富士通のハードディスクに不良 103
ストーリー by Oliver
RAID5で複数同時に壊れた 部門より
RAID5で複数同時に壊れた 部門より
taca 曰く、 "PC Watchの記事によると「FMVシリーズなどの内蔵HDDに起動不良」とあるが、これは実際は富士通製のIDEハードディスクの不良だそうな。「リコール」とはしないようにしているが、凄まじい割合で壊れます。ベアドライブを買った個人ユーザは泣くしかないみたいだが、売り物のPCに入っていた場合は購入先に強く言って、製造元から強く言うと良いとか。"
LSIの不具合ですよね。 (スコア:2, 参考になる)
HDDで使用している外部から購入LSIが原因なんですよね。お知らせ ではまれにといってますが、
結構高い確率らしいですね。
お知らせにも載っているように富士通パソコン情報サイトFM-WORLDで
詳細は載っているようだし、該当機種を 購入した人も
(多分)対応してくれると思います。
こういうのってLSIの開発元に損害賠償請求とかするのだろうか?
OEMとかでも何かあったら、それを販売した所にも責任があるって
聞いた事があるし。既にHDD事業から撤退しているだけあって
結構痛い事件ですよね。
富士通側で (スコア:1)
問題があれば開発元なり製造元なりが責任を取るという契約なら費用等を全部そちらに請求という形になるんだろうけど、そんな契約通常しないだろうしね。
Re:LSIの不具合ですよね。 (スコア:1)
「一部に不良品が」って言ってるけど、ばらつきも考慮の上でその石を採用したであろうシステム屋としての責任は?
#もちろん、供給元が見栄切ってて、仕様の品質基準を満たせなかっただけなのかもしれません。
Re:LSIの不具合ですよね。 (スコア:1)
# ほんのちょっとまぜるものが、たくさんまざっちゃった、とか?
そーするとまざっちゃったので本来廃棄となるはずだったものの、富士通があまりにも値切ってきたのでこれ出しちまえ、とかやった可能性もあるのかな、とか勝手な妄想 :p
Re:LSIの不具合ですよね。 (スコア:2, 参考になる)
>まざってしまうもの、なんでしょうか?
普通、シリコン系の半導体ではリンは少量をドープするものです。
#不純物としてB(ホウ素)とP(リン)を使います。
># ほんのちょっとまぜるものが、たくさんまざっちゃった、とか?
これは規定量以上混ぜると特性に問題が出たり、結晶構造が壊れて
半導体としての性質をもてなくなります。
#ただし、どの程度の量をどう入れるかは重大な企業秘密なので、
#個別の製品についてはあんまり明らかにしないのが普通です。
---- redbrick
Re:LSIの不具合ですよね。 (スコア:1)
なるほど。するってえことは Cirrus の方で品質管理になにか問題があった可能性もあるのかな(なんか富士通な方の秘孔を突いてしまったようなのでカウンターな意見も書いておこう(←小心物))。
LSI の製造のことになるとさらに知らないんですけど、こういう材料って品番毎に別にあつかわれるんでしょうか? それとも(工場単位くらいで)物としては同じもの? 後者なら同時期製造のまったく別の chip でも同じことがおきる可能性があるような気がして…って、そうだったわけ [srad.jp]か ;-)
Re:LSIの不具合ですよね。 (スコア:1)
封入樹脂を工場の部材として手に入れる場合は、品番ごとなんてのは
ないと思いますが、わたしは汎用品はよく知らないので、
違う可能性もありそうです。
#組み立て施設の扱う製品の区分によるんではないでしょうか。
#汎用品だけをまとめて組み立てるなら、同時期の他の製品で
#同じPKGであれば可能性がある、と言えるんではないでしょうか。
#その品番ひとつだけ、大量に組み立てる場合なら、その製品だけに
#限定されるかもしれません。
>それとも(工場単位くらいで)物としては同じもの? 後者なら
>同時期製造のまったく別の chip でも同じことがおきる可能性が
>あるような気がして
結局、デバイスの供給元の製造・生産体制によると思います。
#普通はデバイスに記載されてるロット番号で、メーカーごとに
#製造場所、組み立て場所、組み立て時期なんかがわかりますね。
#・・・今回問題になってるのは、デバイス封入樹脂の難燃剤として
#リン系難燃剤の配合を間違えた、ってので、実は正しいんでしょうか?
#わたしゃ、その一次情報に、まだたどりついてないんですが(汗)。
---- redbrick
Re:LSIの不具合ですよね。 (スコア:1, 興味深い)
ただ、昨今の富士通の、ハードからソフト重視への構造改革は関係あるかもしれません。ハード関連の部署から段々人が減っているのです。
特にストレージの顧客サポート部門などは顕著で、(定年や自主退社もいますが)この1年で人員が半分近くまで減っているようです。これでは、まともな顧客対応を期待するほうが無理というものでしょう。Webも2月から更新されてないし。
HDDの問題は以前からあったはずですが、今になって大騒動になっているのは、今までなんとか対応していた客のクレームにサポート部門が対応しきれなくなり、ついに客の不満が爆発してオオゴトになってしまった、というような側面もあるんじゃないかと思います。
Re:LSIの不具合ですよね。 (スコア:1, 興味深い)
出荷したのはアレだけど、こういうのは有る程度加速試験して始めて出るものですから、PC 関連だとドライブ側で捕まえていなければシステム屋に検出しろと言うのは無理です。それだけで六ヶ月コースだもの。勿論、サーバなんかな連中は普通きちんとテストするので、こういうのは使っていませんが、その代わり新製品出荷後半年から一年しないとドライブを製品出荷できないと言うのが現実です。
#ちなみに、このころの Cirrus の品質はかなり業界では話題になっていました、と書いちゃまずいか ;^^)。
Re:LSIの不具合ですよね。 (スコア:1, 参考になる)
そこで、加速テストで該当するロットを絞り込んで、交換したんだそうな。
ところが、大丈夫だと思われていたロットも1年くらいしてバンバン壊れ始めた。交換したやつも含めて。
で、改めてテストしたらほとんどのロットが1年くらいで不具合が出る事が発覚したんだそうな。
で、今頃あわてて回収・交換に走っているらしいよ。
時間差攻撃でなければもっと早く回収できただろうにね。
Re:他のHDDは問題ないのだろうか? (スコア:2, 参考になる)
今まで延べ数十台のPCを管理してきましたけど、カンタムが死んだのは実は初めてです。
(シェアはあえて無視してます)
まぁ死ぬときは何処のメーカ製だろうと死ぬぞと。
因みに一番臨終に立ち会ったことがあるのはWD。
ところで今日、ツクモで中古品売場のぞいたら、このF2製ドライブがいっぱい…。
一週間保証つけて売ってるけどジャンク扱いにした方がよいのでは。と思った。
〜後悔先に立たず・後悔役に立たず・後悔後を絶たず〜
Re:他のHDDは問題ないのだろうか? (スコア:2, 参考になる)
こういうので、メーカの実力を云々するのは間違いだと思います。チームの実力をこそ云々すべき。私は Quantum を一番多く看取っているけど、Quantum みたいに割にエンジニアリングの基準のなっていないところ (暴言モード) では失敗作 (LPS105, GrandPrix 1000, Fireball 1000 ほか多数) を多数出すけど、そこそこ使えるものも確かに出しているのね。IBM しかり、WD しかり、Seagate しかり。
バルクを買おうという覇気があるなら、新製品を買ったら有る程度失敗作をつかむのは当然だという割り切りも必要でしょう。そういう意味では、悪い噂のない型落ち品の廉売は、ことディスクに関する限り他の分野よりずっと良い買い物です。目先のスペックに目がくらんでいるのは、やっぱりトーシロのそしりを免れませんね。
Re:他のHDDは問題ないのだろうか? (スコア:1)
設計・ロットによる当たりはずれは明らかにありますが、
製造メーカに起因する品質の差など誤差の範囲じゃないでしょうか。
私は今回火の玉の後釜にIBM DESKSTARを入れました。
DTLAで散々な目に遭った後なら枯れてるかなと考えてのことです。
(それに確かに安かったし)
〜後悔先に立たず・後悔役に立たず・後悔後を絶たず〜
Re:他のHDDは問題ないのだろうか? (スコア:1)
常々思うのですが、なんで最新を追っかけるのだろうか?
コストパフォーマンスで考えると、型落ちねらって
安くすませても今時のパーツなら十分爆走ですよね。
# って、そういった人たちの屍のうえを悠々と歩いて
# いかせてもらっているのですが・・・・
AMIGA4000T(60/50)使い
Re:他のHDDは問題ないのだろうか? (スコア:1)
あるらしいです(ホント?)。F製のHDDがどれだけ使われてる
かわかりませんが、該当のHDDを利用している製品が利用されて
いる事をしらない場合はどうすればいいんですかね。
意外な所でF製が使われているかもしれないと考えると
結構恐いです。
Re:他のHDDは問題ないのだろうか? (スコア:1)
IBM製HDDやら、TOSHIBA製HDDしか入っていません。
自社パソコンには外部の性能いいものを入れるのね。
NECのパソコンを開けるとF製のHDD出てくる場合もあります。
CompaqはWDのHDDにCompaqシール張ってある事がある。
個人的には2.5ならIBM製のHDD(製造ロットにもよるが)
3.5ならSeagateが好きです。
うちのメインマシンはSeagate 40GBでRAID1
.::.:... .::....: .::...:: .::.:.:: .::..:.: .:::..:.
I 1 2 B H4[keR. :-)
Re:他のHDDは問題ないのだろうか? (スコア:2, 興味深い)
他社製品であれば、かなり強引に価格交渉を行って相手の利益なんか知ったこっちゃないというような値段で購買できますが、 自社(系列)製品だと元々社内移管価格が決まっていて、それ以上価格交渉できないとか、社内の政治力学で交渉がしにくいとか、社内他部門に無理を言い過ぎると社内での自分の評価が下がるとか、そういう理由で社内(系列)にはあまり厳しい事を言えない場合も多いようで・・・
Re:他のHDDは問題ないのだろうか? (スコア:1, 参考になる)
あるPC販売店の掲示板にその店の社長さんが書いていたものです。販売店に回って
いたようですし、日立の企業向けモデルを販売していた会社には日立がNECと同様の
理由で同時期に回収にしていた(知人談)そうですから、デマ情報ではないでしょう。
臆病な匿名の投稿が信用できないというお気持ちはわかりますが、
ソースは勘弁して
下さいな。というか、NECに真偽を小一時間ほど問い詰めていただきたいような。
Re:他のHDDは問題ないのだろうか? (スコア:1)
SCSIもダメでした!って言われるとウチで管理している
サーバ数台が...
これって、チップの不良じゃなかったっけ? (スコア:1, 参考になる)
でも、この話って半年くらい前に既に聞いた話だから別件(Fかどうかも含めて)かもね。
#なんか、EMっぽいけど。
Re:これって、チップの不良じゃなかったっけ? (スコア:1)
そこで紹介されていたにちゃんねるのスレ(dat落ちしたようです。次のスレ [2ch.net])が詳しいです。
リンが混入していて、配線がショートするとかそんな話だったような。
Re:これって、チップの不良じゃなかったっけ? (スコア:3, 参考になる)
で、この問題は、単にこの種類のハードディスクの故障だけ
でなく、同一の難燃材を使用しているすべてのICで発生する
可能性があるというところが、問題なのでは?
医療機器や、航空機等のクリティカルな部分でも
同一の問題が発生する可能性があると。。
# やばいので、ACで
Re:これって、チップの不良じゃなかったっけ? (スコア:1, おもしろおかしい)
Re:これって、チップの不良じゃなかったっけ? (スコア:1)
上記スレによると不良を起こすのはシーラスのチップで問題の部分は
住友ベークライト製らしいです。
そこまで分かってれば問題の起こる部品はある程度特定できそうな気が。
Re:これって、チップの不良じゃなかったっけ? (スコア:1)
を強く唱えてる以上何かあったら誠意ある対応がほしいです。
お知らせ読んでいる限り、”私たちには責任がないのですが”
的な事も少々感じますし。
そういえば、住基ネット向けのコンピュータ(端末かサーバかは
わかりませんが)で富士通製のPC結構使われているって2chか
どっかでちらっと聞いた事がありますが、こちらも不安。
そして職場の端末のFMV。
Re:これって、チップの不良じゃなかったっけ? (スコア:1)
富士通が HDD をどのくらい出荷していて、たとえばいちいち対応することにするとどういう損失になるか、とか知らないんですが、それでいいのか?、とついつい思う…
いいなぁ(おい)
ふやけるコントローラチップ (スコア:1)
要約すると
不具合の原因は「外部から購入したコントローラLSIに一部不良品が混在していたため」
高温多湿の環境使用すると作動不良になる。
温度が影響する部分
・チップの作動
・電解コンデンサーの劣化
・温度による膨張。
湿度が影響する部分
・モーター等可動部分
・ヘッド関連
・水分に影響され易い素材
高温多湿の多湿とLSIチップの不具合の関係がわかりません。
起動時に認識しないのであれば、
「電解コンデンサーが高温の環境で劣化し起動時の電源供給が不安定となり認識しない時がある。」
とするならわかります。
わざわざ外部からコントローラーLSIの責任にしてますが
電源が不安定の場合認識しない可能性があるだけの話であるなら
単にHDDの寿命等を考えて富士通側が部品の選択を行わなかっただけの話では?
やっぱりLSIパッケージがふやけるんですかね(笑)
Re:ふやけるコントローラチップ (スコア:2, 参考になる)
高温の方が化学反応が起きやすいのと、多湿のほうがリンが溶けて電解液化として働きやすいんじゃないでしょうか??
#LSIのプロセスは専門じゃないんで、間違ってるかも(^^;;
Re:ふやけるコントローラチップ (スコア:3, 参考になる)
原理も起こる現象の説明も違ってますが・・・(汗)。
#どこでそんな説明を聞き込んだんです??
>エレクトロマイグレーション(EM)という現象は、
>LSI内部の配線材料(アルミニウム)がイオン化して移動して
>しまい、
・・・って、原理から違ってるし(汗)。
エレクトロマイグレーションってのは、電子の流れによる原子の移動です。
#一般向けの適切な用語説明はまだないかな・・・。
#ここ [nistep.go.jp]の4.2項にちょっとだけ書いてありますね。
電流を長時間一定方向に流し続けていると、電子の流れが配線の原子を
押し流して、配線を変形させてしまう現象のことです。
#定電流だけで起こる現象というわけではなく、過渡電流
#(信号電流)の時間積算でも起こります。
#イオン化って・・・なんか変な理屈に毒されてません(汗)?
#シリコン基板はドープされていようが共有結合性結晶構造を持ってて
#固溶体のようなイオン性結晶じゃありませんし、配線側への
#不純物の微小な元素拡散はありますが、そういうことは考慮されてて、
#配線と基板との接触面は別種の素材をはさんだりして、きちんと
#元素拡散などを遮断するようにプロセスを作ってあります。
#なので、基板から配線へのイオン拡散はほとんどないといってもいいです。
#あ、配線自体のイオン化、ってのは、高電圧をかけるわけではないので、
#常温や普通使う状態では起こり得ないです。
#それとも、chip内でアーク放電が起こったり、プラズマを
#生成できるような高電圧をかけます?
#・・・・そんなことしたら、その前にchip消し飛びますって(汗)。
>本来つながってはいけないところが接続されてしまう
>(ショートしてしまう)現象です。
まぁ、ショートも、配線の変形という原理からすると、絶対に
起こらないわけではないですが、普通EMというのは、電流の集中で
配線原子が押し流され、どんどん細いところがより細くなる方向の変形で、
配線が切れることのほうが頻繁に起こります。
#時間をかけて配線が切れて、デバイスが死ぬので、信頼性問題の
#カテゴリに入ってますね。
>配線が微細化するほど問題に
>なりやすい(隣の配線までの距離が短いから)そうです。
EMがどんどん起こりやすくなるのは、ミクロンルールが微細化して、
配線自体の幅が狭くなるからです。
・・・微細化が遠因というのはあってるけど、説明は違うと思うな。
#そもそも、隣接配線間隔なんて、プロセス作成側でどうとでも
#決められますし、配線間には普通、ガラスや有機系などの絶縁体が
#詰まってるんですよ?
#固体として固められたchip内でそれを押しのけて、配線間で配線素材の
#合金の結晶が伸びるというのは、ちょっと無理があるように思います。
#あと、電解反応での結晶成長は、媒質のイオン移動速度によりますが、
#特に固体内ではイオン移動自体が非常に遅いので、過渡的な
#信号電流の増減では到底起こりそうにないです。
#起こるとしたらVDDとGNDなどの、定電位で電圧差のある部分の間ですが、
#電源配線はchip設計時点で位置の相関がわかるので、
#(本来起こらないはずの、電解での結晶成長の防止とかを考えるわけではないですが)
#変な寄生容量とならないよう、近接しないようにあらかじめ
#対策されます。
>高温の方が化学反応が起きやすいのと、多湿のほうがリンが
>溶けて電解液化として働きやすいんじゃないでしょうか??
chipはパッケージングの前に、ほぼ完全にガラスや有機樹脂フィルムで
被覆され、水分が内部に浸透できにくくしてあります。
さらに、リンが存在するのはシリコン基板の表面の、配線層が
積層された下の極薄い領域だけですよ。
そんな領域からのリンの溶出は普通ありえません
(何層もの素材の違う配線/絶縁層を通過して水が染み込むなんて、
そんな状況ではそもそも回路が動きません)し、共有結合性結晶構造の中に
打ち込んで拡散させたリンが溶出すること自体が、直接、水や
電解質媒体に触れない状態ではありえないことです。
それに、よく考えてみてください。
そこまでパッケージ内に水分があったら、まずパッケージとchipの
接続に使う金配線部分でショートしてしまいますよ?
#金配線だと表面がめったに腐食しないので、まとまって電解質媒体に
#触れると、途端に周辺の配線と短絡します
---- redbrick
Re:やられた・・・かな? (スコア:1)
>騙されたかな?
おそらく、その人もよくわかってなかったのでしょう。
#理解しないで伝聞情報を意識せずに捻じ曲げるヒトは
#残念ながら少なくはないです・・・。
リンがどうの、という部分の根拠や詳細はプレスリリースからは
見つけられませんし、わたしは今は2chは見られませんので、
それ以上のことはわたしには言えません。
>・・・ま、いいんです。ネットリスト渡すとこまでの人なんで。
わたし、ネットリスト渡される側のヒトです(苦笑)。
#それでも、プロセス側の知識ないとやってけないんで、
#情報収集は仕事の一環として続けてます。
---- redbrick
Re:ふやけるコントローラチップ (スコア:1)
このページの前後を見て頂ければお分かりの様に、これは半導体の故障モードの考察と言うよりは、プリント基板等での故障モードの考察ですね。明確には書いてはありませんが、使用している語句(フェノール基板、銀のイオンマイグレーション、等々)からすれば、その様に解するのが妥当な内容です。半導体と基板(あるいは基板に部品を装着する場合)は雰囲気すら相当異なります。よって、半導体の故障モードに付いて言う場合、基板についての事項は本当に参考程度に止めて置かれた方が良いと考えます。
エレクトロマイグレーションに狭義も広義も無いのでは、と考えます。確かに電気化学的なマイグレーションの場合、絶縁体の上を導体が「走る」場合はあります。ですが、電子衝撃によって金属原子が動いてしまう(これがエレクトロマイグレーション)で、絶縁体の上を金属の角が伸びる様な事は通常あり得えません。
redbrickさんも書かれていますが、シリコンにドープ/インプラントする燐なぞほんの微量で、かつシリコンの結晶中に共有結合で取り込まれているものですから、それがダイ(チップ)から溶けだして悪さをする事は通常考えられません。「燐、高温多湿」から推測出来る故障モードは先に書いたPSGによるアルミニューム配線の燐酸腐食ですが、実は「はて?」なんです。パッシベーション膜にPSGなぞ、まだ使ってる所はあるのでしょうかね?
パッケージ素材中の不純物による故障とすれば、ぼくはそっち方面では無かったので分かりません。ただ、燐系難燃剤の問題として燐の流出という事はあるので、パッシベーション膜次第ではダイ表面の配線が燐酸腐食等の悪影響を食らう可能性はあるかな、とは思います。
Re:ふやけるコントローラチップ (スコア:1)
>この不具合は、HDD製造メーカー製ICのパッケージ材料に用いるエポキシ
>樹脂に使用された難燃剤が温度、湿度により経年変化をおこし、ICの
>リード線間でショートを起こしたことにより発生していることがわかっている。
ですか。うーむ、どうですかねえ、基板レベルの話、あるいは半導体のパッケージングの話、という事ですかねえ。
ダイ(チップ)とピンをつなぐ線はリード線とは言わずに(ボンディング)ワイヤと言うのが普通と思いますけど、須崎事業部長なる人はプロセス屋さんではなくPC屋さんと考えるのが妥当、とすればプロセス屋さんが使う言葉を使わない可能性はあるかと。リード線がLSIのピンの意味なら基板レベル(原因はLSIパッケージとしても)、ボンディングワイヤならLSIのパッケージング、でしょうか。
ともあれ、ダイレベルの話では無さそうですね。
Re:ふやけるコントローラチップ (スコア:1)
非常に分かりやすいです。
#他の方が提示してくださった、富士通のサイトにある
#信頼性関係の資料も、皮肉なことに非常に分かりやすい(汗)。
ただ、マイグレーションの定義、正しいんですが、現象の発生場所を
明示しないと、原理は明確でも、個々を区別しにくいと思います。
#わたしが挙げた前者はchip内配線のエレクトロマイグレーション、
#後者はPKG外のリード間のイオンマイグレーションになるのでしょう。
>134687のACさんが説明してるのはイオンマイグレーション、
文脈を見ると、「配線の」「微細化」という記述があるので、
発生箇所がchip内の配線と推測しましたが、chip内部での
イオンマイグレーションは、めったに起こらない、と
わたしは判断します。
#理由は前述。
>cassandroさんが前半に説明してるのは固体マイグレーション
>(狭義のエレクトロマイグレーション)
これは、わたしが挙げた前者とほぼ同じ意味だと思います。
#違っていたら指摘お願いします>all
>cassandroさんが前半に説明してるのはエレクトロ
>マイグレーションとは似て異なる腐食性生成物、
これは、富士通のサイトの資料にあるコロージョンのことみたいですね。
場所的にはchip外部、パッケージ内部の領域でまず起こり、chip周辺を
侵蝕してchip内部にダメージを与えたり、PADなどの接触部分を酸化して
接点不良を起こし、デバイスの動作をおかしくするのでしょう。
#残念ながら、わたしはPSGのカバーのことは昔話でしか
#聞いたことないので、指摘されるまで思い出せませんでした。
>半導体業界で多く発生するのはアルミ断線等の固体マイグレーション、
>プリント基板業界で多く発生するのは鉛、銅などのイオン
>マイグレーションのようですので、半導体業界では
>エレクトロマイグレーション=固体マイグレーション、
>プリント基板業界ではエレクトロマイグレーション=
>イオンマイグレーション、とする文化があったりするのでは
>なかろうか、と。(憶測です)
わたしの業種ではデバイスを作って顧客に渡すところまでなので、
エレクトロマイグレーションは配線(とビアとコンタクト)しか
考慮しないのは確かですね。
#で、通常わたしのまわりでは「EM」と略して呼びます。
プリント基板業界ではどうなのでしょう?
#マイグレーションとだけ呼んでいるのかな?
>リン系難燃剤の配合ミスとかの面から考えても今回の件
>説明つきませんでしょうか?
このあたりのpdf [mew.co.jp]とかを見ると、リン系難燃剤の添加には
吸湿という割合厳しい、けど克服不能ではない副作用が付きまとう
ように思えます。
#つーか、これがそのまま結論を予想させる重要な資料に見えます(汗)。
>私にはどうも今回飛び交ってるキーワードであるリン、
>LSI内部ショート、 マイグレーション、高温多湿がうまく
>結びつきませんです。
LSI内部ショートではなく、パッケージ内ショートに置き換えたなら、
それなりにスジがつながってきそうな気がします。
#以下はわたしの想像ですが・・・、
#デバイス封入樹脂に加えるリン系難燃剤の配合比を間違えてしまい、
#パッケージが信頼性基準を超えて高吸湿能を持ってしまっているとすると、
#その状況では、PKG内部へ水分が保持されやすく、リン酸も
#生成し保持されやすいのではないかと思います。
#で、リン酸は電解質として使われることもあるので、
#リン酸がパッドなど、完全に被覆されてない金属部分や、
#(わたしは寡聞にしてその存在を知らないのですが)金以外の
#ボンディングワイヤに触れて、金属を侵食し、金属イオンを取り込み、
#その状態で電位差のあるワイヤやPAD間での導通が起きてイオン
#マイグレーションが起き、電解による結晶成長でショート、と
#いうことであれば、電解、つまり液系の化学反応の温度依存性と
#電解質を供給するための湿度への依存性が現れても、特に
#おかしくはないのではないかなぁ、と、推測することは
#出来そうです。
#・・・・あくまで推測に過ぎませんが、こうなると話が繋がって
#きませんか?
---- redbrick
Re:ふやけるコントローラチップ (スコア:2, 参考になる)
今回の問題はLSIの樹脂パッケージに含まれているリンが問題になっており、
これがマイグレーションを起こして端子間の導通に至るというメカニズムのようです。
社内的には全ての開発中の装置の素子について、リンの含有チェックが
指示される事態になっていますし、多分たくさんの部品メーカーに対して、御社のICは含んでいますか?
という問い合わせがいっぱい出ているはず。
# とうぜんA.C (^-^;)
Re:ふやけるコントローラチップ (スコア:2, 参考になる)
>配線材料(アルミニウム)がイオン化して移動してしまい、
>本来つながってはいけないところが接続されてしまう
>(ショートしてしまう)現象です。
ちょっと違うかも(笑)。
エレクトロマイグレーションとは、電流密度が高い箇所で流れる電子の衝撃によって導体の原子が移動してしまう現象。イオン化等(つまり溶ける)の化学的ではなく、物理的な現象です。そして、通常故障モードはショートではなく切断です。
チップ表面に付いたナトリウムイオンを吸収する事とチップ表面の保護する目的で、燐を含んだガラス(PSG)をコートする事が行われる場合があります。PSGは湿気に触れると燐酸を発生し、これがアルミニュームの配線を腐食させる事は知られています。これはエレクトロマイグレーションとは別種の故障です。
エレクトロマイグレーションは温度の依存性があり、また燐酸による腐食は温度と湿度の依存性があると言われています。
Re:ふやけるコントローラチップ (スコア:2, 参考になる)
見た目は(多くのものは)プラスチックで水分なんか吸わないように見えますが、LSIパッケージは吸湿します。
そのため、輸送・保管時には乾燥剤・湿度を表示する紙といっしょに密封保存され、実装直前まで開封しません。開封状態で保存した場合には、80℃くらいの炉で水分を飛ばしてから実装します。
吸湿した状態で実装すると、半田付け(リフロー・フロー)時に内部の水分が水蒸気になってLSIが破裂してしまうためです。
こんなこともあろーかと! (スコア:2, おもしろおかしい)
ってわけじゃないでしょうが、そのあたりの半導体回路劣化の物理は富士通、
半導体集積回路品質・信頼性ハンドブック [fujitsu.com]の
IV.信頼性物理 [fujitsu.com]
にけっこう分かりやすくまとめてあるようです。
以下のような現象が説明してありました。
>1. エレクトロマイグレーション
>2. ストレスマイグレーション
>3. AlとSiとのコンタクト信頼性
>4. ホットキャリアによる劣化
>5. 酸化膜の信頼性
>6. イオン性汚染
>7. ソフトエラー
>8. カバークラックとAlスライド現象
>9. コロージョン
>10. パッケージクラック
>11. 静電破壊
ご参考までに。
# しかし、ほんとに用意がいいなぁ‥‥
大当たりぃ! (スコア:1)
今回は大当たりだぜぃ。当然バルク(涙)。
幸いまだ動いてるので、とりあえず別のHDDに移行。
目の前に裸のHDDが転がってるが、
さて、これからどうしてくれようか。<スラッシュドットに聞け?
それはともかく、Cirrus Logic社は富士通に対して補償をするの
だろうか?富士通はバルクHDD補償はしないらしいが、焼け太り
なんてことだったら激怒だな。
Re:大当たりぃ! (スコア:1)
Re:大当たりぃ! (スコア:1)
だからこそバルクなわけで。
それがいやなら最初から素直にリテール品買えばいいだけです。
Re:大当たりぃ! (スコア:1)
NECのPCに搭載されている富士通のHDDが壊れたとき、ユーザーに補償するのはNECであって富士通ではない(NECと富士通の間で補償が行われるかは別)でしょう。
それでもバルク品にはそれなりに販売店による保証がつきますが、ジャンク品になるとそれすらなかったり。
Re:真性ヴァカがいます (スコア:1)
一般的には間違っていないと思うんだが… [impress.co.jp]
具体的に「ここが間違ってる」と指摘しないと、参考にもならんよ。
# mishimaは本田透先生を熱烈に応援しています
Re:大当たりぃ! (スコア:1)
したがって多くの場合メーカ保証ではなくショップ保証がつけられて売られているわけですから、ショップ保証期間内に壊れた場合はショップに交換ないしは無償修理してもらうわけです。これは欠陥商品であろうとなかろうといっしょ。ショップ保証期間外に壊れたのであればユーザの泣き寝入りですがこれも欠陥商品であろうとなかろうといっしょ。
保証期間の長いショップで買っていれば壊れても保証期間内である可能性が高く、短いショップで買っていれば保証期間外である可能性が高いですが、これは買う時点で値段に反映されているはずですよね。安いもの、バルクにはそれなりのリスクがあるということでしょう。
ただし、今回もっとも問題なのは欠陥商品であることがわかったとして、その商品を即座に交換または無償修理してくれるのか、という点ですね。動いてしまっている限りサポートしてくれないのであれば、通常のドライブより明らかに壊れやすいとわかっている爆弾を抱えたドライブを使い続けなければならない羽目になります。
欠陥商品であることがわかった時点で価値が損なわれたと認めて交換または無償修理対象としてくれるようなショップがあれば問題ないんでしょうけれど。
Re:大当たりぃ! (スコア:1)
仮に不良品を販売してもメーカーにはおとがめが無いのがバルク品です。
バルク品は、お店がどう売るかによって、お店の責任はあるにせよ、メーカーはユーザーに対して直接の責任を持ちません。
↓このあたりよく読んでみてください。
http://yougo.ascii24.com/gh/29/002915.html [ascii24.com]
http://www.watch.impress.co.jp/pc/docs/article/981021/hot011.htm [impress.co.jp]
kaokun
そうとも限らんぞ by 山さん (スコア:2, 参考になる)
通用するか?は、また別問題。
消費者契約法の中には「事業者の損害賠償の責任を免除する条項
の無効」「消費者の利益を一方的に害する条項の無効」
参考URL;http://www.shiho.or.jp/syouhisya.htm
というのがあるそうなので、これを楯にきちんと交渉すれば、ど
うにかなるかも?
集団訴訟なんてどうだ? (スコア:1)
「バルク品についてはこういう事も承知の上で買うものだ」そうだ。
でも、バルク品は、相性とかによる部分では承知だろうが、
欠陥品を承知の上で買ってる訳じゃないよね?
そもそも製造での品質が悪く、それが「Fujitsu」ブランドなのだから、
Fujitsuブランドの品質についての部分は対応すべきじゃないかと
思うのだけれど、これは俺の思い違いかな?
これがなくっちゃ富士通じゃない (スコア:1, おもしろおかしい)
思い出すのは… (スコア:1)
タイマー付き? (スコア:1)
20ヶ月前に同時に買った17台のPCの内の5台。不良率3割もすごいけど、ほぼ同時に逝くのも凄い。
某Sとかのタイマーは有名だけど、富士通もいよいよタイマー機能搭載?
ちなみに、HDDはまだ動いているものも含めて全てPCメーカーの代理店さんに無償交換していただきました。
(でも壊れた5台分の再インストールは自分でやりましたけどね)
富士通ではないけれど (スコア:1, 参考になる)
不良と疑わしき大当たりを体験してます。
M社の80GBなんですが、16台入荷したうち6台がランニング
テスト中タイムアウトを頻発、代理店に交換してもらって届
いた新品のなかからさらに同様の症状のものが1発。
こういう症状って、結構な負荷をかけたときにだけ再現する
ものもあって、単発でデータ領域にでもしているとなかなか
気がつかなかったりします。
しかもリブートしてしまうと直ってしまって、ショップで購
入したりした場合は、症状を再現できずに泣き寝入りする羽
目になるんでしょうね、こういうの。
# まぁ、そういうのもあって、オークションで商品がにぎわ
# うのかも(爆)