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NASA

NASA 曰く、未確認異常現象(UAP)の研究では国民の信頼を得ているNASAが重要な役割を果たす 9

ストーリー by nagazou
重要 部門より
headless 曰く、

NASA が未確認異常現象 (UAP) の研究報告書で、現象の説明に必要なデータがしばしば存在しないことを困難の一つに挙げ、NASA が国防総省の全領域異常解決局 (AARO) を補完する役割を果たせると述べている (報告書: PDFThe Verge の記事The Register の記事Ars Technica の記事)。

UAP が地球外を起源とするものであるかどうかについても重大な関心が寄せられているが、現在のところ決定的な証拠は得られていない。NASA は 50 年以上にわたって収集したデータを持ち、宇宙生物学に関する研究プログラムもサポートしている。また、地球や宇宙を観測するさまざまな資産を保有しており、商用のリモートセンシングサービス活用でもその専門性が役立つほか、AI 活用やクラウドソーシング活用でも主導的な役割を果たすことができるという。長年国民の信頼を得ている NASA がかかわることで、UAP に対する否定的な見方も減らせるとのこと。

なお、UAP は以前「Unidentified Aerial Phenomena (未確認航空現象)」と呼ばれていたが、用語の見直しにより現在は「Unidentified Anomalous Phenomena (未確認異常現象)」に変更されている。

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宇宙

平均密度が地球の倍近くの、きわめて重い太陽系外惑星が見つかる 11

ストーリー by nagazou
ヘビー 部門より
ローマ・トル・ヴェルガータ大学の研究チームが、NASAの宇宙望遠鏡「TESS」の観測データを用いて、非常に高密度な惑星「TOI-1853b」を発見した。TOI-1853bは、平均密度が1立方cmあたり9.7±0.8gと異常に高密度であることが判明している(sorae)。

TTOI-1853bは、「うしかい座」の方向約540光年先のK型主系列星「TOI-1853」を1.24日ごとに1周するほど小さな軌道を公転。表面温度は1200℃の高温に達すると推定されている。さらに、TOI-1853bの質量は地球の73.2±2.7倍であることが判明。これは海王星の約4.3倍であり、これまでに発見された巨大氷惑星のほぼ2倍にあたるとされている。

あるAnonymous Coward 曰く、

分類的にはホット・ネプチューンと呼ばれる惑星らしいので、木星型惑星のコアだけが残った姿とかだろうか?

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NASA

シチズン、スマートウォッチCZ Smartシリーズ(国内未発売)第2世代の販売を一時停止 19

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停止 部門より
シチズンがスマートウォッチ CZ Smart シリーズ (国内未発売) 第 2 世代の販売を一時取りやめている (The Verge の記事WIRED の記事Android Police の記事9to5Google の記事)。

CZ Smart 第 2 世代は NASA の研究と IBM Watson の AI モデルによりユーザーの疲労と覚醒のパターンを認識し、覚醒レベル向上のための活動を提案する YouQ ソフトウェアが特徴だ。しかし、ユーザーからは反応の悪いインターフェイスや水準以下のバッテリー持続時間、不正確な心拍数や睡眠時間記録、画面のフリーズといった問題が指摘されていた。販売を一時取りやめたのは CZ Smart Touchscreen シリーズ 11 モデルで、CZ Smart Hybrid シリーズは影響を受けない。シチズンによれば、タッチスクリーンモデルでユーザーエクスペリエンスを低下させる技術的な問題が確認されたため、原因を特定して問題の解決方法を探る間、販売を一時停止するとのことだ。
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ビジネス

文科省の「SBIR」制度を使った民間ロケット育成プログラムが開始。条件付き 23

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開始 部門より
AC0x01 曰く、

やや旧聞となるが、文部科学省は7月28日、スタートアップ等による研究開発を促進するため補助金などを交付する「SBIR」(Small Business Innovation Research) 制度を用いた、宇宙輸送分野を対象にした「民間ロケットの開発・実証」プロジェクトの公募を開始した(公募ページ, UchuBiz)。

このプロジェクトでは、マイルストーンを達成するごとに支援金が支給される形式となっており、TRL5でエンジンや機体、アビオニクスといったサブシステムの開発、TRL6で実機サイズのサブシステムの実証、TRL7で衛星またはダミーマスの打ち上げが求められている。基金としては350億円が確保されている。ただし、政府の基幹ロケットとの棲み分けや射場の自費調達といった条件が設定されており、支援対象は実質的に小型ロケット中心になるとみられている。

雰囲気的には、NASAがISSへの打ち上げを委託する形で民間を育成したCOTSプログラムなどに近い感じだろうか?応募できそうな企業というとISTスペースワンSPACE WALKER辺りに限られそうだが、果たして日本の民間ロケットは立ち上がるだろうか?

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国際宇宙ステーション

ボーイング Starliner CST-100の有人テストミッション、来年3月以降に 6

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有人 部門より
NASA とボーイングの Starliner チームは 8 日、国際宇宙ステーション (ISS) への有人テスト打ち上げ (CFT) に用いる宇宙機 Starliner CST-100 は 2024 年 3 月に準備が整うとの見通しを示した (NASA のブログ記事The Register の記事Ars Technica の記事テレカンファレンス音声)。

NASA は 2015 年、民間宇宙船による ISS のクルー交代ミッションをボーイングと SpaceX に発注。当初 2017 年に計画されていたミッション延期返され、NASAはソユーズの座席を追加購入する事態となったが、SpaceX は 2020 年に有人テストミッションを成功させて以降は順調にミッションを成功させ、既に 7 回目のクルー輸送ミッション Crew-7 を準備中だ。

一方、ボーイングは 2022 年 5 月に 2 回目の無人テスト打ち上げ (OFT-2) で ISS へのドッキング地球への帰還に成功したものの、CFT は延期が続く。当初発表された CFT のクルーは全員変更され、現在は 2020 年にコマンダーに指名されたバリー「ブッチ」ウィルモア宇宙飛行士のほか、スニータ「スニ」ウィリアムズ宇宙飛行士の 2 名となっている。

直近では 7 月の打ち上げが計画されていたが、5 月に見つかった新たな問題を解決するためとして再び延期となっていた。その結果、Starliner プログラムの損失は 11 億ドルを超えたとも報じられている。

Starliner チームでは 3 月に CFT 実施が可能になるとの見方を示すが、具体的な打ち上げ日は ISS や打ち上げを実施する ULA、イースタンレンジのスケジュールに配慮して決定するとのこと。なお、現在のところ Starliner の本格的クルー輸送ミッション 1 回目のターゲットは 2024 年夏のまま変更されていない。
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NASA

NASA、ボイジャー2号との通信を再確立 25

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再会 部門より
NASAがボイジャー2号と通信の完全な再確立に成功したそうだ (NASA ジェット推進研究所のブログ記事)。

ボイジャー 2 号は 7 月 21 日に NASA が実施した一連のコマンド送信でアンテナの向きが地球から 2 度ずれ、地球との通信ができなくなっていた。10 月 15 日にスケジュールされた同機の定期的な方向リセットを待つしかないと考えられていたが、NASA の Deep Space Network (DSN) が複数のアンテナを用いて同機からのかすかな搬送信号を受信することに成功。データを抽出することはできなかったが、NASA では DSN のアンテナ 1 基を用いてボイジャー 2 号に向けた方向転換コマンドの「シャウト」を決定した。

恒星間の「シャウト」が 199 億 km 以上離れたボイジャー 2 号に届くまでには 18.5 時間を要し、コマンド送信が成功したかどうかが判明するまでには 37 時間を要する。長い待ち時間の末、日本時間 8 月 4 日 13 時 29 分に宇宙機は科学データとテレメトリーデータを送信し始めたという。データはボイジャー 2 号の正常動作と予定軌道維持を示しているとのことだ。
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ビジネス

ロシア製エンジンを使ったアンタレスロケットの打ち上げが終了 8

ストーリー by nagazou
時勢要素もある 部門より
AC0x01 曰く、

ノースロップ・グラマンは8月2日、ISSへのシグナス補給船 (NG-19) を搭載したアンタレス230+ロケットの打ち上げに成功した。アンタレスロケットの現行バージョンの打ち上げは、これが最後となる(Sorae, Space.com, Spaceflight Insider, NASASpaceflight.com)。

アンタレスロケットは、2018年にノースロップグラマンに買収された旧オービタル・サイエンシズ社がISSへの補給ミッション用に開発したロケットで、2013年より打ち上げられていた。1段目に旧ソ連が大量に作って死蔵していたNK-33エンジンを安く買い上げてコスト削減を図ったが、そのエンジンが原因で2014年に爆発事故を起こしたことが印象深いだろう。現行の2xxバージョンの機体では、エンジンをNK-33から改良したロシア製のRD-181を使用していたが、それも2022年のロシアのウクライナ侵攻で調達不能となったことから、今回の打ち上げを持って一旦打ち上げ終了となった。

今後のシグナス補給線の打ち上げは、暫くの間はISS補給ミッションでは競合であるSpaceXのファルコン9ロケットで行われる見通し。2025年夏を目標に、宇宙ベンチャーのFirefly Aerospaceと開発する1段目を用いた新しいアンタレス330ロケットによる打ち上げを行うとしている。

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NASA

ボイジャー2号、3か月近く地球と通信できない状態に 46

ストーリー by nagazou
不通 部門より
headless 曰く、

NASA は現在、ボイジャー 2 号と通信できない状態になっているそうだ (NASA のブログ記事Ars Technica の記事The Register の記事Ghacks の記事)。

原因となったのはスケジュールに従って 7 月 21 日に実施した一連のコマンド送信で、意図せずボイジャー 2 号のアンテナの向きが地球から 2 度ずれてしまったという。この変更により、ボイジャー 2 号はおよそ 199 億 km 離れた地球上の Deep Space Network (DSN) に接続できなくなり、地球からのコマンドも受信できなくなっている。

ただし、ボイジャー 2 号はアンテナが正しく地球に向かうよう、方向のリセットを年に数回実行するようプログラムされている。次の方向リセットは 10 月 15 日であり、これにより通信が回復するとみられる。ボイジャー 2 号は通信できない期間中も計画した通りの軌道を進むとミッションチームは予想しているそうだ。

なお、ボイジャー 1 号は地球から 240 億 km ほど離れた位置にあり、正常に運用されているとのことだ。

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NASA

DARPAとNASA、核熱ロケットの開発企業を選定。2027年打ち上げへ 30

ストーリー by nagazou
選定 部門より
米国防高等研究計画局(DARPA)とNASAは、火星探査を目指すための核熱推進(Nuclear Thermal Propulsion: NTP)ロケットの開発を進めている。両者は7月26日、そのNTPエンジンの開発企業として、ロッキード・マーティンとBWX Technologies(BWXT)を選定したと発表した(DARPANASAロッキード・マーティンBWX TechnologiesUchuBizGadget Gate)。

このプロジェクトは「Demonstration Rocket for Agile Cislunar Operations(DRACO)」と呼ばれ、2027年までに火星有人ミッションに使用できる原子力推進エンジンを備えたロケットを製造・試験する。NTPロケットは核分裂反応の熱を利用して推進剤を噴出することにより、通常の燃焼ロケットよりも数倍の高い効率で遠くへの移動を可能にする。NTPは火星探査における主力動力となることが期待されているほか、月や火星に居住施設を作る際のエネルギー源としての活用も考えられている。
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ビジネス

ボーイングの宇宙船スターライナー、遅延により11億ドルの赤字に 10

ストーリー by nagazou
赤字 部門より
AC0x01 曰く、

7月以降に初の有人飛行が計画されている米ボーイングの宇宙船「スターライナー」だが、計画の遅延や追加の試験により、総額11億4千万ドルという大幅な赤字プロジェクトになっていることが報じられている(GIZMODO日経新聞)。

スターライナーは、NASAが民間に有人宇宙船の開発/運用を委託するCCDev計画により開発が進められている宇宙船。NASAが自前で開発しているオリオン宇宙船などとは異なり、NASAはボーイングに対して遅延などの場合も総額が変わらない「固定価格契約」で契約を結んだ。一方で当初2017年打ち上げ予定だったスケジュールは遅延し、かつ2019年の打ち上げではISSにドッキングできず追加の試験飛行が必要になるなど、コストは大幅に増加。同社の防衛宇宙部門の今期の赤字の多くを占める事態となってしまっているという。

ただし、ボーイングは近年、スターライナー以外でも固定価格契約で大きな損失を出しているようで、空中給油機KC-46A, 新エアフォース・ワン, 練習機T-7A, 無人機MQ-25が同様に追加作業や納期遅延により固定価格を超える赤字を出したことが報じられている。カルホーンCEOは「今後はこのアプローチを避ける」と語っているとのこと(航空万能論GF)。

16700016 story
宇宙

Rocket Lab、太平洋上に軟着水させたロケット第 1 段の回収に成功 14

ストーリー by nagazou
成功 部門より
headless 曰く、

Rocket Lab は 17 日、NASA と Space Flight Laboratory、Spire Global の相乗りで計 7 基の小型人工衛星を打ち上げる「Baby Come Back」ミッションを実施した (プレスリリースThe Verge の記事動画)。

ニュージーランド・マヒア半島の Rocket Lab 打ち上げ施設 1 で Electron ロケットが打ち上げられたのは日本時間 17 日 11 時 27 分。打ち上げから 1 時間 47 分ほどで 7 基すべてのペイロードを予定軌道に投入し、打ち上げは成功した。打ち上げからおよそ 2 分 30 秒後に分離したロケット第 1 段は太平洋上に軟着水し、水上でランデブーした回収チームが専用クレードルで船に乗せて回収した。Rocket Lab がロケット第 1 段の回収に成功するのは今回が初めてではないが、CEO のピーター・ベック氏は小型ロケットとしては世界初の第 1 段再使用に向けて大きな一歩を踏み出したと述べている。

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NASA

NASAもソ連も鉛筆ではなく『宇宙で使えるボールペン』が必要だった 27

ストーリー by nagazou
必要だったのか 部門より
ネット上でよく知られる有名コピペ文に、「宇宙でボールペンが使えないことに気づいたNASAは、長い年月と巨額の費用を投じて宇宙でも使えるボールペンを開発した。一方ソ連は鉛筆を使った」という内容がある。実はこのコピペ、真実とは異なるのだそうだ(星出宇宙飛行士ウィークリーレポート Vol.10ScienceAlertナゾロジー)。

宇宙での微小重力下ではボールペンがうまく機能しないという問題に関しては、NASAもソ連も鉛筆を使うという解決策をとるのではなく、両者ともに宇宙ボールペンの開発を試みていたのだそうだ。鉛筆を使わない理由としては、鉛筆は使用すると黒鉛や木くずが船内に浮遊してしまい、機械の故障や火災の原因となる可能性があったためだという。

その後、アメリカのペン製造業者であるポール・C・フィッシャーが独自に「フィッシャー・スペースペン(Fisher Space Pen )」を開発した。このペンは、内部に封入された窒素ガスの圧力によって微小重力下でもインクが安定して移動する仕組みだったという。また特殊な粘着性の強いインクを使用することで、乾燥することがなく100年以上の保管やマイナス34℃からプラス121℃の温度環境にも対応可能といった耐久性も持っていたようだ。

現代では、宇宙飛行士はシャーペンやタブレット端末を使用することもあるという。冒頭で指摘された黒鉛のカスの問題に関しては、現在の船内には高性能の濾過システムが搭載され、粒子や破片を効率的に除去可能になったこともシャーペンが使われるようになった理由だそうだ。ほかにも、タブレット端末を使用してスケジュールや作業手順を確認することも行われているとしている。
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火星

火星探査車 Curiosity が撮影した火星の「絵葉書」 14

ストーリー by headless
火星 部門より
NASA が火星探査車 Curiosity 撮影のパノラマに着色し、火星の「絵葉書」として公開している (NASA JPL のニュース記事)。

Curiosity は 4 月に大規模なソフトウェア更新を実施しているが、パノラマは更新完了直後の 4 月 8 日、火星の現地時間午前 9 時 20 分と午後 3 時 40 分にナビゲーションカメラで撮影されたものだ。なお、ソフトウェア更新には画像処理の高速化が含まれるが、撮影機能自体は更新前と変わらない。

午前と午後のパノラマはそれぞれ 7 分半かけて撮影され、各 5 枚の画像が地球上でつなぎ合わされた。NASA は 2021 年 11 月にも Curiosity が午前と午後に撮影したシャープ山のパノラマで「絵葉書」を作っている。今回も異なる時間帯に撮影されたパノラマを組み合わせ、午前を示す青系と午後を示す黄色系に塗り分けることで舞台照明のような効果を生んでいる。

現在、Curiosity はゲールクレーター内にあるシャープ山のふもとを上っている。写真では Curiosity の轍とともに、予想されていなかった古代の湖の痕跡を発見した「Marker Band Valley」などこれまで探査してきた地形が写っている。撮影時期が空気の澄んだ冬季だったこともあり、およそ 40 km 離れたクレーターの縁や、87 km 離れたクレーターの外にある山々も見ることができる。
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NASA

「謎の金属球」などが日本周辺にも飛来している。ラスベガスでUFO墜落報告 30

ストーリー by nagazou
なんなんだ 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、

やや旧聞になりますが、NASA・UAP(未確認異常現象)分析事務所によりますと、「謎の金属球」などのUAPは世界中で報告されているが、アメリカ西海岸、アメリカ東海岸、中東、日本や朝鮮半島の周辺が多いとのこと。形状は円形や不定形、大きさは1~4mほどで、白色・銀色・半透明のものが多い、熱排出が検出できないにもかかわらず、静止状態から音速の2倍までさまざまな速度で飛行可能など、大変夢のあるレポートです(GIGAZINE)。

半ば与太話だと思うが、タレコミに関連した宇宙人話が日刊スポーツに掲載されている。その記事によると、4月30日から5月1日にかけて米ネバダ州ラスベガスで、未確認飛行物体(UFO)が墜落したとの報告が複数出ているそうだ。ある報告によると、自宅の裏庭にUFOの可能性がある物体が墜落、「身長が3メートル近くある緑色の背が高くて痩せたエイリアンのような生き物」がフォークリフトの後ろに隠れていると、家の住民から通報があり、警察官が現場に急行する事態となったという。ただ現場の捜査では墜落した物体の正体が何だったのか正確に把握できていないとしている(日刊スポーツ)。

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火星

NASA の火星ヘリコプター Ingenuity、4 月に 1 週間近く行方不明になっていた 7

ストーリー by headless
探索 部門より
NASA の火星ヘリコプター Ingenuity は順調に飛行を重ねているが、4 月初めには 1 週間近く通信が途絶えていたそうだ (NASA のニュース記事The Register の記事)。

通信が途絶えたのは Sol 752 (地球時間 4 月 2 日) に実施された 49 回目の飛行の数日後。49 回目の飛行は強風によるバッテリーの温度低下とコマンドシーケンシングの軽微な問題で 2 回中止されており、3 回目にようやく飛行に成功して過去最高となる高度 16m まで上昇して撮影に成功した。しかし、撮影データのダウンリンクを最後に通信が途絶え、50 回目の飛行に向けたインストラクションの送信を試みたが、ヘリコプターのベースステーション (HBS) から返されるデータはヘリコプターの信号が受信できないというものだった。

冬が終わってヘリコプターの充電状態は改善しているが、日によってサバイバルモードで夜を越せるかどうかぎりぎりの状態で、電源が落ちてしまうと復帰時間の予想が難しい。親機の火星探査車 Perseverance 側の都合もあり、復帰が予測される時間の範囲全体にわたって探索し続けることはできない。そのため、チームは数日掛けてようやくヘリコプターに再接続するといった経験を重ねており、Sol 755 に通信が失われた時点ではあまり心配していなかったそうだ。探査車はその後、通信の妨げとなる岩石の陰に入ったため、探索失敗が続くのは通信の問題だと考えていたとのこと。しかし、探査車の移動で通信の問題がなくなってもヘリコプターは見つからず、さすがに不安を感じ始める。

1 週間近くたったSol 761、ヘリコプターはチームが復旧時刻と予測していた現地の平均太陽時 (LMST) 9 時 44 分に通信確認 (ACK) 信号を 1 回だけ送信してくる。翌 Sol 762 にも ACK が 1 回だけ送信され、ヘリコプターが生きていると確認される。チームがフライトプランを送信した結果、ヘリコプターは Sol 763 (地球時間 4 月 13 日) に 50 回目の飛行を実施して前回の記録を上回る高度 18m に到達し、翌朝テレメトリーデータをダウンリンクしてきたとのこと。

Ingenuity の充電不足は当分続き、チームと小さなヘリコプターとのかくれんぼも当分続くとのことだ。
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未知のハックに一心不乱に取り組んだ結果、私は自然の法則を変えてしまった -- あるハッカー

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