yasuokaの日記: 「物理学者オズワルド」とは誰なのか 7
日記 by
yasuoka
ネットサーフィンしていたところ、『【意外と古い歴史】用紙サイズ「A4とB4」の違いは?そもそもAとBって何?』(しらべぇ、2015年3月28日)という記事に行き当たった。
A判は物理学者オズワルド氏によって提案されたドイツの規格で、そのサイズを日本や各国が採用したもの。面積が1㎡の長方形をA0とし、現在では国際規格サイズとなっています。
以前、「A判の起源」にも書いたとおり、A判を考案したのはFriedrich Wilhelm Ostwaldではない、…と書きかけて、ハタと妙なことに気づいた。この記事にある「物理学者オズワルド」って誰なんだ? Ostwaldは「オストワルト触媒法」や「オストワルト表色系」で有名だけど、「オズワルド」と呼ばれることは無いし、そもそも「物理学者」というよりは「化学者」だぞ。
そう思って、「物理学者オズワルド」をgoogle検索してみたところ、出るわ、出るわ、これとかこれとかこれとかこれとかこれとかこれとか…。ただ、どれもこれも、いわゆる「コピペ臭」満載なので、ネタ元がどこかにある気がして少し探してみたのだが、私(安岡孝一)には見つけきれなかった。「物理学者オズワルド」の初出を見つけた方は、ぜひ、私までお教えいただきたい。
このあたりでしょうか。。。(詳細未読) (スコア:1)
https://twitter.com/TakashiSasaki/status/767571497183350785 [twitter.com]
屍体メモ [windy.cx]
Re:このあたりでしょうか。。。(詳細未読) (スコア:1)
しかし初出かどうかはさっぱりわかりません。
屍体メモ [windy.cx]
Re:このあたりでしょうか。。。(詳細未読) (スコア:1)
ディズニー好きの人がオストワルトを誤記したんだろうか。
屍体メモ [windy.cx]
Re:このあたりでしょうか。。。(詳細未読) (スコア:1)
連投すみません。
最初の投稿(というかツイート)、
2chの過去ログへのリンクを貼ったつもりだったんですが、
マルウェア感満載のまとめ系サイトにリダイレクトされるようなので消しました。。
屍体メモ [windy.cx]
初出さがしの旅 (スコア:2)
私(安岡孝一)の方では、小宮英俊『おもしろい紙のはなし』(日刊工業新聞社、1990年11月30日)p.83とか、高崎清「行政文書の用紙規格のA判化に係る実施方針について」(『自治研究』第69巻第3号(1993年3月10日)pp.72-95)p.78とか見てみたんですけど、それぞれ「ドイツの物理化学者オストワルド」「ドイツのノーベル賞受賞者のW・オストワルト氏」になってて、「物理学者オズワルド」じゃなかったんですよね…。
google検索結果の日付上では (スコア:1)
コレ(google上では2001/02/01) [shiroki.com]が一番古いようですね。
表現は化学者のオストワルド氏。
そして物理学者オストワルド氏が登場したのはラジオのバックナンバー(2001/5/10放送) [hbc.co.jp]のようです。
物理学者オズワルド氏がの登場はこの数学科指導案(2003/7/15) [chiba.jp]でしょうか。
Ostwaldをオズワルドと読んだ人がいれば日本人が英語読みをした可能性もありそうです。
ただ化学者と物理学者を間違えるってのは失礼すなぁ…
「物理学者」とA版に関する最も古いとされる記述? (スコア:1)
既知かもしれませんが、念の為。
International standard paper sizes [cam.ac.uk]
このサイトの「History of the ISO paper formats」項に、
「用紙サイズ用の平方根アスペクト比に関する最古の記録の1つは、物理学教授ゲオルク・クリストフ・リヒテンベルクがヨハン・ベックマンに1786年10月25日に書いた手紙である」
というような事が書かれています。
同サイト上に、送った手紙が記載されているページがあります。
Lichtenberg’s letter to Johann Beckmann [cam.ac.uk]
ここで一致するのは「物理学者である」「ドイツ人である」という事だと思いますが、
問題は「オズワルド」という名前は一致しないよなあ、という部分。
どこから出てきたんだオズワルド。