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世界初!低軌道とのレーザー通信に成功 56

ストーリー by yosuke
今でもISSとメールするくらいなら… 部門より

tectaro曰く、"読売新聞の記事によると、高度600kmの低軌道を周回する宇宙航空研究開発機構(JAXA)の通信実験衛星きらりが、情報通信研究機構(NICT)の地上局とのレーザー通信実験に成功した(JAXAのプレス・リリースNICTのプレス・リリース)。
低軌道衛星と地上局間のレーザー通信は、受信光レベルが大気によって大きく変動するなか、高速で移動しながら地上局に正確にレーザを送信しつづけるという点で難易度の高いものであるとのこと。
タレコミ子には、技術的にすごいなぁということしか解らないが、こういった実績を積んでいけば、将来は宇宙でもインターネットを高速で楽しめるようになるのだろうか?"

きらりは、バイコヌール宇宙基地からドニエプルロケットで2005/08/24に打ち上げられた通信実験衛星。今後は、欧州宇宙機関(ESA)のARTEMISとの衛星間光通信実験やドイツ航空宇宙機関(DLR)の地上局との通信実験を行なう予定。

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  • by SNT (23129) on 2006年04月11日 4時35分 (#918696)
    今回の実験は通信帯域が電波の窓を突破して、光の窓にに突入したものです。

    宇宙との通信の場合、電波の窓というものが問題になってきます。
    1GHz以下の電波ですと、宇宙雑音や電離層で反射してしまいます。
    また、10GHz以上では、よほど強力でないと、大気減衰によって電波が届きません。

    しかしさらに周波数をあげていくと、光の窓と呼ばれる周波数帯があります。
    これを使うことで、テラヘルツ帯域での通信を行うことができ、
    従来の10GHz前後の電波と比較して、帯域も強度も大きいので、
    シャノンの定理から、飛躍的にビットレートを向上させることが出来ます。

    参考リンク
    http://www.kikusui.co.jp/knowledgeplaza/microwave/microwave01_j.html [kikusui.co.jp]
    http://www.shokabo.co.jp/sp_radio/spectrum/radiow/window.htm [shokabo.co.jp]
  • by Namany (19002) on 2006年04月11日 6時15分 (#918713) 日記
    静止軌道に近い衛星との通信と、どっちが大変なんでしょう?
    大気の揺らぎの差はあまり大きくないだろうし、地球の自転に対する相対的な角速度も小さいわけだし。
  • よかった! (スコア:1, おもしろおかしい)

    by Anonymous Coward on 2006年04月11日 8時11分 (#918735)
    宇宙に行ったときWinnyできなかったらどうしようかと思ってたんだ。
    これで安心していつでも宇宙にいける(ようになる)

    #そして情報流出
  • by ultra_hawk_1 (13626) on 2006年04月11日 11時33分 (#918847) 日記
    ミノフスキー粒子 [wikipedia.org]が発見されても安心して通信できますね。
  • 使われたのは、800nm帯の赤外線レーザーですね。

    これって昼間も使えるんでしょうか。…と疑問に思ってプレスリリースを見てみると、
    実験が行われたのは深夜のようですね。

    赤外線カメラの映像を見る限りでは(指向性で稼いでいるためか)かなり光量がある
    ようなので、近くに太陽があっても大丈夫かな。
  • >高速で移動しながら地上局に正確にレーザを送信しつづける

    直ぐにでも軍事技術に転用されそうな話ですが
    凄い金持ちが衛星使って自分に照射
    レーザ送電で、電源の完全モバイルなんてことできそうで楽しそうですね

    # ちょっとズレて、なんか頭が暖かいなぁ・・と
    # あと遠隔被災地への送電とか?
    # ってレーザー送電の効率は考えてないな・・・
    • > 直ぐにでも軍事技術に転用されそうな話ですが

      AKIRAのソルを思い出した。何となく。
      #レーザーとかビームとかよく分かってないraccoon
      親コメント
    • >レーザ送電で、電源の完全モバイルなんてことできそうで楽しそうですね

       素直に太陽電池で太陽光を拾ってバッテリーに蓄えた方が色々とお得かと。

       指向性の高いレーザ光といえどもそれなりに拡がります。
       今回使用された「きらり」の送信部は直径0.1mで、300kmの距離を隔てて地上に届いたときには理論限界の性能があったとしても直径3m(てきとーな概算値)ぐらいに拡がります。
       送信側の開口を直径1mにすれば拡がり角はそれに伴い理論上一桁改善されます。しかし、拡がり自体は30cmぐらいで済んでも元々直径1mなので全エネルギーを拾うならそれだけの大きさが必要…。

      >直ぐにでも軍事技術に転用されそうな話ですが

       「衛星」と「レーザー」という単語からは、ついAKIRAのSOLのような破壊兵器を思い浮かべてしまいますけど、レーザーはエネルギー効率が悪いので破壊兵器には向かないです。エネルギー供給にもいまいちですな。

       軍事転用として有効なのは、そのまま通信に使うことですね。指向性が強いので、内容の傍受どころか、通信が行われたことすら察知できないでしょう。もっとも、曇ってると通信できないのは大きな弱点ですけど。
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  • レーザー通信 (スコア:0, 余計なもの)

    by Anonymous Coward on 2006年04月11日 8時07分 (#918732)
    どんな通信をしてるかと空を見上げたら、失明しますた。
    • Re:レーザー通信 (スコア:2, 参考になる)

      by SteppingWind (2654) on 2006年04月11日 13時12分 (#918932)

      今回は赤外線レーザーなので, 普通は大丈夫らしいです. しかも航空機などに当たらないように考慮して実験してたみたいです.

      # とネタにマジレス

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      • by TarZ (28055) on 2006年04月11日 18時10分 (#919157) 日記
        地上に到達するまでに散乱していそうだし、ビームの径も広がっていそうなので
        実際のところ害はないのかもしれませんが、少なくともNICTのプレスリリース [nict.go.jp]
        からは、そういう安全性については書かれていないような。

        プレスリリースの最後に書かれているのは、

        - 赤外線(800nm)なので肉眼では見えない。
        - 散乱光は人体には危険ではない。(つまり、直撃でなければOK)
        - 目的外の方向にビームを向けないので安全を確保している。(受信機以外に直撃はさせないように制御している)

        というだけで、ビームの経路に人間がいた場合の安全性についてはこれだけでは読み取れません。

        レーザー出力が100mWなら目で見ない限り大したことはないでしょうけど、直視した場合の
        安全性については不明なような気がします。(プレスリリース以外に情報があるのかしらん…)
        親コメント
        • >直視した場合の安全性については不明なような気がします。

           理論限界の性能が出たとしても地表に届いたときには直径5mぐらいに拡がるので、送信側出力が100mWならばエネルギー密度は5mW/m^2となります。
          (概算なので分布とかは無視。また、実際には光学系の性能とか大気の揺らぎとかでもっと低くなるでしょう)

           この程度のエネルギー密度であれば裸眼では全く問題ありません。望遠鏡などを使った場合はまた別の問題ですけど、そもそも衛星を正確に追尾すること自体が難しいので時間の方が短くなって障害を受けるほどのエネルギーにはならないはずです。

           一方、送信側(出力500mW・直径1.5m)は300mW/m^2となりますが、これも裸眼ならば問題ないようです。

          参考文献
          レーザ光の安全について [ocn.ne.jp]
          親コメント
          • by TarZ (28055) on 2006年04月12日 5時03分 (#919562) 日記
            参考リンクの内容からすると「クラス3A」ないし「3B」ってやつですかね。
            (クラス1、2しか知らなかった…)

            まあその点ではもともと心配していないのですが、親コメントの「赤外線だから大丈夫」
            というのは誤解を招きそうな気がした次第です。
            親コメント
            • >「赤外線だから大丈夫」

               説明を補うとすれば、目に見えないから幻惑される心配はない、ってことですかね。
               直接障害を受ける強度ではなくても、自動車の運転中とかましてや航空機の操縦中なんかに目が眩むと危険ですけど、そもそも知覚できなければその心配はない…と。
              親コメント
  • by Anonymous Coward on 2006年04月11日 9時01分 (#918750)
    3億キロ彼方から未知の世界のデータを送信する
    「はやぶさ」の中利得アンテナが送信する
    ビットレートはわずか32bps。
    高利得アンテナでもかつてのアナログモデム以下。
    動画や多数の画像や越高解像度の画像なんぞ
    送ろうものなら、途方もつかない時間が・・・。

    通信測度の改善だけでも飛躍的な探査成果が
    得られそうだ。

    地球との直接の光通信が雲に遮られて難しいなら、
    ラグランジュ点や探査機側から見て捕らえ易い
    軌道に中継点を設けて、高ビットレートを保ったまま
    地球へつなぐ事もやれそうな気がしますが
    どうでしょうか?

    すっかり保守的になってしまった大国の宇宙開発を
    尻目に、怖い物知らずのような野心的ミッションを
    ぶち上げる我らがISAS/JAXAがやってくれたらいいな。
    • 突き詰めれば、通信速度は搭載する発電機のパワー次第という気もしますが・・・・・。

      レーザーの場合、指向性が鋭いので、姿勢制御の難易度もさらに上がるだろうなぁ。

      ちなみに、今回の「きらり」側レーザーの出力は100mW、宇宙空間ではどれくらい距離が延びるのだらふか?
      親コメント
    • レーザー通信という言葉に初めて触れたのが、宇宙船同士の通信としてSF小説(クラッシャージョウ)に書かれていたので、(同種のものか分からないですけど)実用化されればISSとスペースシャトルなんかとの通信に使うと思っていました。

      今回の実験でNICTのプレスリリースに
      光衛星間通信機器及び精密な衛星捕捉追尾に対する我が国の技術的優位性を示すことができました。
      とあるので、将来的には元コメントのような利用法まで視野に入れて通信技術をみがいているような気がします。
      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2006年04月11日 9時28分 (#918761)
    これ、場所さえ特定できれば
    片方向でOKなので、ビット通信できまくり?
    これからは、
    空に向かって懐中電灯On/Off してるやつはスパイだと思った方がいいかも?
  • by Anonymous Coward on 2006年04月11日 11時36分 (#918849)
    “みかけ”の移動速度ってそんなに速いかな。
    • 秒速7kmで高度600kmだと、大雑把に計算して毎秒0.7度
      あるいは120m先を時速5kmで歩いている人。

      一見たいしたこと無さそうですが、
      レーザーの指向性の高さを考えると結構難しいと思います。

      親コメント
      • Re:高速に移動っても (スコア:2, すばらしい洞察)

        by SteppingWind (2654) on 2006年04月11日 15時20分 (#919036)

        いい方を変えると, 光の速度で往復すると衛星の方はすでに30mぐらい先に進んでいるって感じですかね.

        レーザーのビームスポット径がどのくらいの大きさかって話もあるんですけど, 仮に数10m〜100m程度の大きさだとすると, 今見えている衛星の位置にビームを向けても下手すれば当たらないってことです.

        親コメント
        • 所詮定まった軌道の上を定速で移動してるんだから、先読みは易しいね。
          これがランダムに航路を変えるようなものだと厳しいが。
      • ゆくレーザーの流れは絶えずして、しかも元の光子にあらず。
        虚空に浮ぶ衛星は、かつ消えかつ結びて、久しくとゞまりたるためしなし。
        世中にある人と受信機と、又かくのごとし。


         『放星(ほうじょう)記』より
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        • こういうことかも (スコア:4, おもしろおかしい)

          by T.Sawamoto (4142) on 2006年04月11日 15時53分 (#919060)
          ほししきの天空のうちに、軌道を並べ、ソーラーパネルを争へる、高き卑しき衛星は、世々を経て尽きせぬ物なれど、是をまことかと尋ぬれば、どう見てもスペースデブリです。
          本当にありがとうございました。

           
           『放星(ほうじょう)記』より
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          • by TarZ (28055) on 2006年04月11日 16時03分 (#919065) 日記
            かおり高い文学作品に、そういう魔改造を施してはいけません。

            # 不覚にも後半で吹いた。

            そういえば、スペースデブリ対策として、レーザーを使って焼くという案が
            あったと思うけど、精度的には今回成功した通信よりはるかに厳しそう。
            (と、無理やりストーリーにつなげてみる)
            親コメント
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Stay hungry, Stay foolish. -- Steven Paul Jobs

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