MIAU、シンポジウム「ダビング10について考える」を開催 48
ストーリー by Acanthopanax
徹底議論 部門より
徹底議論 部門より
昨年設立され、ダウンロード違法化についてのパブリックコメント提出呼びかけや、同問題についての緊急シンポジウムを開催するなど活発な動きを見せているMIAU(インターネット先進ユーザーの会)が、シンポジウム「ダビング10について考える」を開催することを発表した。日時は2008年1月16日(水)18:30~20:00、場所は世田谷文化生活センター(キャロットタワー内)5Fセミナールームとなっている。なお、事前のメールによる申込みが必要。
(つづく...)
内容は、現在予定されているところによると、池田信夫氏による法令上の解説をはじめ、総務省の「デジタル・コンテンツの流通の促進等に関する検討委員会」(デジコン委員会)にも参加していた、主婦連合会の河村真紀子氏による、デジコン委員会上の経緯についてや、オーディオ&ビジュアル評論家の増田和夫氏によるダビング10ルールの解説、小寺信良氏による米国EPN運用などとなっている。また、「消費者ルールの落としどころを探る」 と題して、パネルディスカッションも行われる。
ここ数年、著作権関連の動きは激しさを増す一方ではあるが、昨年からは「ダビング10」、いわゆる「ダウンロード違法化」など、さらに活発な動きが起こっており、これまでの状況から大きく変革を迎えようとしている。/.j読者諸兄にも、それぞれの思いや立場などがあるとは思うが、これから先の数十年が方向付けられようとしている今、もう一度各自の立場からこの問題について考えてみるべきではないだろうか。
ダビング10の流れと参考記事 (スコア:3, 参考になる)
対談:小寺信良×椎名和夫(1)「ダビング10」はコピーワンスの緩和か [itmedia.co.jp]
対談:小寺信良×椎名和夫(2):「四方一両損」を目指した議論は何故、ねじれたのか [itmedia.co.jp]
対談:小寺信良×椎名和夫(最終回):ダビング10の向こうに光は見えるのか [itmedia.co.jp]
この記事を読むと、問題の根本的なところがダビング10が緩和であるかどうかではなく、まともな議論がされてないままことが進んでからだということがわかります。
放送業界+JEITAで話が進んでいて、消費者はもちろんこの手の話題で権利者と呼ばれている実演家やレコード会社すらあずかり知らない。なのに、世間的には権利者の反対が強固で話がねじれてるみたいなことを言われてる、という。
もともとJEITAと権利者は補償金問題で真っ向から対立してるもんで、ダビング10の問題も引きずられて同様の構図になってしまっているという部分もあります。昨年末にあった公開質問状をめぐる一連の騒動も、端を発したのはJEITAの補償金不要論だったりします。
「録音録画補償金、抜本的な見直しを」とJEITA [itmedia.co.jp]
「JEITAはコピーワンス緩和合意を破棄するのか」権利者団体が公開質問状 [impress.co.jp]
JEITAが「公開質問状」に回答しなかった理由~亀井委員長に聞く [impress.co.jp]
「公開質問状」JEITAは誠実な対応を――権利者団体がコメント [itmedia.co.jp]
この流れを意訳すると
JEITA「補償金なんていらんでしょう」
権利者「ダビング10の方は手前らだけで勝手に決めておいて、今更何を言うか。先にダビング10の話きっちり落とし前つけんかい」
JEITA「それは公式の場で議論すべき話ですね。ここでやり取りするのはおかしいです」
権利者「おまえが言うな」
って感じですかね。ダビング10が緩和かどうかとかそういうレベルの話にはそもそもなってない。そこにフリーオが出てきてB-CASによるスクランブルのザル加減が明らかになったりして、コピー制御関連の話も含めて抜本的な見直しの必要性があるという流れになりつつあるわけです。
デジタル放送の暗号化に疑問の声が相次ぐ、総務省の検討委員会 [impress.co.jp]
権利者側の主張は
放送事業者の主張は
とまあ、まったくかみ合ってない。
ダビング10問題は、システムの是非を問う段階にまでまだ至ってないというのが個人的な感想ですね。
しもべは投稿を求める →スッポン放送局がくいつく →バンブラの新作が発売される
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
他に手が用意されてるにもかかわらず、当初想定されてなかったコピーマネジメントを後付けして
うまくいかなかったからチャイね、なんてなったら本格的にマーケットが冷え込むぞ。
いいトコ取り (スコア:2, おもしろおかしい)
だそうだ。
なので、
「海外じゃどこもこんな馬鹿馬鹿しいコピー10回までなんてやってないから撤廃しよー!」
と、みんなで口をそろえて言ってみよう。
Re:いいトコ取り (スコア:2, すばらしい洞察)
>と、みんなで口をそろえて言ってみよう。
そっちは「日本が世界に誇る先進的な著作権保護システム」なので、撤廃するなんてとんでもないことなのです。
# というわけでやっぱりおいしいトコだけつまみ食いなのです。
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
補償金廃止してほしいです。
何もしなくても無条件にお金がもらえるのおかしくない?
Re: (スコア:0)
だから,おいしいのですよ。
Re: (スコア:0)
庶民感覚的にはそう思われるのかもしれませんが、印税とか配当の類は確かに何かをしたから貰えているのです。
全部即金にしたら、社会の仕組みが物々交換で成り立っていた古代に返りますよ。
Re: (スコア:0)
>全部即金にしたら、社会の仕組みが物々交換で成り立っていた古代に返りますよ。
だれも印税の話なんてしてないと思うが。
メイディア購入代金の一部が印税としてJASRACに入るシステムじゃないと古代に返るんですか?
Re: (スコア:0)
池田氏の法律理解度は… (スコア:1, 興味深い)
彼は「著作権は財産権ではない [goo.ne.jp]」とblogで書いていますが,これは学者どころか法学部生から見ても明らかに法律の基礎の基礎を知らない発言です。
憲法に想定する財産権は,物理的なものだけでなく,形のないものも含まれているというのが一般的な見解です。
財産権は絶対不可侵ではなく公共の福祉で制約されますし,財産権そのものの範囲も時代と共に変化していくものです。憲法には有体物縛りなどとは一言も書かれていませんし,まず間違いなく民法の基本書には「財産=有体物+無体物」であると書いてあります。
加えて現在の著作権法も明らかに金銭の授受をメインとした保障の方向で強化され続け,かれこれ30年近くになります。
彼は論文でも何でも説明には文系の人々がいかにも騙され易い数式を多用して煙に巻いていきますが,数式以外の部分をみると,本当に大学の先生なのかと疑問に思うほど疑問点が噴出してきます。
元々は経済に関して長けている人なのでしょうが,法律に関しては持論に有利な解釈をしているので鵜呑みにすべきではないと思います。
Re:池田氏の法律理解度は… (スコア:5, 参考になる)
池田氏の話は現行法の解釈じゃなく「著作権はそもそもこうあるべき」と言う話をしてるでしょ。「著作物は無形だが、歴史的に実体を持ったもの(書籍等)として流通したため、有形財産と似た扱いで権利関係を整理できた。しかし現在はそうした扱いが適合しない状況になってきている」という話。それを踏まえてあるべき論として「そもそも著作権は有形物に適用が容易な財産権ではなく、別の枠組み(複製制限権)として扱うべきだ」と言う主張になっている。
ちなみにMIAUの白田秀彰氏も インタビュー記事 [nikkeibp.co.jp]のなかで と主張してるよ。
Re:池田氏の法律理解度は… (スコア:1, おもしろおかしい)
それって
「オレは今の著作権は気にいらねえ!オレの欲しい著作権はこういうもんだ!」
というのと、一体どこが違うんでしょう。
Re:池田氏の法律理解度は… (スコア:2, すばらしい洞察)
Re: (スコア:0)
法改正を訴えるなら自分の正当性を主張しないと。
Re:池田氏の法律理解度は… (スコア:1)
俺的著作権 (スコア:2, すばらしい洞察)
>というのと、一体どこが違うんでしょう。
違わないでしょう.
今の著作権が気に入らないから議論が巻き起こるわけで.
私にも「俺の欲しい著作権」というのがあります.
自分で考えても突っ込みどころ満載だからそれが正しいなどと主張しませんが.
屍体メモ [windy.cx]
Re: (スコア:0)
複製だけが問題じゃないだろうに
#こう指摘すると「複製以外も考えてる」とか言いそうだが、なら最初から考慮したネーミングしろ
Re: (スコア:0)
#1277885は、一年生かな?
Re: (スコア:0)
社会は変容するものなので歴史的解釈は前面押し出す解釈の仕方ではありませんし,
>別の枠組み(複製制限権)として扱うべきだ
>排他的独占権にすぎないと主張しています。
と仰せられていますが,どの学者も有体物と完全に同様に扱うことはできないことは十分に理解しています。
補償するも何も法律で権利として規定さえしなければ,そのようなことをする必要はないのですから,当該の権利を賦与する対象に応じて法が作られている訳です。有体物の財産権も民法で定められているからこそ存在するのです。
故にもう既にそういったことを踏まえているので,著作権自体がそのような性質を持つことが運命づけられた財産権です。
元々ありもしない権利を主張する人々に誤解されない名称にすべきくらいには受け取れますが,単に名前の付け替えです。観念の多少のブレは学者間ではよくあることですし,些事にこだわる必要性はないはずです。
Re:池田氏の法律理解度は… (スコア:1)
池田氏の言説をきちんと読んでいないのですが、
名称というのは非常に重要ですから、「誤解されない名称にすべきくらい」
のことでも主張する価値はあると思います。
「著作権」と「copyright」では、やはりその受ける印象というのは大きく異なります。
ですから、「複製(許可)権」なんていい言葉ですね。
Re: (スコア:0)
Re:池田氏の法律理解度は… (スコア:5, 参考になる)
と述べておりますので、元コメントの方の指摘は学者どころか法学部生から見ても明らかに的外れか、池田さんのblogをよく読んでいないように思えます。
ただどちらにせよ、著作権が財産権であるかどうかを区別する実益がどこにあるのかはを論じずに「財産権である/ない」を論じる意味はないでしょう。
憲法学的には著作権が財産権であるかどうかは違憲審査基準に関係すると思います。著作権法の合憲性が審査される訴訟の際に「著作権は財産権である」と判断された場合には、いわゆる二重の基準論によって、「合理性の基準」などのより緩やかな違憲審査基準が用いられることになりかねないからです。
これは著作権法の違憲性がゆるやかに審査され、立法府の裁量がより広く認められるということなので、MIAUのような反対派にとっては違憲訴訟という戦術が採りにくくなるかもしれません。(違憲訴訟しないと思うけど)
Re: (スコア:0)
皆様方に散々指摘されて,お恥ずかしい限りです。
初見が相当前で手元のブックマークからそのままリンクを張ったため,追記を見ていませんでした。
ご指摘ありがとうございました。
ただ私としては,著作権問題にコメントを発表する人物は少数説を採る人物に偏っている印象があるので,こういった差異を超えても,なお近しい考え方・結論になるということを示すことができれば,より説得的になるのではないか,という思いもあります。
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P.S. 単に,よくある少数説だけでどんでん返しは心許ないというのが本音です。
Re: (スコア:0)
著作権をファーストクラスの財産権、つまり無期限無制限の財産にしようとしてるのは著作権強化推進派の方なんだし。
Re:池田氏の法律理解度は… (スコア:2, 興味深い)
ただ、財産なら当然、税の対称にするべきだという意見は持ってるけどね。
Re: (スコア:0)
Re:池田氏の法律理解度は… (スコア:1)
それは権利自体が消滅せず、著作権者に残ることになる (50/75 年経っても複製するには著作権者の同意が必要) から同じ話じゃない。
Re: (スコア:0)
経済学者について (スコア:4, 参考になる)
http://www003.upp.so-net.ne.jp/ikeda/article.html [so-net.ne.jp]
この中には学術研究の重要度を評価する世界的指標であるトムソン社のインパクトファクターの算出に含まれる論文はおそらく0でしょうし、学者の研究成果としてカウントされる経済学の分野の査読付論文雑誌の掲載数も0のようです。(世界の大学ランキングで東大が何位、京大が何位とかいうはインパクトファクターで決まります)
従って、経済学の研究成果として認められる論文数だけで学者としてのランクを評価すれば、ランクは相当低く、おそらくあまり経済学者とは呼べそうにないと言うことになるでしょう。
(最近経済学で課程博士を取得するには、査読付論文雑誌に2、3本の論文が掲載されているのが通常のようです)
しかし、重要な論文雑誌には一通り目を通しているようで、米国でP2Pファイル交換はCDの売り上げにあまり影響を与えていないとする研究結果がJournal of Political Economy(経済学者が経済学の5大雑誌を列挙した場合に割と含まれることが多い雑誌)に掲載されている事を知っていたり、周波数割り当てとオークション理論の関係についてそれなりに知っていたりと勉強はそこそこしているようなので、全くあてにならないというわけでも無さそうです。
竹中平蔵や中谷巌みたいに経済学者学者として通っている人物に学術的な業績がほとんど無いと言うことは日本ではさほど珍しくないので、まぁ世間で言う経済学者に含めても良いのではないでしょうか。
#経済学者の有名な格言に、「経済学を学ぶのは経済学者に騙されないようにするためである」と言うのがあります
#ISPがSo-netでBlogがgooとか、両方被ってて非常に嫌なんですg
Re:経済学者について (スコア:1, おもしろおかしい)
>竹中平蔵や中谷巌みたいに経済学者として通っている人物に学術的な業績がほとんど無いと
「俗流経済学者 [amazon.co.jp]」でいいんではないでしょか。
あるいは「オレオレ経済学者」とか「あるある経済学者」とか。
#具体的な言及箇所は失念。
Re:インパクトファクター (スコア:1, 参考になる)
>トムソン社のインパクトファクターの算出に含まれる論文は
日本では誤解されていますが、インパクトファクターは雑誌の影響度を測るものであって、
研究そのものや、研究者の重要度、影響度を示すものではありません。
インパクトファクター値の算出では、
分母に当たる出版論分数は原著論文、レビュー、短報などの研究論文に限定されているが、
分子になる被引用数には、すべての記事への引用をカウントしています。
このことから、新規性が必ずしもあるとはいえないレビュー誌、レビュー記事の値が高くなる
傾向があることが知られており、研究者評価のには適してないと言われています。
Re:インパクトファクター (スコア:1)
ツッコミありがとうございます。
どちらにせよ、池田氏の研究はインパクトファクターの高い論文雑誌に掲載されていない、ESI等研究の重要性・研究者の能力を評価するツールで評価したとしてもおそらく箸にも棒にもかからないわけで、時間を大量のの書評を行う時間に費やしており、学者の最も重要な役割の一つである「知識の生産」活動を行っていない人物であるのは間違いないでしょう。
東京大学経済学部教授の岩本康志先生のHP(http://www.e.u-tokyo.ac.jp/~iwamoto/Courses/ProfessionalSchool.html)に掲載されている「社会科学における研究大学院と専門大学院」によれば、「バランスのとれた経済学者は,経済学の基礎研究の推進と同時に,現実の政策問題にも関与することが求められます。研究大学院と専門大学院の両者に関与することにより,研究大学院で基礎研究をおこない,専門大学院で政策問題に携わることにより,評価基準の異なる社会科学研究と政策分析を両立させることが可能になります。 」だそうです。
アメリカの学者にはクルグマンやスティグリッツのように研究業績も政策への関与も一流の学者が数多くいますが、日本ではまだまだ政策への関与と研究の両立で高い評価を得ている方は少ないですね。評価基準や制度の影響が大きいとは思いますが、もう少し研究者と政策の距離が近くなればいいのですが。
Re: (スコア:0)
> 米国でP2Pファイル交換はCDの売り上げにあまり影響を与えていないとする研究結果
> 周波数割り当てとオークション理論の関係
ってあたりは正に専業でしょ。
# その手の話題をネタに生業立ててるわけで。
私にとっては池田氏と言えばデジタル放送批判ネタの印象が強いですが、
BSデジタルの頃にGlocom周辺で独自規格提案して無視されたり、
BMLの課題提起してやっぱり無視されたりした後に
技術的に突っ込みどころ満載の批判始めた記憶があるので、
「DTV利権に噛み損ねて敵対」っつーイメージがついて回ってるんですよね。
ともあれ、メディア政策論者としての箔付けとして「経済学者」を称しているだけ、かと。
Re: (スコア:0)
ちなみに技術に関して『も』まるでダメな人なことは補足しておきます。
経済に関してもすご~~~っく疑問ですが、専門外なので保留で。
#要するに御用学者ってこと?
Re:池田氏の法律理解度は… (スコア:1)
少なくともこれは違うでしょうか。彼は政府に右顧左眄しませんよ。逆にそこから出てきたんだから。
Re: (スコア:0)
Re:池田氏の法律理解度は… (スコア:1, おもしろおかしい)
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
> 3 私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。
に真っ向から違反してるわけですが?
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
だったら相続税も徴収して欲しいんですけど。
相続者がいなくなるか相続税の支払いができなくなった時点で、死後の年数に
関わらず、著作権は消滅、フリーコンテンツになると。
著作権の相続/Re:池田氏の法律理解度は… (スコア:1)
ちょっとは調べてから投稿したらいいのに。
戦時中のほうがましな国だった (スコア:0)
暴言かも (荒らし:-9999) (スコア:0)
テレビ番組にしても音楽にしても、お金を払ってまで見たい・聴きたいコンテンツなんて、ないんじゃないかと思うわけです。
そんなものに金(保証金とDRM)を払わされているから、自由に使わせろ(コピーさせろ、改変させろ、etc.)ということになるんでしょうね。
もう、「著作権ビジネス」そのものを否定してしまってもいいんじゃないかとさえ思う……。
#ソフトウェアメーカーに勤めているのでAC。
Re: (スコア:0)