人気の広告ブロック拡張機能「Adblock Plus」の
偽物がChromeウェブストアで配布されていたことが半年ほど前に話題となったが、現在も状況は改善されていないようだ。AdGuardの調べによれば、合計2,000万人以上がChromeウェブストアから悪意あるコードを含む偽拡張機能をインストールしていたという(
AdGuard Blogの記事、
BetaNewsの記事、
HackReadの記事)。
ここでいう偽拡張機能は、主に広告ブロック拡張機能など人気の拡張機能をクローンして多少のコードを付け加え、本物と紛らわしい名前を付けたものだ。こういった偽拡張機能に対抗するには商標権侵害でGoogleに削除を求めるしかなく、対応には数日かかるという。しかし、最近では紛らわしい名前を付けるのではなく、拡張機能の説明で検索結果上位になるようなキーワードを含めるものも増えているそうだ。
AdGuardが悪意あるコードを発見した偽拡張機能のうち、「AdRemover for Google Chrome」はAdBlockをクローンしたもので、ユーザー数は1,000万人以上だったという。付け加えられた悪意あるコードは、リモートサーバーから画像に埋め込んだコードを受け取って実行するもので、バックグラウンドページとして任意の操作を実行できる。つまり、偽拡張機能のインストールによりボットネットに組み込まれることになる。
同様のアプローチをとる偽拡張機能は他に4本発見されており、うち2本は広告ブロック、あとの2本はそれ以外の拡張機能だったという。なお、AdGuardは問題をGoogleに報告済みで、5本すべて削除されている。ユーザー数は偽広告ブロック拡張機能3本だけで2,000万人を超えるが、1億人以上が使用しているという
Adblock Plusのユーザー数もChromeウェブストアでは1,000万人以上と表示されているので、AdRemoverのユーザー数だけで2,000万人を超える可能性もある。