ボーイング787型機、2年遅れでようやく初試験飛行 46
長い道のり 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、
米シアトルタイムズやその他報道によれば、米太平洋標準時12月15日火曜日午前10時27分、ボーイング社「787型ドリームライナー」の試験機はT-33追跡機2機のフライパスの後、ワシントン州エバレットのボーイング社工場 Runway34 からほぼ北向きに離陸。そして当初予定されていた5時間半よりも短い、約3時間後の午後1時すぎに無事着陸した(シアトルタイムズ記事、離陸動画、着陸動画)。
これが、計画当初の予定より28ヶ月遅れての初試験飛行となった。
この787は、そもそも2002年12月にボーイング社がソニッククルーザーとよばれる高速機の開発を中止したことに端を発し、2003年1月に「7E7」として計画。公募により「ドリームライナー」と命名され、当初は2007年8月の初回試験飛行、2008年5月の最初の航空会社への引渡しを目標としていた(経緯)。
しかし、787は約70社の国際共同事業として世界中の参加企業で部品を製造し、米本土に輸送した後ボーイングの工場で最終組み立てを行うシステムだったが、複合素材を使った製法、部品同士の不整合、部品の強度問題などにより、式典に間に合わせるための 1号機ハリボテ事件、数度に わたる部品納入延期などが発生。紆余曲折を経て、ようやくここまでこぎつけた。
Aviation Now/航空の現代 によれば、この経費は2009年夏の時点で「研究開発費とエアラインへの違約金を合わせて、およそ200億ドル(約2兆円)と推定される」という(為替換算は当時のもの)。
この後の予定では、後続の試験機5機と合わせた計6機により9ヶ月に渡ってFAA(米連邦航空局)の性能検査が行われ、スケジュールが順調に消化されれば、2010年末には商用としての1番機がローンチカスタマーである全日空へ引渡されることとなる。なお、ボーイングは2010年からサウスカロライナ州チャールストンに、787の2つ目の最終組立ラインの建設を開始するが、稼動時期は約3年後になるという。それまではすべてエバレット工場で組み立てられるとのこと。ボーイング社の商業航空機の 年表 も合わせて見ると興味深い。
また、あるAnonymous Coward 曰く、
着陸動画 (スコア:3, 参考になる)
この動画 [nwsource.com]の後半の方がいいね。
Re:着陸動画 (スコア:2, 参考になる)
冒頭のバックにDreamLifterがいるのが泣ける。
787の部品を運ぶ飛行機から作ってたわけですからね。
http://www.gamenews.ne.jp/archives/2007/03/post_2083.html [gamenews.ne.jp]
ボーイングのサイト (スコア:2)
ご返還 (スコア:2, おもしろおかしい)
Re: (スコア:0)
炎上してなければいい希ガス。
「2年くらい遅れても一応リリースまでこぎ着けたんだから、まだマシだよね?」
って思ってるのはオレだけじゃないと思う。
Re: (スコア:0)
最近/.jで誤変換が多いのは、Windows VistaかWindows 7でも入れた編集者が増えたからだろうか
Re:ご返還 (スコア:2, すばらしい洞察)
漢字が読めないか,推敲をしないかのどちからではなかろうか。
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
>>推敲をしないかのどちからではなかろうか。
……。ツッコミ待ちだった?
Re:ご返還 (スコア:1)
Windowsを使うことは問題ない。
問題なのはATOKを入れてないことだ。
たぶん。
Re: (スコア:0)
ATOK入れててもそのあとにOfficeをインストールして、MS-IMEに切り替わってるのに
気がつかないでそのまま使ってる……なんて可能性もありかな?
不安感を払拭するためにも・・・ (スコア:1, 興味深い)
Re:不安感を払拭するためにも・・・ (スコア:1, 興味深い)
就航披露の成田空港で、ANAの社長の前で是非。
もちろん、パイロットの独断で。
Re:不安感を払拭するためにも・・・ (スコア:2)
そしたら、謎?のA400Mが飛んできて787ぼこぼこにして、「オレがエアバスだ!」とかえらい迷惑なこと叫んだあげくどっかいって、パイロットのコラ沢さんが涙目になりそうですね。
Re: (スコア:0)
こんな強度とか操作性よりも低燃費化を最重視した翼では無理だろ、常識的に考えて
Re: (スコア:0)
いや、常識的に考えるとバレルロールだろ。
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
普通は安全装置が働きますからね
#それとも一定時間無敵状態になれるほうのバレルロール?だったら見てみたい…
2年も遅れたら・・・ (スコア:1)
もう技術的にも時代遅れで、もっといいやり方が見つかったりしてないの?
素材業界はそんなに進歩早くない?
Re: (スコア:0)
いややってはいるだろうけど、それは次々世代機の話で787ではない。
Re: (スコア:0)
とは言え、A380のアルミ配線みたいに前面改修ってのも有り得ますが。
が、まあ、初期生産型ではいきなり変える事は実用上の問題が無い限りはやらないでしょうが。
どこに原因が? (スコア:0)
ボーイングにしてもロッキードマーチンのF-35にしても、なんでこうも最近の航空機開発ってのは頓挫したり遅延したりするもんなのかね?
ああ、開発難航と言えば新型哨戒機P-8もボーイングでしたね。
いったいどこに原因があるんでしょう?
Re:どこに原因が? (スコア:3, 参考になる)
P-8は別として、787にしろ、F-35にしろ、炭素繊維複合材(CFRP)の多用が原因でしょうね。
CFRPは炭素繊維とエポキシ樹脂などの熱硬化性プラスチックを交互に積層した後、
薬液か、オートクレーブという高温高圧の釜を使って、プラスチックを硬化させて製造するのですが、
積層や硬化の過程で素材の間に気泡が発生するしてしまい、それを抑えるのも困難です。
悪くすると、素材の強度が不足して、ひび割れが生じたりしてしまうので、
それを見越した最適重量の設計は容易では有りません。
主翼の強度不足、というのも、当初の見積もりよりも、製造工程での気泡の混入が多くて、
結果として強度が不足して、設計をやり直したのでしょう。
これは、少し前にF-2の開発でMHIが散々苦労したのと一緒でしょうし、
逆に、787で主翼をMHIが担当していたからこそ、短期の設計変更にも対応できたのでしょう。
Re:どこに原因が? (スコア:4, おもしろおかしい)
# RFPには基づいているらしいが
Re:どこに原因が? (スコア:4, 参考になる)
> 主翼の強度不足、というのも、当初の見積もりよりも、製造工程での気泡の混入が多くて、
> 結果として強度が不足して、設計をやり直したのでしょう。
違います。
主翼の問題は付け根付近の上部表皮部分に応力が集中し、積層が剥離する可能性があるというものです。
既に主翼が完成している試験機での修正方法を見ればわかりますが、単純に強度を上げるような手段は
とっていません。
# この問題の深刻な点は、設計時点で問題となりうる事はわかっていたのに見過ごされていたという所。
ちなみに、試験機のような主翼取付部のみの修正ではなく、主翼自体の設計変更が完了したという情報は
まだ出てきていないと思います。変更されるのは量産20号機以降だったか、かなり先の話だったと思い
ますが。
Re:どこに原因が? (スコア:1)
たしか,落雷対策で設計変更の必要があったと聞いています.
これも遅れの原因ではないでしょうか?
Re: (スコア:0)
テールファンブレード破壊でしたっけ。
「複合材製のTRBの開発に際して、限界使用時間を設定する際の
荷重や温度環境の条件選定が適切でなかった」なんて
事故報告書にも書かれてますねぇ。
Re: (スコア:0)
この「違います。」と言い切るコメントに(スコア:4, 参考になる)が付いてるが、これって評者はこれが正しいことを確認して付けてるのかね?
どの点がどう参考になるの?
以前自分の良く知ってる件で少し説明してみたら、同じように「違います。」なんて正々堂々と書かれてびっくりしたことがある。自分の元コメントが多少ふざけた言葉使いのものだったし、めんどくさいので放っておいたが、他人の意見を「違います。」と言い切って一見もっともらしい異見を書いてみれば、それにスコア4とか5とか付くのであろうか?評者の責任というのはないのですか。
Re: (スコア:0)
CFRPは車体なんかで使われているので製作実績はあると思うのだが
張り合わせできないから一体成型するしかないので大きいものほど
作るのが大変だということだろう。
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
そのMHIは自社開発のMRJについて、CFRPで翼を作ることを断念しましたね。
それを発表するとき、同時にサイズアップするとか言って若干ごまかしていますが、実際にはCFRP翼がうまくできず、アルミ翼で、2種類あるサイズ違いに対し翼の共有化をあきらめたようです。
燃費については変わらないと言っていますが、それもどうなるか。
まだまだ難しいということでしょうか…。
Re:どこに原因が? (スコア:2)
人命がかかってるからでしょ。
航空機業界の悲願は「絶対に落ちない飛行機」もしくは「落ちても人が死なない飛行機」
ですよね。でも、物理法則に反することはできませんから、基本的には「航空機が原因で
落ちる可能性がほとんどない」機体を目指しているわけです。そのためには見つかった
エラーは徹底的につぶしておく必要がありますよね。後からパッチを当てたりすることは
出来ませんし。
ソフトウェア開発でもバグを徹底的につぶすにはそれなりの開発期間がかかるでしょ。
それと同じで、検証、検査技術も上がっていますから見逃されていたエラーも見つかる
ようになって、時間がかかっているのでしょう。
Re:どこに原因が? (スコア:2, 参考になる)
そういやA330に対してもAFの事故を受けてピトー管の交換指示が出たようですね。
# あと、F-16やF-18なんかは外から補強用のパッチを貼っている機体がたくさんいます。
Re: (スコア:0)
> # あと、F-16やF-18なんかは外から補強用のパッチを貼っている機体がたくさんいます。
旅客機 [coara.or.jp]でも(ソースがなんですが)そういう機体は沢山あるように思います。
Re:どこに原因が? (スコア:1)
多分ですが、大きく2点の原因があると思います。
・テクノロジー予測の難しさ
航空機は設計から実用まで多大な年月がかかるため、生産時の技術を見据えた「設計段階では出来たばかりの未来技術」を多用しているように見えます。この「未来技術」が設計時の予想通りに開発できればよいのですが、そうでなければ延々と開発が長引く結果になるのではないでしょうか?
既にコメントがついていますけど、最近では炭素繊維技術にその傾向があるよう見受けられます。
・生産拠点の分散化
最近の航空機は様々な国でパーツを生産し、最後にアセンブルして終了するパターンが多いようです。
全てのパーツを一つの国、一つの系列会社で生産していれば、生産管理も簡単なのでしょうが。世界中に分散してしまった現在、生産管理は相当に大変なのではないかと感じます。
787の場合は、コレが主要な原因の一つであるように見受けられます。
そのほかにも制御コンピュータのコード肥大化など、色々とあるのではないでしょうか。
Re:どこに原因が? (スコア:2)
最近起きた事故(スペースシャトルとかも)の調査結果、ヒューマンエラー除けば、いっつも外注部品の問題じゃん。
787が旅客機として日本に来ても怖くて乗れんね。
Re: (スコア:0)
出る出る!ゼルダの伝説!になった A380 についてやってましたが
飛行機の部品は、世界中で作られ、ここに集められます
「ようし、取り付けるぞ」
「ゆっくり!ゆっくりでいいぞ!」
「ちょっと待ってくれ、入らない」
「穴がズレてるじゃないか……」
その「穴」ってのが頭を突っ込めるくらい大きかったりすると
Re: (スコア:0)
> 「ゆっくり!ゆっくりでいいぞ!」
> 「ちょっと待ってくれ、入らない」
> 「穴がズレてるじゃないか……」
えっちなのはよくないです。
# AC、わたし疲れてるのよ。
要求仕様の単調増加 (スコア:1, 興味深い)
要求仕様の肥大化がデスマーチの要因の一つです。
ええ、よーっく経験がありますよ。orz
http://srad.jp/security/comments.pl?sid=447809&cid=1553616 [srad.jp]
「F-35の開発が絶賛炎上中だからです。(半分本当)」
「まあそもそも、さまざまな要求を入れた万能機が駄作機になるってのは
ロバート・マクナマラがやらかしたF-111という世紀の失敗作でアメリカは
懲りてる筈なんですが。」
Re: (スコア:0)
全日空としてみれば、セールストークが少しできて、ちゃんと飛ぶ新機種
であるという2点ぐらいしか要求は無いと思うが。
他のコメントにもあるように、寄り合い所帯をうまく作れなかったのが大炎上の元凶かと。
Re: (スコア:0)
元記事はF-35の話でしょ。
ちなみにこんな話もある。
http://d.hatena.ne.jp/masayang/20071208/1197133669 [hatena.ne.jp]
これからはオフショアの時代なんだよね。(棒読み)
それから787って全日空が特注したの?
そうでなければ「全日空としてみれば~」は無意味では。
仕様を取捨選択するのはボーイング側。
Re:要求仕様の単調増加 (スコア:1)
ローンチカスタマー [wikipedia.org]は、顧客ニーズを吸い上げる相手としても重要だそうですよ(ただしソースはウィキペディア)。もちろん出た要求仕様を取捨選択するのはボーイングでしょうけど。
初飛行の写真、ANAカラーっぽいですが、ボーイングカラーなんですね。
Re: (スコア:0)
最近に限った話?
Re: (スコア:0)
>開発ってのは頓挫したり遅延したりするもんなのかね?
最近に限らず、例えばF-111の海軍版とか、日本で言えばゼロ戦の後継機とか・・・