スペースシャトルは誤りだったとNASA長官 19
ストーリー by yosuke
LEOでの30年間 部門より
LEOでの30年間 部門より
sillywalk 曰く、 "USA TODAY紙は、NASA長官のMichael Griffinによる「スペースシャトルと国際宇宙ステーション(ISS)は誤りだった」とするインタビュー記事を掲載しました。(毎日新聞による概要記事)
同長官はこれまでも米議会の公聴会でシャトルについて「深刻な問題がある」、ISSについても費用・危険性・実現困難性を考えると割に合わないとの見解を示していましたが、計画そのものの是非について発言したのは初めてです。
またさらに長官は「(アポロ計画からスペースシャトル・ISSへの方向転換が)正しくない方向だったことは、今や広く受け入れられている」「(ISSは)私の決定であれば、現在の軌道では建設しなかっただろう」とも述べていますが、さてアポロ計画以降の宇宙開発について/.Jの
皆さんはどのように考えますか?"
[追記 9/30 15:30 by yosuke]今回の件に関するPoint PaperがSpaceref.comに掲載された。これによると、1. STSは複雑で能力に限界がある、2. ISSの軌道傾斜角の変更を行ったのは間違いだった、との内容だったようだ。
宇宙エレベータにも予算を (スコア:2, 興味深い)
民間でやっている [mycom.co.jp]みたいだけど実現性はどのくらいあるのかな。
Re:宇宙エレベータにも予算を (スコア:1)
大質量を静止軌道まで運ぶ問題が解決できるなら新素材なんか要らなくて例えば鉄で十分なわけで、(月には鉄はあんまりありませんが)その用途に使える物質を月で採掘、精製したら太陽電池の電力を使って投げてきて、軌道上で整形する。と。
強度が理論的限界に近い素材なんか使ったら放射線ですぐ切れるし修理もできないし、それに軌道エレベータに関しては「n年持つ」じゃなくて、補修している限り永遠に使えないとダメなんだよな。解体できないし(地上側を切って捨てる事はできるかも知れんが、戻ってきたら人類滅亡だな)。
Re:珪素系知性体の発展のためにも (スコア:0)
Re:宇宙エレベータにも予算を (スコア:1)
NASA神話 (スコア:2, すばらしい洞察)
NASA神話みたいなのが出来上がっちゃったのが
最大の不幸なんじゃないかと思う。
それを受けて米国国民も一定の信頼とそこから来る過大な期待が生じてしまったのではないかと。
NASA開発の○○なんていう宣伝がされるのがその端的な例で。
(JAXA開発の...では現在では商売にならんでしょう)
国民の意を受け、為政者も過大な期待をNASAにかぶせ、
もしかしたらNASA自体も過大な自信を持ってしまったのかもしれない。
そして無理な仕様を詰め込んだシャトルが打ち上げられた、ということかな?
しかし、それもこれも結果論な訳で、この失敗(なの?)で得た物も大きいでしょう。
最大の問題は、問題ありとされるシャトルプロジェクトを大幅に見直す事無く
20年も続けてしまった点なのではないか?という気がする。
Re:NASA神話 (スコア:1)
さすがにここまで酷使する羽目になるとは開発時には想定していないでしょうし
むしろ予定よりかなり持ってるのではないでしょうか。
そう考えるとシャトルって失敗だったかは微妙だと思います。
#あまり関係ないがJAXA開発の○○とかあったらつい買ってしまいそうだ、ネタとして(苦笑
#状況はいつも最悪、でもそれが当たり前
Re:NASA神話 (スコア:2, 参考になる)
打ち上げ回数は、予定していた数よりずっと少ない。
つまり元は取ってない感じ。
回数が少ないのは、当初予定していた以上にランニングコストが
かさんだためだ。
想定以上に長く使い続けることになったと言うのは、
早々にスペースシャトル次世代機に切り替わるはずだったのに
その開発が難航したから。
結局いまだに取って代わるシステムは完成していない。
今のシャトルで技術的にぎりぎりいっぱいいっぱいで、
魔法の技術でも出てこない限り、それ以上のものなんて作れない
ようだ。
Re:NASA神話 (スコア:1, 興味深い)
故障した人工衛星を回収する予定だったんだけど
コストに見合わないために出来なくなったんだよ
回数が少ないのはそのせいでも有る
シャトルでしか出来ない大容量の降りペイロードを
使うことが出来なかったしね
だからちょっと違うかな
「もっと小さく、シンプルに作った方が良かった」という話なんだから
Re:NASA神話 (スコア:1)
それ以降に進んだ技術について継ぎ接ぎしようにも限度がある。
じゃあ,今の技術で新造すればマシなものが・・・って,最新のエンデバー(92年初飛行)で建造費 18億ドル(約 2000億円)だったけど 生産ラインは既に無いのでそこから作らなきゃならないし,そうなると最低でも何機か作らないとメーカーも割が合わないし,1機辺りのコストも嵩む。
しかし,今の NASA に金は無い。
そもそも「シャトルが使い捨てロケットより安く済む」為には 「年間 50回の打ち上げが前提だった」って時点で無理があったんでしょうな。結局,NASA も使い捨てロケット回帰の気配だし。
#そこで「ふじ」 [srad.jp]ですよ(笑)
Re:NASA神話 (スコア:0)
そういう問題ではなく、化学燃料を使ったロケットの推力で
酸素と水素の燃焼反応の出力というのは、これ以上の効率の良いものは無い。
だからあとは荷物をどれだけ軽くするかしか工夫のしようがなくて、
劇的に軽くて、驚異的に丈夫で、信じられないほど劣化しないような素材でも見つからない限り、
現行機と同じ程度の機能しか実現できない。
つまり、技術的に可能にするネタがない。
あ
Re:NASA神話 (スコア:0)
それは当時も解っていた筈。
その上で「再利用船体」と言う余剰重量を押し付けたシステムを推進したこと自体を失敗だと言っている訳ですな。
シャトルみたいな無駄の多いものを成り立たせる為にはそれこそ反重力でも欲しいところでしょう。
#って反重力なら翼は要らないか。
Re:NASA神話 (スコア:0)
ほうき?
Re:NASA神話 (スコア:0)
ISSの(軌道要素的)実態はミール2 (スコア:2, 興味深い)
理想的には赤道面に軌道があるのがいいのだけれど。
あと、後、多くの資材を(コストの高い有人宇宙船)スペースシャトルに頼ってしまうような設計にしたことが問題だったかも。
で、スペースシャトルのプロジェクトにも根本的な問題が多かったと…。
やっぱ、ISS計画が実行に移された時点で、今現在スペースシャトルの代替として考えられているような、資材運搬用の大型ロケットと、アポロ宇宙船の基本概念(当然打ち上げ用ロケットはサターンVでは無く、もっと小型の枯れたもので十分)を流用した使い捨て有人宇宙船&ロケット(これは流用?)を作っておくべきだったような気がします。
そして、スペースシャトル計画はスペースプレーン計画に移行させる。(これは余談)
尤も、いまさらそんなこと言ってもしょうがないし、実際、おそらく今もそうだけど当時を振り返ってみて、予算的にも通らなかったでしょうけど。
masamic
まぁ、誰もやったことの無いことなら・・・ (スコア:1, すばらしい洞察)
いえるでしょう。
ところでこれらが「失敗」だったのなら、どういうプランが
グッドプランだと考えられているのでしょう?
Re:まぁ、誰もやったことの無いことなら・・・ (スコア:1)
グッドプランは「持って帰るのはデータと資料と宇宙飛行士だけ」にしぼって「最低限のものを持って上がる」という面白みのない物なのかも。結局最初の形が正しかった、みたいな。
「万能であるがゆえに複雑になってしまった」 (スコア:1)
何にでも使えて、かつ100%の信頼を置けるシステムが(運用も含めて)安価に構築できるのであれば、多様な目的を1つのシステムで賄うことが可能でしょう。シャトル計画はそういうコンセプトの元に開始されました。
しかし現実問題としては完璧は不可能で、100%に満たない部分をリスクとして許容する、またはマージンとして確保することが必要になります。
物を運ぶ場合であれば90%の信頼性でも構わない(残りのリスクは保険などでカバーする)けど、人を運ぶ場合では限りなく100%に近いレベルが要求される訳です。で、現実のシャトルシステムでは当初の計画よりも大幅に再利用コストがかかり、なおかつ98%程度の信頼性しか達成できず、マージン(この場合、緊急脱出機構や障害の検知システムでしょうか)もほとんど存在しなかった、ということが尊い犠牲によって明らかになりました。
宇宙開発に限らず、うまく物事が回っているうちは、総括や再点検は行われないものです。
Re:まぁ、誰もやったことの無いことなら・・・ (スコア:0)
矛盾のない回答ができる長官。
答弁おのおのが矛盾している。
本家では (スコア:0)
全部はとても読めませんけど、シャトルとISSに費やした2500億ドル(ドル!)を、ではどう使うべきだったのか、とかイラクにつぎ込んでる金に比べりゃたいしたことないとか、そんな議論もあるようです。