途中のロジックをはしょり過ぎ。プレスリリース [sanwa-starch.com]には と書かれています。
前半の「再生産可能な植物由来成分である砂糖を原料としていることに加え、 」の部分は意味不明ですが(植物成分を使う=環境にやさしい、とは限らない)、「製造方法も酵素を利用した省エネルギー型反応であり」という部分が定量的に本当なら、化石燃料の燃焼による二酸化炭素や熱の排出を抑えられるという点で、(比較として)「環境にやさしい」というのも嘘ではないでしょう。
Re:生分解性 (スコア:3, 興味深い)
こういった高分子で生分解性を有するかどうかは、一般に存在する微生物などが分解できるかどうかによります。 微生物の分解は結局「資化」のために行うことですから、微生物の餌となりえる化合物は生分解性を有するということになります。ですので、グルコースやスクロースは由来に関係なく生分解性を有するといっても間違いではありません。
また、プレスリリース内の環境負荷については酵素合成屋の常套句みたいなもので、現在身の回りに存在するプラスティック及びそれの合成法である化学合成と比較して書いてあります。
「再生産可能な植物由来成分である砂糖を原料としていることに加え、 」は今のプラスティック原料と比べて入手が容易であり、資源の無駄遣いをせずに生産して手に入れることもできる、という面の話であり、「製造方法も酵素を利用した省エネルギー型反応であり」は、一般に酵素反応は化学反応より必要なエネルギーが少ないことを言っているだけですね。
問題はこれがどこまで実用化されるかなんだよなぁ。
研究室レベルならいろいろあるんだけど...
専門のところだから........IDでいいや。
Re:生分解性 (スコア:2, 参考になる)
shiragaさんの指摘は、タレコミにある「(酵素合成アミロースは)砂糖由来のため生分解性も有しており」が間違いというものではないでしょうか。
生分解性を有するかどうかは、Tako Pさんの書いたとおり「一般に存在する微生物などが分解できる」ことが重要で、「グルコース(ブドウ糖)やスクロース(ショ糖=砂糖)は由来に関係なく生分解性を有する」もその通りでしょう。
しかし、アミロースが生分解性を有するのは砂糖由来だからではありませんよね? デンプンの成分であるアミロースは、その由来にかかわらず生分解されます。人間の唾液に含まれる酵素β-アミラーゼでマルトース(麦芽糖)に分解されるのは皆さんもご存じのとおりです。
Re:生分解性 (スコア:0)
Re:生分解性 (スコア:1)
私が間違いだと指摘しているのは(binboさんが補足して下さった通り)「生分解性の理由」であって、「生分解性を有すること」ではありません。
#binboさん、補足ありがとうございます。
Re:生分解性 (スコア:1)
ショ糖については、サトウキビを原料とすることができると思われます。なのでこの件に限定すれば、環境にやさしいということはできると思います。
#それより、環境にやさしいという思い上がった言葉も、その言葉を使う人も嫌いだ。
Re:生分解性 (スコア:1)
そういうのを「再生産可能」と呼ぶのでしょうか?
それとも、生物由来であるから(このアミロースを消費しても)生物圏を循環する炭素の総量が変化しないことがポイント?
#「環境にやさしい」と言えば響きは良いけど、実際には「環境に与えるダメージが比較的小さい」だけですよね。
Re:生分解性 (スコア:1)
私は、とりあえず再生産という言葉を、製品を作るための総コストが低いこと、廃棄物が再び(サトウキビの)生産に利用できること、という点に絞って考えのなかに組み込んでみました。
事実上、工業製品に石油は欠かせません。0はまずありえないでしょう。となると、いかに石油の使用量を少なくするかというのは、結構、大きなテーマとは思います。
Re:環境にやさしい (スコア:0)
という言葉が思い上がってると言いたいんじゃないのかな
Re:生分解性 (スコア:1)
「この製品は環境にいやらしい素材を使用しております」
#生分解を「なまぶんかい」と読むとちょっとHくさい。
グルコースじゃなくて砂糖? (スコア:2, 参考になる)
普通に考えると、ブドウ糖を原料にしそうなものなのですが。
プレスリリースにも書かれているように、アミロースはブドウ糖の重合物ですから。しかも、デンプンを分解するだけで手に入るブドウ糖は、砂糖より安価(価格的にも、バイオマスとしても)ですから。
(砂糖は、ブドウ糖と果糖とが結合した2糖類です)
と思って、ちょっと検索したら、もう少し詳しいプレスリリース [nikkei.co.jp]を発見しました。確かに砂糖を使っているようです。
加水分解の逆反応なんていう力技じゃないのですね。
Re:グルコースじゃなくて砂糖? (スコア:1)
Re:グルコースじゃなくて砂糖? (スコア:1)
運動不足です
Re:グルコースじゃなくて砂糖? (スコア:1)
OT: 重要なものが抜けていますよ (スコア:1)
# "へこたれれます" → "へこたれられます"
Re:OT: 重要なものが抜けていますよ (スコア:0)
あのお方がへこたれられてしまった!!」
おまえに きゃらめるの はんぶんを やろう (スコア:1)
さんびゃく めーとるで
へこたれて しまうとは なさけない.
Re:グルコースじゃなくて砂糖? (スコア:0)
(一突き何センチだろう?)
Re:グルコースじゃなくて砂糖? (スコア:1)
だから、
>加水分解の逆反応なんていう力技じゃないのですね。
酵素の種類をある程度絞り込みながら実験をすすめていったにせよ、単独、あるいは組み合わせの実験を繰り返したとすれば、あながち力技ではない、とは言いがたいかも。
Re:グルコースじゃなくて砂糖? (スコア:0)
その際、グルコースだけでできたデンプンを原料にすると、デンプンからの分解とアミロースへの合成がまったく逆反応になって都合が悪いから、砂糖を原料にして、分解酵素と合成酵素も別のにしてうまくやったみたいですね。
部門名 (スコア:2, 参考になる)
オフトピ: ;-) (スコア:1, おもしろおかしい)
近寄って見てみると、たくさんの蟻がたかっていてとても近付くことはできませんでした。
・・・という想像をしてしまいました。
とぷかぴ :D (スコア:3, おもしろおかしい)
で、このネタを投稿しようとして、関連ソースを検索中、もっとイヤな物 [hayashibarashoji.jp]を見付けた
そりゃ無害なんだろうけどさ…トレハロース
と、それは良いんだけどアミロースポリマーをどう使うかが問題か
今あるセロファンやビニール包装(煙草のパッケージ外側とかの)に使えたら、都市美観上良いかも知れないけど、逆にそれらを好んで食べる昆虫とか集まったらイヤかも知れない。
# 爆言のち漏電中… :D
ヘンゼルとグレーテル (スコア:1)
And now for something completely different...
結局、糖なのかな? (スコア:1)
社名が (スコア:1)
お約束 (スコア:0)
2080年のコメント (スコア:0)
1970年製のビデオデッキっていう録画装置なんだけゴムベルトさえ交換すればまだ動くんだ
こんなでかいいビデオカメラっていう装置で録画した
映像しか映せないけど結構たのしいもんだな
レトロっていいよね。
Re:2080年のコメント (スコア:0)
# 1970年って、U-マチック発売のちょっと前ですね。
Re:2080年のコメント (スコア:0)
正直8mmフィルムの方がもつ。
Re:2080年のコメント (スコア:0)