コメント: Re:どっちに転ばすこともできるわけね (スコア 5, 参考になる) 156
火力発電だって、一定出力で運転したほうが燃料効率がいいのだ、自然エネルギーの発電量の乱高下の調整で燃料が無駄になっている分、火力発電のコストが高くなっているのだ。確かに維持コストは発電量で変わらないだろうが、燃料はそうではないから、調整コストを火力発電側がコストとして支払っているわけで、そこも考慮する必要がある。
ちなみに日本国内で大規模自然エネルギー発電のネックになっている問題の一つに、自然エネルギーの発電量の乱高下の調整のために数時間分程度の蓄電を義務付けている場合があるそうだ。もっとも、太陽光なら、宅地数軒分ぐらいの規模ならそんな条件はないそうだけれどね。
それ以前の問題として、日本の風力発電の場合、いくつか課題があるそうな。
1) 自然災害コスト
台風の直撃でも破損しない丈夫な風車が存在しないので、台風のたびに何割か故障するので、稼働率と維持コストが高いことが問題になっている。
2) 低周波騒音問題での設置場所の確保ができない。
最近は、設置場所が住宅地に近くて低周波騒音問題で、新設が難しくなったのも頭が痛いそうだ。商用風力発電の場合、半径数百メートルに低周波騒音をまき散らすので、反対運動が激化している。
3) 再建問題
既設の場合でも、人家の近くだと、台風で破損した契機に撤退を求められるケースが多いそうだ。低周波騒音で近隣の住民からの悪感情が累積しているうえに、災害での破損で人家に被害が出たりすると、撤退運動に火がついて、再建が難しいそうだ。
発電量を増やしたくても、発電量を増やせば増やすほどコストが下がるのではなく上がるのでは、普及は難しいというところだ。実際発電量の推移からすると、ブームは終わったといえる状態で減少傾向になっているそうだ。