情報処理学会会長声明、Googleブック検索を強引な手法と批判 36
タレコミ by Anonymous Toward
Anonymous Toward 曰く、
情報元へのリンク
9月30日付の情報処理学会プレスリリースで「Googleブック検索の提起した課題−その功罪−」と題した会長声明が発表された。声明は、「人類の知的資産である絶版の書籍を多大な労力を投入してディジタル化し、将来にわたって閲覧可能とするとともに世界に広くアクセス機会を提供しようとするGoogleの果敢な試みに対して敬意を表したい」としながらも、「今回の権利侵害は、前人未踏の領域でディジタル化の功を急ぐあまり計らずも犯した誤りではなく、いわばディジタル化の既成事実を積み上げ、著作権侵害という障壁を強引に突破しようとした意図的な手法だったと解さざるを得ない」と厳しく批判、「米国の法律上これが許されると仮定すれば、権利者は出版物を米国に持ち込むことを拒否することになりかねない」として、「文化の世界的な交流の促進という観点から、これは嘆かわしいこと」と懸念を示している。
情報元へのリンク
いろいろごっちゃになってる (スコア:5, 参考になる)
とりあえず、これだけははっきりさせて議論する前に切り分けた方が良い点がひとつ。
GoogleBooksで今現在問題になっているポイントのほとんどはGoogleと米国作家協会との和解内容であって、GSV問題みたいにGoogleが勝手に言い出して押し付けたものとは性質がだいぶ違う。
一番の問題は、その和解内容がクラスアクション+ベルヌ条約の合わせ技で明らかに和解に関与してないところにまで影響が及んでしまっていること。
これに関しては責任者はクラスアクションを採用してその範囲を無思慮に拡大した米国作家協会と米国裁判所にあります。
絶版書籍をGoogleが占領するみたいな話になってるのも、根っこの部分はクラスアクションの問題。
Googleが批判されるべきなのは、とりあえずスキャンして公開しますが文句は後で受け付けます、という全般的にオプトアウトで処理しようとする点。もっと問題を具体化すると、権利手続きという作業コストを誰が支払うのかという部分に帰結します。
この点に関しては和解の時点でもある程度考慮はされていて、出版レジストリという権利管理や調整を行う非営利法人をGoogleが3450万米ドルという巨額を投資して設立することで合意しています。簡単に言ってしまえば、書籍におけるJASRACのような組織を作りましょうということですね。
個人的には、この出版レジストリをもっとグローバルかつパブリックな組織として発展させる方向に持っていくのがベストな解決方法なのではないかと思います。出版レジストリの運営もGoogleがやると勘違いしてる人がいるけど、少なくとも組織としては非営利法人として切り離されるわけで、Googleを直接相手にするよりは介入は容易のはず。
というか、Googleだけに使わせるのはもったいない。出版レジストリがしっかり機能するようになれば、Googleも好き勝手ができなくなるはずです。
まあ、そのためにはある程度出資が必要になったりするかもしれませんが……。
しもべは投稿を求める →スッポン放送局がくいつく →バンブラの新作が発売される
Re: (スコア:0, オフトピック)
和解内容が異常ならGoogleは自重すればいいだけのこと
それを分かっててしないなら言い逃れする資格ないわ
そもそもオプトアウトが駄目だっつってんのに出版レジストリもへったくれもねーんだよ
3450万米ドル?だかなんだかしらんがその金でオプトイン方式のシステム作ればいいじゃん
なんでやんないの?もっと金が掛かるからだろ?
結局金儲け目当てじゃん
聖人ヅラが気に食わないんだよ
Re:いろいろごっちゃになってる (スコア:1)
Re: (スコア:0)
> GSV問題みたいにGoogleが勝手に言い出して押し付けたものとは性質がだいぶ違う。
声明文を読んでもわかるように、情報処理学会はクラスアクションの結果、国内の著作権者が勝手に和解に参加させられること、および、Googleが著作権者の同意を得ないまま勝手に書籍のデジタル化を進めたこと、いずれも問題にしています。決して「和解内容」のみを問題としているわけではありません。
現在、米国司法省が今回の和解案を承認すべきではないと言
Re:いろいろごっちゃになってる (スコア:3, 参考になる)
情報処理学会のプレスリリースから。
情報処理学会ではデジタル化そのものは問題にしないどころか高く評価していますよ。
後は第1から第3の問題点として挙げているのを順に読んでいけばいいだけです。
著作権侵害した後の和解方法の問題点を突いています。
なお和解してしまえば著作権侵害という問題自体が解決してしまうので別個の問題と捉えるべきとも思えません。過去にそれを犯したとしても、和解すれば法的には原状回復したとみなされ、問題は消失したと捉えるべきです。そうでなければ一体何のための和解なのか。そしてその和解方法が問題だとされているのです。
Re:いろいろごっちゃになってる (スコア:1)
もっと全体を読みましょう。
「デジタル化という試み」というコンセプトは評価してますが、
実際にGoogleのおこなった行為自体は批判されてますよ。
ψアレゲな事を真面目にやることこそアレゲだと思う。
Re: (スコア:0)
> なお和解してしまえば著作権侵害という問題自体が解決してしまうので別個の問題と捉えるべきとも思えません。
> 過去にそれを犯したとしても、和解すれば法的には原状回復したとみなされ、問題は消失したと捉えるべきです。
今回の声明は、Googleのモラルに問題があると言っているのです。法的な立場から言っているのではありません。
> そうでなければ一体何のための和解なのか。そしてその和解方法が問題だとされているのです。
和解方法が問題とされているのはその通りですが、それ以前の問題としてGoogleの強引な方法論を批判しているのです。
声明の以下の段落をよ
Re:いろいろごっちゃになってる (スコア:1)
「和解が成立したことに起因する問題」についてのみ言及しているようにしか読めませんが……。
そして、指摘している三つの問題点のうち、二つまでがクラスアクションに関する問題。もうひとつが、米国内アクセスコントロールに関する問題。
元のコメントにも書きましたが、クラスアクションの範囲は制度上Googleのあずかり知らないところで決められることであって、Googleのとった手法とは何の関係もない。
にもかかわらず、結論部分の主旨はGoogleに対する問題提起と要求になっている。つまり、指摘している問題と結論がほとんどリンクしていないわけです。
だから、「いろいろごっちゃになってる」と思ったわけですが……。
しもべは投稿を求める →スッポン放送局がくいつく →バンブラの新作が発売される
Re:いろいろごっちゃになってる (スコア:1, 興味深い)
そんなことありません。声明の言葉を使いながら簡単にまとめると、以下のロジックになっています。
指摘している三つの問題点は、和解内容が孕んでいる問題点を具体的に説明するために挙げているだけであって、
Googleに対しては合意形成のプロセスを軽視した手法自体を批判しています。
Re:いろいろごっちゃになってる (スコア:1)
「一方的に積み上げた既成事実」について全く説明がない。
「合意形成のプロセス」の具体的なあるべき姿が読み取れない。
和解内容をどこまで掘り下げてもこの二点に関する情報は得られないことくらいはわかるよね。
結論の段にある主張は、訴訟に至る前の状況と問題点について言及しないと話がつながらない。
むしろ、文脈上Googleの責任ではないクラスアクションの制度上の不備に言及する必要性が感じられない。
正直、クラスアクションの範囲を決めたのが誰なのかを誤解してるようにしか見えないんだよね……。
しもべは投稿を求める →スッポン放送局がくいつく →バンブラの新作が発売される
モラルの問題 (スコア:0)
枝葉末節の議論にばかり目が行ってしまい、
「まず最初に他人の権利を侵害する」という
Googleのやり口が批判されていることに気付かないようですね。
テクニカルな問題ではなく、モラルの問題なんです。
人間としての良識を持って読めば理解できると思います。
Re:モラルの問題 (スコア:2, 興味深い)
だったら最初からそういえばいいのに、と言ってるんだが。
結論はどう見てもGoogleパッシングだし、その結論自体も否定するつもりはない。
問題は、その結論に至るまでの論理展開が勘違いを根拠にしてるように見えること。
へたすると、アンチGoogleの自己満足と思われてしまいかねないよ。
10分そこいらで書きなくぐるコメントならまだしも、情報処理学会プレスリリースでこれはちょっと……。
しもべは投稿を求める →スッポン放送局がくいつく →バンブラの新作が発売される
Re: (スコア:0)
デジタル化そのものは問題ではないでしょう?著作権侵害というのなら、公開するか否かが問題なのであって。
Re: (スコア:0)
デジタル化そのものは問題ではないでしょう?著作権侵害というのなら、公開するか否かが問題なのであって。
業として複製した段階で、複製権の侵害。
Re: (スコア:0, すばらしい洞察)
ん?普通にわかるけど?
ああ、日本語が不自由な方ですか?
Re: (スコア:0)
私も普通に読めましたが、あまり良くない文章だとは投稿者自身でも感じたようで、推敲し直したのを日記に載せていますね。
われながらひどい文章なので、ちょっと推敲 [srad.jp]
推敲した方も読みましたが分かりやすくはなったけどもともとと同じ趣意で理解しました。わざわざコメント垂らすほどは酷い文章ではないと思いますね。
こういう声明を日本語で出す意味ってなんでしょうね (スコア:2, すばらしい洞察)
Googleは現代のアレキサンドリア図書館 (スコア:2)
エジプトのアレキサンドリアにある図書館は地中海世界で最も文書の集積が進んだ図書館だったよね。
しかし、その蔵書の入手方法というのが凄い。 [bukkyo-u.ac.jp]
>古代では最大、最高の図書館として建設され、世界中の資料を収集することを目標にしていたそうです。
>どのようにして?
>アレクサンドリアに寄港する船の積み荷や蔵書はすべて強制的に買い取られた、あるいは没収されたのです。
>没収とまではいかないにしろ、停泊期間中に借りて資料を書写し、原本は返さず、写しの方を返す、とか・・・
> とにかくかなり強引な方法ではあったのですが、
>このようにして70万巻の蔵書をほこる古代世界最大の図書館はできあがったのです。
Googleのやってることも同じだよ。ひたすら情報を収集して貯め込み、
インデックスを付けて利用できるようにすることが至上命題って感じの会社だから。
正直、本当に人類の文化を後世に残したいのなら、これぐらいやってもいいんじゃないかと思うんだ。
情報収集には、関係者全員が合意していることが望ましいとは思うよ。
でも一致してできないのなら、できる奴がやるべきだね。集めなければどんどん端から消えてしまうのだから。
例えば特許紛争において先行技術があったことの証拠固めに使えるわけだし。
自称歴史家が勝手に過去をねつ造できなくする方法としてもこれは大きいと思う。
「今回の権利侵害」って何ですか? (スコア:1, 参考になる)
少なくとも「何に関する議論なのか」をタレコミで明らかにして下さいよ。
あえてミスリーディングを狙ってるんでなければ。
音楽配信とiPodの二の舞 (スコア:1)
ユーザーからしてみれば、Google Booksは本当に便利。読みたくても絶版になっているものは読めるし、調べたい事柄を検索して、じっくり読むべき本は見つかるし。
日本じゃ、批判や訴訟なんて記事ばっかりで、建設的で有意義な意見や、対抗サービスを打ち出す事もなく。
また、ウォークマンからiPodに時代が変わったように時が流れすぎていってしまうのだろう。
国立国会図書館の全文書電子化と、オンライン有料閲覧には期待してる。
いずれのサービスにしろ、コンテンツの利用料金が著作者に直接明朗会計で渡されるのであれば、変な権利団体とか、ちょっとしか印税を払わない出版社とかがスキップ、淘汰され作品を実際に作る人の利益になると思うのですが。
Re: (スコア:0)
> コンテンツの利用料金が著作者に直接明朗会計で渡されるのであれば、
iTunesStoreでは権利者と先に交渉した上で許諾を受けた物を配信するというオプトインの手法を取ってる。
対して、Google Booksは先に公開した揚げ句、権利者から言ってくれれば料金を払いますよというオプトアウトの手法を取ってる。
この一点を取っても、「コンテンツの利用料金が著作者に直接明朗会計で渡されるか」の観点においてもダメダメというしかない。
Re:音楽配信とiPodの二の舞 (スコア:1)
iTunesStoreは販売の取りまとめとiPodへのユーザーの囲い込みが目的であるのに対し、GoogleBooksは図書館の電子化、オンライン検索、閲覧を目的としたWebサービスで、著作者や遺族の数や連絡先の確認の難しさを考えればオプトアウトは合理的。
GoogleBooksから著作者への料金支払いは複写権に対するもので、初めから電子書籍として著作物を販売したいのならAmazoneと契約すればすむ。
「直接明朗会計」かどうかは、いわゆる権利団体や出版社に渡った金額のうち、実際の著作者にいくら渡されているか、不透明な既存の金の流れに対するものです。
Re: (スコア:0)
あなたがアメリカ人なら(アメリカ国内で)絶版(扱い)になってるものは読めますが、日本人なら読めません、という話ではなかったっけ? ベルヌ条約+クラスアクションで対象になるのは世界中の著作者であって、利用者の方ではないのだから。
Re:音楽配信とiPodの二の舞 (スコア:1)
ま、日本人であるならば、国立国会図書館の電子化と、さらなるオンラインサービスの発展に期待という事で。
今だって、近くの図書館にリクエストすればたいていの本は借りる事はできますし、なければ、国立国会図書館に行けば閲覧できますから。
一気にGoogleBooksによって、日本の本がただで読めちゃうなんてことは望んでません。
Google Book Searchとして検索キーワードから、自分の得たい情報が、どのような書籍に載っているのかがわかるだけでも、これまでの書籍検索では実現できていなかったことですから、大変価値のあることでしょう。
本筋から離れた突っ込みはともかくとして、要は、Googleが国の予算も使わずに図書館情報を電子化してくれて検索利便性のよいサービスを提供してくれるなら、大歓迎ですし、Googleのコントロールが気に食わないならMSでもAmazoenでも日本でも他国の企業、公共サービスも対抗して良いサービスを提供してくれればいいんです。
ユーザーは使いやすいものを使って、できない事があれば、他のサービスを組み合わせればいいんだし。
結果として、Google Book Searchがアメリカ国内でより成功し、他国でも、同等のサービスを展開せざるを得ない状況になってくれればいいと望んでます。
Google の思うツボ (スコア:0)
米国内で買えない書物は勝手に絶版扱いで自由にスキャンされちゃう予定じゃなかったっけ?
不正送本のススメ :-) (スコア:0)
権利者が新刊書を米国に持ち込みを拒否したとしても、
密輸された本をスキャンされるということですね。
Re: (スコア:0)
スキャンする本自体を米国に持ち込ませない、ってことでしょ。
そんなの現実的じゃないから「米国内でそんぐらい考えて行動しろや」だな。
Re: (スコア:0)
そのどこらへんが問題で、実際にGoogleがどんなことをしているのか、誰か具体的にかつ事実に沿って説明してくれないかな。
いろんなサイトで言っていることが食い違っていて、どこまでが事実に沿った批判なのか、どこまでが思いこみによる批判なのかさっぱりだ…。
Re: (スコア:0)
http://www.googlebooksettlement.com/
Google側の意見を要約すると
「あなたが権利を有している本であろうと公開します。先に許可を取るような事はしません。消して欲しい場合は後から言って下さい。お金を払って欲しければ期限内に申し立てして下さい。」
となる。
この解釈が正しいかは、上のサイトを自分で読んだり誰かに読ませて判断してもらえ。
さて、Googleはこの主張を通すために、
>2009年1月5日現在、和解で「使用により関連している」と認定された1冊あるいは複数の書籍や挿入物の米国著作権利益を保持するすべての人々
と和解した。
これによ
ま,あれだ (スコア:0)
Re:悪法もまた法なり (スコア:1, 興味深い)
私が思うに1行目の段階でなにか余計な行動なんかしようもんなら
2行目でやられたのが自分だったはずです。
なにもしなかったので4行目まで生き残れたというのは
実は最善手を選択して最善の結果を得ていたのではないでしょうか。
彼は詰め将棋の玉将だったんじゃないのかな。本人が気づいてないだけで。
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
ニーメラーの教訓って、
全体主義等の大権力に対して集団レベルで団結して行動しても(どのみち)太刀打ちできない
ということにつきるのでは。
#これを克服できたのは全体主義の恐怖に対してヒステリーで議論を止める全体主義的恐怖で対抗し60年憲法改正を止めた日本くらいしかいないのでは。
Re: (スコア:0)