jonykatzの日記: 野心的な目標設定と人材の多様性が、価値ある研究成果を生む 30
日記 by
jonykatz
科学技術政策研究所のリリース(pdf)によれば、一橋大学イノベーションと共同で行った大規模アンケートの結果、
研究プロジェクトに対して野心的な目標設定を行い、人材の多様性が高い研究チームを形成することが、価値ある研究を生み出す可能性を高めることが示されたようだ。
この調査は、2001-2006年の日本が関与している論文において、被引用 数が上位1%(トップ1%論文)とそれ以外の論文を抽出し、その著者に対して論文を生み出した研究プロジェクトについて尋ね、それぞれの抽出群を比較するという方式で行われたもの。
研究チームの人材の専門分野、専門スキル、生誕国、所属セクターを調べたところ、トップ1%論文を生み出した研究プロジェクトの方が、複数の項目に該当する人材の多様性が高い傾向にあり、またポストドクターなどの若い研究者の参加の比率が高いということが明らかになった。 さらに、科学の進歩の方向を見据えることと共に野心的な研究目標の設定ということが、トップ1%論文を生み出した研究プロジェクトにおいて高い割合で実施されていることが分かったそうだ。
人材の多様性と野心的な目標設定というのは、どのような組織でも必要なのかもしれない。
成果を産まない例 (スコア:5, おもしろおかしい)
世界征服という野心的な目標設定と、毎週変わる人材の多様性という要素に加え
潤沢な機材・人件費をかけてさえ、毎週阻止されてしまうという現実。
いや、現実じゃないか・・・
Re:成果を産まない例 (スコア:1)
>世界征服という野心的な目標設定と、毎週変わる人材の多様性という要素に加え
>潤沢な機材・人件費をかけてさえ、毎週阻止されてしまうという現実。
そのマイルストーンが、幼稚園のバス襲撃だとか、
年賀状に住所書いてヒーローを呼び出す作戦だとか、
おならで人類を眠らせて地域を乗っ取る作戦だとか、
子供の鼻を赤くして困らせる計画だとか、
公園で遊んでいる子供をいじめる計画だとか、
ミカン買占め作戦とかいったものだからね。
Re: (スコア:0)
たまに「賽銭泥棒」とか本当の犯罪もあったけど。
(詳しくはこちら [wikipedia.org])
Re:成果を産まない例 (スコア:1)
菓子・玩具メーカーの売上・利潤確保、さらには、
製造・販売・流通等周辺事業者の利益・雇用確保という、
堅実かつ地道な目標のために、
犠牲にしなければならない物もあるのです。
Re:成果を産まない例 (スコア:1, おもしろおかしい)
Re: (スコア:0)
そう考えると、イルパラッツォ様はすごいのかすごくないのかわからんな
言うは易くなんだよ (スコア:3, すばらしい洞察)
総合評価って目標を上長と決めたりするんだけど、
達成できないと減点なので、リスクの高い目標を選ぶのは自殺行為。
成果が予測できる無難な目標を選ぶのが吉。
・人材の多様性
直ぐに使えない人材は他所に追いやられる。
多様な人材を抱えて置けるほど余裕のある研究機関なんか日本にあるんでしょうか。
火事のときだけ活躍するような人材を飼っていたら、事業仕訳されちゃうでしょうね。
それと、野心的な目標設定と多様な人材のおかげで、失敗した事例も
調べなければ調査の意味はない。リターンとリスクを秤にかけるでしょう。
どちらも無限にリソースがあるなら、どこでもやりたいことではありますけどね。
Re:言うは易くなんだよ (スコア:2, すばらしい洞察)
>達成できないと減点なので、リスクの高い目標を選ぶのは自殺行為。
だから減点主義はやめろとあれほど。
……とさんざん言われてきたのだけど、今の経営患部がそういう減点主義の中で生き
残った人たちなので、加点主義に移行した途端にボロが出るんですな。減点主義の中では
「失敗しない人」ではあったかもしれないけれど、加点主義の中では何もやらないし、
何もできない無能な人達ばかりなんだと。
だから既存の日本企業が加点主義になることは永久にないでしょう。
その前に倒産するだけ。願わくばJAL延命のような税金の無駄づかいだけはしないように。
>多様な人材を抱えて置けるほど余裕のある研究機関なんか日本にあるんでしょうか。
それは大丈夫!
今だって何もしない人達をタップリ抱え込んでるんだから、その人達を首にするだけで
余裕なんていくらでもありますよ。
Re:言うは易くなんだよ (スコア:1, 興味深い)
Re: (スコア:0)
上の人の批判は楽でいいんだけどさ、じゃあお前がやれば?むしろ起業したら?
って言うと「いや、俺は・・・」って逃げる奴らばかりだし、お互い様だと思う。
無能な管理職の会社には、無能な社員が集まってるんです。
Re:言うは易くなんだよ (スコア:1)
>既存の日本企業
>倒産するだけ
進化とはダメな者が改良されるのではない、一番以外が滅びた結果が進化なのだ。
the.ACount
Re: (スコア:0)
要するに「一杯予算くれ」「沢山雇用を確保しろ」って話じゃないんですかね。
実際後ろの方では「良い研究プロジェクトは一杯外から予算貰ってるよ」という話もしてますし。
役所の人は「今までと同じ予算、同じ雇用で二倍の成果を上げます!」という方向の話はあんまりしないですからね。
他の分野でも「今の予算では足りない」「人員が欧米に比べて少な過ぎる」みたいな結論の調査を良く見ますね。
まあ彼らの理想を実現するためにはそうなんでしょうけど、一々言うこと聞いてたら予算はいくらあっても足りないですからね。
つまり (スコア:2, すばらしい洞察)
成功の為に雇われたたくさんのポスドクはどうなるのですか?
使い捨てですか?
そして、賞賛を受けるのは、雇ったパーマネントの親分ですか?
若い者を奴隷の様に使い、人柱を作った年寄りがより偉くなれる。
血で舗装された道路ですね。
つまり年寄りに都合良くできているわけですな。
ダメンター Re:つまり (スコア:1)
その通りなんですが、最近は、さらに酷い話を方々でききます。
定年退官のはずが、その若い人の成果で、自分のための新しいポジションを用意して
籠城し続けます。(その若い人は敵になるので粛正されることもある。)
若い人を潰したり育てられない老人こそ粛正されるべきなんですが。
Re: (スコア:0)
ていうかPh. D持ってるんだから、道は自分で切り開かないとね、とか言ってみる。
#でも、自分はそろそろ我慢できなくなりそうなので、こっそり就活中。
#できれば研究職がいいけれども、もう研究できなくてもいいや。心が折れた。
当然研究者の質も問われる (スコア:2, すばらしい洞察)
多様な人材をちゃんとマネジメントするためには、上に立つ人間の質も重要だよね。とりあえず集めてきて丸投げじゃあ、うまくいかない。
地方大学なんかもっと戦略的に人を取るようにしないと何もできないんじゃなかろうか。たとえばある程度絞ったテーマに特化して、その共通のテーマに違った手法で取り組んでる人を集めるとか。現状の構成員を見るに、むしろ特殊な技術を持ってる人は少なくって、ある程度メジャーな手法でメジャーなテーマを扱ってる人の寄せ集めになっちゃってるよね。(灯台の大御所のお弟子さんとかが流れてきて腐っていくだけ。)もったいない。まあ教育の面もあるので広く浅くになるのもわかるけど。もうちょっとなんとかならないものか。
下っ端、若手研究者の側も、異分野の研究者とちゃんと相互理解できる人材じゃないといけない。分野を変えて成功している人はもっと評価されるべき。論文数とか学会での知名度とかの勝負になると、どうしても同じ事をずーっとやってた人の方が評価が高くなってしまう。
少子化と不景気で大学が縮小されるのは避けられないんだから、もうちょっと戦略的に人事をしたほうがいいのでは?
# 教授の定年延長とか明らかに流れに反してるのに、通っちゃうのかね? ちょっと最近のご老人は好き勝手やりすぎじゃないですか?
もっとも、野心的な目標設定それ自体が何かの結果だったりするけどね。 (スコア:1)
野心的な目標設定をさせた所でうまく行くわきゃないわけで。
いろんな分野の人があつまっている研究なので (スコア:1, 興味深い)
素人目にはそう見えるのですけど。
ビッグサイエンスを推進したい人達の言い分 (スコア:1, 興味深い)
調査に対して言いたいことはサブジェクトが全てなんですが,ビッグサイエンスの予算的あるいは人材的な効率が良いかどうかは,別の問題ですね.この調査では,被引用件数で評価していますが,別の観点として日本のノーベル賞受賞者を見た場合,ビッグサイエンスによる受賞は小柴昌俊博士だけです.
私個人としては,ほどほどの予算をばら撒いて研究を進めさせる方が,平均的な効率は良いのではないかと思っています.昔は散見されたという「本当に働かない教授」を排除することは必要ですが.
もちろん,研究テーマによって必要な資材および人材の形態は異なりますから,ビッグサイエンスを一概に否定するつもりはありません.
Re:ビッグサイエンスを推進したい人達の言い分 (スコア:1, 興味深い)
いまでもたくさんいますけど。。。
そんな先生方が人事をしているので、地方大学とか、都会でも私立大学なんて未だにバカ採用していますよ。
曰く「俺より業績のある、若い奴はいらない」とかいって、10年以上論文書いてない30代を准教授採用したりしてますな。
#30代で10年論文書いてないってつまり学位とってから、まともな仕事をしていないんぜ。
そもそも「本当に働かない教授」は世界の研究の流れとか世間的に認められる業績の質が分からなかったりする。
というか、「業績をあげる」というか「業績」そのものの意味すら理解できていない場合が多い。
そうなると、「業績」で人事ができないから、「知っている人の推薦」なんてのに左右されやすくなる。
でも、「本当に働かない教授」は「知っている人」すら少なかったり、「知っている人」のレベルが同程度の「バカ」だったりするので、結局自分の若いときの業績とかを判断材料にするけど、「本当に働かない教授」の若い頃の業績など推して知るべしだから、採用者のレベルも下がっていく。
さらに悪いことに「本当に働かない教授」は大学の外に出ないから若い研究者の就職難なんて理解できないし、自分が就職できたから自分よりも業績がある若手が就職できないのは就職できない若手に非があると思い込んでいる。閉じこもっているから時代の流れがまるで見えてないんだよね。
そんなこんなで、「バカ」が「バカ」を採用するという悪循環が起こっている。これがいまのポスドク問題。多くの人間が思っている「ポスドクが就職できない」というポスドク問題よりも事態はもっと深刻化していて、ポストはあるけど、採用者がバカだから業績のある若手が採用されないで、バカが准教授になったりしている。そして、本当に真面目に研究し業績のある奴が潰されていき、それをみてさらに若い大学院生とかがシラケていき、結果日本全体の研究能力が落ちていく。 研究して業績だして世界に認められると就職できなくて、業績ないと准教授なんてケースをいくつも見てモーティベーション維持できる奴なんていない
競争的資金とかはこんな「本当に働かない教授」やバカに採用されたバカ准教授達を駆逐する駆動力になるはずだったのが、「広く薄く」なんて議論が出てくる。良く考えると分かるが科研費の採択率って大体25%だよ。採択されれば数年はもらえてその間応募しないんだから、ある年度で見るともらっている奴ともらっていないやつどっちが多いか分かるじゃん。単純な算数すらできない奴が「広く薄く」なんて言ってバカ教授とバカ准教授を擁護しているんだよ。
こんなこと書くと「教育と研究は違う」なんていうやつもいるけど、バカ教授やバカ准教授の講義すごいぞ、間違いを平気で言っているし、そもそも理解が浅いから薄っぺらい事、教科書そのまましか言わない。だから退屈で眠い講義になる。授業料詐欺に近いのではないかと良く思う。
特に文系大学で理系科目をもっている先生方は酷いのが多い。あれでは余計嫌いになるって。文系学生にこそ業績があってその道をある程度究めた人間が厚みのある講義をすれば「理系イジメ」が減るのに、文系学生にはこの程度でいいやなんて感じのことをやっているからダメなんだよな。 教育に力いれてあれかと思うと「本当に働かない教授」の意味が良く分かるな。
#かなりやばいのでAC
Re: (スコア:0)
> 「業績をあげる」というか「業績」そのものの意味すら理解できていない場合が多い。
教授に「インパクトファクターって何?」って真顔で聞かれたりしますからねえ。
Re: (スコア:0)
>昔は散見されたという「本当に働かない教授」を排除することは必要ですが.
今もいますよ。文系学部には山ほど。てか、毎年コンスタントに査読付き論文を発表してる教員の方が少数の国立大学の学部もあるわけです。査読付きつっても100%採録になるやつだったり。
そういう定年間際の教授たちは、一体いくら給料もらってるんでしょうかね。クビにしたら若い人3人くらい雇えるんじゃないかと。
「研究マネジメントとその成果との因果関係をより明確化するために、今後、更なる分析を行う予定」 (スコア:1)
この手のネタで良く指摘されているとおり、ある群と別の群で差があると言うことが必ずしも因果を表すわけではありません。
元々の傾向と、傾向を取り除いたマネジメント力を分ける事で因果が突き止められるので、因果の分析結果の公表が待ち望まれるところです。
個人的にはこのようなプレスリリースで誤解を招くよりは因果の分析をしてから報告した方が良いのではないかとも思うのですが、研究プロジェクトの成果に注目を集めるためだとか、調査に協力してくれた方への初期段階でのフィードバックを行うために公表を行う事も必要なのでしょうね。
更に言えばこのアンケート結果を匿名化して公表すればいくらでも研究してくれる人が現れ、科学研究の発展に貢献する要素を突き止める作業が飛躍的に進むと思うのですが、日本ではこのような調査データが公表されることが少ないのが残念なところです。(クラウドソーシング、というやつですね)
データが公表されていれば、予算がなければ研究が出来ない、政府にいい顔をしておかなければデータが手に入らない、等の分析者の能力とは無関係なところが研究成果の妨げになる事はなくなるため、是非データを公表して貰いたいところですが、公表によってデータ収集の成果を独占できないのならデータ収集が行われなくなる、との見解を持つ人もいるようです。
こうしたデータの整備と公表こそが科学研究を推進するための政府の役割として重要ではないかと思いますので、関係者の利害が関わる科研プロジェクトではなく、国の基盤データとしてのデータ整備を行って貰いたいものです。
最も、政府の用意した匿名化データの利用許可を得て分析結果を学会誌に投稿したところ、Reviewerに問題点を指摘され、再分析のためのデータの利用を再申請したが、「同じ目的での申請は新規性がないため認められない」と断られた事がある、と聞いたことがあります。
こんなんじゃまともな研究が出来るわけ無いですよね。
ポスドクの賃金 (スコア:0)
ポスドクに限っていうと,ちゃんとポスドク雇えるくらいの
予算のプロジェクトはそこそこ大きなプロジェクトだろうし,
そこはやっぱり成功しやすいんではないでしょうか.
もちろん,お金だけ潤沢でもうまくまわってないプロジェクト
もいっぱいありますが.
パーセンテージ低いんじゃね (スコア:0)
リンク先のpdf見たら専門分野、生誕国、専門スキル、所属セクタで比較してるみたいだけどどれもこれも複数の組み合わせのどれも過半数超えて居ないんだが…。本当に効果あるって見出してるのか?
確かに実業まで下ってしまえば多分野協業はイノベーションを生み出しやすい土壌になるけどもさ、学術研究レベルでシーズ生み出すには協業よりも天才の閃きとか山師のカンとか物性にありがちな水平方向への絨毯爆撃とかの方が重要なんじゃないの?
Re:パーセンテージ低いんじゃね (スコア:3, 興味深い)
確かに実業まで下ってしまえば多分野協業はイノベーションを生み出しやすい土壌になるけどもさ、学術研究レベルでシーズ生み出すには協業よりも天才の閃きとか山師のカンとか物性にありがちな水平方向への絨毯爆撃とかの方が重要なんじゃないの?
アカデミックな場にそこそこいた経験からすると、やっぱり他人とする議論が結構重要なのかな、と思う。
いろんな見方や考えを持つヒトに自分のあっためてるアイデアを見てもらって、貶されたり褒められたり、
全然思いもつかなかった着想をもらったり、本や論文や別の人を紹介してもらったりってのを
いつもいつでも出来るってのはやっぱ研究者にとってとても良いと思う。学会は年に何度かだけだしね。
だからちょっとムリ目な目標を立てて、少々ピリピリしながら攻撃的にいろんなヤツと丁丁発止するのは
確かに研究にもいいかもしれんと思う。ただ居心地の面ではアレかもしれない。
研究予算が取れません (スコア:0)
> 人材の多様性
「寄せ集め的な人材では目標の実現性は難しい」とマイナス点に評価され研究予算が取れません。
> 野心的な目標設定
「達成可能な目標設定として適切と考えるのは難しい」とマイナス点に評価され研究予算が取れません。
これが現実です。
Re: (スコア:0)
それはあなたに対する評価。
Re: (スコア:0)
すばらしい洞察
……というか
チームリーダーレベルが知るべき話じゃなくてトップとか研究予算を与えようとかって人向けの情報ですから
「今」こんなこと申請しても予算とれねーよ!ってのは当たり前の話ですよね。
#トップマネジメント向けの書籍を下々に買わせて感想文を提出させる、というくだらない社内勉強会に
#「これはお前らが読むものだよ俺らに読ませたら会社辞めちゃうよ?」という言葉を多重オブラート加工で提出したのでAC
そらまあそうだろう。 (スコア:0)
平凡な目標をたてて成功したところで、トップ1%で評価される論文にはならんだろうよ。
野心的な目標だったから評価されたんで。
宝くじはめったに当たらない。でも買わなけりゃ当たる確率は0%、これも当然。
で、宝くじに投資しようとするべきかと言う話だよね。