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GPSでの測距、距離を長めに表示してしまう傾向がある? 28
ストーリー by hylom
コンシューマレベル 部門より
コンシューマレベル 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、
ザルツブルク大学やデルフト工科大学らの研究者によると、GPSデバイスでは移動距離を過大表示することがあるようだ(I PROGRAMMER、Taylor Franci Omline、Slashdot)。
GPSで取得した複数の位置情報からその移動距離を推定する場合、誤差が発生するのは避けられない。単純に測定した点を直線で結んだものと、実際の移動経路は異なるからだ。しかし、一般的なGPSを付けたユーザーが実際に歩いた距離とGPSで測定された距離を比較したところ、実際に1メートルの距離を歩いた場合に測定された距離は平均1.2メートルで、5メートルの距離を歩いた場合は平均で5.6mという計測結果が出たという。
このように計測結果がバラつく理由はアルゴリズム上の問題ではなく統計の取り方にあるようで、得られた誤差とその頻度を示すグラフは、0よりも少し大きい位置を中心とした正規分布となっている。これは、GPSデバイスが移動距離をやや多めに推測しているためだと思われるという。
通りすがりのGPSギークとしての感想 (スコア:1)
5mの移動距離で0.6mの誤差が許容できないというのであれば、
RAWデータを出力できるようなGPSモジュールを買ってきてRTK-GPSかPPP(Precise Point Positioning)を使うことが推奨されます。
Re:通りすがりのGPSギークとしての感想 (スコア:1)
スマホの場合は、中波ビーコンではなく、SBAS(MSAS)を利用したものだと思います。
通常の GPS 衛星からの信号を受けることができる機器では、QZSSからのGPS信号を受信するのと同じように、
ハード的な変更を加えずにソフト的な変更で、
ひまわりなどの静止衛星(SBAS衛星)からの GPS 信号に載せられた DGPS 情報を利用することができます。
スマホはこれを利用しているのではないでしょうか?
わざわざ中波ビーコンを受けるためのハードを備えているとも思えません。
参考情報:
電子航法研究所 衛星航法グループ [enri.go.jp]
GPS/GNSSの基礎知識(MS-PowerPoint) [enri.go.jp]スライド 58, 63-64, 67
Re:通りすがりのGPSギークとしての感想 (スコア:1)
文章を誤って中波ビーコンにも対応しているように書いてしまいました。
スマホはSBASによるDGPSでしたね。
(どう考えても中波アンテナをスマホに仕込むのは無理がありますものね、そんな余裕があるならWi-Fiを4ストリームにしますよね。)
# 短波ラジオを聴くために最近ループアンテナを自作したので、自分の文章の愚かさは理解しています。
1mだの5mだの (スコア:0)
使用用途として実態を伴っていない、そんな短い距離で評価してどーすんの?
Re: (スコア:0)
mm(ミリメートル)とMm(メガメートル)間違えられたら困るじゃないか
Re: (スコア:0)
山登りでGPSを使っているから、平均速度1m/s以下で常用している。
自分が使っている機種の場合、地図上で測った距離よりも端末の移動距離表示の方が1割くらい長くなるのが通常だが、
これは地図上の計測がショートカット気味になる要素の影響もあるだろう。
実際には真っ直ぐ歩いても、GPS軌跡はジグザグになるわけだから、GPS距離が長くなるのは当たり前。
移動速度が速ければ浅いジグザグで高精度、移動速度が遅ければ深いジグザグで低精度になる。
今回の研究は、これとは別のもっと興味深い現象を見つけたということなのかな?
Re:1mだの5mだの (スコア:3, 参考になる)
> 実際には真っ直ぐ歩いても、GPS軌跡はジグザグになるわけだから、GPS距離が長くなるのは当たり前。
「当たり前」ってさらっと流してますけど、そこを定性的・定量的に考察したのが今回の論文でしょう。
「ランナーなどのアスリートはGPSが距離を過大に算出することに不満を抱いており、その原因をいろいろと推測していた。この研究によってその答えを出た。それは統計的特性だ!」ってとこですか。
もしGPSが本当に完全に正確に位置検出できるなら、GPS軌跡はジグザグにはなりません。その場合、移動曲線を、位置測定時間間隔単位での折れ線で近似しますから、「実距離よりGPS距離の方が短くなるはず」です。
では「なぜGPS軌跡はジグザグになるのか」といえば、GPSの算出に誤差があるからだろうというところまでは想像できますが、
「GPSの測定誤差を考慮すると、移動距離算出にこれだけの測定誤差が出るはずだ」と定式化し、実際のGPSによる計測結果と比較すると、一致していた、というのが今回の研究内容でしょう。
この定式化がうまくいくなら、その影響をさっ引くことで、より正確な移動距離算出ができるようになるかと。
Re: (スコア:0)
なるでしょう。だって無限の精度でなめらかなレールに載ってるんでない限り、移動してる本人がジグザグに移動してるんだから、GPSが正確なら軌跡もジグザグにならないとおかしい。
Re:1mだの5mだの (スコア:1)
> 無限の精度でなめらかなレールに載ってるんでない限り、移動してる本人がジグザグに移動してる
その場合、「移動している本人がジグザグな経路を取っている」=「実際の移動距離が長くなっている」のであって、「GPS算定距離が実距離より長くなる」わけではないですね。
「移動している本人がジグザグな経路を取っている」ことによって
「想定している地図上のルートでの移動距離」よりも
「実際の移動距離」は長くなってしまうってことを言いたいのかもしれませんが、
「本来のルートに対して、25度の角度でジグザグ移動」でやっと移動距離が10%長くなります。
「GPSによる1秒単位の測位」で分かるレベルのスケールで「本来の進行方向に対し25度の角度でジグザグ移動」なんてする人いないかと。
Re: (スコア:0)
それ、つまりは量子化誤差のことなんじゃ……。
「Bresenhamアルゴリズムでラスタライズされた直線の、各ピクセル間の距離を合計したら、実際の直線の長さよりも長くなっちまったぜ」ってこと?
そんなん、研究するほどのことかなあ。計算機科学者にでも聞けよ、と。
つまりは、人間の歩行の移動距離に対してGPSメッシュが荒すぎるのが原因ってことじゃないの?
Re:1mだの5mだの (スコア:3, 興味深い)
検出精度が10mメッシュの時に「5~15mの位置にいるときは10mと測位され、15m~25mの位置にいるときは20mと測位される」みたいに綺麗に二値化されてくれればいいんですが、実際には
「10mの時は100%の頻度で10mと測位されるが、13mの位置にいるときは70%の頻度で10m・30%の頻度で20mと測位される」みたいなことになるので、軌跡がジグザグになっちゃうという問題です。
だから、10mの位置から20mの位置に移動したときに、
「10→10→10→10→10→10→10→10↗20→20→20→20→20→20→20→20」みたいになってくれればいいのに、
「10→10→10↗20↘10→10↗20↘10↗20↘10↗20→20↘10↗20→20→20」になっちゃう、と。
で、ストーリーの文章では説明されてませんが、リンク左記の記事では、
単に「1メートルの実移動がGPS測定で平均1.2メートル」などと平均だけを見るのではなく、
「1メートル実移動した時の、GPS測定距離をプロット」し、その分散も含めて、「実際の測定値の数値分布と、定式化した数式に基づく分布図が、綺麗にフィッティングできている」ことを確認してます。
ラスタライズされた直線でたとえるなら、「境界をなめらかに見せるために、誤差拡散法でハーフトーン表現していたら、その凸凹な輪郭でピクセル間の距離を合計しちゃった」みたいな話になるかと。
Re: (スコア:0)
もっと単純な話かと。
「測定位置の誤差はプラマイゼロのはずなのに、なぜ距離の誤差がプラスになるのか」という話。
図を描くとわかりやすい。
まずx軸とy軸を書く。スタート位置は原点。ゴール位置は軸上以外にある点p。
原点からpまでの(真の)距離をdとする。
pの位置には誤差rの不確かさがあるので、pの周りに半径rの円を書く。
pの測定位置p'はこの円の中から(確率的に)選択される。
このとき、この円の中で原点から距離d以下になる領域は、円の面積の半分以下になる。
なので測定値p'を使うと、(確率的に)距離dより長い距離が推定されてしまう。
Re:1mだの5mだの (スコア:1)
なるほど、確かにシンプルな説明です。その説明で、定式化された式の意味が読み解けました。
一つ追加すると、「継続して距離を積算していく」ことを考えると、O-p に平行方向の誤差は次の距離計測で打ち消されるので考慮する必要はありません。
O-pに対して垂直方向の誤差だけが問題で、その誤差の標準偏差をσとすると、
O-p'の距離の平均は、√(d2 + σ2) になります。
さらに、「距離を積算」することを考えると、測定値の系列間に相関関係がある場合は、その分垂直方向のズレは小さくなりますので、
その自己共分散 C を入れて考えれば、
O-p'の距離の平均は、√(d2 + σ2 - C) になり、誤差はこれとdとの差である
OED = √(d2 + σ2 - C ) - d と定式化される、と。
Re:1mだの5mだの (スコア:1)
>実際には真っ直ぐ歩いても、GPS軌跡はジグザグになるわけだから、GPS距離が長くなるのは当たり前。
私も最初にそれを疑いました。
>今回の研究は、これとは別のもっと興味深い現象を見つけたということなのかな?
さすがに大学研究者の方でもそれくらいは思いつくでしょうから、何かあっての発表なんでしょうね。
ここで誤差補正について書かれているようだし(でもはっきり理解できない・・・)、これが立証されたらそのうち民生機器でも誤差修正の精度が向上しそう。
長さってそういう物でしょ (スコア:0)
>実際には真っ直ぐ歩いても、GPS軌跡はジグザグになるわけだから、GPS距離が長くなるのは当たり前。
厳密に図れば図るほど長くなり、原理的には無限大に発散する。
奇数次元に固有な現象だっけ?
Re: (スコア:0)
小学生のころに「海岸線の長さ」ってどこまで細かく測ったものなのか不思議に思った。
# そして40歳の今も正確なことは知らないし、調べてもいない。
Re:長さってそういう物でしょ (スコア:1)
子供の頃に似た物を地図上の長さと教わり納得していました。(標高だったかな)
干満高波浸食もあり一定しないのですから、誰かが定めた物を使うしかないでしょうね。
Re: (スコア:0)
私も不思議です。あれは自然界に存在するフラクタル図形ですから、理論的には長さ無限大ですよね。
無限大はないにしても、どの間隔で測定するかによって長さが大幅に変わりそうな気がします。
Re: (スコア:0)
細かく測ろうにも海岸線の長さはおおよその幅を持った値にしかならないと思います。
潮の満ち欠け、波の影響で時間変動します。
そしてある時点での海岸線の形状からその長さを決定するためには、離れた地点間での同時性を定めるためにどういった立場の座標系から測定するのかを決めておく必要ががが
Re: (スコア:0)
元スレが心配してるのはそういうことじゃないだろろろ
Re: (スコア:0)
歩く場合だと測定間隔が数m単位になるから、そういう短い距離の測定値を積算した結果として、移動距離が大きく計算されてしまうらしい。
なので、「使用用途として実態を伴っていない、そんな短い距離で評価してどーすんの?」と言う指摘は正しいと言える。ただし、それは研究者に対してではなく、製品を作っているメーカーに対しての指摘とした場合の話。
あれだ、ヨッパライに持たせて測れば (スコア:0)
金曜夜、新橋駅前で千鳥足のヨッパライに持たせて測れば、
相殺して正確に測れるかもしれないな。
# 金曜夜、新橋駅前にかぎる
Re: (スコア:0)
逆に見事にシンクロしちゃったら、とんでもない誤差が。
ほら見ろよ嫁。銀座なんか行ってないって。
Re: (スコア:0)
移動距離はどうでもいいから移動径路に銀座が含まれてる理由を説明してちょうだい!
GPSの端末は地面に置いて測ろう (スコア:0)
GPSを地面から浮かせて使うからプラス方向に誤差が出るんだよ
Re: (スコア:0)
なるほど!じゃ地面に穴掘って中でやるとマイナスになるのか!!!
過小評価 (スコア:0)
逆に、GPSにより位置測定の時間間隔に対して短い時間に、位置測定精度程度かそれ以上に大きく蛇行すると、GPSの表示する移動距離は、実際のものよりも短くなってしまうでしょう。
測定間隔に対して、およそ直線に近い経路を走ることが分かっているなら、位置測定精度を考慮して、曲線をフィットさせてあげれば良いのでしょう。曲線の次数をどうするかは、Χ^2検定とかを参考にするのだと思います。
GPSに限らず、何にでも測定誤差はあるので、データの取扱いには注意しましょう。
高尾山トンネルの怪について、誰か知らない? (スコア:0)
#タト
圏央道を移動していると、スマフォやタブレット端末のグーグルナビで
高尾山トンネルを通過する間、位置情報の更新が続くんですよ。
これを「加速度センサーに対応したからだ」とするブログもあるみたいですし
私も、初見ではそうなのかと思いつつ、次のトンネルでは
位置情報の更新が止まり「なんだったのだろう?」と不思議に思っています。
トンネルの長さは、1km近くあり、GPS電波が充分に届くとは思えません。
で、首都高で、山手トンネルとか使っている人は知っていると思いますが
グーグルナビは、加速度センサーには対応していませんよね?
車速センサー無しの加速度センサーにどのくらいの精度が期待できるのかも微妙ですし
いったい、これはどういう現象…というか
トンネル直後の分岐を鑑みて、何か新技術が導入されている?
にしても、ググっても、それらしい情報を見つけきれませんでした orz