yasuokaの日記: Re: Unicodeの絵文字のルーツ 7
私(安岡孝一)の2017年12月21日と2018年3月2日の日記の読者から、シャルコ・アンナの『外国人が目を丸くした日本の「絵文字」の豊かさ』(BEST T!MES、2018年6月6日)を読んでみてほしい、との御連絡をいただいた。読んでみたのだが、絵文字の歴史に関して書かれた以下の部分が、どうも気になった。
1993年に図2のスマイリーフェイスを含めて、100個以上の絵文字がUnicode1.1の「その他の記号」というブロックに登録されると、ワードの「記号と特殊文字」から選んで打てるようになりました。
Unicodeの「Miscellaneous Dingbats」に、☺☻☹を含む106字が収録されたのは、1991年10月のUnicode 1.0だったりする。でも、この「ワード」って、何のことだろう? この時点でのMS-Wordは、まだUnicode対応しきれてなかったはずだけど?
携帯電話のメッセージに絵文字が使えるようになったのは、1999年に日本のNTTドコモによって176種類の絵文字のセットがリリースされたことが始まりです。
携帯電話の電子メール絵文字は、私の知る限り、1997年11月のJ-PHONE DP-211SWにまで遡る。また、DDIポケットのKX-PH21Fは1998年3月なので、これもドコモの「iモード」よりは古い。これに加え、1999年2月に「iモード」でリリースされた絵文字は、166種類であって176種類ではない。
ちなみに、この『外国人が目を丸くした日本の「絵文字」の豊かさ』という記事は、『絵文字進化論』という連載記事の第1回らしい。まあ、第2回以降でちゃんと訂正が入るのを、私としては期待するのだけど、さて、どうなるかしら。
ご指摘ありがとうございます! (スコア:1)
Unicode 1.0と初期のドコモ絵文字とJ-PHONE絵文字 (スコア:3)
Unicode 1.0の「Code Charts」は、Unicode 1.0のページ [unicode.org]からPDFとしてリンクされています。初期のドコモ絵文字が166字だったのは、たとえばWeb Archive [archive.org]に当時のページが残っていますし、当時のマニュアル(たとえば、古籏一浩『最新実用HTMLタグ辞典』p.595)にも残っていますよ。
あと、J-PHONE絵文字が「広まることはなく、絵文字の送受信もうまく行われることがなかった」というのは、本当ですか? 私(安岡孝一)の知る限りでは、J-PHONE絵文字は、現在もSoftbank絵文字#1 [softbank.jp]として、まだ一応現役 [srad.jp]のはずなのですが?
Re:Unicode 1.0と初期のドコモ絵文字とJ-PHONE絵文字 (スコア:1)
J-PHONE SkyWalker絵文字 (スコア:2)
「同じ端末同士でないと絵文字を送受信できなかったため」という部分が、やっぱり個人的には納得いかなかったので、今日の私(安岡孝一)の日記 [srad.jp]に少し書いてみました。よければ、ごらん下さい。
おかしくはない部分 (スコア:1)
でも、この「ワード」って、何のことだろう? この時点でのMS-Wordは、まだUnicode対応しきれてなかったはずだけど?
できた瞬間、規格化された瞬間使えるわけないのは(物理的に配布されるソフトウェアなら)当然として
100個以上の絵文字がUnicode1.1の「その他の記号」というブロックに登録されると、ワードの「記号と特殊文字」から選んで打てるようになりました。
この文章を読む限り規格化されて(暫くして)打てるようになったというならおかしくはないのでは。
J-PHONE DP-211SW
これだろうなとは思ったけれど、現在に繋がる歴史の流れという点ではこの機種は孤立してしまっていると思う。
PI Zaurusとかでも絵文字の入力は可能だった記憶があるが、どちらかといえばその流れに思う。
特に携帯電話の話なら単純に孤立した形で実装され同じ機種等でしか扱えないものは無意味で、ある程度流通可能で社会的に受け入れられたという事が重要になる。
特に携帯電話というのはマーケティングも大規模で普及や社会的影響も爆発的ですから。
「携帯電話のメッセージに絵文字が使えるようになった」は誤りで「広く使えるように」とか「使われるように」とするべきだとは言え。
Re:おかしくはない部分 (スコア:1)
Microsoft Word 1.0 for Mac (スコア:2)
あ、yanokさんにバラされてる。私(安岡孝一)の記憶が確かなら、Microsoft Word 1.0 for Macは、1984年の時点で「Zapf Dingbats」が使えたんですよね。ただ、それはそもそもMicrosoft Wordだけじゃなくて、当時のMacintoshのワープロは「Zapf Dingbats」が使えるのが当たり前だったので、☎とか☛とか✌とかの絵文字が使えたわけです。
一方、Microsoft Windows上のWordが絵文字を扱えるようになったのは、たとえば日本の場合だと、まあ、Word 2002ってことになる(Word 2000に「MultiLanguage Pack」入れるのは、普通の人たちはあんまりやってなかった)と思うのです。そこらへん、元の文が何を言いたいのか、正直わからなかったので、とりあえず
と書いてみたわけです。いや、その、EGWORDだったらどうしよう、というのも、一瞬、頭をよぎったりしたので。