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14063804 story
アメリカ合衆国

中国・劉慈欣氏によるSF作品、米国でも注目される 94

ストーリー by hylom
話題の 部門より

Anonymous Coward曰く、

今年、日本でも発売された中国の作家・劉慈欣(Liu Cixin)氏のSF作品「三体(The Three-Body Problem)」。アメリカでは2014年に英訳がすでに発行されている。当時のバラク・オバマ大統領はこの小説を賞賛し、第三部(英訳)の発売が待ちきれず、劉慈欣氏に何度もメールしたほどだという。なお、劉氏はまさかホワイトハウスからメールが来るとは思わず、スパムメールとしてゴミ箱に入れていたという。Facebookのマーク・ザッカーバーグも、フォロワーにこの作品を勧めている。

世界中の出版社は翻訳権を求め、最終的にトルコ語やエストニア語を含む26言語で販売された。劉慈欣氏は2015年、英語以外の言語から英語に翻訳された小説として初めてヒューゴー賞を受賞した。シリーズ3作品は世界で約900万部を売り上げた。

作者である劉慈欣氏本人は、英語を理解できる中国のSFファンは中国語版ではなく、在米華人SF作家のKen Liu氏の翻訳版を読むよう勧めているという。「通常、中国文学は外国語に翻訳されると、何かを失う傾向があります。しかし、三体は逆に何かを得たと思います」と話している。実際、同署は日本でもヒットしているが、それは、Ken Liu氏の英語翻訳版からの日本語翻訳がベースであったことも大きいのかもしれないという。

同氏の翻訳は中国人読者をして「原作より読みやすい」と言わしめた名訳だといわれている(The New York TimesAFPSlashdot)。

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  • by Anonymous Coward on 2019年12月07日 11時46分 (#3727895)

    かって流行った「超訳」かと思ったら、文革関係など中国では露骨に表現しにくい部分が出版社の意向により変更させられていたのを英語翻訳版で本来の形に戻したということみたいね。

    他の中国作家もどうしても表現を規制される、または自己規制せざるを得ないから、こういう風に英語版で変更するのは良い事だろうね。当局に咎められたら、「現地の英語翻訳者が勝手にやりました。私、英語分かりません~」とか言えば何とかなるんだろう。

    しかし、何で今になって記事になってんだろう。

  • by crass (35930) on 2019年12月07日 8時52分 (#3727830) 日記

    当時のバラク・オバマ大統領はこの小説を賞賛し、第三部(英訳)の発売が待ちきれず、劉慈欣氏に何度もメールしたほどだという。なお、劉氏はまさかホワイトハウスからメールが来るとは思わず、スパムメールとしてゴミ箱に入れていたという。

    東方新報を訳したAFPの記事にそう書いてあるけど、英語でこの情報はいくら探しても見つけられないなあ。

    --
    しきい値 1: ふつう匿名は読まない
    匿名補正 -1
  • by Anonymous Coward on 2019年12月07日 10時55分 (#3727874)

    もともとアメリカで大変話題になっていて、日本語版が待たれていたわけですが。
    その日本語版は未見ですが、英語版からの訳なんですか。

    英語版は単なる翻訳ではなく、原著者とKen Liu がやりとりしながら作った
    別の版という位置づけだそうで、中国語版とは章の数からして違います。

    英語のほうで読んでほしいというのは、やはり文革に関係するあたりが、
    そちらのほうが本来の意図だということなんでしょうか。

    • by Anonymous Coward

      FFとかのインターナショナル版・完全版・ディレクターズカット版的なあれですな

  • そもそも、これは、最近のニュースなのか?? それとも「5年前のニュースが何で今頃??」なのか??

  • by Anonymous Coward on 2019年12月07日 9時45分 (#3727852)

    読みにくいものは、読みにくい雰囲気のまま翻訳するのが、正しいんじゃないだろうか。
    もちろん、原作者がOKしてれば、それはそれでアリだと思うが。

    # シェアウェアのl10nならやったことある

    • by Anonymous Coward

      ゴウランガ!

    • by Anonymous Coward

      読みにくくていいなら原語で読めばいいじゃん。

  • by Anonymous Coward on 2019年12月07日 8時07分 (#3727811)

    本屋のSFコーナーはあっても猫の額の如し。
    値段は上がって買われなくなる負のスパイラル。
    おまけにハヤカワ文庫のサイズが変わって本棚で高さがそろわない。

    • by Anonymous Coward on 2019年12月07日 8時53分 (#3727831)

      自分の趣味が合わなくなったのを認めてもいいんですよ。

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      相変わらずアニメはSF(あるいはSF的な設定の作品)が多いようですが、それでも寂しいのですか?

      • by Anonymous Coward

        日本のSFは読まないんだけど、5年ほどまえに食わず嫌いはよくないと
        思って日本SF傑作選とか称するやつを何冊か読んでみたけど、アニメ見て
        ればいいじゃんという内容がほとんどだった。

      • by Anonymous Coward

        寂しいですねえ。
        アニメのSF的な設定は刺激を強める調味料として入ってるだけで、素材の持ち味を活かしてない。
        とりあえずヴァルヴレイヴと正解するカドをお勧めしておきます。実写デビルマン的な意味で。

        特上寿司に唐辛子を真っ赤になるほど振りかけて、
        「これがスパイシーなスシフードダヨ、ウマイヨ!」
        って言われてるような気分。

        それでSF考証がひどい所に突っ込むと、SF警察ガー、老害ガーって言われるありさま。
        寿司に唐辛子かけるのがそんなに良いなら、もはや酢飯をを使う必要もないんじゃない?

        • by Anonymous Coward

          消費者あっての商品ですからね
          消費者の方が劣化してしまっているのでは、商品ジャンルとして廃れるのは必然でしょう

      • by Anonymous Coward

        SF風味でファンタジーと変わりないし、技術的な興味なら現実の方が面白いからね。

    • by Anonymous Coward

      え、今年は百合×SFでかなり豊作だったのでは?
      ハヤカワ文庫以外のいろいろなレーベルででてて、SFマガジンほかで多々紹介されてたけれど。

      • by Anonymous Coward on 2019年12月07日 9時02分 (#3727836)

        今期アニメの「私、能力は平均値でって言ったよね!」って、一応SF(魔法は全て旧高度技術文明が残したナノマシンのお仕事)。
        でもアニメ版はどうしてああなった?(駄洒落分が足りないのを含め、シナリオライターが悪いのかなぁ?)
        https://ncode.syosetu.com/n6475db/ [syosetu.com]

        # 最近はこのSFがお気に入り→ https://ncode.syosetu.com/n7945fn/ [syosetu.com]

        親コメント
        • SF定義談義の行きつく先
          「あなたがSFと思ったものがSFです」
          「SFは衰退したのではない。あらゆるジャンルを浸食したのだ」

          歴史ifは「高い城の男」とかSFと呼ばれてたが、今(少し前)は「架空戦記」
          現実と少し違う世界「パラレルワールド」「違う時間線」SFだったが、「武将が女の世界」「戦車が武道の世界」とか当たり前に

          # BSDは衰退したのではない。あらゆる組み込みを浸食したのだ(linuxライブラリにも)

          作者曰く「ハードSF」
          "実は『私、能力は平均値でって言ったよね!』はハードSFですからね!(笑) 作中の魔法も全部ナノマシンに由来するものですし、科学的にリアルで『のうきん』のファンタジー世界で場違いに思える文明が出ても、それは過去の文明だという設定なんです。作中で神様のような存在も出てくるのですが、あれも神様ではなく実際には昔に栄えた文明の高次生命体です! すべてSFです!(笑) 子供のころの「SF作家になりたい」という夢を果たしたと思うためには、『のうきん』をSFだと言い張るしかない! これはあくまでSF! 私は小学生からの夢をかなえた! SF作家になった!(一同笑)"
          対談 [es-novel.jp]

          親コメント
        • by Anonymous Coward

          「十分に発達した科学技術は、魔法と見分けがつかない」ですね。

        • by Anonymous Coward

          原作1巻読んだけど、SF要素が全く無いのに

          この世界はマナが満ちていて魔法が使えます → ファンタジー
          この世界はナノマシンが満ちていて魔法が使えます → SF

          って言われるのはちょっと納得いかないんだけど。神を上位存在に名前変えただけじゃねーか!

          • by Anonymous Coward

            実際作中で使われている用語がどうであれファンタジーはファンタジーだしSFはSF。
            雰囲気の問題ですな。
            作中でどういう呼ばれ方をしていてもその現象は科学的現象にほかならないのでSFって使い方はそもそも文学や創作の分類上あまりにも雑。

            • by Anonymous Coward

              後に、林立する高層ビル群や上昇する宇宙船や飛び交うエアカーのようなものを含め膨大な数の色の付いた石を組み合わせて作られた壁画や、自律ロボット群(仲間の修理も可能)=スカベンジャーとか、ゲノム情報分析による認証とか、省資源タイプ自律型簡易防衛機構(=ゴーレム)管理システム補助装置の第3バックアップシステム(=異次元からの侵攻者に対する旧高度技術文明製作防衛機構の残滓)とかが登場する。

              最初に示されているが、遙かな昔にその段階を乗り越えた先達=上位存在たちにとっては、『生命』の必死の活動は、見ていて微笑ましいもので、

              • by Anonymous Coward

                私にはファンタジー要素が全く無いSFに見えますが。
                後も解釈が変わるとは面白いものですね。

      • by Anonymous Coward

        それが原因でSFから離れた人も割といそう

      • by Anonymous Coward

        百合に反応したので、具体的に書名を書いてくれ

      • by Anonymous Coward

        ガラパゴスSFかぁ...

    • by Anonymous Coward

      たまに新人が書いても老害SF警察が寄ってたかって潰しに来るじゃん。そりゃ誰も書かなくなるに決まってる。

      • by Anonymous Coward

        なろう系とか読んでみると頭腐ってくるよ?
        もうね、理屈なんていらないの。SFと自称していても科学考証も何も無し。
        単にファンタジーの用語をSF風に入れ替えただけ。それをSFとは言わない。

        • 最近のなろう系のSFだと(なろうじゃ無いけど)カクヨムの『術殺機兵群 [kakuyomu.jp]』が良かったですよ。
          なろう系ファンタジーのアンチテーゼというか、ファンタジー世界に宇宙からアンドロイドが攻めてくる奴。
          世界観自体は魔法が蔓延るファンタジーなんですが、ストーリー的には思いっきりSF的なのでSF好きにオススメです。

          個人的には凄く推してるので、ぜひ書籍化やアニメ化されて広がって欲しい。

        • by Anonymous Coward

          SFに必要なのは思考実験で科学的考証ではないでしょ。
          思考実験が科学的考証と言われればそれまでだけんども。

        • by Anonymous Coward

          ファンタジーも、ローファンタジー、ハイファンタジーと分かれたように、
          SFもclassic SFと、modern SFとか分けたらいいのかな?

    • by Anonymous Coward

      日本がモノづくりをできる科学信仰時代になればSF旬は復活するだろうよ
      2014年とか中国が製造業でまだまだ勢いがあった頃だし、これからは逃避か革命や変革に旬がシフトとかもあるかもな
      まぁ中国だからそういう流れは言論統制するだろうけど

  • 翻訳SFは要注意 (スコア:0, オフトピック)

    by ChaldeaGecko (48775) on 2019年12月07日 11時42分 (#3727889) 日記

    テッド・チャンの日本語訳はおもしろさがほとんどスポイルされています。訳者の頭が悪いからです。
    ヴァーリイも「ブルー・シャンペン」しか読んでいないけど、ダメですね。

    • 「バビロンの塔」では

      > だが、そこである考えがうかんだ--そうか、円筒印章だ。柔らかな粘土板の上で彫刻された円筒をころがすと、円筒がそこに残した跡はひとつの絵になる。粘土板の上では、ふたりの人物がその両端にいるように見えても、円筒の表面では横にくっついて並んでいる。全世界はその円筒とおなじなのだ。人間は天と地が粘土板の両端にあり、そのあいだに空と星ぼしがならんでいると考えている。しかし、この世界は、天と地が接するように、ある玄妙なやりかたで丸く巻かれているのだ。

      > 何世紀にもわたる人間の労働は、天地創造についてこれまで人間が知っていた以上のことを、なにひとつ明らかにしなかった。

      日本語訳では思い切り矛盾してます。もちろん原文では矛盾しませんが、読者が矛盾に気づいても原文にあたるほかはありません。

      親コメント
      • ジョン・ヴァーリイ「ブルー・シャンペン」もひどい。
        この小説はこのようにはじまります。

        メガン・ギャロウェイは、三人の撮影班をひきつれてへやってきた。補助呼吸装置とボディーガイドをつけた彼女は、全裸とはいえ、ヌードからはほど遠かった。プールの救助員たちも、こんなものを見るのははじめてだった。

        原文は

        Megan Galloway arrived in the Bubble with a camera crew of three. With her breather and her sidekick she was the least naked nude woman any of the lifeguards had ever seen.

        だから、「もっとも裸から遠いヌードの女性だった」になります。逆です。浅倉訳ではパワーローダーにのった全裸の女性をイメージさせますが、本来は全裸の艦娘みたいなイメージです。だから「三人の撮影班をひきつれて」ではなく、性奴隷のようにひきつれられるほうです。sidekickには「相棒」という意味があり、それがこの小説の価値を決めます。ボディーガイドではそれもだいなしです。最初から最後までこの調子の誤訳です。

        「バビロンの塔」もこちらも浅倉久志訳です。こんな低レベルな翻訳者を持ち上げていた日本のSF業界と読者がいかにゴミかよくわかります。SF小説の日本語訳は中には正確な訳もありますが、けっして信用してはいけません。

        親コメント
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