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医療

かぜ患者の3割に実際には効果がない抗菌薬が処方されている 124

ストーリー by hylom
地域差はなぜ 部門より

風邪の患者に対し、実際には効果が無い抗生物質などの抗菌薬が多く処方されており、最も多かった奈良県では48.9%、全国平均では31.4%の風邪患者に抗菌剤が処方されていたという(NHK)。

風邪やインフルエンザはウイルス性が原因との病気であり、ウイルスには抗菌薬は効かない(AMR臨床リファレンスセンター)。しかし、多くの人が(実際には効果が無いにも関わらず)風邪に抗菌薬が効くと信じているという調査結果も発表されている(朝日新聞SankeiBizプレスリリース)。

抗菌剤を多用すると薬剤耐性菌が生み出される可能性があるほか、効果が無く本来不要なはずの薬を処方することによって患者や健康保険協会の負担が増える点も問題となる

こういった、無駄な処方がされる理由として「万が一処方」と「お土産処方」があると日経トレンディでは指摘されている。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by hohoho (14727) on 2019年10月30日 8時51分 (#3708288)
    クスリが出ない、と文句を言う人がほとんどで、文句を言わない人は少ないです。
    出さないと、利益が出ないのも本当で、今の日本では利益が出ない病院はつぶれます。
  • Q&A (スコア:5, 参考になる)

    by mazinx (43571) on 2019年10月30日 18時23分 (#3708693)

    皆さんのコメントを見ていると、明らかに誤解している人や限定的な理解しかしてない人がいらっしゃるみたいなので、皆が気にしている疑問に答えてみようと思います。

    Q.薬が処方されないと文句を言われるから、抗菌薬が処方されるんじゃないの?
    A.ウイルス性上気道炎(いわゆる「かぜ」)と診断した場合、抗菌薬は無効ですが、熱、咳、鼻汁など、何らかのつらい症状があって来院してるわけなので、それを和らげる薬を出します。自然に治るのを待つしかなく、抗菌薬は不要であることを説明します。それで殆どの人は納得して帰ります。きちんと説明しても、不合理にもどうしても抗菌薬を欲しがる人は稀にいます。そういう人にどう対応するかは診察した医師のスタンスによります。

    Q.抗菌薬を処方した方が医者の経済的利益になるんじゃないの?
    A.勤務医の場合は病院から雇われている身分ですので何を処方しようが貰える給料は変わりません。開業医や経営者の視点でみた場合、院外処方か院内処方で多少違います。院外処方の場合、何か処方すれば処方箋料が貰えるのでそこに抗菌薬を追加しても貰えるお金は変わりません。普通は症状を和らげる薬も出すので何も処方せずに帰すことは稀です。院内処方の場合、薬価差益が収入になりますが、薬価は年々引き下げられているので特に抗菌薬の場合は殆ど儲かりません。むしろこのために一部の抗菌薬では供給不足に陥り、最近問題になっているくらいです。新薬の場合、この分野ですと具体的にはゾフルーザ(抗菌薬ではありません)では、利益が出る可能性はあります。

    Q.抗菌薬が効く風邪もあるんじゃないの? どうやって見分けるの?
    A.いわゆる「かぜ」は診断名ではありません。細菌性肺炎や細菌性副鼻腔炎など、「かぜ」のような症状で抗菌薬が有効な疾患はいくつもあります。見分け方は専門的になりすぎるので割愛しますが、正直初期の段階では区別がつかないことは多々あります。若くて元気でウイルス性上気道炎の可能性が濃厚なら、対症療法で様子をみます。高齢で何度も肺炎で入院歴がある人とか、事情がある人は別途考慮します。場合によっては抗菌薬を処方して帰すこともあるかもしれません。

    Q.ウイルスが原因なら、抗ウイルス薬があるんじゃないの?
    A.よく知られているようにインフルエンザに対しては抗インフルエンザ薬があります。それ以外のウイルス性上気道炎の原因になるウイルスに対しては抗ウイルス薬が無いか、理論的には有効でも副作用等の問題で使い物になりません。インフルエンザは迅速抗原検出検査があるので、陽性なら抗インフルエンザ薬を飲めばいいじゃないかという話はあります。実際、発症して48時間以内に飲み始めれば回復が1日程度早くなったという研究はあります。しかし、若くて元気な人では抗インフルエンザ薬を飲まなくても治るので、そういう場合は処方しないほうが良いのではないかという議論はあります。

    Q.効く可能性があるなら、念のため飲んでおいたほうが安心じゃない?
    A.抗菌薬には副作用が出る可能性があります。薬剤耐性菌の問題もあります。その一方で、細菌性肺炎等の抗菌薬が有効な疾患の重症化を防ぐことができるというメリットもあります。これらリスクベネフィットを勘案して総合的に決めますが、若くて元気で他に特段考慮すべき事情がない人の場合は、不利益のほうが遥かに大きいことが分かっているので、原則処方しません。

  • by Anonymous Coward on 2019年10月30日 8時07分 (#3708260)

    2.548%の確率で効果のある薬を処方します (DIOSクラス)
    0.842%の確率でかなり効果のある薬を処方します (DIALMAクラス)
    0.026%の確率で一発で直る薬を処方します (MADIクラス)

    • by Anonymous Coward

      偽薬でも効くんですよって言って偽薬を渡せばいいんじゃない?

  • 一般に風邪と言っても、原因となるウィルスや細菌は様々で、一概にこれという特効薬はないものだと記憶しているのだけど、まとめ方が乱暴すぎないか?
    だから、風邪の処方箋を書くなら対処療法的に症状を抑える薬と、万一悪性のウィルスだったら感染源になってしまって周囲に悪影響を及ぼすので、そのお薬みたいな内容になるんだろう。

    ストーリー中にある「万が一処方」ってのはそういうことじゃないの?

    保険料負担を減らしたいなら、2類医薬品の何を買えば良いかを指導する制度とか作ればいいんじゃないかと思う。処方箋を書くまでもない軽度の症状と医者が判断したら、薬剤師が適切な薬のアドバイスができるような情報をまとめてもらい、患者は薬局で薬剤師にそれを見せて適切な2類医薬品を選んでもらって購入すればいい。

    --
    しもべは投稿を求める →スッポン放送局がくいつく →バンブラの新作が発売される
    • by Anonymous Coward on 2019年10月30日 9時24分 (#3708312)

      こういうこという人間がいるから不要な抗菌薬の処方が減らない

      めちゃくちゃ年寄りだとか、逆に新生児だとか、あるいはある種の条件に当てはまらなければ、
      「初回の診察では」ウイルス性の風邪を考えて抗菌薬を出さないべきだというのが、WHOも言ってること。

      とはいえ、わが国では、薬で症状を抑えたり早く治して出勤したがる人が多すぎるというのもある
      ヨーロッパでは、例えばインフルエンザに対するオセルタミビルやザナミビルも、若い人には処方せず、
      「家で寝てろ」で済まされる

      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2019年10月31日 5時08分 (#3708881)

        一応、ヨーロッパにいるけど、ちょっと前に西の方に行ったときには、あまりの経済格差にちょっと惨めな気分になった。とりあえず、大雑把に西欧と東欧ぐらいには分けて欲しい。別の世界だから。西欧の場合は知らんけど、こちらでは普通に抗生物質を処方されるよ。

        個人的には抗生物質は嫌い。割と早く楽にはなったけど完全に体調が戻るのに数ヶ月かかった。やはり最強の薬は蒸留酒。予防効果が高い。体調を崩したら、よく食べて、よく寝る。汗をかくぐらいに厚着をする。それでも長引くようなら医者。

        親コメント
    • by Anonymous Coward on 2019年10月30日 9時31分 (#3708320)

      >万一悪性のウィルスだったら

      ウィルスには抗菌剤は効かない、って問題だからそこは違う。

      自分が経験ある例としては、インフルエンザは収まったけど粘性が強い鼻水による鼻詰まりがいつまで経っても治らないので耳鼻科に行ったら、インフルエンザに荒らされたところに別のどこにでも居る細菌が感染したんだな、と抗生物質を出して貰ったことがある。そういう、もしかしたらついでに起こるかも知れないおまけを回避できるかもしれない、ぐらいの感じ>「万が一処方」。

      親コメント
      • オレの場合、インフルエンザがなおってから鼻づまりがなおらないので病院にいったら、CTを撮って副鼻腔炎と診断され、3ヶ月分の抗生剤が処方された。。。

        これだったら、最初からインフルエンザの薬に加えて、1週間の抗生剤をくれてたほうが早くて安かったんじゃないの?とも思ったが、結果論かな?

        親コメント
        • by Anonymous Coward on 2019年10月30日 13時54分 (#3708514)

          私みたいに単に「声が出なくなった」ので近所の医者へ行ったら「消炎剤」だけ処方されたが治らず、
          別の医者へ行ったら「急性咽頭炎は抗生剤の集中投与が常識」と怒られて、結局炎症が収まるまで3か月以上抗生剤を処方され続けた人もいるぞ。
          #回復してきたと思って処方を止めると再発するから厄介だった。

          親コメント
          • 入院にならなかっただけマシや。w

            オレも声が出なくて病院に行ったら、扁桃周囲炎で即入院やったぞ。orz
            ステロイド吸入3日+抗生剤点滴5日やったかな。。。
            # あとでぐぐったら、治療としては全然ラクなほうだったという。。。

            喉の炎症は最悪窒息ですぐ死んじゃうからなのか、医者はいきなり本気モードやね。
            # そっちの最初の医者は、土手か紐かだったんかな。

            親コメント
    • s/対処療法/対症療法/

      原因に働きかける原因療法に対して、症状に働きかけるから「対症」なので、
      「療法」は当然なにかに「対処」するものなので、「対処療法」はおかしい。

      親コメント
  • 風邪引いて病院行くと別に欲しいと言わなくても抗生物質処方されるけど、
    「風邪はウィルス性なんで要らないです」って医者に言える人いる?
    こっちは素人だし。

    --
    TomOne
  • by Anonymous Coward on 2019年10月30日 8時15分 (#3708264)

    欲しいなら自己負担にしろ。
    経験的にはウイルスには抗菌薬は効かないことを知らない人のほうが圧倒的に多い気がする。

    • Re:もったいない (スコア:4, すばらしい洞察)

      by Anonymous Coward on 2019年10月30日 8時44分 (#3708283)

      細菌とウイルスが別の物であると知らない人自体が圧倒的に多いんじゃないかな…

      親コメント
      • by Anonymous Coward

        家畜のウィルス病が出ると消毒するのを報道で見て、ウィルスにクスリが効くんだと思うのでしょう……か。

        • 細菌とウイルスの区別だけじゃなくて
          薬がなぜ効くのか理解してない人もたくさん居ますね

          たとえば「ウイルスにはクスリが効かない」と勘違いしている人がいるようですが
          実際にはウイルスに効く薬が沢山あります.いわゆる抗ウイルス剤です.

          https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8A%97%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%... [wikipedia.org]

          インフルエンザの薬ならタミフルとかリレンザになります.

          タミフルやリレンザが薬として効く仕組み,つまり抗ウイルス剤の仕組みは,大雑把にいうと
          - ウイルスに作用してウイルスの増殖を阻害する (ウイルスをやっつける)
          - 人間の細胞側に作用してウイルスの感染を阻害する (人間を強くする)
          のどちらかになります

          なお家畜を治療せす殺処分する理由は「ウイルスに薬が効かないから」ではなくて
          「殺処分のほうが損失が少ない.安上がりだから」です.

          薬を投与して治療したところで家畜として売り物になりません.
          治療するぐらいなら,ワクチンを予防接種する方が安いそうです.

          そのため豚コレラの対策は,今の豚は殺処分,今後の豚は予防接種,ということになっているようです

          https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191027/k10012152451000.html [nhk.or.jp]

          親コメント
        • by Anonymous Coward
          じゃあ人間の患者にも石灰を処方しとけばいいと思います
    • by hjmhjm (39921) on 2019年10月30日 12時20分 (#3708456)

      そっち方向に財務省はしたいもよう?

      https://news.careerconnection.jp/?p=52848 [careerconnection.jp]

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      おっしゃるとおり、保険適用を認めない方向で。

    • by Anonymous Coward

      そもそも、菌やウィルスではなく、疲れや気温差やストレスが風邪の原因だと思っている人が多数じゃないかな。
      インフルエンザは原因がウィルスだとわかってるけど。

  • by Anonymous Coward on 2019年10月30日 8時33分 (#3708274)

    同調圧力でそれができない

    • by Anonymous Coward

      休んだ後積み上がった仕事を片付けるのを想像すると憂鬱というのもある

    • by Anonymous Coward

      その同調圧力は妄想ではありませんか?
      情報共有をきちんとした上で、一度そのぐらい休んでみてはいかがでしょうか。

  • by Anonymous Coward on 2019年10月30日 8時40分 (#3708278)

    医者も薬を出したら儲かるようになっているのでは?

    • by Anonymous Coward

      処方を作れば当然報酬は払われますよ。医療行為ですから。
      明細もらえるよね。

      • by Anonymous Coward

        明細見ても、処方箋料680点で一定ですけど。
        お土産処方をしても儲けは一定ではないですかね。

        • by Anonymous Coward

          そこはほら製薬会社から…もごもご

        • by Anonymous Coward

          薬ださなきゃそれ付かないだろ。

          • 風邪なら当たり前のようにPL顆粒とカロナール出るでしょ。
            それで十分じゃない?

            親コメント
            • by Anonymous Coward

              そうすると、患者が保険組合から薬局で買える薬もらいに医者にいくんじゃねえと怒られる。
              そういう医者ははやらない。
              持ちつもたれるのべたべたなので仕方ない。

          • by Anonymous Coward

            いわゆる風邪薬、総合感冒薬や解熱鎮痛剤を出せばそりゃ処方箋料は医療機関(医者)はもらえるさ
            抗生物質を出したから金がもらえるわけじゃない

            元のタレコミは風邪薬や解熱鎮痛剤の処方については何も言ってない(個人的にはこれらも意味ないと思うけど)。

  • by Anonymous Coward on 2019年10月30日 9時01分 (#3708292)

    「風邪やインフルエンザはウイルス性が原因との病気であり」はいいけど。
    ウイルスが原因というのはどうやって判定するの?
    インフルエンザなら検査試薬があるけど。
    抗生物質の方が試薬より安いんじゃない。

    医師も基本、もしものためで出してるんじゃないの?

    • by Anonymous Coward

      まさにそれがリスクを見積もれてない好例。

      抗生物質を飲むリスク > 抗生物質を飲まなかったリスク

      君がハイリスク患者なら別だけど、起こらないもしもに備えて大きいリスクとっちゃダメ。。

    • by Anonymous Coward

      それを判定するのが医師の仕事なのでは…。
      あと薬剤耐性菌のリスクと天秤にかけられるようなもしもなんですか?

  • by Anonymous Coward on 2019年10月30日 10時07分 (#3708352)

    ウィルスで免疫力が低下したときに、細菌による感染症を防ぐためが多いかと。
    普段なら発症しない感染症でも、場合によっては重篤な……ってこともある。

    ただね、症状が治まったら自己判断で薬やめちゃうの。
    知識が不足している人や、特に高齢者に多いの。

    あと、薬によっては胃が荒れる副作用とかがあって、
    抗生剤は関係ないのに、副作用を調べることもしないで、
    まとめてやめちゃうの。

    薬局で書類も渡されるし、説明もしてるんだろうけど、
    読む気も無いし、聞く気も無いし、理解する気も無い。
    そんな人が多い。

    これ、耐性菌の原因になりやすいんだわ。

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弘法筆を選ばず、アレゲはキーボードを選ぶ -- アレゲ研究家

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