九大病院で携帯電話の院内使用を解禁 235
ストーリー by GetSet
メリット/デメリットの判断は慎重に 部門より
メリット/デメリットの判断は慎重に 部門より
beat9872曰く、"九大病院(福岡市)が、医療機器への悪影響を理由に禁止していた病院内での携帯電話使用を昨年10月から解禁していたことが27日に分かったそうです(参考:yahooの記事 / 西日本新聞の記事)
携帯電話の電波がどれほどの影響を及ぼすのか、自分も懐疑的でしたので、興味深いところです。自らも電磁波を発生する医療機器も少なくないと思うのですが、携帯電話の電波で誤動作するような機器はそもそも、電磁波に対する対策があまりに貧弱すぎるのではないでしょうか? スラド読者皆さんのご意見はどうでしょう?"
そもそも (スコア:2, すばらしい洞察)
医療器機の仕様に、電波への耐性を含めるのが本筋かと思う。
Re:そもそも (スコア:2, 参考になる)
> ものを考えることが間違っていないか?
自ら思考して「携帯電話ごときで止まる」と本気で考えている人は
ほとんどいないでしょう (騙されている人を除く)。
医療ミス等事故が発生したとき
「携帯電話が原因で止まった可能性が高い」
と主張する逃げ道を用意しておきたい人ならいるようですが。
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/pressrelease/japanese/sogo_tsusin/010515_1.html
数年前の実験で
携帯電話を15cm以上離しても影響を受けるペースメーカーは1台もありませんでした。
10cm以上15cm未満の距離ならば
ペースメーカー68機種中の1機種だけが800MHz帯という条件付きで影響ありでした。
影響の定義が不明、すなわち一時的に目標と異なる動作をするだけなのか
回復不可能な誤動作となるのかは不明です。
なお「ペースメーカー68機種中の1機種」だけというところから分かるように、
「携帯電話の電磁波によって影響をうける問題」というのは
単純にこの機種だけの問題であって、
ペースメーカー全体に関わる問題ではありません。
ペースメーカーは電池寿命が数年であり、
その交換のために数年に1度、ペースメーカー本体ごと交換されます。
いま実際に埋め込まれているペースメーカーは数年以内に埋め込まれたものです。
1997年頃には既に携帯電話の電磁波がペースメーカーに与える悪影響について
騒がれ始めていましたが、
それより以前に埋め込まれたペースメーカーは今ほとんどありません。
この問題の1機種が実際にどれくらい使用されているのかは分かりませんが、
実験によって一番脆弱だと判断されたその機種を
(数年前から携帯電話とペースメーカーの問題について騒がれ続けているこの時代に)
あえて選ぶと判断することはほとんど無いのではないかと予想します。
実際のところこの機種が使われている件数が0件なのではないかとも予想します。
Re:そもそも (スコア:1, 興味深い)
ペースメーカーは心臓が普通に動いているときにはそのパルスをモニタするだけで、
心臓からのパルスが弱くなった時(テンポも変わるそうですが)にだけパルスを発生させると聞きました。
で、携帯電話などの強い電波があると、心臓はちゃんと動いていると勘違いして、パルスを出さない。
ということはどうやらパルスのテンポを見ているのではなくて、単に強さだけをモニタしているのかもしれません。
もっとインテリジェントに、心臓のパルスなのか、その他のパルスなのか判るようにすれば良いようにも思います。
#で、そのスマートペースメーカーの OSに某社製品が使われて、ある日患者が青い顔で落ち、、、
対ノイズ性能も向上してるし (スコア:2)
電波の医用機器等への影響に関する調査結果(総務省) [soumu.go.jp]によりますと、W-CDMA、CDMA/CDMA2000 1xの影響が少ない傾向が指摘されています。1.5GHzのPDC(vodafoneやツーカー)もCDMAやPHSと殆ど変わらないくらい健闘してます(最大干渉距離4cm)。それに対し、800MHzのPDC(DoCoMo)の成績はかんばしくありません(最大干渉距離11.5cm)。22cm(の基準は以前の調査での最大干渉距離15cm×安全率1.5からきている)だとか、今なお、この種の問題の足を引っ張っていたのは、つまり...
今回の病院の判断は、医用機器の対電磁波性能が向上しつつある事も背景になったもよう。
生体信号と規格 (スコア:2, 参考になる)
最近IECという国際規格IEC60601-1-2(第2 版)が策定され
携帯電話等の影響を定量的に評価し、取扱説明書に具体的に
記載する方向に向かうようです。
記載例
現在:携帯電話・PHS等の無線機器を近づけた場合、
誤動作する可能性があります
将来:この機器は***MHz~***MHzまでは
3V/mの電磁界まで耐えることが可能です。
(但し**の測定においては*V/m以下)
3V/mの電磁界は送出電力Wから距離の換算式があるので、
簡単に計算できます(実際にそれを利用する医療関係者まで
電波の考え方を理解してもらうのは難しそうだが)
なので、将来的にはもう少し定量的にマズいものとその距離の
関係を客観的に判断できそうです。
なお、生体信号レベルは下記程度です(JIS規格にもあります)
ECG(心電図):1mV程度
脳波:100μV以下
誘発電位(電気刺激等の脳波反応):1μV程度
ペースメーカでは心臓の自己で拍動を電気的にセンシングし、
補助としてタイミングを合わせて電気パルスを出力しています。
心内心電図はもう少し電位が高かったはずですが、3V/mで
揺さぶられるとやっぱり辛いはずです。オペアンプはCMRR
(同相弁別比)を持っていますが、携帯の電波の数百MHz等は
弁別できるわけもなく、内部のトランジスタ・FETが検波出力
(AMラジオと同じ原理)で影響を受けます。
様々な影響を受けにくくする対策などは各社各パラメータ頑張って
行っていますが、いずれも完全は難しいのも事実です。
完全シールドルームでしか行わない検査なら大丈夫ですが
そうではない状況も多いわけで。
参考リンク
・IEC60601-1-2(第2 版)
TUV(テュフ) [tuv-ohtama.co.jp]
医療機関における無線LAN運用時の問題点について
-医用工学機器に与える無線LANの影響-
[kyushu-u.ac.jp]
IEC60601-1-2(Ed.2)ではイミュニティ適合規格表を添付することが
義務づけられ,距離と出力に関する情報を提供しなければならない.
したがって,無線LAN領域でも高出力放射を与え,誤動作等の有無に
ついて観察が必要であろう.電磁場環境を定量的に評価するためには
測定のプロトコール化が必須であり,本研究の結果をもとに作業を
進めていく予定である.
Re:生体信号と規格 (スコア:2, 参考になる)
バナナの皮 ― Issue 48 [nifty.ne.jp]
電気手術機器は、典型的には 500kHz を使用する。
・・・いわゆる電気メスです
除細動器
・・・心臓を動かすためのカウンターショック。
GSM 変調信号
・・・主に海外の携帯ですが、キャリア信号(数百MHz)を
217HzでAM変調がかかっています。
生体信号に近い17Hzを使うTETRA変調は遥かに低い
レベルで影響を受けます
日本の携帯・PHSもいろいろな変調がかかっています
撤去されないエスカレーターと撤去される回転扉 (スコア:2)
エスカレーターが珍しかった昔の事ですが、 手すりから身を乗り出していた子供が天井との間に 首をはさまれて死亡する事故というのが起きています。 現在のデパート等で、プラスチックの棒やアクリル板 で危険な隙間が防御され、危険を知らせるアナウンスが されているのはその為です。 でも、死亡事故が起きた後エスカレーターが撤去された 訳ではありません。
つい最近、まだ珍しい自動回転扉で死亡事故が発生しましたが、 今、それを使用しているビルでは撤去の動きが起きています。
この違いは、「危険性」と「利便性・代替手段の有無」 に有ると思われます。
エスカレーターの代替手段である階段は移動手段として 人間の負担が大きい事、またエレベーターによる輸送人員は 限られる事などのデメリットが有るのに対して、自動回転扉の 代替手段である自動スライド扉には、建物の中に入る為の手段として 利便性が大きく劣る点が無いからです。
その為、危険性が無くなったわけではないエスカレーターは 危険防止の手段を付け加えて使い続けられ、 自動回転扉はセンサーを増やして安全性を高めるという事 でなく「撤去・自動スライド扉への置き換え」 の方向に向かっているのだと思われます。
要約版:
現時点での危険性は機械そのものの構造が持つ「制御可能な」技術的な部分と、それを利用する人間の「身勝手・不注意な」行動の両方が作り出していて、人間の行動の側は完全に制御する事が出来ない。(例示:パッチを当てないパソコンの存在)
その場合、一番危険な行動をとる人間を基準にして、 安全の確保の手段が想定される「情けない状態」になる。
九大病院の事例は、限定され、制御された条件下の事例で拡大解釈は危険だ。
暇が有る人の為の版:
そこで、このストーリーで扱われている「携帯電話」がどうなのか という事を考えてみると、「危険性」という部分では実はエスカレーター と同じで、危険な場所・状況が特定できる事が判ります。 「電磁波の防御が考えられていなかった頃に 作られた古い医療機器」や「新しいが電磁波の影響に弱い医療機器」 が使われていて、なおかつ人命に影響の出る所です。 九大病院では当然ですがその区域での使用は禁止されています。
また人間の体内に埋め込まれている古いペースメーカーが 至近距離で電磁波を受けてしまう可能性がある満員電車内もこの事例に当たります。
技術的には、医療機器の性能向上も有るので、現在でも全ての病院で 「使用不許可の場所」を指定した携帯電話の院内利用が当然「可能」な事が判ります。
では、逆に残りの大学病院が九大病院と同じように、 携帯電話の使用を許可していないのはなぜなのかという事ですが、 これは、携帯電話を使うことによるメリット受益者とデメリット負担者が別の人間だからという事がまず有るからだと思われます。
エスカレーターでも回転扉でも、危険性のある行為をした人に危険が及んでいますが、 携帯電話の場合、医療機器の誤動作による危険というデメリットを負担するのは、 携帯電話を利用する人では有りません。 しかも誤作動が起こる可能性がある機器を使わない事は デメリットを負担する人には選択できません。 携帯電話の使用がいつ行われるかはデメリット負担者には予測不能です。
また、携帯電話利用者全員がきちんと制限区域での使用禁止を守る状況が、利用者の任意意志では無くシステム的に保証できるかどうかという判断も必要になります。
「代替手段」として病院内からの通信手段としての有線電話が存在する事、病院の外に一歩出れば携帯電話の使用の制限が無い事も 理由になるだろうと思われます。
この話をプログラムに置き換えると、システムに誤作動を起こす可能性が極小さいけれど 有ると「あらかじめ判っている」便利なモジュール[携帯電話]を組み込むかどうかの判断です。 この場合誤作動を起こさないが、便利さでは劣るモジュール[有線電話]が有る事が判っています。
利益を受けるのはAさん[不特定多数の携帯電話利用者]ですが、万一の誤作動の事故で損害を受けるのはBさん[医療機器に依存する入院患者]です。 システムを運用をしているCさん[病院の運営者]は、 運用の工夫をすれば大きな事故はないだろうと判断してモジュールを組み込みました。 Cさんはモジュールの安全性を高めることは出来ませんが、誤作動をした後の損害をカバーする為の技術[医療技術]を持っています。半年運用した現在事故は起きていません。 という状況になります。
半年運用した結果事故がなかった事は、 モジュールの危険性が取り除かれた事を意味しませんし、 そもそも、他の安全なモジュールが存在しているのに、危険性が予見されているモジュールを
医療機器の (スコア:1)
まず、そっちを確認しなければいけなかったのに、いきなり実地したわけ??
これも人体実験に入るのかな?
センセエを (スコア:1)
電車内でも (スコア:1)
Re:電車内でも (スコア:1)
TVドラマERで (スコア:1)
埋め込んだ患者に不整脈が出たり、電動車椅子が勝手に走り出すシーンが
あるのだけれど、このERの作者兼プロデューサーのMichael Crichtonは
ハーバードメディカルスクールにいた時に、そんな経験したんだろうか?
と気になっていた。
また、飛行機に乗っている時に電子機器を使用しないでくださいというの
もあるが、あれって本当に影響が出ているのだろうか?
「もしかしたら」を考慮して使用を禁止するのも良いが、「もしかしたら」
をテスト出来ない機材を、人の命に関わる用途に使うのもどうかと思う。
せめてYESかNOの証明くらいは行ってから製品化するのがmission critical
な製品を製造するものの努めではないだろうか。
There is no spoon.
飛行機での干渉 (スコア:1)
また、日本航空機長組合によると、検証したくても、再現性に乏しく難しい [jalcrew.jp]そうです。
#昔、聴診器のような、中空のチューブで聞くイヤホンが、
#機内で配られてたのは、電波干渉を防ぐためだったんでしょうか。
#安いorお持ち帰り防止のためだと思ってました。
Re:飛行機での干渉 (スコア:1)
> #機内で配られてたのは、電波干渉を防ぐためだったんでしょうか。
> #安いorお持ち帰り防止のためだと思ってました。
私の経験ですが、持っていたMDプレイヤ(もちろん、離着陸時には使用していません)のヘッドフォンを座席についてるミニジャックに挿して機内放送を聴いてたら、客室乗務員がすっ飛んできて、「御遠慮ください」と言われましたよ。
Re:TVドラマERで (スコア:1)
電卓(大昔の一台で数万しそうな奴ね)から出る電磁波で旅客機の無線がおかしくなった、って描写があったなあ。
当時の電卓って、消費電力が今のノート型PC並にあったりしてるし、電磁波対策なんて概念もないから、
今時の電子機器と一概には比べられないのだろうだけど、
その普及度合いと使用頻度からすれば、影響が出ないって言うほうが無理だと思うが。
日常生活での電磁波がペースメーカーに与える影響 (スコア:1)
つまり耳と心臓って30cm離れていると思うから、注意すれば患者が使っても大丈夫なのでは?まあ、あえてそんなリスクを冒す必要は無いとは思うけど
それよりも、全自動麻雀卓が「強い電波を発生する機器」で「絶対避けるべき機器」だとは知らなかった。じゃあ、雀荘は電磁波の固まり?
調査はしている (スコア:1)
Re:調査はしている (スコア:1)
十分にある訳ですからね、人が亡くなってからでは、遅いですし。
そのうち回転扉でも、80センチルールとか、120センチルールとか
ができるかもしれない・・・
Re:調査はしている (スコア:1)
誤動作云々じゃなくて。 (スコア:1)
とにかく暇だからメールやら通話やらしたいと。
庭に出てやっていたみたいですが…。
マナー的な問題で、しばらくは解禁しないほうが良いような。
待合室や入院する部屋、面会室なんかで頻繁に着信音ならされたり
通話されたりしたらイライラして体に障る人もいるでしょうに。
私は絶対いやだね。やたらケータイ使ってる奴が居る病院に入院するのは。
PHS貸出 (スコア:1)
いいのに・・・と思ったことがあります。看護師さんたちのナース
コールに構内PHSがどこも普及しつつあるし。
病気で入院していることから(ましてや長期入院となると)
患者の不安は大きいと思います。それを家族や友達と繋がり
がもてるというものがあればいいとおもいます。
公衆電話もあるけどすごい順番待ちだったり,プライバシー
を保てなさそうな場所においてあったり,そもそも設置場所
まで移動できない(ベットから動けない)人もいたりして,
仮にもっていそうな気配がしても,そういう事情から管理側
もあまり強くいえない様子です。
ただし,マナー(いちばんめんどいところですが)の管理を
どこまでできるのか,今後そこら辺のモラルの啓発が必要に
なってくると思います。
(安静にしている患者さんのとなりのベットで大声で話す,
でかい着信音を流しっぱなしなどなど)
ちなみにテレビって電磁波でてんじゃないのかなぁと。
出力の問題?
Re:PHS貸出 (スコア:1)
あくまで呼び出し用の内線電話の代わりです.
というわけで,貸し出しても意味がない,というか余計な混乱の元になると思います.
ただ,入院患者さん向けにそういうものの貸し出しがあればいいのに,というのには同意.
y4su0
逓信総合病院 (スコア:1)
携帯電話の使用については、こんなお願い [ntt-east.co.jp]になっています。
でも、実際に待合い等で看護婦さんなんかに聞いたらほぼどこでも通話OKと言われました。(一応通話する場所ごとに聞いていた)。
救急で身動きが出来ないときの緊急連絡だったので使えて助かりました。さすが通信会社、ってあんまり関係ないか。
#ところでここの病院、入院病棟にISDNが引けるという噂を聞いたのだが本当だろうか?
しょうもない結論ですねぇ (スコア:1)
医者でも、電波の事はド素人が大半だからねぇ。 /. も大差無いけど。
本当にいい加減 /. で電波の議論するの、止めようよ。 「IEC601」なんて言葉、出てこないでしょう? これって、「OS」という単語を知らない人がコンピューターの事を話し合っているのも同然だって事に、気が付こうよ。
> 「医療機器の性能向上などもあり安全性に大きな問題はない」
IEC601 でテストした医療機器しか使用していない事を確認したのであれば、携帯電話を使用して構わないだろう。それ以上でも、それ以外でも無い。記事を見れば容易に行間が読み取れるが、九大病院ではそんな確認なんかしていない。単なる憶測+経験則だ。
「俺はこの四つ角で一時停止なんかした事はここ一年で一度も無いが、交通量が少ないので事故なんか起こした事は無い。よって、この四つ角は一時停止する必要なんか無いと判断する」というのと同程度の科学的根拠ですな。ま、事故が起きないように・・・みんなで祈ろうか?
Re:相変わらず謎だけど (スコア:3, 参考になる)
人命にかかわることでなので,慎重にならざるをえないのは理解できるのですが,
ペースメーカー使用者の身内でした (スコア:5, 参考になる)
「医療機器への悪影響」と有ります。 これは病院内で使用されている医療機器という意味ですが、 集中治療室(ICU)や手術室など命がかかる所や、 人工呼吸器などが使われている病室での携帯電話使用は 依然として禁止されています。 「安全性に大きな問題がないと思われる場所」での使用が許可されているという事でしか有りません。
実際の所がどうなのかについては Technical Typeさんがきちんと解説 [srad.jp]してくださっています。 (資料:「 電波が医用電気機器に及ぼす影響について [biglobe.ne.jp]」 NTT移動通信網株式会社 工学博士 野島俊雄氏による)
「病院」というのは、もし何かあっても対応できるスタッフが存在している場所ですが、多分工学博士はいらっしゃらないだろうと思います。
ペースメーカーと携帯電話についてはまた別の話です。
> ペースメーカーの隣に携帯電話を置かない限り,そもそも影響は何もない
満員電車に限らず、電車内での携帯電話使用は非常に近距離になり得ます。
> 影響のある置き方をしても,別にペースメーカーが誤作動するわけではない
危険のとらえ方の問題ですね。
誤作動する確率が例え1/100万であっても、結果は心臓の停止です。
影響を受ける恐れがある場合、安全な方向を選ぶ事が望ましいかと思います。
> 万が一 … ペースメーカーのような機械はすぐに復帰できる …
この理屈で行くと、ペースメーカー使用者は心臓が止まらない事になります。
機械はもちろん復帰できます。
でも弱った機能をそれで補っていた「心臓」はどうでしょう?
「まことしやかな噂」について、現在の機器の試験状況から誤作動の危険性は 至近距離以外は無いだろうと理解していたMIYUの「感情論」です。
昔使われていた機種では実際に停止し復帰しない物が有りました。
体内では完全なシールドは作れない事や、 ペースメーカーを必要とするほど自分の心臓が弱くなってしまった事が、患者にとってどれほどの不安かも考えてみてください。
もう一度書きます。
九大病院内でも、集中治療室(ICU)や手術室や、 人工呼吸器などが使われている病室など「命がかかる所」での使用は 依然として禁止されています。
# いまでも病院には有線電話は存在しています
命の天秤 (スコア:4, 参考になる)
九州大病院の田中雅夫副病院長のコメント
最近は病院でも公衆電話が減少し、 「入院患者の心情や外来患者の利便性を考えると、 (携帯電話の使用は)デメリットよりメリットの方が大きい
全国の大学病院では、45施設中39施設が医療機器への 影響などを理由に院内での携帯電話使用を全面禁止しています。 使用を認めている6施設も、エレベーター前などごく 一部に限っています。(九州大病院による調査結果)
この場合のメリットは入院患者の心情や外来患者の利便性で、 デメリットは医療機器への悪影響が懸念される事です。実際九州大病院でも集中治療室等での使用は禁止されています。
もちろん医療機器を電磁波に強い物にしていくというのは 当然の事ですし、携帯電話の電磁波がどれだけ影響するのかは、 現時点でどんな機器で医療システムが組まれているかに依存すると思います。
九州大病院では電磁波に対して安全なシステムが組まれている、使用可能な場所と使用禁止の場所が初めて来た人にも明確に区別できる、携帯電話の使用者がその規則を完全に守っている、ので携帯電話の利用が可能になったのでしょうね。(他の場所での使用状況を考えると信じられないような素晴らしさですね)
また、メリットとデメリットを同じ人が受けるのでは無い事にも注意して欲しいと思います。デメリットを受けるのは医療機器によって命を守られる、それを使わないという選択肢が選べない弱者です。 それに対して携帯電話は病院の外で使う、有線の公衆電話を利用するなどの選択が可能です。
選択の余地のないデメリットに対して、選択の余地があるメリット。
極端な言い方をするなら「命」に対する「利便性」
これはそもそも秤にかける事ができる同じレベルの問題でしょうか ?
自分が強者の側にいるとわかる事ができるなら、「病院内で携帯電話を使用する事が他の誰かに危険かもしれないので、使わないでおきましょう」、と言って欲しい。
#522799 のAC氏へ
「感情論」へわざわざコメントいただきまして有り難うございます。うちの場合ペースメーカーを使用する様になった後も状況は悪くて、きちんと作動していても見ているのが辛い事が有りました。
ペースメーカを使用していても、 最後には心臓は止まってしまうのですが、 そういう事は理解できますか ?
# ペースメーカの使用者は1級認定の身体障害者です
ペースメーカーと携帯電話:感情論で無い部分 (スコア:3, 興味深い)
「ペースメーカーを脅かす携帯電話のむやみな使用」
これは、携帯電話とペースメーカーの関係に ついての1997年(7年前)の文章です。
携帯電話の使用で起こった停止事例、「22cm」 という数字がなぜ出てきたのか、患者の安全の確保の為に 「電車など混雑した場所での携帯電話の禁止」 を呼びかけるべきだという主張がされた訳などが出てきます。 また携帯電話に起因した医療機器のトラブルが 国内外から報告されている事も述べられています。 電磁波対策がされた機器が多くなるのはこの時期 以降の事になります。ストーリー中で時折出てくる キーワードを読み解く為に覗いてみてください。
報道では「未解決の課題」として 心臓ペースメーカー装着者への配慮が挙げられています が、携帯電話の院内使用が始まって6ヶ月経った現在、 配慮される側の患者の意見を聞くために、 ペースメーカー装着者の多い循環器内科などでの アンケート実施が「検討されている」そうです。 こういう部分は患者の側として少し不安かもしれません。
もう一つの「万が一事故が起きた場合の対応」は、 「医療機器の性能向上などもあり安全性に大きな問題はない」 と臨床医の先生方が判断している状態は 「事故が起きる事が皆無だ」という状態 では無いという話です。
実際対策がとられる前の古い医療機器は現場に有るそうです。 また安全性に関わる技術・機器( 電気手術機器等)を医療現場で使う時には、 循環器科の先生が立ち会うそうです。 先生方は「治療技術に基づいて」 自分が確保できる安全の程度を考える訳です。 「回路内の誘導電流発生」等の部分について安全を 確保するのは機器を作る技術者の側ですが これも「完全」は難しいだろうと思います。 生体信号と規格 [srad.jp]についての現在の技術的な部分は tamacoさんがまとめられています。
T.MURACHI さんへ
こういう事例は「case by case」だというご指摘 有り難うございます。このAC氏は、「病院内のどこででも 携帯電話が使えるという状況では無い」等の技術的な部分 については反論していません(当然ですが)。この人が批判 しているのは私個人の「想い・感情」の部分です。
私は、この系統の事例については いつでも逃げ道が無い側(弱い側)が優先されるべきだと 判断をしてしまいます。先にきちんと資料を提示して 判断は相手に委ねる、という手順が踏めないです。 「感情論」・「またいつものアレを言い始めた」 と批判される所以でしょうか。
こういう話は結局何を優先して何処で折り合いを付けるかという切り分けの部分の話ですし、「感情論」が批判されるのはしかたないです。で、反省をこめて感情論で無い部分の提供でした。
# AC氏に基礎資料は早いうちに出せと言われそうですが
Re:相変わらず謎だけど (スコア:4, 興味深い)
「代替全部のペースメーカーに大体全部の携帯電話の電波を浴びせて
も誤作動が起こる気配が無かった、アレって迷信みたいなもんだな」
これも二年ほど前、医者(外科に非ず)から聞いた話
「なんか最近ペースメーカを勧めると嫌がられるって、携帯が
使えなくなるからとか言って。あの迷信って心臓外科からすると
かなり迷惑な話らしいね」
また聞なんでまぁ その程度に聞き流してください
____
#風邪をひきました、脳が故障しています
#残念ながら仕様です。
謎なんか何も無いですよ (スコア:1, フレームのもと)
医療機器の問屋に勤めていて、ペースメーカーの誤動作が問題になってから、電波を浴びせるテストするようになったので、それで合格した物だけが「今では」販売できるのだから、最近のに電波を浴びせて誤動作しないのは当たり前だという事も知らないのですね。ああ、恐ろしい。
あなたやあなたの従兄弟が「今のペースメーカーは誤動作しない。だから、誤動作が問題になって、テストするようになるよりも前のペースメーカーも誤動作しない筈だ」という憶測に基づく迷信を広めているだけ。
Re:謎なんか何も無いですよ (スコア:2, 参考になる)
ありゃ基本的に電池で動きますので、当然電池が切れる頃には切開して取り出して交換しなきゃなりません。
電池寿命より余裕を持って交換しなきゃならんので、だいたい五年程度が目安だったかと。
十年以上前のペースメーカー使い続けてる人って、いるの? というのが素直な感想です。
もっとも、「交換するのは電池だけで、本体じゃないだろ」というツッコミはアリだと思いますが、そもそも本体と電池は不可分になっていて、交換するときは丸ごと変えるのが普通のようです。
(参考)
http://www.jeccs.org/answer/pacem.htm
Re:相変わらず謎だけど (スコア:2)
____
#風邪をひきました、脳が故障しています
#残念ながら仕様です。
Re:相変わらず謎だけど (スコア:1, 興味深い)
携帯電話に関する物はちょっと見つかりませんでしたが、同ページ [jaame.or.jp]を検索すると過去に勧告があったようですね。
それと、実際の影響よりもペースメーカを使用している方の不安感を考えてあげた方が良いかと思います。
使用者に取っては復帰すればよいという物ではないと思います。
Re:相変わらず謎だけど (スコア:1)
携帯電話をみて気分悪くなるペースメーカー装着者は実際にいるので、
それは「実質的に影響ある」ということなんです。
これはいくら「まことしやかに噂」しても、メーカー・キャリアが「絶対大丈夫」といったところで、
何の解決にもならないわけです。
だって、あんなに各社揃って否定してるのに、7割も信じ込んでます [enqtstyle.com]し。
既に手遅れなんです。
Re:相変わらず謎だけど (スコア:2, すばらしい洞察)
私には、鉄道会社はやむなくそうせざるを得ない状況に追い込まれたように見えます。
ほんとに訴えられる原因をもっているのは、大マスコミ様なんじゃないでしょうかねぇ。
#バカ学者(有識者)も訴えろというと学問の発展が阻害されるとか言われそうだな ^^;
Re:相変わらず謎だけど (スコア:1)
>近くで携帯電話を使っただけで誤作動を起こす機器なんて
>日常生活ではそうそうお目にかかれないのですが、
>我々が日常で使用するそれらの機器は全て接地しているのでしょうか?
スピーカーとかイヤホンにはかなり大きいノイズが入ることがありますね。
おかげで、電話が実際に鳴る前に着信がわかったりすることがあります。
あと、高周波の場合、接地ってそんなに意味あったかな。
Re:相変わらず謎だけど (スコア:1)
腕時計は金属のハウジングで全体を取り囲むことができるので
対策は容易ですよ
大切なのは接地することではなく、システム全体がシールドされていることです。
Re:相変わらず謎だけど (スコア:2, 参考になる)
もう使っている人はいないらしい。
その機種は、影響を受けたあと、自然には復旧できない。
実機を使ったテストで、影響を受ける機種は8機種あった。
事実上、これが現実的に影響する可能性があるデータだろう。
致命的な1機種以外は、携帯電話の使用をやめれば正常状態に戻る。
影響を受ける条件は、800MHzを使ったPDCで最大干渉距離11.5cm。
他の1.5GHzのPDC、PHS、W-CDMA、CDMA/CDMA2000 1x(800MHz)では、
影響を受けた機種も2機種程度で、しかも最大干渉距離が1.5GHzの
PDCでも4cmと、通常ではこれ以下に近接することがない距離なので問題なし。
PHSは実機では影響なし。
埋め込み式除細動器に関しては、現実的な条件で誤動作するのは
ほとんどない模様。
ということなので、800MHzのPDCを使っている人が、古いペースメーカーの
装着者の胸か背中に密着させながら携帯電話の電源を入れ、圏外に
入った状態になると影響を受けるかもしれないという結論らしい。
DoCoMo、Vodafone、TU-KA のPDC端末を使っている人だけが病院で
使用しなければいいと思われる。
装着者が自衛するなら、電磁波防止エプロンのようなもので装着部を
覆うようにしておけば充分と考えられる。
なお、病院には微弱な電磁波を利用した検査機器もあるので、
当然ながら、その付近ではPHSですら使用はやめるべき。
Re:相変わらず謎だけど (スコア:1)
この数字の根拠として、参考までに、厚生労働省が出した医薬品・医療用具等安全性情報No.179 [mhlw.go.jp]を御紹介しておきます。調査結果概要として、800MHz PDCで最大干渉距離11.5cmとの記述が載ってますね。
> 埋め込み式除細動器に関しては、現実的な条件で誤動作
> するのはほとんどない模様。
こちらはMAX 5cmだそうですからねぇ……
KyaTanaka
Re:相変わらず謎だけど (スコア:1)
私はむしろ、誤動作を起こさないペースメーカーが存在するなら知りたいです。
とりあえず、ペースメーカーと携帯電話でぐぐっても [google.co.jp]、携帯電話の出す電波に耐性があるペースメーカーのプレリリースなんてのはすぐには見つからないのですが。。
むらちより/あい/をこめて。
Re:相変わらず謎だけど (スコア:1)
ここ [nikkeibp.co.jp]とかその続編 [nikkeibp.co.jp]とかが、わかりやすくまとまってると思います。
ちょっと古いけどね。
Re:センセイ方の要望があったのかもね... (スコア:1)
PHS と携帯電話とは出力が一桁くらい違うので,OK としている病院も
あるのでは?
#といっても,普通の携帯と PHS と区別がつかないためか,
#PHS もひっくるめて電源を切るよいうに言われるようですが...
Re:センセイ方の要望があったのかもね... (スコア:1)
PHSを渡されて「車の中で待っててね」と言われます。
(今年は携帯番号を聞かれて呼出だったけど)
院内感染を防ぐための方策なんでしょうねぇ。
ピークシーズンだと診療室には建物外側の扉から出入りさせられ
会計も車まで来てくれる(院内に入るのは受付時と診察時だけ)徹底振りです。
あ、もちろん車で来て無い人は中で待てますけど。
Re:センセイ方の要望があったのかもね... (スコア:2, 参考になる)
PHSも無線LANも、どちらとも100mほどしか届かない程度の弱い電波を使ってるからでしょ。携帯電話は違う。
Re:センセイ方の要望があったのかもね... (スコア:2, 参考になる)
無線LANの場合、それがそう簡単な話ではなくて、802.11などで使われる2.4GHz帯というのはISMバンド(Industrial Scientific and Medical frequency band)で、医療機器に正式に割当てられたバンドなのです。
ですから、ノイズ、誤動作ではなく、モロにカブってる訳です。
ISMバンドを利用する医療機器がある場合、無線LANの電波の方が強ければ(無線LANを使用する機器がより近い場所にあったりした場合)、抑圧されて医療機器での利用ができなくなる可能性があります。
無線LANのアクセスポイント側は移動しないのであらかじめ影響を与えない場所に設置するとか、影響を与えない事を検証するのは容易でしょうが、そこへ接続するPC側は移動しますから、不注意によってISMバンドを利用している医療機器の脇にPC置いて誤動作(というか通信できなくなる)という事も実際に起こり得ます。
まぁ無線を使う医療機器というのはかなり限られますから、検証自体はそれ程難しい事ではないかもしれませんが。
Re:センセイ方の要望があったのかもね... (スコア:1)
最近電車内でモバイルしている人をよく見かけますが、
アレも優先席はやめた方がいいですよね。
今朝もいましたが、携帯よりモバイルより、音楽を大音量で
聞いている輩は本当に迷惑です。
> 富士通が
問題はここにあるかも。
#関係者なのでID
携帯禁止は会話迷惑防止と待ち時間短縮 (スコア:1)
Re:本当に大丈夫? (スコア:1)
Re:ペースメーカーだけでなく (スコア:1)
http://www.soumu.go.jp/s-news/2002/pdf/020702_3_4.pdf [soumu.go.jp]
これによると、輸液ポンプは影響を受けているようですね。
しかも、停止後復帰せずとありますから、結構重大のような・・。
あと、一部、人工呼吸器がアラーム後停止で復帰せずとあったのが気になりますが・・
また、無線LANについても触れられているみたいです。
尚、このレポートに記載されている実験方法が、医療機器への電磁波の及ぼす
影響を測るのに妥当なのかどうかは、私にはわかりません。
Re:電磁波がどーのこーのというよりさ (スコア:2, すばらしい洞察)
互いのメーワクを考えたら常識でわかりそうな気もするけど、
そういったことを考えられない人が多ければ、
ルール化もやむなしかなぁ。
多すぎる規制は良いとは思わないので、
自発的に規制を避けるように行動する人が増えて欲しいと思います。