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地球シミュレータを使った研究成果にゴードン・ベル賞 23

ストーリー by Oliver
役に立ってこそ 部門より

otk曰く、"/.jでも時々話題にのぼる世界最高速の並列計算機システム「地球シミュレータ」ですが、高性能計算技術に関する国際会議SC2002で、本年度の「ゴードン・ベル賞」を受賞したとのこと。宇宙開発事業団のリリースによると「この賞は、毎年、並列計算機を実用的な科学技術計算に応用し、性能を含めて最も優れた成果を出した者に与えられるもの」で、「地球シミュレータ」を用いた研究成果3件が、実効性能部門と特別賞を受賞したそうです(全球大気大循環シミュレーション、核融合3次元流体シミュレーション、乱流の直接数値計算)。"

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • 論文は (スコア:2, 参考になる)

    by ShibaQ (2782) on 2002年11月27日 3時34分 (#207577)

    こちらを参照 [sc-2002.org]。11/21の午前のセッションのところです。

    Earth Simulator (1) [sc-2002.org], (2) [sc-2002.org], (3) [sc-2002.org] の他にも IBM BlueGene/L [sc-2002.org] や GRAPE-6 [sc-2002.org] の話もでてます。

    BlueGene/Lは、システムの理論性能は360TFlopsだけど、MTBFが"at least 10 days"だそうで。36TFlopsでMTBFが100日の"計算機X"があったとすると、あなたはBlueGeneと"計算機X"のどっちを使いますか(ユーザの方)? 買いますか?(管理者の方)

    #おまけ ここ [sc-2002.org] の3ページの写真をみると、どこかで見たことのある人が...

    • by hina (5448) on 2002年11月27日 11時50分 (#207712)
      実行性能でもピーク性能でも GRAPE-6 (29.5Tflops/63.4Tflops) が地球シミュレータ (26.58Tflops/40.96Tflops) を上回っているのに受賞できなかったのは何故?
      専用機だから? 今年からなんかレギュレーションが変わったとか?
      親コメント
      • by locate (5848) on 2002年11月27日 13時43分 (#207754) 日記
        > 実行性能でもピーク性能でも GRAPE-6 (29.5Tflops/63.4Tflops)
        > が地球シミュレータ (26.58Tflops/40.96Tflops) を
        > 上回っているのに受賞できなかったのは何故?

        単に実効性能だけがスパコンの能力を表すわけでは無い、からではないでしょうか。

        数値計算コードの開発しやすさとか、使いやすさとか、汎用性とか
        スパコンの性能の評価にはいろいろとあるかと思います。

        極端な話、ある計算を行うコードを丸ごとプロセッサにしてしまえば、
        それがその計算に対しては、最も早いに決まってますし。
        親コメント
        • Re:論文は (スコア:2, 参考になる)

          by take0m (4948) on 2002年11月27日 15時14分 (#207789) 日記
          > 極端な話、ある計算を行うコードを丸ごとプロセッサにしてしまえば、
          > それがその計算に対しては、最も早いに決まってますし。

          確かに理想的にはそうですよね。専用計算機をIBMやNECの工場で作ってもらうのがベストなんでしょうけど、コスト的にはそうも行かないところが多いんでしょうね。

          なかなか最高速まで持っていくのはしんどいですよね。結局最後はクロックだのバンド幅だの、ハードウェアの設計とでき如何になりますし。なんといっても失敗できないので、試作も何度かやって、そのコストも高いと・・・

          そうなると、最も安いパーツ(つまりIntel x86系)を使ってそこそこのコストで、そこそこの性能の汎用機を作っちゃえ、って感じなんでしょうね。USはその方向で数年来ていて、最近のHPCブームなんでしょうね。大学の研究室でも実践しているところあるくらいだから。

          地球シミュレータはその流れに一石を投じた、という点が評価されているんだと思います。専用計算機でもなく、汎用パーツの寄せ集めでもない。ピークと実行性能の良好な比率。捨てられつつあったベクトル計算機に再び光を当てたことで。
          親コメント
          • by locate (5848) on 2002年11月27日 17時57分 (#207878) 日記
            > 捨てられつつあったベクトル計算機に再び光を当てたことで。

            ベクトルプロセッサは、捨てられつつあった
            わけではないと思うんですけど。
            というか最先端だと思うんですが。

            開発が難しいので作れる所が限られてますけど。
            親コメント
            • by keisuken (2614) on 2002年11月27日 21時17分 (#208003) ホームページ 日記

              ベクトルプロセッサは、捨てられつつあった
              わけではないと思うんですけど。
              というか最先端だと思うんですが。
              そうなんですか?(いやあんまり知らないんですけど(^^;)。でもベクトル型 Super Computer が減っているのは事実だと思います。

              で、興味あるのは、対コストの問題もあるんですが、今時の PC ベースなどの HPC ってどれだけの計算効率なのでしょうか。

              親コメント
        • by hina (5448) on 2002年11月28日 9時44分 (#208279)
          単に実効性能だけがスパコンの能力を表すわけでは無い、からではないでしょうか。

          それはそうですね。GRAPE が Top 500 List [top500.org] に載らないのはそういう意味なのでしょう。

          しかし、だとすると2000年と2001年に GRAPE-6 が Gordon Bell を受賞した [u-tokyo.ac.jp]のは何だったの? ということになるような。

          Gordon Bell 賞の Peak Performance 部門というのは、それこそシンプルに「実効性能だけ」で一番速い奴を決めましょうという趣旨 [sc-2002.org]の賞だと思っていたんですが。

          親コメント
  • by halo (12510) on 2002年11月27日 7時42分 (#207607) 日記
    なんですね。やっぱり。

    流体の解析というのが厄介なもので、実用途も豊富で、並列計算向きで、そもそも地球シミュレータがそれを目的として建造されたというのはわかっているつもりです。ハイゼンベルクの死の床の言葉なんて話もありますし。

    しかし、流体解析以外のスーパーコンピュータの用途って他に無いもんなんでしょうか?
    と、この記事を見てて思いました。実際のとこどうなんでしょう?
    • チェスをやらせる [srad.jp]。

      単に人間と処理能力で張り合う [srad.jp]。

      Arimaaをやらせる [srad.jp]。

      以上、/.jpから適当に抜粋
      --
      // Give me chocolates!
      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2002年11月27日 8時19分 (#207615)
      > そもそも地球シミュレータがそれを目的として建造されたというのはわかっているつもりです。

      それだけが理由です。
      逆に違う用途に使われていたら問題でしょう。
      #DNSは微妙に用途が違うような気がするが。

      > しかし、流体解析以外のスーパーコンピュータの用途って他に無いもんなんでしょうか?

      ・構造解析
      ・多体重力解析
      ・分子動力学解析
      ・熱解析
      ・…
      いくらでもあると思いますが。
      だいたい、流体解析だけでスパコンを使わせてもらえるほど世間が甘いわけでもなく。
      何らかの連成問題でなければむずかしいでしょ。
      #その意味でもDNSは特殊だが。
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      • by halo (12510) on 2002年11月27日 9時12分 (#207644) 日記
        たーくさんの粒子があるルールに従って相互作用するのを計算してみるという意味で捉えると、流体解析と多体重力解析って親戚みたいなものかな、というように私のど素人目には見えるのです。構造解析もそうかな。

        そういうものにコンピュータが強くて、しかも規模が大きい程有利、というのも分かるので、現状こういう状態というのも納得してます。

        でも他に「なんと、こんなことにも使えるのか」といったものはないんでしょうかと。
        教えて君で恥ずかしいのですが。
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        • by locate (5848) on 2002年11月27日 9時50分 (#207658) 日記
          > たーくさんの粒子があるルールに従って相互作用するのを
          > 計算してみるという意味で捉えると、流体解析と多体重力
          > 解析って親戚みたいなものかな、というように私のど素人目
          > には見えるのです。

          流体計算の場合は、隣同士のセルとの相互作用を解けば良いのですが、
          重力多体系の場合は離れたところにある粒子との相互作用も
          解かないといけないので、大分違った計算になります。

          スパコンの得意とするベクトル演算は前者に有利です。
          親コメント
      • > #DNSは微妙に用途が違うような気がするが。

        Domain Name Service? そーいやインターネットに繋ぐの繋がないのって 話があったなぁ、とマジでボケてました。

        %% Direct Numerical Simulation (直接数値計算) のことですな。

        --
        親コメント
    • by ncube2 (2864) on 2002年11月27日 12時48分 (#207737)
      ドカーンと配列使ってMRP [jmac.co.jp]やらせたいって人は少なくないと思うぞ。
      #でも採算には合わんだろうけど
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    • by SteppingWind (2654) on 2002年11月27日 15時50分 (#207802)

      その昔SX-3で初めてOSがSVR4ベースに変わった時に, 出荷前の初号機だか弐号機(確か4CPU構成だったか)だかで動かしました. 当時はACOS-4ベースのSX-OSから変わったばかり(フロントエンドはACOS1500)だったんで, 前/後処理用のツールもろくに整備されておらず, 手作りしなければならなかったため, まずはCコンパイラやシェルがまともに動くかどうかの確認も兼ねてのことだったんですが. psコマンドでシェルスクリプトやコンパイラが走っているのを見て, もったいないと言っていたのを覚えています.

      当時は大変形を伴う有限要素解析なんてのもスパコンの領域だったのですが, 最近ではPCでも対応可能になってきたのでしょうか?

      親コメント
      • by Anonymous Coward
        そういえば、πの計算なんてイベントもありましたねえ。
        LP用紙の山を#13だったかまで見にいったことがあります。

        #仕事中なので && インサイダー情報なので AC
    • by Anonymous Coward
      ちょっと話題はそれるかもしれませんが、天文学の牧野先生が GRAPE-6 と Gordon Bell 賞 についてこんなことをいっていました.
      http://njb.virtualave.net/nmain0111.html#nmain20021124083755

      まあ、GRAPE-6 は汎用のスーパーコンピュータではないという解釈もあるでしょうが.
    • いーじゃん。

      河村スキームが出るまでは乱流が数値計算出来るなんて夢みたいな話だったし、今だって実用的にホイホイ解けるわけじゃない。
      高々、「コップの中で粉末ジュースをかきまぜて溶かす」という計算だって大仕
    • 個人的には、核分裂・核融合を瞬間的におこなわせる反応のシミュレーションとか、
      飛翔体の大気圏再突入のシミュレーションとか、
      そんなのをきぼんぬ
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192.168.0.1は、私が使っている IPアドレスですので勝手に使わないでください --- ある通りすがり

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