DJB、自作ソフトウェアすべてをパブリックドメインに 94
ストーリー by mhatta
やるねえ 部門より
やるねえ 部門より
tamo 曰く、
本家記事 DJB Releases All Source to Public Domain によると、DJB ことDan Bernstein氏が、 qmail を含む 自作のプログラムをすべてパブリックドメインのもとに置くことを宣言したそうです。 少し前に予告されていた ことなので驚きは少ないかもしれませんが、 パブリックドメインなのでどんな用途にも使えるのは意味のあることだと思います。
元情報はこれだけかな? (スコア:4, すばらしい洞察)
こんな感じでしょうか? 間違って理解している点があればご指摘下さい。
かなり前の話ですが、DJBのqmailを手元で動かすときにソースをいじってみたら、語りかけてくるようなコードでした。
これを改変して再配布するとなると、許可が出ていても尻込みしそうな気もしないでもないでも……ない?
DAEMONさんからの手紙。 (スコア:4, 参考になる)
そのままで動いたんですが英語のよくわからないメールが来ると苦情を受けて
じゃぁ日本語にするか~とソースをいじったことがあります。
かなりわかりやすいソースでしたね。
メッセージが全部printfに埋め込まれてるのでちょっと大変でしたが
それでも1日で大体完了した記憶があります。
眺めて動きを知るのも結構楽しかったソースですね。
語りかけてくるようなコード? (スコア:1, 参考になる)
オブジェクト指向ではないものの、抽象化されてるので
最上位レイヤをいじるぶんにはラクなんですよね。
そのぶん、低いほうを見にいくのは
何段もマクロを降りなきゃいけなくて大変だったりしますが。
Re:元情報はこれだけかな? (スコア:1)
「GPLv3 と GPLv2 の非互換性が開発者の頭痛の種になっていることを考えると、今後もこれに続く人 (=ソフトウェアをパブリックドメインでリリースする人) が出てくるだろうか」という意味だと思います。
それと、細かいですが、「Sage Days 6 [sagemath.org]」の 6 は第 6 回の意味でしょう。
Re:元情報はこれだけかな? (スコア:1)
「Sage6日間にて、」
という部分は、ちょっと変で、
http://wiki.sagemath.org/ [sagemath.org]
を見ればわかるように。Sage Days 6 は、Sage Days
と呼ばれるミーティングの6回目なので,
そのまま「Sage Days 6 にて、」の方が良いでしょう。
それにしても、こんなところで Sage の名前を見るとは、、、
Sage は Python ベースのオープンソース数学ソフトウェアですが、
最近、ものすごい勢いで開発が進んでいます。
Axiom, GAP, GP/PARI, Macaulay2, Maxima, Octave, そして Singularといった
すでに実績のある数学ソフトウェアを内部に含みつつ、
WebBrowser ベースのユーザインターフェースを備えた数学ソフトウェアです。
なにせ、上のソフトウェアを全て含んでいるので、ちょっと大きいのですが,(^^;
要注目のソフトウェアです。
パッケージ化の自由度とかに影響するのかな? (スコア:4, 興味深い)
ライセンスについては,DJB のソフトの多くは元々「フリー」で使えるライセンスのものが 多かったと思います. ただ,sourceからbuildして使う場合ならいいけど パッケージ化して再配布するとかに際してはいくつか縛りがあったりします. 例えば qmail で言えば /var/qmail へのインストールじゃないとダメ,等々.
わけのわからん環境に変な設定でインストールしたものに関しての質問といった ものを避けたいという意味では分からないではないのですが, 各OS・ディストリビューション標準搭載パッケージみたいな形にして普及をさせることを考えると, 敷居が高くなって普及の障壁の一つだったと思います.
「パブリックドメインにする」というのはそういう縛りももうやめるということなのかな?
Pure 100% オフトピック保障 (スコア:4, おもしろおかしい)
MA☆E☆NO!
という回答はストレートすぎますか?
# コソコソと匿名の臆病者として投稿
Re:Pure 100% オフトピック保障 (スコア:4, すばらしい洞察)
下げてくれています。
もっとも、多分#1258428 [srad.jp]さんはそれを了解した上でまあそのなんだ。
しかし本当にパブリックドメインだと
たとえばdjbdnsを改変したソースにGPLつけて放流したり、
qmailを使ったことで何らかの損害を被ったらdjbを訴えたり
できると思うんですが、ほんとにそこまで思い切ってるのかな。
qmailの一番の実績は、Maildirを流行らせたこと以上にMTAの動作をはっきり
ブレイクダウンしてくれたことだと思います。
qmail-smtpdが外から25/tcpでメッセージを受け取って、qmail-queueに渡し、
qmail-queueでキューしてlocalsを見て行き先を判別して、
qmail-lspawnに渡してローカル配送、
qmail-rspawnに渡して他のサーバに転送。
送られたメールが届かなかったら、そのどこで詰まってるかで切り分けできる。
同様に、djbdnsは
キャッシュサーバがdnscache
コンテンツサーバがtinydns
AXFRが・・・そんな屑仕様使うなscpでも使え。一応axfrdnsあるけど
という形でDNSをブレイクダウンしています。
それぞれ癖があるので実運用に使うかどうかは人それぞれですが、教材として
とても優れたものだと思います。
Re:Pure 100% オフトピック保障 (スコア:1, 興味深い)
パブリックドメインのものを使用するのは完全に使用者の自己責任になると
思うんだけど、何で訴えることができるという考えになるんでしょう?
GPL とかは、権利を自分に留保して「使用を許諾」という契約をしようと
するから、免責がどうこうという事項があるんであって、パブリックドメ
インの利用の場合、そもそも作者と契約をする必要もないんだから、完全に
使用者の自己責任での使用しかありえないと思うんだけど。
もし、パブリックドメインのものの作者を訴えることができると思うに
至ったソースがあるのであれば、興味があるので教えてくださいな。
Re:Pure 100% オフトピック保障 (スコア:1)
一概にGPLだからとかパブリックドメインだからという理由で安全とは言い切れない。
例えば、極端な例だが、故意に悪意のある細工がされていた場合などは、ライセンスに免責事項があろうがパブリックドメイン化されていようが、恐らく賠償は免れない。
過失の場合は、その過失に対する作者の責任の度合いで大きく変わってくるだろう。
Re:Pure 100% オフトピック保障 (スコア:1)
>あるいは穴を塞ぐのをサボった管理者でなく、脆弱性のあるソフトを作った作者に
>過失があるということになりますね。
可能性があるだけです。そうならない可能性のほうが高いです。
バックドアを仕込んだ等、意図的に作られた脆弱性なのか?
脆弱性を認識していながら見逃したものなのか?
なんらかの手違いで生じたのか?
つまり、どのような経緯で作られた脆弱性なのかによって、責任の所在は大きく変わるという事です。
そして、場合によっては、ライセンス等の契約内容は、公序良俗に反するとして無効になる可能性もある。
ただし、これは本当に特殊な場合なので、「極端な例」としてあげた訳です。
Re:どこの国の法律の話かは知らんが、 (スコア:1)
私が上げた「故意に脆弱性を仕込む」なんていうのは、「極端な例」であって、実際には起きた事は無いと思うし、これからも起きる可能性はかなり低いです。
ですので、申し訳ないが、参考になるような事件の例は示せません。
現実的に起こりそうな範囲なら、「脆弱性を指摘され、その危険性を認識していながら公開した」なんて所ですかね。
これは、その危険性に対する認識によって「未必の故意」「認識ある過失」どちらにもなり得ます。
それから、責任というもは、作者と利用者どちらか片方に全責任が生じるとは限りません。
大抵は、作者と利用者、それぞれの状況に応じて5:5とか1:9とか割合で負担する事になるでしょう。
Re:どこの国の法律の話かは知らんが、 (スコア:1)
ある意味、そういう事ですね。
ただし、あらゆる不具合や脆弱性に対して、無制限に責任を負う訳では無いですよ。
まず、原則として、作者の「故意又は過失」によって損害が生じたら、作者は加害者となり責任が生じます。
ここで重要なのは、「故意又は過失」という所です。
すべての損害に対して責任があるわけではないんです。
作者が意図的に生じさせた損害なら「故意」。
作者がその損害が生じる事を予見できていたり、出来るはずの対処を怠った結果生じた損害だったりすると「過失」となります。
それ以外の損害に対しては、作者に責任はありません。
次に、契約によって、例外が生じます。
フリーソフトやオープンソースに良くある「免責事項」等の特約等ですね。
ただし、この契約による約束も、「公序良俗」に反した条項などは無効になる可能性があります。
「一切責任を持ちません」と書いた所で、犯罪行為等の責任まで免れたりはしないという事です。
最後に、被害者の過失の度合いによって、加害者の責任が「過失相殺」されます。
パブリックドメイン化されてるソースを利用したなんてのは、利用者側にも過失があると見なされる可能性があるわけです。
そうすると、加害者側の責任が軽くなるのです。
被害者の過失の度合いが大きければ、相対的に加害者の責任は小さくなりますし、逆もまた然りです。
#1258614のACさんの言うように、判例さえあればそれを参考にできるでしょうが、現在判例になりそうな事件はなさそうです。
つまり、責任をどの程度かぶる事になるのかグレーな状態ですから、有る程度注意しておいたほうが良いでしょう。
意図的にバックドアを仕掛けるなんてのはもってのほかですし、ソースを公開する以上「過失」と判断されそうな行為は避けておくのが良いでしょう。
また、予測のつかない過失相殺に頼るだけじゃなく、ライセンス等で契約を結んでおけば、それだけ安心というものです。
Re:パッケージ化の自由度とかに影響するのかな? (スコア:3, 興味深い)
・ソースがコンパクト
・依存ライブラリがほとんどない
・必要なリソースが少なくて済む
・脆弱性の問題が発生しにくい
といった点から、組み込み用途で人気が出そうな気がします。
Re:パッケージ化の自由度とかに影響するのかな? (スコア:1, 参考になる)
/Qmail/qmail/
Re:パッケージ化の自由度とかに影響するのかな? (スコア:1)
#そうじゃなくて標準MTAが既にあるからだろって?
qmail のある暮らし (スコア:2, 参考になる)
Re:qmail のある暮らし (スコア:1)
あなたがどう思うかは勝手ですが、少なくともあれを書いた当人は
別にあの人たちから返答を期待して書いたつもりはないし、逃げたとも思ってないです。
# 1日のアクセス数が2桁(当時)のサイトでよそから何らかの反響があることを期待して書くわけがない。
彼らとて他ユーザへの影響力がちょっとだけ大きい狭い島国の中の熱心なユーザでしかないわけで、
その人たちから何らかのコメントがあった/なかったとしても、djb 自身が何かしないことには
何がどうなるというわけでもないでしょう。
パブリックドメイン?? (スコア:1, 興味深い)
Re:パブリックドメイン?? (スコア:2, 参考になる)
Nullius addictus iurare in verba magistri
Re:パブリックドメイン?? (スコア:1)
まぁ今までのソースコードは世に沢山保管されているわけで、出所を調べたかったら
調べる人が調べればどこ由来のものかはそれなりにきちんと分かるんじゃないでしょうか。
Re:パブリックドメイン?? (スコア:1, 興味深い)
なんてのは、「PDSの問題点」ということでGPLその他のライセンスが生まれたのは当然DJBも知っているはずだから、
あえてGPLその他のライセンスに反抗すると言う事ではないでしょうか?
案外、炙り出すためのハニートラップだったりして・・・
Re:パブリックドメイン?? (スコア:0)
ってことじゃないかな。
パブリックドメインの方がいじり倒せる的には教育によろしい気がする。
Re:パブリックドメイン?? (スコア:3, 興味深い)
むしろqmail以外を使うことの方が多い。
qmail以外 (スコア:3, 参考になる)
スクリプトで簡単に書いたプログラムを、お手軽にサービスとして運用可能です。
起動直後にクラッシュするような障害だと待機時間もなしに再起動を繰り返してしまうのと、フリーズするタイプの障害は検知できないってのは欠点だけど。
まあ必要に応じて細工すれば十分に使えます。
Re:qmail以外 (スコア:1, おもしろおかしい)
とても使いやすい仮想ドライブで、とても重宝してます。
daemontools != DAEMON Tools (スコア:1, すばらしい洞察)
もうちょっとマシな名前はいくらでもあるだろうと…
オレの嫁! (スコア:1, 興味深い)
パブリックドメインは「オレの嫁!」っと宣言できるわけさ。
可能性として、そもそもそのプログラムなどが他の著作権
を侵害しているとする訴えがあるかもしれないし、改変を
加えたあとのその改変部分が問題ありとされるかもしれない。
著作権は誰かが持っていればいいってものでも無いかと。
使うからにはやっぱ責任を負うわけだから「関白宣言」
「お前を嫁にもらう前に、言っておきたいことがある!」
とするのがGPLなんかのライセンスだと思うわけ。
嫁(利用者)に約束を守ってもらうが、責任は取るのは
宣言した夫(GPLで配布した人)になるわけだ。
一方、パブリックドメインはみんなで自由にしていいよと。
でも、結局のところは、自分で作ったプログラムであれ、
訴えられたりするその問題が無いわけでは無いのね。
つまり、夫になれるのがパブリックドメイン!
(そして、この例えを否定するジェンダーフリー!)
まぁ…とにかく責任は自分で取るものと自覚すればOKかと。
GPLであれ著作権の侵害で利用できなくなる可能性はあるし。
どんな生き方が自分にあっているかを選ぶのと大差ないこと。
Re:オレの嫁! (スコア:1, すばらしい洞察)
>> パブリックドメインは「オレの嫁!」っと宣言できるわけさ。
「変なたとえ話をすると,余計にわかりにくくなる」という好例ですね.
おそらく正確に理解できていないんでしょうけど,例えば GPL や BSDL でも「元のソースをまるごとパクって別名の俺様ソフトとして販売する」みたいなことは可能ですよ. GPL だとソース公開義務や再配布許可があるので,そういう商売が成立するかどうかは怪しいですが.
Re:オレの嫁! (スコア:0)
#んなわけない
Re:オレの嫁! (スコア:1)
許してやりたい。
そう思っていた時期が私にもありました。
Re:パブリックドメイン?? (スコア:1)
/K
Re:パブリックドメイン?? (スコア:0)
Re:パブリックドメイン?? (スコア:0)
Re:パブリックドメイン?? (スコア:0)
Re:パブリックドメイン?? (スコア:1, すばらしい洞察)
権利者は誰で、なんて言ってるの?
Re:オフとびだが (スコア:1)
◆IZUMI162i6 [mailto]
Re:パブリックドメイン?? (スコア:0)
Re:パブリックドメイン?? (スコア:1)
日本とかだと厳密には著作権の放棄ができないからPD宣言を許諾とみなして・・って形になると思うけど。
改善や拡張など改変されたコードが公開されない可能性があることは非常に残念ですが、改変者がGPLで公開することもできるので、今後の展開はフリーソフトウェアのプログラマ次第なのかもしれません。
◆IZUMI162i6 [mailto]
他のパブリックドメインの例: SQLite (スコア:1)
Well-Known Users of SQLite [sqlite.org] を見ると、
影ながら、OSS から商用まで広く組み込まれて利用されています。
Re:パブリックドメインで一番有名なの (スコア:1)
無断リンクを禁止したい人たちが俳句やらポエムやらをURIに含めて
「無断リンクしたら著作権法違反で告訴するよ!」という話じゃない?
URIとして使うかぎり著作物の全文引用にはあたらないと思いますが。
そんなのGPLせずともよい (スコア:1)
What if the work is not much longer than the license itself? [gnu.org]で、ライセンス文書より短いんだったらGPLじゃなくてもいいじゃんとFSFが言ってます。まあ普通に書いたらHello WorldなんてGPL文書より短い訳で。
そもそも私が配布予定のHello Worldプログラムは、そのGPLプログラムからライセンス表記などを抜き取ったものではなくて、K&Rからの引用ですって主張も成り立ちそうです。もちろん、そんな訴訟は馬鹿馬鹿しくて誰も起こさないでしょうけど。
で、わずか数行でありながら、さまざまな言語の特徴をあぶり出すようでいて、Hello Worldを越えるような簡明なサンプルプログラムを作り出せたなら、それは著作権を主張してもいいように思えてきました。(笑
# 昔のBASICみたいに1行にやたらと詰め込むってのはナシね。
vyama 「バグ取れワンワン」
正式(?)な Public Domain 宣言 (スコア:1)
qmail に続き、 daemontools, djbdns, primegen, ucspi-tcp が正式に Public Domain になりました。
すばらしい (スコア:0)
Re:すばらしい (スコア:1)
まあ、六甲おろしの事件みたいにちゃんとした判断ができればいいんだけど、「パブリックドメイン」と宣言されちゃうと同じには扱えないよな。
-- 哀れな日本人専用(sorry Japanese only) --
Re:すばらしい (スコア:5, 参考になる)
著作権が切れた古い文学作品や写真について「俺が書いた」とか「おれが撮影した」などと言えないのと同じことなのですが。校訂や翻訳で著作権を主張したりしますが、校訂者や翻訳者が原作者になるわけでもありません。
日本の著作権法が著作者人格権は一身専属だとわざわざ明言しているのは、そういう当たり前のことを理解できない人がよほど多いからなのでしょうか。念のためですが、外国人が外国で創作した著作物であっても日本国内では日本の著作権法で保護されます。
Re:すばらしい (スコア:2, 参考になる)
Re:すばらしい (スコア:1)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%91%97%E4%BD%9C%E8%80%85%E4%BA%BA%E6%A... [wikipedia.org]
でも著作人格権を放棄するのは混乱を招きそうですね。
放棄された著作物をめぐって、誰がそれを先に拾ったとかで争いとか起きないのでしょうか。
Re:すばらしい (スコア:1, すばらしい洞察)
パブリックドメインになったってことはその著作物を占有する権利を消滅させたわけで、
その後に誰かが入手することで復活するわけじゃなし、
そんな争いを起こすことになんかメリットがあるのでしょうか?
# 落ちてるのは「著作物の占有権」ではなく「占有権の消滅した著作物」なわけで。
...ってあたりが、今回のトピックでさんざん既出の
「パブリックドメインを勘違いしてない?」ってポイントな気がする。
Re:すばらしい (スコア:0)