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小型で高効率の水素貯蔵・取出し装置を開発 17

ストーリー by kazekiri
水素時代へ 部門より

sillywalk曰く、"北海道新聞の記事によれば、北大触媒化学研究センター市川勝教授らと(株)フレイン・エナジーの研究グループは、アルミ表面技術研究所の協力を得て、水素の貯蔵、取り出しを効率よく行える小型の装置を開発しました。サイズは高さ2m、幅2m、奥行1mで、従来型の1/30程度の大きさでありながら能力はほぼ同等で、20[L/min]の水素を貯蔵・取出しできるといいます。
水素貯蔵技術には圧縮水素、液体水素、水素貯蔵合金など種々の方式がありますが、グループでは有機ハイドライド方式を採用。これはベンゼン(C6H6)、ナフタレン(C10H8)などと水素を化学反応させ、シクロヘキサン(C6H12)やデカリン(C10H18)といった有機ハイドライドの形で常温常圧貯蔵するというものです。この反応の触媒には従来、活性炭と白金の混合物が用いられていましたが、今回は新しく白金粒子を吸着させた酸化アルミニウム薄膜を開発したことで、効率の大幅な向上と装置の小型化が実現したといいます。 なおフ社では風力発電による水の電気分解で得た水素を貯蔵、運搬する仕組みを想定しており、2007年頃には製品を市場に投入したい意向です。燃料電池車など水素をエネルギー源とする様々な技術開発に結びつくと良いですね。"

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  • by Kinsan (1044) on 2006年01月27日 23時41分 (#872451) 日記

    液化水素が気体になると、常温・常圧で約800倍の体積になります。燃料電池自動車など考えている350気圧という圧力は、この水素の液体と気体の体積比に近い数値で、圧力をかけて水素ガスを液化しようとしているのに近い状態です。このため気体の形では、高圧にしても理想気体から外れていく分、単位体積当りの貯蔵量は余り大きくなりません。

    それに対して、有機ハイドライド方式の体積効率は50kg/m3程度で、 液体水素の密度が70kg/m3だそうですので、 単位体積当りの貯蔵効率は非常に良いと言えます。

    ですので、水素を貯蔵する方法としては、非常に良い方法です。(但し、重量の観点からは損なので、貯蔵した水素を輸送する場合には、当然不利です。)

    そういう点から、有機ハイドライドにはずっと期待してました。装置が小さくなったのは、すばらしいですね。あとは効率とスピードですね。この化学変化では、与えた材料の100%が変化するのではないという話も聞いたことがありますので。
  • by prankster (12979) on 2006年01月27日 17時07分 (#872213)
    ナフタレンを使った水素貯蔵の原理についてはこれ [aist.go.jp]が参考になると思います。
  • ハイドライド方式 (スコア:2, おもしろおかしい)

    by Anonymous Coward on 2006年01月27日 16時58分 (#872200)
    200階ハーベルの塔とか重い目をして漬物石を売りに行ったら10ゴールドだったとかを思い出してしまった。
  • by Napper (6812) on 2006年01月27日 16時47分 (#872191)
    「高さ2m、幅2m、奥行1mで、従来型の1/30程度の大きさ」というのはわかったのですが、このサイズにどれだけの水素が貯蔵できるのでしょう?
    もし貯蔵量が20L、なんていうことなら1分間で空っぽになってしまいますが。
    北海道新聞の元記事にも貯蔵可能量の言及がないようなので、どなたか詳しい方、教えていただけないでしょうか。
    • by hanetaro (21793) on 2006年01月27日 17時20分 (#872219)
       ざっと見た感じでの想像なのですが。
       件の装置より古い型のものらしき写真 [hrein.jp]を見ると、有機ハイドライドなる液体が入りそうなスペースは、数リットル分くらいだと思われます。
       重量水素含有率は6,7%くらい(グラフからなので不正確)のようです。
       これが完全に取り出せるものなら、1kgあたり1300Lくらいの水素が取り出せそうです。

       なので数時間くらいは取り出せるんではないかな、と考えます。

       ちなみに、北海道新聞の記事だと、タンクもこみでこのサイズと書いてあります。
      親コメント
    • 水素←→有機ハイドライド変換器自体の大きさが2m×2m×1mなだけであって、貯蔵可能容量はまた別問題ではないでしょうか。
      水素を運搬なんて考えてるみたいですから。

      詳しい方でないのでAC
    • 詳しくなくても…
      取り出す装置の大きさが従来の1/30になったわけで取り出す有機溶媒が入ったタンクは別ですよねw

      #例えれるならみかんからみかんジュースを作る装置が1/30になったというわけで、どれぐらいのみかんが入っているのかは問題外。

      #ナフタレン体積あたりの水素貯蔵量はリンク参照
  • by Sinraptor (22797) on 2006年01月28日 13時33分 (#872706)
    >なおフ社では風力発電による水の電気分解で得た水素を貯蔵、運搬する仕組みを想定しており、

    この部分をなんとかしない限り実用化は遠いですねぇ。
    風力発電なんてたかがしれてますよ。
    --
    //Sinraptor
    • by Kinsan (1044) on 2006年01月28日 13時56分 (#872720) 日記
      > 風力発電なんてたかがしれてますよ。

      自然エネルギー関係をちょっとでもまじめに調べれば、 風力ってあなどれん!と分かりますよ。

      例えば、風力先進国のドイツでは、電力供給の 数パーセントを風力でまかなうほどになってきています。 (参考:EICネット [eic.or.jp])

      地熱以外の大抵の自然エネルギーの源は、太陽 ですが、太陽光そのもののエネルギー密度は低い ので、個人的には太陽光発電って駄目だと思います。 風・波・潮流などは、エネルギー密度の濃いところと 薄いところがあって、濃いところで取り出せば沢山 発電できます。
      特に風力は、波力などと比べて、受ける力が荒天時 でも小さいので、装置の構造が楽になるおかげで、 経済性が成り立ち易くなっています。

      親コメント
      • by Sinraptor (22797) on 2006年01月28日 20時02分 (#872884)
        水素の供給源として考えたとき、風力発電の問題点はエネルギー密度です。

        風力発電は小規模分散型のエネルギー源ですので、現地で発電して現地で使う分には使い勝手がいいと思いますが、大規模なエネルギーを必要とする水素供給施設には向かないでしょう。
        --
        //Sinraptor
        親コメント
      • でも太陽光発電は積極的に開発すべき代物だと思うけどなぁ。
        特に夏場の関東圏他だと太陽のエネルギーを半分にしたくならないかい?
        遮光がてら発電できれば気温も下げられるし電気も作れるじゃあないか。

        年中発電しなくてもいいという発想もアリだと思うぞ。
    • by Anonymous Coward on 2006年01月28日 14時13分 (#872729)
      風力発電の最大のネックは、発電量が一定ではなく
      非常にムラがあることだと思います
      太陽光発電も同様です
      必要なときに必要なだけエネルギーを得られる保障が
      どこにも無いのです
      だからメインのエネルギー源としては
      ちょっと採用できかねるところがあると

      でもこういう装置を使えば、バッファとして機能するので
      そういう欠点も少しは解消されるんじゃないですかね
      出力の問題なら、単純にたくさん設置すれば解決できそうですしねえ
      親コメント
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