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エンジンの熱効率を従来の倍に向上させる新理論 72
ストーリー by hylom
マッハエンジンとでも言おうか 部門より
マッハエンジンとでも言おうか 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、
従来の自動車ガソリンエンジンは熱効率が15~30%といわれているが、早稲田大学の内藤健教授が発見した新たな理論を使うことで、熱効率をこの倍以上に高められる可能性があるという(日経新聞)。
燃料を音速に近い速度でエンジン内の燃焼室の1点に吹き込み、一気に圧縮して燃焼させることで、熱効率が向上するという。シミュレーションでは熱効率が60%以上になる可能性があり、また自動車だけでなく航空機のエンジンにも応用できるそうだ。現在は小型エンジンを試作して実証試験を始めているとのこと。
発表? (スコア:3)
燃料を高速で噴射するのは今に始まったことではないと思いますが、複数からぶつけるというのが新しいのでしょうか。
どこで発表されたかが見つかりませんでしたが、論文発表より新聞記事が先行すると、どうも大丈夫かと思ってしまいます。「実用化に向けて協力企業も探す。」このためかも知れないけど。自動車屋さん(日産自動車)出身なら当たり前なのかしらん。
このエンジンの詳細 (スコア:3, 参考になる)
2013年5月の自動車技術会主催春季講演会と6月末の米国航空宇宙学会(AIAA)講演会等で論文発表
http://www.waseda.jp/jp/news13/data/130709_engine.pdf [waseda.jp]
(PDF注意)
Re:このエンジンの詳細 (スコア:5, 参考になる)
Re:このエンジンの詳細 (スコア:4, 興味深い)
実証実験だとか試作をしたとか言ってますけど、この人は自動車用のレシプロエンジンの改善とか置き換えを目指してるのではなくて、ロケットエンジンとかスクラムジェットエンジンとかの燃焼シミュレーションが専門で、その中でこの燃焼室設計を思いついたということみたいですね。自動車用、というのはピストンを後ろに繋げば軸も回せるよというだけで、構造としてはラムジェットっぽい。予算獲得の方便なんじゃないでしょうかね。
Re:このエンジンの詳細 (スコア:2)
日経の記事からは、一般的な自動車のエンジン(オットーサイクル)の改良のように読めたので、「ディーゼルエンジンの効率超えるってマジ?」と思ったのですが、PDFを見ると全然そういうものではなかった…。
↑筋は通っていますね。
#2420023 [slashdot.jp]で90さんも書いているように、この新方式のエンジンがクルマ用に応用出来るかどうか(機械的な動力として低損失で取り出せるか、短時間での出力変動に追従できるか、など)については、PDFを読むだけだとよく判りませんが。
Re: (スコア:0)
そりゃぁ、日経だから・・・
そう言われないようにしてほしいもんですけどね
Re: (スコア:0)
日経BPのインタビュー記事に中村修二氏のこんな話が。
文系が金持ちの国は後進国:日経ビジネスオンライン [nikkeibp.co.jp]
(引用部がある2ページ目は翌日以降要登録……だったと思う。)
Re:このエンジンの詳細 (スコア:1)
Re: (スコア:0)
「アメリカは○○社会、日本は××社会。××が金持ちの国っていうのは△△ですよ」
オレオレ自虐論をなんでも作れるテンプレートですね。
Re: (スコア:0)
文系だけじゃなく、公務員、土建屋、医者がぶら下がっている。扶養国民が大量にいる国だから、稼いでいる理系は大変だあ。
Re: (スコア:0)
理系の私としては、病気になったら医師に診てもらいたいし、土建屋の建てた建物に住んでるし、面倒な事務処理は公務員や事務のひとに投げたいので、それなりに大量にいてもらわないと困るんですけど。
Re:このエンジンの詳細 (スコア:1)
建物を立てるのは建設業ですが、「土建屋」と言うと土木系中心のイメージがあります。
Re: (スコア:0)
日本や先進国の給料なんて一部の先端企業でまかなわれているんですけどね。
第3次産業のデパートの店員だとか理髪店の理容師だとかそんなのどこの国でもやるないようはそんなに変わらないし、効率だってそんなに変わらない。だけど、発展途上国に比べたら、先進国のほうが給料が高いよね。それは、その国の稼ぐ企業のおかげなのだ。
稼いでいる業界がいるおかげで他の業界の賃金体系だとかもかさ上げされることがそもそも悪いことなの?経済ってそういうものでしょ。
Re: (スコア:0)
> 文系が金持ちの国っていうのは後進国ですよ。
大丈夫。鳩山さんは理系で大金持ち。
しかも税金すら払わなかった。もはや神の領域。
Re: (スコア:0)
文系の公務員様に逆らったから
脱税の容疑をかけられただけでしょ。
本当に彼が脱税をしているなら実名で告訴したらどうでしょうか?
こういう事ばっかりやっているから「後進国」なんでしょうね。
Re: (スコア:0)
これもひとつの「ソースは日経」ということか。
熱効率倍の60%って発電所かよってキャッチーなタイトルだけど、熱機関としてのシミュレーション値ならまあってところなのかな。
#それでも凄いけど
後はエンジンサイズ、排気量あたりの出力は下がるだろうからそれとの兼ね合いかな。
#どっちかというと家庭用コジェネとか向いてそう。天然ガス対応出来るかしらんけども。
Re: (スコア:0)
>家庭用コジェネとか向いてそう。天然ガス対応出来るかしらんけども。
どうもエンジンサイズは大きくなりそうだから移動体向けより据え置き方の大型エンジンにまず応用されそうな気がする。
重油系にも応用できたら船舶のエンジンとかにも向いてそう。
あの世界は1%燃費が改善するだけでも膨大な利益を生むから。
その他データセンターの発電機とか。
Re: (スコア:0)
PDFには
「大気と燃料」とありますよ。
しかし、大気圧と真空の差圧なんてたかだか0.1MPaしかないはずですよね。
一方で、最新鋭のコモンレールディーゼルは
http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1205/28/news045.html [atmarkit.co.jp]
4桁高い圧力で噴流を作ってるみたいなんですけ
Re:このエンジンの詳細 (スコア:2)
それが超音速(遷音速)流の面白いというか奇妙なところで, 単純に圧縮圧力を上げるだけでは, 絶対に音速を超えることができないんですよ. なんとなれば, 圧力の伝播する速度が音速なので, いくら圧力を増加しても音速で動く作動流体に圧力が届くことがないのです. ですから, 作動流体を音速以上に加速するためには超音速ノズル [wikipedia.org]を使って, 吸出してやるしかないのです. つまりこの場合, 単純に外気をシリンダ内に引きこむのではなくて
という感じで前段階での圧縮行程は存在するはずです. シリンダ内の空気も圧縮されているはずですが, 相対的にノズルのスロート部よりは低圧で, スロート部から開口部に吸い出される形で加速されるわけです.
Re: (スコア:0)
日経のを読んだら嘘臭いと思ったけど、
これはわかりやすい説明だね。
これだったら意味が分かる。
三菱が (スコア:2)
GDIって直噴エンジンをやってましたが、最近聞きません。
あれの延長と考えてもよいのでしょうか?
Re:三菱が (スコア:2)
GDIは機構的にかなり無理があるんじゃないかという噂があります。
プラグの状態がいつ見てもカブってるように真っ黒けで良くないのは
この方式がロクなもんじゃないことの証しだろうとのこと。
時速100km/h以下のあるポイントまでは燃比が良いのだけど、
超えるとじゃんじゃん燃料を食うというのも微妙なところですね。
おそらく、高出力運転時にはこれまで通り燃料の気化熱で冷却する必要があるのでしょう。
Re: (スコア:0)
ガソリンエンジンの直噴自体はすでに一般的な技術ですが、
一時期NOx絡みで勢いが弱まりました。
かなり凄いかも (スコア:1)
吹き込むつーより引き込むですね
燃焼室を負圧にして複数の個所から空気を引き込んで燃焼室内の1点に圧縮
燃焼後も熱と圧力が点を中心とした一定の範囲に収まるんで
振動の減少と冷却機関の縮小化ないし排除も見込めると
試験時には気を付けて。 (スコア:1)
途中で異常振動を起こしたからって止めようとしたら爆発するよ。
そこで出力を上げればOK。
らじゃったのだ
Re: (スコア:0)
よし、キャバリーV3エンジンと名付けよう。
そんなポンピングロスが酷そうな事するより (スコア:1)
ノッキング起こしてその衝撃波を集中させる方が効率良くね?
# どっちにしてもNOx酷そうだなぁ...。高温高圧でも作動流体が反応しない外燃機の時代来るか?(ぉ
燃料を音速まで加速するのは? (スコア:0)
コンプレッサに電源が必要で、その分の電気を得るためにバッテリを充電しなくちゃならなくて、
その分エンジンを余分に回さなくちゃならなくて、結局トータルでは……
なんて当然の疑問、もちろん解決して60%以上なんですよね?ね?
Re:燃料を音速まで加速するのは? (スコア:1)
当然それは別の話だと思いますよ。
元記事でも熱効率と燃費は分けられていますし。
熱効率の向上が実証されたら次の段階として最終的な燃費の向上が最大になるにはどうすればいいかを詰めていくのでしょう。
個人的にはこういうシミュレーションをするのにどの程度の規模のシステムが必要なのかに興味があります。
Re: (スコア:0)
燃料を音速にするのに 20% 程度分必要でも、御の字でね?(実際はどうか知らんが)
Re: (スコア:0)
それはごく微量のレベルなんじゃないのロケットじゃないんだぜ
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
Re:燃料を音速まで加速するのは? (スコア:1)
小さいコンプレッサーを動かすためのエネルギーは微量でもいいんじゃないだろうか
----
私はこのように理解しました。
Re:燃料を音速まで加速するのは? (スコア:1)
ぶっちゃけ、甘過ぎる見方です。
確かに、コンプレッサの消費エネルギは微量で済むけど、ガソリンエンジンが一回の燃焼で生成するエネルギも微量なんで、常に相対的に大きさを比較する必要があります。
ちなみに、ロケットは、瞬間発生エネルギも自動車とは全く比較にならない規模で膨大だから、十分に参考に値します。
「規模が違うから」で一蹴すると、見落としがちですが、少なくとも「効率」は、規模に無関係に比較可能な次元の数値です。
また、自動車は、根本的に「規模が小さい」事に起因する非効率が問題なので、「微量での効率」は、最重要項目です。
-- Buy It When You Found It --
Re: (スコア:0)
そもそも機構も全く違いますし。
Re:燃料を音速まで加速するのは? (スコア:1)
微量だと、ピエゾ素子とか効率のよい方式が使えるかもしれません。
Re: (スコア:0)
「微量」って、どれくらい微量の話をしているのか、わかってますか?
また、どんなコンプレッサーを動かす話をしていますか?
「微量」という言葉尻だけ捉えても仕方がないですよ。
いま、エンジンで生み出すエネルギーの大きさと比較して微量だろうという議論をしているわけです。
もちろん、そのエンジンに必要なコンプレッサーを動かすのに必要なエネルギーの量が、です。
Re: (スコア:0)
まずは、反論する相手のコメントくらい読みましょうよ…。
Re: (スコア:0)
レシプロタイプは負圧を使っての引き込みで高速気流
を作ることを想定している
Re: (スコア:0)
燃焼室内を真空にして、そこに引き込まれる空気と燃料の衝突を利用するんだから
ピストンをちょっと引っ張って真空を作る程度のエネルギーですむんじゃね?
せいぜいが1気圧程度の圧力に逆らって仕事するだけだし、
燃料の爆発によって得られる圧力はそれを上回るわけで、
別電源を使わなくても、はずみ車のようにしてピストンを引き上げれば間に合うんじゃないかなあ?
カルノー先生が (スコア:0)
無理って言うておる
Re: (スコア:0)
むしろ太鼓判を押してくれそうですけど、
具体的にどのへんが引っかかるんです?
Re:カルノー先生が (スコア:2, おもしろおかしい)
何と無く心に引っかカルノー
Re:カルノー先生が (スコア:1)
だからエンジン構造材に依存しない圧縮比を流速で実現したんじゃないか。
the.ACount
直噴ディーゼルと (スコア:0)
どうちがうのん?
てか、いくら効率が上がっても定回転の値じゃディーゼルの代替にしかならんというか、やっぱディーゼルのほうが効率よかったねという話になりそうな。
Re: (スコア:0)
定回転でもシリーズハイブリッドに使うとかありますし
ようやく (スコア:0)
マシンハヤブサの時代が来たか。
ここは水噴射もつけて (スコア:0)
二回に一回くらいは燃料の代わりに水でもよさげですが、どうなんですかね?
余熱で水蒸気爆発させてうんぬんとか誰か実用化しませんかね。
Re:ここは水噴射もつけて (スコア:1)
いっそ、水素を流し込んで圧縮も強めにしたりなんかで
レーザーで点火するようにしたりとかどうでしょう
# トリチウム流し込んでもいいね!