唾液の成分から癌を発見する技術が開発される 26
ストーリー by hylom
本当に早くの実用化を期待したい 部門より
本当に早くの実用化を期待したい 部門より
慶応義塾大先端生命科学研究所とカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の共同研究グループが、唾液に含まれる物質から癌を発見する技術を開発したそうだ(慶応義塾のプレスリリース)。
糖やアミノ酸など54種類の物質について健常者と癌患者とで濃度などが違うものを特定し、これを解析することで癌を識別するもので、口腔癌で80%、乳癌で95%、膵臓癌に至っては99%の精度で識別できたという。膵臓癌については明確な症状が出ないため早期発見が難しいことや、手術などの治療が行なわれた場合でも5年生存率が20%程度とされているため、実用化が期待されるだろう。
なお、研究結果については6月28日にオランダで開かれた国際メタボローム学会の2010年カンファレンスで発表された。
ガン特有の分泌物 (スコア:2, 興味深い)
以前、ガンのにおいをかぎ分ける犬を訓練できたというニュースがあった事を連想しました。
癌患者の息を使って、犬がガンかかぎ分けるとか。日本ではここ [stsugar.com]で育成しているそうです。
1989年からってことは、かなり昔から検討されているようですね。
犬では工業化できないので、この発表はガン特有の分泌物を化学的に検査する方法が見つかったって事か。
全国で同じ検査が手軽に出来るようになるのは、すごい
Re:ガン特有の分泌物 (スコア:2, 興味深い)
がん探知犬は、がん特有の蛋白質のにおいをかぎ分けていると言われているようですが、
今回の研究に関しては、特有の分泌物をターゲットにしているわけではなさそうです。
プレスリリース [keio.ac.jp]によると、
測定しているのはアミノ酸等の代謝物質で、
健康な人の唾液にも含まれているものが多いようです。
がんになった場合、その割合に変化が生じ、
しかも変化の様子ががんの種類によって異なる、というのが研究の肝かと。
メタぼローム (スコア:2)
なるほど、代謝学か。
犯罪捜査とかにも使えるのかな~
捜査官A;"唾液検査の結果、容疑者は末期がんでした!"
捜査官B;"じゃぁほっといてもよくね?"
Re:メタぼローム (スコア:1, 参考になる)
いわゆるオーミクス [wikipedia.org]と呼ばれるものの一つです。
細胞の中にある「個々の遺伝子」をgeneと呼ぶのに対して、その全部をまとめたものをgenom(ゲノム)と呼びます。
それと同様に、古典的な代謝学では、代謝に関与する生体低分子(糖類とかアミノ酸その他もろもろ)、いわゆる「代謝物」を個々に解析していたのに対して、それらを全部丸ごと引っ括めて解析しようというのが、メタボロミクスの考え方で、この「代謝物を全部丸ごと引っ括めた」ものが「メタボローム」と呼ばれます。
#DNAならゲノム、mRNAならトランスクリプトーム、タンパク質ならプロテオーム、というのの、「生体低分子」版と考えていただければ、と。
昔は、そういうのを「引っ括めて」解析したくても、いい方法がなかったので、個々の低分子に絞って、それらを回収してHPLC(液クロ)などを使って解析するしかなかったのですが、(例の、田中耕一がノーベル賞受賞した)質量分析計を用いた技術がどんどんと進んで「丸ごと」解析可能になりつつあります。その結果として、近年、急成長している分野です。
Re: (スコア:0)
代謝学はmetabologyじゃないのかな。
メタボローム、メタボロミクスは、タンパク質における プロテオーム [wikipedia.org]、プロテオミクス [wikipedia.org]の代謝産物版。
すなわち、生体内における代謝産物の総体とそれを解析することをそれぞれ指すのだと思う。
代謝産物を一つ一つ調べるのじゃなくて、単一のサンプルから得た代謝産物を片っ端から同定、定量して
組織や細胞ごと
さてさて (スコア:2, 参考になる)
結果も数多ある気がするんだけど、何故この研究が今話題に?
元の発表をしっかり見ないと解らないんだけど、これは後出しジャンケンみたいな研究で、
ある癌の群と正常群を解析した結果、この50何種の傾向を使えば二つの群がこれだけの頻度
で分けられた、という話。つまり、この群の外では検証していない。
問題はこの結果を使ってこれ以外の群で検証をした時、この結果が適用可能か、ということ。
今までの例でいくとここで既存の単独マーカーと同等以下の結果になってしまうことが多い。
今回の研究がどこまで検証しているのかわからないけど、そのデータを見ないと何とも。
また、比較的ホメオスタシスで状態がコントロールされている(と言っても結構個人差、
測定時差があるんだけど)血清に比較して、状態が大きく変わると思われる唾液での検討は
それだけで困難さを感じるのだけれど。
今後のデータを乞うご期待、かな。いい結果だといいんだけれど。
鵺の啼く夜は恐ろしい
自分が何時死ぬかを知ったところで (スコア:0)
自分がいつ死ぬのかを正確に知ることができたとして、
ほんとうにその情報は自分の生をより豊かにしてくれるのだろうか?
もちろん、その事によって豊かに生きられる人もいるだろうが、
必ずしもそうでない人も多いような気がする。
自分はどちらだろう…悩ましいところである。
Re:自分が何時死ぬかを知ったところで (スコア:2)
ガンの治癒率は年々進歩しています。
ガン=死ではなくなってきますので早期発見は重要かと。
治らないとしても死ぬまでの準備期間が短いのと長いのでは大きく違いますのでその辺は個人の考え方や受け取り方次第でしょうか。
Re:自分が何時死ぬかを知ったところで (スコア:1, すばらしい洞察)
どの程度の進行度で解るかによるかも。
初期状態で解れば素晴らしいけど、もう死ぬ寸前の人間以外は検知できないのでは確かに意味は薄いかも。
早期に解れば血液検査よりも圧倒的に負担が少ないのだから定期健診なんかで有用に使えるでしょうけど。
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
こういう人が、癌からの職場復帰を拒むんでしょうね
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
死なないのは難しいけど、死ぬのは簡単だから、終了時期を前もって決めておくといいと思うよ。
人種差 (スコア:0)
アメリカ人からと思われるサンプルを質量分析にかけたようですが、人種差がどうなのか気になりますね。遺伝子変異なんてのは、人種ごとに大きく異なっているのが普通で、普遍的な遺伝子変異って数えるほどしかないですので。いずれにせよ、興味深い研究だと思います。尿で診断できれば簡便だなぁとは以前から思っていましたが、唾液の方がもっと簡単ですね。
Re:人種差 (スコア:2, 参考になる)
>今回、年齢、性別、人種などの違いが、このような違いを起こしている可能性も調べました。それぞれ、 健常者とがん患者の違いほど大きな違いはなく、表1 に示した物質は疾患の違いによる変化の方が大きい ことが分かりました。
プレスリースより引用(強調は引用者)
この研究はまさに第一歩、という感じですが、今後ますますの進展を期待します。
とりあえず興味がわくのは、今回の実験で膵がん患者の唾液、として用いたのはおそらく進行した浸潤性膵管癌由来でしょうから、ある種の膵炎とか、嚢胞性膵疾患だったらどうなんだろう、というところです。
仕組みを考えると膵炎でも上がってしまいそうなものが多いのですが、スクリーニングという意味ではむしろひっかけてくれるといいな、と思います。
口腔癌と乳がんは…うーん、自覚症状が出やすかったり見えやすかったりする部分なので膵癌ほど「早期発見」へのインパクトはないかも。
Re:人種差 (スコア:1, 参考になる)
(p.4, PDF 807KB) [keio.ac.jp]
それなりに確実でかつローコストになって普及すればいいなぁ (スコア:0)
職場や自治体の健康診断で毎年検査できて、
早期発見・治療で癌を完治するのが当然になれば本当にうれしい。
少なくとも発見が遅れたために無駄に苦しむことだけでもなくなって欲しい。
Re:それなりに確実でかつローコストになって普及すればいいなぁ (スコア:1)
# 今日、職域健診を特定健診とほぼ同じ内容で受けてきた
# 見た目やせ形の人間の復位を計ることになんの意味があるんだよ
少し…頭冷やそうか…
Re: (スコア:0)
だめだ……「それなりに確実でロースかつ」に見えた……
これはきっとロースおじさんの呪いに違いない
あまりにも駄目な発想なのでAC (スコア:0)
未来の学校では好きな子の検唾を盗んで舐める奴が発生
Re:あまりにも駄目な発想なのでAC (スコア:1, おもしろおかしい)
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
マグロでおk~ (スコア:0)
こちらで念入りにサンプルを収集させていただきますので、
初めての方でも安心しです。
ご希望がございましたらご遠慮なくお申し付けください。
※保険適用外となる場合もございます
Re: (スコア:0)
「ペロッ……これは…膵臓がん!」
Re: (スコア:0)
「この味はウソをついている『味』だぜ・・・」