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金型の著作権団体が設立へ 70

ストーリー by yourCat
デフレのしわ寄せはもう御免 部門より

von_yosukeyan曰く、"読売新聞の記事によると、金型メーカーの業界団体である日本金型工業会西部支部はこのほど、金型の著作権を保護・管理する金型著作権機構を設立するという。
金型はほとんどの製造業にとって欠かすことの出来ない産業だが、ここ数年発注側が試作品を発注する際に金型図面の引渡しを要求し、実際の金型の製造は国内業者に発注するより安く済む海外に発注する事例が横行しており、金型産業の存続を脅かしている。発注者側と受注者の関係がある種の信頼関係で成り立っていたために、図面の著作権関係が不明確であることや、契約自体も曖昧で、この種の紛争はほとんどの場合金型業者が泣き寝入りで終ってしまう。
金型著作権機構は、金型の図面を弁理士に鑑定を依頼し、独自性があると認められたものを登録し管理する。当面は西部支部に所属する金型メーカーが機構に参加するが、順次東部支部にも拡大していくという。ちなみに、金型とは少し性格は異なるが、半導体回路の著作権を保護するための法律として回路配置法という法律もある。"

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • 著作権? (スコア:2, すばらしい洞察)

    by G7 (3009) on 2002年08月25日 13時33分 (#152694)
    著作権って、ブツを作ったと同時に発生するんでしたよね。だとすると著作権なら、

    >独自性があると認められたものを登録し管理する。

    登録管理の基準が独自性の有無だってのは、ちょっと疑問を感じます。どれもこれもが対象なのでは?
    #型設計の現場は知りませんが、二次創作(^^;はどれくらい行われるものなんでしょうか?

    いや、個人的には著作権(や特許)がこれ以上領域を広げるのは嫌なので、
    「独自性なくても管理しろよ」と主張するつもりは更々無いのですけど。
    むしろ逆ですね。

    うーん。どうなんでしょう。これって、その曖昧であるという契約のほうの問題なのでは?
    つまり例えば、金型業者ではなく金型「設計」業者として業を成り立たせるってのは、どうなのだろう?

    言っちゃなんだが(でも無視してれば済む問題でもないし)、実際に今、金型製造のほうの技術に
    独自性や優位性が「ない」からこそ、製造工程のほうは異国に図面一発でやらせることが出来ちゃうわけなのでしょ?
    言っちゃなんだが、そういう部分は競争力が「ない」ってことなのでは?
    #もちろん、競争力のある企業も、きっと沢山あるのだと思いますけど。

    競争力ない所をも生かす"ため"に今回のようなシステムを導入するのって、なんか保護貿易な感じぃ。
    それで(俺は違うが日本の誰かは)飯を食わせてもらってるからには、迂闊にNOとはいえないんだろうけど、
    少なくともこれが日本の競争力の位置付けなのだなあと推し量る材料になってしまっているように思う。

    あと、

    試作品の発注ねえ。最近はCADやPDMの発達によって試作「品」を作る必要が無くなり
    全部Virtualで済んでしまうぞ、という方向性を目指してる所が多いらしいですね。
    だとすると、試作品という商品形態に依存(なのかな?)したビジネスモデルって、
    今後きつくなるんではないですかね?>それら企業
    つまるところIT屋さんが金型屋さんのライバルになるということか(^^;;;(それは微妙に違うぞ)

    てゆーか、それってつまり、設計&試作はいちいち外注に出さない時代の到来ってことかな。
    言い換えれば、著作権とやらで保護したがってる図面って、今までの図式だと
    保護される企業は下請け中小企業だったようだけど、今後はそうじゃなく
    製品全体を作る大手が直接設計図を描き、それの権利を確かなものにした(笑)うえで製造を発注するという、
    結局権利が大手に集約するモデルに、早々(何年後かな)に移行しちゃうのでは?

    ProjectX(笑)や21世紀ビジネス塾(?)が燃えるような、日本の中小企業頑張ってますよ的な雰囲気とは、
    既に違ってきてたりするような気がする。
    • Re:著作権? (スコア:2, 参考になる)

      by nekopon (1483) on 2002年08月25日 14時26分 (#152717) 日記

      若干の誤解があるかと思うので書いておくけど。

      金型の設計というのは、金型で作られるもの(プラケースとか、 金属ケースとか)と少々異なるところがあります。というのは、 成形されるものは、その物性によって、 金型の逆形状とは若干異なる形状になるためです。 で、金型を設計する場合は、もとの設計形状になるように、 その形状を逆算してやる必要があります。 その逆算も、成形方法によって、あるいは成形業者によって若干異なり、 聞くところによると『金型をみると、どこの業者かわかる』ほどだとか。

      ということは、金型の図面をもとに別の業者に依頼して成形すると、 実はもとの設計図どおりのものができるわけではないのです。 しかし、差が許容範囲であるとか、 あるいは少々合わないのを無理に押し込むとかすれば(けっこうあるようです)、 問題は表面化しないとか。 中には再成形しないとどうにもならないものもあるとか。

      ちなみにこれがかなり激しいのが陶磁器で、 そのノウハウだけでもかなりのものになります。

      親コメント
      • Re:著作権? (スコア:3, 興味深い)

        by kondou (7687) on 2002年08月25日 17時33分 (#152777) ホームページ 日記
        すこし整理して書き直してみると、

        1. 製品設計
        2. 金型設計
        3. 金型製作
        4. 製品製作

        と、おおざっぱになります。
        1. は発注側の仕事ですが、2.3.4 は発注先の仕事になります(一般的に)。

        いままで、2.3.4. の仕事を前提に、2. を発注先にさせて、3.4. を他の所に持っていったから問題なのですね。発注先では、3.4.の利益を見込んで2. をおこなっていたりする場合がありました。

        2. だけで、発注先が採算がとれるような契約に最初からなっていれば問題にならない。

        元記事に、

        発注者側と受注者の関係がある種の信頼関係で成り立っていたために、図面の著作権関係が不明確であることや、契約自体も曖昧で、この種の紛争はほとんどの場合金型業者が泣き寝入りで終ってしまう。


        #しかし、漢字の多い元記事だ。

        とありますが、(金型)図面の知的所有権は、明示的に譲り渡さないかぎりは、図面を作成した所(たいていは発注先)にあるのは、明らかで、正当な対価を払わずにそれを、発注元が略奪することが問題なのです。

        著作権などの別の概念を持ち出さずとも、金型図面に正当な価値を認めるようにしてゆけば良いだけでしょう。

        でないと、拡大解釈を重ねるうちに、著作権は、新規作成したものから、好きなようにお金を引き出せる魔法の道具と勘違いされてしまいそうで。

        また、金型図面に正当な価値が認められれば、金型製作せずに設計のみ行う職業がでてきたりもするかもしれませんしね。
        親コメント
        • by SS1 (6823) on 2002年08月26日 21時34分 (#153445) ホームページ 日記
          ちょっと,補足したくなったので。

          製品の開発は,もうすこし詳しくすると,こんなかんじになります。

          0. 製品企画
          1. 製品設計
          1.1 デザイン(モックアップレベル)
          1.2 製品設計(機構設計ふくむ)
          2. 金型設計
          3. 金型製作
          3.1 金型試作(1号)
          3.2 金型製作(2号,製造用)
          4. 製品製作
            以下略

          いわゆる「白物家電」の話しなんですが,バブル崩壊後から,まず,1.1のデザイン作業を廃止して,製品設計からいきなり外注するようになってるそうです。よってメーカーが関与するのは「0. 製品企画」だけって話しです。

          なぜそうなったかというと ――これらはすべてデザイナさんの受け売りなんですが―― メーカーや(モックを作るほうの)デザイン・スタジオは機構設計をする能力がないからで,たとえば冷蔵庫に注入するウレタンを満遍なくまわるようにして,かつ強度をだせるようにするノウハウってのがない。それで設計する人にいきなり全部まかせてしまう,とか。あともちろん,開発費を安くあげるためです。

          今回の話しは,国内の金型屋さんに出す,金型試作を1号金型だけ発注して,製造用の2号以降は海外でコピーするってのが問題になってる理由です。だから,保護したいのは金型図面より,試作金型の無断コピーからの保護で,図面はそのための証拠って感じですね。

          ただ,今の産業形態のまま,こういう技術集約型中小企業を保護しようとしても,上手くいかないんでないかと。やはり思ってしまいますよねぇ。
          やぱ,大手メーカーが本気で保護する気にならねば。なるかな?
          --
          斜点是不是先進的先端的鉄道部長的…有信心
          親コメント
      • by G7 (3009) on 2002年08月25日 15時22分 (#152739)
        >成形されるものは、その物性によって、金型の逆形状とは若干異なる形状になるためです。

        そりゃそうですね。#金属鋳造の講義は学校で聞きかじりました。

        >聞くところによると『金型をみると、どこの業者かわかる』ほどだとか。

        ノウハウを吸い上げるのがITだ(本来の意味の「情報」技術だぁね)、という面もあるんで、
        その善悪はさておき、ノウハウってのは平均化していくという方向性が(も)有ると思っています。

        >差が許容範囲であるとか、あるいは少々合わないのを無理に押し込むとかすれば(けっこうあるようです)、

        そういや、どっかで、「補正部品」という用語を聞いたことが有るような無いような…あわわ(ぉ

        >ちなみにこれがかなり激しいのが陶磁器で、そのノウハウだけでもかなりのものになります。

        個別の企業としてはそれは是なんでしょうが、
        (司馬遼太郎氏を引き合いに出すまでもなく:以前NHKで麻婆豆腐について言及してた)人類共有財産
        としての文化であるモノの存続という意味では、ノウハウが個に埋没しちゃうのは、ちょっと悲しいですね。

        焼き物にも、再現方法が未知であるがゆえに幻になっちゃってる種類が、わんさと有るんでしたよね。

        なんというか、技術を誇るのはいいんだけど、技術を「秘密にしている状態」を誇るのって、なんか違和感が。
        親コメント
        • by Dobon (7495) on 2002年08月25日 17時09分 (#152770) 日記
          意匠とか特許とか著作権ってのは『ノウハウが個に埋没』したり『技術を「秘密にしている状態」』を防ぐため、また情報伝達を円滑にするため、
          制作者を保護するってのが本来の目的です。
          陶磁器や刀剣などで製法が不明になったものが多いのは、その時代に保護が無かったためです。

          >>ちなみにこれがかなり激しいのが陶磁器で、そのノウハウだけでもかなりのものになります。
          >個別の企業としてはそれは是なんでしょうが、

          陶磁器,フェライト,セラミックなど『焼結』行程を含む品物の型は一筋縄ではいかないでしょう。
          ブツの形状によって、部位毎に収縮率が違いますから。

           その型を製造、設置、調整、整備するのが自社だと思って設計しているなら、
           金型屋にとって、やりやすい方法で設計するでしょう。
           それを否定するのはどうかと思います。

          # おそらく、設計だけ依頼すれば、それなりの汎用性のあるものを納品するでしょう。
          --
          notice : I ignore an anonymous contribution.
          親コメント
          • by G7 (3009) on 2002年08月25日 17時34分 (#152778)
            >意匠とか特許とか著作権ってのは『ノウハウが個に埋没』したり『技術を「秘密にしている状態」』を防ぐため、また情報伝達を
            >円滑にするため、

            あくまで「本来は」ですね。
            現状は多くの面においてかなりそれと違った残念な状況になっているわけで。

            それに、相変わらず"ノウハウ"の多くは個に埋没してる現状もまた有るわけで、
            特許とかが実際にそれらの掘り起こしにどれだけ貢献したのかは、ちょっと疑問を感じます。

            余談:こないだの「ハッカーの動機づけ」トピックを、ちょっと思い起こしました。
            少なくともESRの言葉を信じるなら、金と独占権だけじゃ技術者は萌え(^^;ない、という面も有るかなと。
            余談2:ぶっちゃけていえば、萌えるのは、自分の技術を「使う」ときじゃないかな?それが金や独占と繋がっているかどうかは関係無くて。

            >陶磁器や刀剣などで製法が不明になったものが多いのは、その時代に保護が無かったためです。

            なるほど。今や博物館に行ってしまったような歴史的な技術については、正にそれが言えていますね(^^;。
            あの頃(昔)"保護"しておいてくれてたなら、今我々はそれを愛でることが出来たはずなのに、というわけです。

            しかし、今の社会を産業を経済を支えて欲しい現役の技術について、
            しかもこの時間の流れの早い(技術が隠居するのも早い)時代において、
            保護期間が終わったら技術は隠居済みだった、ということが頻繁に見られるこの状況は
            どれほど特許とかで救済されているんでしょう?
            親コメント
      • by doctor_d (4392) on 2002年08月27日 1時25分 (#153556) ホームページ
        > というのは、 成形されるものは、その物性によって、 金型の逆形状とは若干異なる形状になるためです。 で、金型を設計する場合は、もとの設計形状になるように、 その形状を逆算してやる必要があります。

         ここでシュミレーションの出番になります。例えば、金型の形状を決めて
        樹脂を流し込むという計算をして、さらに熱の計算をして、
        ちゃんと狙った形状になるかな、という。
         実際に製品作りには使われています。

         この流れは好意的に解釈すればG7氏の元コメントにも近いですが、
        スーパーコンピュータで理想的な金型を設計できるほど、演算能力も
        近似式も十分になっている訳ではありません。

         自動車衝突実験なんかは、実際と計算とでの狂いは少なくなっています。
         実車での実験はかなり減っているとの事。
         流体はまだまだ難しいみたいですね。
        親コメント
    • Re:著作権? (スコア:2, 参考になる)

      by Anonymous Coward on 2002年08月25日 17時12分 (#152772)
      >言っちゃなんだが(でも無視してれば済む問題でもないし)、実際に今、金型製造のほうの技術に
      >独自性や優位性が「ない」からこそ、製造工程のほうは異国に図面一発でやらせることが出来ちゃうわけなのでしょ?
      >言っちゃなんだが、そういう部分は競争力が「ない」ってことなのでは?
      >#もちろん、競争力のある企業も、きっと沢山あるのだと思いますけど。

      正直、マイナスモデレートしたいコメントです。
      私は昔、金型の発注側に居ましたが、普通の金型設計者であれば
      ・金型作成時には汎用RC等で作成できる事(特殊な加工が必要無い)
      ・汎用プレス機に搭載できる事
      を前提に設計してもらいます。そうで無ければ全て製品コストに跳ね返りますから。
      (マジメに原価償却等計算するとコストが倍以上になることも)

      ですから、そう言った限定された条件内で複雑な形状を作成する金型というのは
      かなりのアイデアとノウハウが必要になります。
      その設計を無視して、"金型製造のほうの技術に独自性や優位性が「ない」"
      "競争力が「ない」"というのはちょっと滑稽すぎ。
      今回の団体設立はそれを保護する為の行動だと思うのですが?

      設計図って、コンピュータで言えばプログラムソースのような物だと思います。
      今回のこの意見、他所でコンパイルできるからプログラマに技術が無い
      とほぼ同様に思えますが・・・

      >うーん。どうなんでしょう。これって、その曖昧であるという契約のほうの問題なのでは?
      ここだけ同意ですが、それが出来ないからこその今回なのでは?
      親コメント
      • by Anonymous Coward
        >設計図って、コンピュータで言えばプログラムソースのような物だと思います。
        >今回のこの意見、他所でコンパイルできるからプログラマに技術が無い
        >とほぼ同様に思えますが・・・

        G7氏のコメントは「コンパイラには優位性がない」
        • by G7 (3009) on 2002年08月28日 4時29分 (#154303)
          >G7氏のコメントは「コンパイラには優位性がない」と言っていたのでは?

          ども。
          自分の言葉ではないので厳密にはよく判りませんが、たぶんそういう感じです。

          コンパイラ(ごとき)だと見なされて「不当だ」と思うのだったら、
          それが資本主義というものだ、悔しかったら「金額(コスト/パフォーマンス比)で」その評価を跳ね除けてみろ、
          としか、我々には(というか誰であろうと)言えないわけでして…

          つまりお客様が神様だったというだけのこと。
          どんなに優れた技術が有るぞと言われても、たとえばオーバースペック(&それに見合う値段)
          ならば、「そんなの(今は)要らないよ」と言われちゃうかもだし。

          図面をかっさらって良いかどうかは、また別の話。
          ただ、かつてはその図面をかっさらわないほうがコスト的に見合った、のでしょうね。

          余談:
          あと何年かかるかは知らないけど、いつかはアッチの国々も本物(?)の技術を身に付けるだろうし。
          #日本もかつてはそうして先輩(欧米)を倒してきたのだろうし。
          で、それを「遅らせる」努力って、技術的な努力とは、(控えめに言えば)ちょっと毛色が違うわけで…
          親コメント
    • by mizuki tohru (2645) on 2002年08月25日 19時47分 (#152817) ホームページ
       精密金型設計では現在、プリント基板のアートワーク設計のような、個別ノウハウによって行なわれているのが現状です。
       今回問題となっているのは、いわば配線済みのシルクパターンをコピーされているようなものだと理解すべきでしょう。高周波動作のデバッグ済みパターンがゼロコストで盗まれていると。
       産業技術全般に対して、もうすこし知識を持たれることを望みます。

       今後の産業発展の為にも何らかの対策を行なうべきなのですが、ただ、著作権による保護と言うのは、現在のそれは効果が強すぎると思います。
       理想を言うなら、”産業意匠権”とでも言うべき、自動的に発生する、保護範囲を慎重に狭く定めた権利を与えることを考えるべきでしょう。
       これに留まらず、ソフトウェア産業等の現実に適合した、新しい権利を設計すべきだと考えます。特にある種のライセンスに国による法的裏づけがあれば、と思います。

       ただ、金型に関して言えば、金型設計者の有しているのが、今だノウハウの域を出ていない事も問題だと考えます。本来ならノウハウを集積し、理論化し、特許として保護すべき問題でしょう。
      親コメント
      • 今回権利を明確化しよう、と言っているのは金型の設計の「図面の著作物」の問題なんですけどね。回路のパターン自体が保護されるわけじゃない。

        理想を言うなら、”産業意匠権”とでも言うべき、自動的に発生する、保護範囲を慎重に狭く定めた権利を与えることを考えるべきでしょう。

        意匠権は登録制であり「自動的に発生する」ものではありません。自動的に発生するべき理由があるでしょうか?

        ただ、金型に関して言えば、金型設計者の有しているのが、今だノウハウの域を出ていない事も問題だと考えます。本来ならノウハウを集積し、理論化し、特許として保護すべき問題でしょう。

        特許には「進歩性」「高度なもの」という要件がありますので、特許で保護できるとは思えません。

        産業技術全般に対して、もうすこし知識を持たれることを望みます。

        法律全般に対して、もう少し知識を持たれることを望みます。(って言われるから、あまり余計な事は言わない方が良いです。)

        ----
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    • by emuty (9332) on 2002年08月25日 16時42分 (#152765)
      nekopon(#152717)さんがきちんとフォローしてるのでちょっとだけ。

      >言っちゃなんだが(でも無視してれば済む問題でもないし)、実際に今、金型製造のほうの技術に
      >独自性や優位性が「ない」からこそ、製造工程のほうは異国に図面一発でやらせることが出来ちゃうわけなのでしょ?
      >言っちゃなんだが、そういう部分は競争力が「ない」ってことなのでは?

      技術と技能をはき違えてませんか?

      技術は、学習すれば習得出来ると思いますが、技能はそんな簡単な物じゃ無いと思います。

      私、現場の事詳しい訳じゃないですけど、単に図面見て起こせばOKなら手作業じゃ無く全部機械でやれば良いだけの話ですし、そこに手作業が入るって事は何らかの「技能に関するノウハウ」があると、普通は考えると思うのですが....

      「独自性が無い」とか言い切っちゃうのって、どの程度現場の事解って書いてます?
      親コメント
      • by G7 (3009) on 2002年08月25日 17時12分 (#152771)
        >技術と技能をはき違えてませんか?
        >技術は、学習すれば習得出来ると思いますが、技能はそんな簡単な物じゃ無いと思います。

        え?技能だって当事者が「学習」の末に獲得したものだと思いますけど?
        こういう文脈で"技術"と区別されるべき"技能"というものがどういうものなのかを、むしろ質問したいです。

        >「独自性が無い」とか言い切っちゃうのって、どの程度現場の事解って書いてます?

        説明されないと(^^;判らない「くらい」の違いならば、知らない人からは違いが「無視」されるだけでしょう。

        この場合、具体的(?)にいえば、たとえば客。
        客の目から見た限りでは特筆すべき「独自性」が見えない(or見る必要を感じない)、ということが生じえますね。

        実際、だからこそ注文先が流出してしまう(しまった)のでは?

        俺の薄情さ(^^;を論じても、しょーがないですね。
        よりによって肝心のお客様が薄情(^^;になってしまっているわけですから、そっちの対策に注力せねば。

        てゆーか、そういう逆風にも掻き消されないだけの強力な独自性のある会社もまた存在するでしょうし。
        その(全ての)存在までも否定したわけではないです。 # ということは既に書いたはずだが…

        あと、そういう違いを無視「したい」という動機づけが発注する大企業側にも有る、ということなんじゃないかな。
        だからこそPDMがどうのとか騒がれるわけで。
        親コメント
        • by emuty (9332) on 2002年08月25日 17時23分 (#152775)
          >え?技能だって当事者が「学習」の末に獲得したものだと思いますけど?
          >こういう文脈で"技術"と区別されるべき"技能"というものがどういうものなのかを、むしろ質問したいです。

          技術は書籍等の資料があれば習得出来ますが(全てに当てはまる訳では無いのは解って書いてます。)

          技能は、そういう方法では伝えられない&習得出来ないものがあると思います。「学習すれば習得出来る」って手先の微妙な加減とかどうやって「学習」するんですか?数多くこなせば学習出来るっていうのとは違うと思うのですが...
          親コメント
    • by kt (4556) on 2002年08月25日 20時19分 (#152831)
      「金型情報流出防止の指針発表-経済産業省-」 [braina.com][braina.com] という記事があるのですが、それによると「経済産業省製造産業局は7月12日、『金型図面や金型加工データの意図せざる流出の防止に関する指針について』を発表した」とのこと。このような問題に対する業界としての対応策が、今回のタレコミなんでしょうか。
      親コメント
    • by mithra (8990) on 2002年08月25日 23時44分 (#152956) 日記
      著作権って、ブツを作ったと同時に発生するんでしたよね。だとすると著作権なら、
      >独自性があると認められたものを登録し管理する。
      登録管理の基準が独自性の有無だってのは、ちょっと疑問を感じます。どれもこれもが対象なのでは?

      図面については、書いたものが何でも著作物になるというわけではないようです。これを分かりやすく説明している著作権法の教科書があるので、ちょっと引用してみます。

      「機械等の技術思想の保護は、特許等の工業所有権の制度に委ねられるべきであって、設計図に具現された技術的思想がいかに優れたものであったとしても、その思想自体が著作権法の保護を享受しうるものではない。設計図に著作物性が認められるとすれば、それは、機械等の構造を二次元の図面に表記するための作図上の諸工夫に創作性が認められるからに外ならない。ゆえに、著作物とは認められない製品をそのまま図面化したようなものは著作物性を否定される」(田村善之「著作権法概説」第2版 P.93)

      ということで、作図そのものに表現上の創作性(独自性)が要求されるのです。

      もっとも、この(著作権が成立した)図面と全く同じ技術思想を表現した、別の図面を作成することに対しては、著作権侵害は主張できません(上記のとおり、保護内容が異なるため)。創作性のある部分をそのまま丸移しした場合には、著作権侵害と言えます。図面の構成要素ってだいたい共通化していると思うんですけどね...

      ちなみに、これは分からないのですが、弁理士がチェックを入れるのは、上記のような判断をしているからにも思えますし、既存の工業所有権の確認など別の理由のような気もします...

      ----
      CPL翻訳 [srad.jp]査読募集中です...

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    • by Majikonov (6069) on 2002年08月26日 14時19分 (#153220)
      毎度憶測に独断を重ねてコメントを付ける前に、お願いですからもちょっと対象についての知識を持ってみてはいかがでしょう。

      『クルマはかくして作られる』福野礼一郎 [amazon.co.jp]

      私は機械工学は門外漢ですけど、もう少し違ったコメントになるかと思いますよ。

      いや、マジで。
      --
      -- sun burst.
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      • by G7 (3009) on 2002年08月28日 4時44分 (#154304)
        >もちょっと対象についての知識を

        >『クルマはかくして作られる』福野礼一郎 [amazon.co.jp]

        そのページを(笑)読みました。
        で、以下のレビュー(の一部)が気になりました。

        >ちょっとだけ浪花節
        >取材先が一番レベルが高いようについ信じ込んでしまったり、解説が唯一正しいように感じたりするところが若干気になる。

        その本を読んで得られるのは、「対象についての知識」(だけ)なのでしょうか?
        このレビューが"参考になる"のだとすると、ちょっと…

        まぁノイズ(ぉ)は自力(自己責任)でCUTすればいい、とも言えるでしょうけども…

        浪花節を出さないことこそ、こういう場合は重要であるような気がしています。

        余談:その本がどうなのかは知りませんが、礼賛モノって時折、ライバルの存在(と力)を無視しちゃうことがありますよね。
        余談2:浪花節で解説されたら怒る人、だって居るはずなんだがなあ。
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    • by Anonymous Coward
      著作権って、ブツを作ったと同時に発生するんでしたよね。だとすると著作権なら、

      >独自性があると認められたものを登録し管理する。

      登録管理の基準が独自性の有無だってのは、ちょっと疑問を感じます。どれもこれもが対象なのでは?
      リンク先を眺めた程度ですが、ぱくりでないこと、程度の意味ではないでしょうか…。
  • 遅すぎた話 (スコア:2, 参考になる)

    by Anonymous Coward on 2002年08月26日 2時52分 (#153017)
    そもそも、金型は芸術品に近いところがあります。
    大手メーカーから出されるのは「製品図」と呼ばれる完成図面が多く、それを元に金型図面を作成し、金型を作り、その金型がきちんと製品図通りの形状を生成できるのかをチェックするのはすべて下請けの仕事。
    発注者側の大手メーカーは出来上がった金型のチェックをするだけ。しかも、他の金型業者が作ったものを「型修正」と称して別の業者にやらせることもあり、私など今回の情報を知るまでは、『著作権は製品図を作ったメーカーのものでしかない』と思い込んでおりました。
    しかし、よく考えてみると、高性能な金型ほど下請けの独自技術が詰まっており、その点では芸術品と呼んだ方がいい側面があります。金型から生成される製品の素材によっても作り方が違い、例えばおおざっぱに見てプラスティック製品を射出成形する「プラ型」と、金属板をプレス機で加工する「プレス型」だけを見ても、設計方法から切削技術まで大きく異なります。さらに細かいところを見れば際限なく複雑で高度な技術が詰まっています。そういった観点から考えても、著作権云々の話が出て当然でしょう。
    しかし現実は、下請けが個々に金型の著作権云々を言いはじめると、大手メーカーはコストの上昇を恐れて、仕事を別の著作権云々を言わない業者に出してしまうでしょう。そのためにも業界団体が総意としてこのことを主張していかないとまずいと思います。
    大手メーカーは、日々のコスト削減をほとんどの場合下請け叩きで実現しています。(社員削減などのリストラは別にして)
    その中で、金型の著作権を認めることが下請け側の生活を守ることにつながればと願うのですが。
    • 事情は察しますが、なぜ「著作権」? って感じがしますね。
      「IPです」と主張した方がいいような。
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    •  私は、金型のノウハウは「コンパイラやOSのチューニング」と考えています。

       こう言った、定数設定等は容易にdead copy出来ます。
      もし、私が所謂linuxのベンチャー企業とかで、linuxシステムを入れた後、発注元から
      「次はそちらの仕様書と同じ定数を使って、こちらで作業しますから」
      って言われたら、終わりです。

       ノウハウで食べているのに、これをcopyされるのは、
      中小企業では致命傷でしょう。
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  • by koufuu (6853) on 2002年08月26日 4時22分 (#153036) ホームページ 日記
    金型製造業実態《緊急》調査アンケート集計結果速報 [mold-if.com]

    俺は、あんまり、金型製造業には詳しくないので、コメントは差し控えるけど、参考情報として。
    --
    written by こうふう
  • M1の皆さんがG7さんを嫌いなことはよく分かりました。
    僕も彼の文章表現が好きなわけではありません。しかし、この
    M1はひどすぎます。問題はここでしょう。

    >学習のほうも、そういう定義を持ってきても、差障りないのでは?
    >結局、各自が言葉をどういう「習慣」のもとで使っていたか、を話し
    >ていることにしかなりませんね。

    議論するためには、その場で使う言葉の定義を行わないと成立
    しません。これはどちらが悪いというより両者の問題です。
    相手と議論して、何かかみ合わないなと思ったら、言葉の定義
    のすり合わせが正しいか確認すべきです。

    これ以上多くは説明しませんが、過去多くの電子ニュース、掲示板
    での罵倒の連続はこのあたりから発生していると僕は考えています。

    1 議論の前に相手のバックグラウンドを推定する
    2 議論に使う用語の定義を確認する
    3 相手を言い負かすことが議論の目的ではない
    4 最後の判断は、投稿者でもM1でもなく、読者が行う

    #敢えて+1して投稿します。
  • TBS 報道特集 (スコア:1, 興味深い)

    by Anonymous Coward on 2002年08月25日 18時16分 (#152796)
    今(2002/08/25 17:30-18:30)、TBS(関東だと6ch) の
    報道特集で、この辺の話をやってます。

    お得意の依頼で、中国まで技術指導に行って、
    帰っみれば、仕事はその中国の会社へ…

    NCのデータまですべてよこせ、さもないと次の仕事は…

    # 大学院までは金型屋でした。CAD/CAM とかもね。
    # いくつかの企業と共同研究もしてたり。
  • by Anonymous Coward on 2002年08月25日 12時45分 (#152668)
    リンク先の「金型著作権鑑定申込書(見本)」を見ると、なんか特許の文面くさい(つまり、特定の製品用の型じゃないっぽい)ところもあるんだけど、これって個別の型に関する話なんだよね?

    図面だけ持っていかれて海外で型製作されるのがつらいのはわかるど、そもそも型設計費、型試作費、量産用型制作費、とフェーズ毎に客から金を取るようにしないといけないんじゃないのかな?
    設計の工数を量産用型で回収しようとしているところに付けこまれているというのが問題のような気がする。

    実際、自分のところでも金型じゃないけど、国内で絶対の信頼をおけるメーカーに設計だけ依頼(もちろん先方も承知済みで、ちゃんと合意・・というより半ば先方の言い値の設計費を払っている)して、製造は中国ってのもやってるもん。
    • >メーカーに設計だけ依頼(もちろん先方も承知済みで、ちゃんと合意 >>>    いや、これをせずにただで設計させて図面を奪ったら知らん顔って メーカー多いんでないかい?親会社面してコスイ経費削減に この手の汚いマネやりそう奴。今のメーカーにごまんと居そうな気がする。
      --
      co2masato
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    • by sato4 (4413) on 2002年08月26日 16時21分 (#153269) 日記
      >> 図面だけ持っていかれて海外で型製作されるのがつらいのはわかるど

      図面だけではないのです。
      最近の旋盤機は自動化されてて、データさえあれば他でも全く同じものが製造できます。
      そのデータは、いわば金型を作るためのプログラム(ソフトウェア)といえるもので、
      モラルのない発注元は、そのデータも提出させて、それを中国にもっていって同じものを製造させるのです。
      もちろん、データ自体の使用料などは支払わずに。

      #拒否すりゃいいんだけど、それができないのが日本の中小企業の悲しいところ
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    • by A.C (8807) on 2002年08月26日 12時16分 (#153163)
      金型関連業界には疎いのですが、そもそも、金型図面は誰のものなんでしょう?
       「設計費用」を貰って「成果物として図面を出す」契約になっていたら図面だすことは契約通りではありますが...
       そうは言っても発注側と受注側の力関係で、金型屋さんが「成果物は現品です。設計費用は(直接には)頂きませんが図面は出しません」といっても、発注元は「図面出してくれないならお宅には仕事出さないよ。」(図面上がってきたらあとは安いところで作ろう)というのが現実なんでしょうね。
       設計だけでお金が稼げるならそれはそれも一つの行き方ではあるのですが、それではメーカーとしては成り立たない。モノ作りの技術有ってのメーカーですし、自社の製造部門にモノを流すのがメーカーの設計者の本来の仕事ですから。  
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    • by Anonymous Coward
      >金型著作権機構は、金型の図面を弁理士に鑑定を依頼し、独自
      >性があると認められたものを登録し管理する。

      何気にこれが引っかかるんですけど。

      具体的に何を鑑定するんでしょうか?
      著作権である以上新規性は求められないし、先行例を調べるとしても金型のデータベースを持っている弁理士なんてい
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コンピュータは旧約聖書の神に似ている、規則は多く、慈悲は無い -- Joseph Campbell

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