
NVIDIA、次世代Intel CPU向けチップセットの開発を中止 32
タレコミ by pidgin
pidgin 曰く、
チップセットのライセンス問題でIntelと争っているNVIDIAだが、 どうやら次世代Intel CPU向けチップセットの開発を中止するようだ (ITmediaの記事より)。 記事によると、Intelは次世代バスインターフェースであるDMI(Direct Media Interface)は NVIDIAとのライセンス契約外としており、NVIDIAはこの問題の決着がつくまで開発を凍結するそうだ。 この訴訟の決着がつくのは来年になるとのこと。
2年半前の/.記事「NVIDIAがIntelとの提携から得たものとは何か?」には、 GetSetさんによる「数年後には消えてなくなる提携かもしれないが」という部門名がつけられているが、 まさにその通りになってきている。
NVの新技術対応が遅い理由 (スコア:4, 参考になる)
以前PC Watchで後藤さんが書いていましたが、NVIDIAの基本的なアーキティクチャは今でも
G80が基本になっています。これは現在のGT200系でも同じでして、基礎となるSPやSMを
ASICではなくカスタムロジックで組んでいることによるものです。
カスタムロジックはASICと比べ、高クロックで廻すことができますが、(実際SP/SM部は倍速で駆動してますよね)
設計と検証にかなり時間がかかることになります。G80の開発には4年、その間GFFX-GF7000でRadeonと戦いつつ
現在GPGPUと呼ばれる技術トレンドに舵を切ってきたのですが、ストリームプロセッシングを念頭においていたので
Unified Shader化には対応できたものの、GPGPU概念の拡張とDirectXのソフトウェア化志向、OpenCLの策定と
技術トレンドが急速に変化する状況の中、G92コア製品の二度にわたるリネームで時間を稼いで、その間にSMの再設計でぶら下げるSPの数を
とりあえず増やしてGT200コアのローンチに至っています。
元々のG80アーキティクチャがかなり柔軟であったため、グラフィック分野ではATI-R600アーキティクチャのSP物量と効率化攻撃に
何とか対応できていましたが、倍精度浮動小数点パフォーマンスやアドレッシングなど、ハイエンドストリームプロセッサとしての
トレードオフを考慮しなければならないので、これ以上の性能向上にはアーキティクチャの大幅な刷新が必要となります。
で、「Fermi」アーキティクチャの発表に至るのですが、カスタムロジックでの設計がどこまで進んでいるか不明であり、
ローエンドのGPUに積むにはトランジスタの効率が悪すぎるため、必然的にミドル-ハイクラスの価格帯でないとペイしないと思われます。
最近発売されたローエンドのGeforce GT220は内容からGT200系のSP/SM、おそらくGeforce 200Mと同一のコアを採用していると予想され、
TSMCのプロセス開発が順調にいっていないことからチップセットビジネスの凍結、中期的にはミドルローエンドからの撤退も
十分に考えられるレベルの状況になっているかと考えられます。
救いなのはソフトウェア側のDirectX10対応が進んでいないことですが、Vista見送り組の個人や企業のWindowsXPからWindows7への移行が
確実な状況で、DMIバスのライセンスが得られないとなれば、ノートPC外付けGPU派生のローエンドGPUであってもラインナップの維持は困難です。
x86系二大メーカーがGPUの内蔵、融合に向かっている中で、ボリュームゾーンを取れずミドルから上とストリームプロセッサに特化
せざるを得ないNVIDIAに、MatroxやSGIの影がちらつくような気がします。Lalabeeの性能、出荷時期によってはストリームプロセッサとしての
将来にも赤信号がともることになるでしょう。
しかしIntel GMAシリーズのグダグダっぷりは何とかならんもんか。
Re:NVの新技術対応が遅い理由 (スコア:1)
どちらにしろ、近い将来CPUにグラフィクスを統合してしまうとグラフィクス機能をチップセットに内蔵する必要も無い訳で、必然的にNVIDIAはローエンド側の市場には参加できないでしょう。
そうなるとディスクリートのチップで商売するしかなく、その商売の相手はわざわざ外付けでグラフィクス機能を追加しようとするユーザですから性能が要求されるはずです。安くて性能が低くても構わない、というボリュームゾーンのユーザはディスクリートのチップを買わないので、価格が高くて性能も高いゾーンを狙うというのは理にかなっています。
DMI経由でグラフィクスを接続すると帯域が心配ですから、無理にセップセットに内蔵させずmini PCI Expressで接続して回避するとか考えてるんじゃないでしょうか。
ACにしておくにはもったいない (スコア:0)
IDどころか、実名で記事を書いてもいいレベル。
・・・最後の一行がなければw
マカーとしては (スコア:2)
マカーとしては、チップセットをNVIDAにすることで、廉価マシンでもOpenCLが使える
メリットがあったので、MacBook/Mac miniがどういう方向に行くのかがちょっと心配
です。
MacBookにMobile Core i7はないかなぁ。
Mobile Core i7のMacBook Proは廉価マシンなしかなぁ。
Re: (スコア:0)
Appleハード以外でMacOSXを動かす系某社のサイトで「Intel CPU以外では動きません」みたいな注意書きを見ました。理由は書いてなかったですが、MacOSXはintelの拡張命令セットまで使って最適化をしてるから単なるx86ではないと推測できます。もしそうならAppleはAMDにそう簡単に移行したりできるんでしょうかね?
モバイルCPUがお眼鏡にかなうかも重要です。intel化の理由の一つがPPC G4の発熱と消費電力らしいうえ、ノート以外にもモバイルCPU使っているしMacProはサーバーCPUだしでデスクトップCPUは出番がほとんどないくらい。イマイチノート市場への食い込みが弱いAMDはその辺どうでしょう?
当面はIntelCPU+Intelチップ+GeForceあたりになるんじゃないでしょうか。
13インチクラスのノートが微妙だけど、ここはしばらくC2D+NVのままいくかも?
ドン詰まり? (スコア:1, 参考になる)
AMD側も昔はチップセット事業は別メーカって感じの方針とっていてAMD系CPUでnVidiaのチップセットは人気を呼んだが
ATIと合併したあたりから元々ATIの持っていたチップセット事業を取り込んだあたりからAMDも自社のチップセットをって感じになって
AMD系でのnVidiaのチップセットは今は瀕死。
でインテル系ともこれだともうnVidiaのチップセット事業そのものが瀕死ですね。
何とか生き残っているのはAtomとの組み合わせのIONのみ。
さらにGPUに関してもいまだにDX11のGPUは発売にすらなって無くAMDに溝を開けられる状態。
さらにここに来てOEMのみだったローエンドのGT 220/210がDX10.1製品として発売。
オフトピですが (スコア:2, 参考になる)
× 溝を開けられる
○ 水をあけられる [yahoo.co.jp]
現在の正式名はnVidiaでなくNVIDIA (スコア:0)
Re: (スコア:0)
>何とか生き残っているのはAtomとの組み合わせのIONのみ。
次世代Atomだと対応できないという話を聞きましたので、Atomでも先がなさそうです。
まぁその対応策としてのTegraなんだろうけどね。
#任天堂に採用されるといいね。
Re:ドン詰まり? (スコア:1)
>任天堂に採用されるといいね。
NINTENDO64の頃からお世話になってるArtXはATiの傘下で、その関係で今もATiが載ってます。
64→GC→WiiとArtX(ATi)なわけで、NVIDIAの入る余地はまずないとみていいかと。
Re: (スコア:0)
>さらにGPUに関してもいまだにDX11のGPUは発売にすらなって無く
んー、確かにWin7にあわせて、ってのがベターなタイミングだったかもしれませんが、
AMDの方も供給量が少なくて非常に微妙な感じっぽいですし。
むしろ「一応、DX11対応のGPU出てるぜ」ってことでDX11対応ハイエンドゲームの登場が促され、
ある程度出揃ったところで「本命DX11対応GPU」ってことでハイエンドカードを潤沢にまわせれば
充分取り返せる段階だと思われ。
もし現状でも心底やばい、という状況があるとすれば、
DX11対応のAMDのミドルエンドや統合チップセットが「潤沢に」出回った時でしょうね。
先ほ
Re: (スコア:0)
その対応しているローエンドのチップセットがこれから無くなる訳で。
AMDの10.1対応のはすでに潤沢に供給されている訳です。
最近のNVIDIAは攻撃的でしたし (スコア:0)
ここんとこNVIDIAはCUDAだなんだで「CPUなんて最低限でいい、最高のGPUを買えば幸せになれる」ぐらいの勢いだったので、intelにハブられても仕方ないでしょう。
本業のGPUもAMDに押され気味だし、自分で売った喧嘩とはいえここからがNVIDIAは踏ん張りどころでしょうか。
Re:最近のNVIDIAは攻撃的でしたし (スコア:2, 興味深い)
Nvidia kills GTX285, GTX275, GTX260, abandons the mid and high end market [semiaccurate.com]
Full on retreat, can't compete with ATI
285は既にEOL、260は11or12月にEOL、275は2週間以内にEOL、295も終わりそう。
ハイエンド、ミドルレンジから脱落する。
Fermiの派生モデルはテープアウトすらしていないので、少なくとも2Qは掛かる。
Fermiはダイサイズあたりの性能が低く派生モデルを作ってもフルラインナップで価格競争力で劣る。
ハンダの欠陥問題、G212の失敗、G214の大失敗、G215の遅延、G216とG218の壊れたGDDR5コントローラ。
救世主となるチップはない、プランBはない、全て失敗した。
赤字販売を続けるか、撤退して少ない赤字を出すかしかない。
資金が尽きる前に開発の問題を修正し競争力のある製品を出せるかが問題。
1月にはローエンドからも脱落する。
Nvidiaは全てのパートナーから憎まれており助けてくれるパートナーはいない。
Nvidiaに必要なのは経営陣の総入れ替えだが、その出て行くべき奴らは株主なので起こりそうもない。
ゲームオーバー。ジェンセンは年俸1ドルでも貰い過ぎである。
Re: (スコア:0)
カノープスがビデオカードから撤退したときのことを思い出した。
当時、NVIDIAは自分達が作ったリファレンスデザインのボードしか
製造を許さず、独自デザインにこだわったカノープスはチップ供給が受けられず、
撤退を決めた。
これはボードメーカを自分達の製造下請けレベルにしか扱わないという
意思表示であり、技術のあるメーカでも、単に製造設備を持っているだけという
メーカとの差別化要因を何も持てないということである。
これでは技術力のあるメーカから離れていくのは当然だ。
# matroxあたりに買収されてフェードアウトするのがいいのでは?
Re: (スコア:0)
初期のnForceは評判悪かった3,4と改善して、Uliを吸収して勢力拡大して5番目のシリーズでついにAMD向けチップセットをほぼ独占し、AMD向けチップセットからVIAを追い出したのが他でもないNVIDIAだったというのに。
いまじゃあATiにAMD向けから追い出され、Intelにも追い出され、IONは成功するもIntelはAtomをメモコン統合どころかSoCにしようとするし、ION2でVIAにしがみつこうとしているようだけどこっちもどうなるやらねぇ
やっぱり頼みの綱はTegraだけですか。
終わりの始まり T/O (スコア:0)
Re: (スコア:0)
ケータイ関連にシフトかな?
短期的にはTegraがDSの新型に乗れば、暫くは持つだろ?まだ噂レベルみたいだが。
ChromeOSの対応なんかでもAtomよりより低消費電力を狙えるし。
Re:終わりの始まり T/O (スコア:2, 参考になる)
丁度Tegraノート [engadget.com]が。
通信キャリアから出るって事なんで本当に市場に出てくるのでしょうね。
OSはWindowsCE系らしいけど。
Flash 10.1が使えるってのはちょっと魅力的だな。値段次第だが。
Re: (スコア:0)
JoinTech J-PROより売れるのかな?
http://www.jointech.com.hk/ [jointech.com.hk]
Re: (スコア:0)
不覚にもJP77とJE100には萌えた。
#Tegra?NVIDEA?なにそれ?
Re:終わりの始まり T/O (スコア:2)
任天堂は常に弱い方から買ってるイメージ
そのほうがカスタマイズにリソース割いてもらえるし、買い叩けるからだろうけど。
リソース割いた上に買い叩かれて、NVIDIA的には利益出るのだろうか・・・
根拠はないが想像するに・・・ (スコア:0)
アメリカでの裁判って結構強気に裁判が終わるまでは、出し続けるような
イメージがある。場合によっては仮停止処分が出ても・・・
だから敗訴したときが、ものすごい損害賠償になることがあるのだけど。
NVIDIA自身が勝利を信じて開発・販売を続ける・・・・というのを
しないということは、今回NVIDIA自身が勝利を信じられなくなったのかな?
でも、NVIDIAって今開発速度とかかなり遅くなったよね・・・・
Radeonはかなり進化を続けて、総合的にはRadeonのほうが技術的にも
勝っている気がする。
でも性能(ゲームの動作など)がどっこいどっこいに見えるのは、
アプリやゲームの開発者側がテスト環境をGeforceにしてチューニング
しているからだけの感じがする。
Geforceにチューニングされているゲームとかは、確かにGeforceの
ほうが性能いい。
でも、Radeにチューニングされたゲームでの、GeforeceとRadeonの
性能の差のほうが大きい感じする。
つまり、表記は極端だけど、
Geforceにチューニングされているゲームでは
Geforce > Radeon
Radeにチューニングされたゲームでは
Geforce << Radeon
という感じ。
Re:根拠はないが想像するに・・・ (スコア:1)
今回の場合はまだ製品の出ていない次世代チップセットについてが争点なので、今の時点では仮処分とか損害賠償という話にはならないかと。
それがあるとすれば判決が出る前にNVIDIAがチップセットをリリースした場合。
もし裁判に負けるとそれまでチップセット開発に投じた費用が無駄になってしまうので、その費用の見積もりによっては勝てる見込みが60%くらいであってもストップした方がいいという判断もありえます。
NVIDIAが裁判に勝てる見込みについて弱気になっているという可能性も否定しませんが、それとは別に無駄になるかもしれないものに開発リソースをつぎ込めないくらい資金繰りの余裕がなくなっているのかもしれません。
つまりGPUの方でAMDに押され気味なことで、空振りになるかもしれないチップセット開発はストップせざるを得なくなったのかも。
うじゃうじゃ
しかし (スコア:0)
たとえ裁判で勝っても開発ストップの遅れを取り戻すのがすごく大変そうだねぇ。
intelは (スコア:0)
AMDのCPUは落ち目で競争相手にならないから、GPUくらい買ってもいいって考えなのかな。
Re:intelは (スコア:1, すばらしい洞察)
チップセットの話だったよね??
Re: (スコア:0)
自社の chipset 売りたいだけで、
radeon は関係ないんじゃないの?
#個人的には nVidia 擁護派
Re: (スコア:0)
なにを言いたいのかが分からない。ATIは既にAMDの一部だからRadeonは完全にAMDのものですよ?
それを何でIntelが乗せるの?マザーボードのアセンブリレベルの話だったら分かるけど。
もうグラフィックだけじゃない (スコア:0)
GPUを計算に使うと効率がいいと言う話は何度も話題になっております。
先ほど初めて知って驚いたんですが、すでにNVIDIAではGPUをつかって計算専門のユニット [nvidia.co.jp]まで作っているんですね。
ハイパフォーマンスな計算が必要な分野に食込めるんだったら、小物に走らないでもいいってことが理解できます。
小さなスーパーコンピューター.......これは目から鱗だった
Re:もうグラフィックだけじゃない (スコア:1)
自宅用の PC では、なんとなく安定しているような気がして NVIDIA を選ぶことが多いんだけど、
なんというか、最近の NVIDIA のやってることってシリコングラフィックス [wikipedia.org]を思い起こさせるんですよね。