エルピーダメモリへの公的資金注入が決定 92
ストーリー by hylom
生かす意味はあるのか? 部門より
生かす意味はあるのか? 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、
半導体大手のエルピーダメモリに対し、改正産業活力再生法(産業再生法)に基づく公的支援が行われることが決定された(ロイターの記事、エルピーダメモリの発表)。エルピーダメモリはDRAMを主力製品としているが、供給の増加と不況による需要減によりDRAMの価格は急落しており、経営環境が悪化していた。
支援の内容としては、エルピーダメモリが8月に発行する300億円の優先株を日本政策投資銀行が引き受けるとともに、100億円の融資も行う、というものになるとのこと。また、台湾当局が主導して設立する台湾メモリー社(TMC)も、2009年度中にエルピーダメモリに対して200億円程度を出資するほか、主力行の三菱東京UFJ銀行など民間金融機関からも合計1000億円の融資が行われるという。
再建計画では、国内の最先端設備を備えた工場における高付加価値DRAMを中核的事業とし、汎用DRAMについては台湾メモリと連携して台湾での生産を行うことでコスト削減を狙うという。なお、事業の再構築に伴う人員削減等は予定されていないとのこと。
いっぽう、業績が悪化すれば額がさらに膨らむ恐れもあるとのことだが(日経新聞)、この資金投入、吉と出るか凶と出るか。
国策企業だから救済されただけでは (スコア:4, 興味深い)
微細化プロセスも数年後には完全に行き詰まってそうだし
わざわざ人件費の高い先進国でやるには全く将来性がない産業なのに、
なぜ助けるのかといえば、
官僚と仲良しの国策企業だから [data-max.co.jp]
ということみたいだね。
どう考えても利益を出す見込みがないJALに惜しげもなく税金が突っ込まれるのは、
政治家や官僚のご子息が多数コネ入社なされているからだ、という紛れもない事実がありますが、
再建プランもないエルピーダがこれからもずっと政府に頼っていくつもりなら、
国から公的資金を注入してもらうためにホントに単なる天下り企業と化してしまいそうな。
公的資金という麻薬にハマらないように気をつけて欲しいですね。
Re:国策企業だから救済されただけでは (スコア:4, すばらしい洞察)
DRAMを設計から製造プロセスまで開発可能なメーカーはSumsong, Micron, Elpida, Hynix(, Qimonda)しかないはずです
他のメーカーは設計データからプロセスまで含めてライセンス生産しているか、ライセンスされたプロセスを使って
設計メーカーの製品も製造しているだけ(製造プロセスだけのライセンスはないはず)
ではなんでこれらのメーカーを国家を上げて守るかというと、儲からないときはそれこそ赤字を垂れ流す一方で
儲かりはじめると笑いが止まらないほど儲かったんですよ、これまでは(これからもそうかは、わかりません)
しかも規模が大きいのでメーカー自体はもちろん、その関連会社も含めて大人数を抱えているという事情もあります
中でも露骨に国家が支えてきたのはHynixですが、日本でも4月までダンピング行為に対する相殺関税 [meti.go.jp]を掛けていました
その一方で日本は、他国と比べると国家からの支援が無いに等しい状況で闘ってきました(そしてElpidaだけになった)
潰してしまうのは簡単ですが、上記のような状況も考えて決めないと禍根を残すことになるやも知れません
さすがにACで
Re:国策企業だから救済されただけでは (スコア:2, すばらしい洞察)
世界的に競争していない企業からお金を取って、
世界的に競争している企業に支援する方が、国としては良いに決まっていると思うのだが。
反対する方々は、日本をアメリカやイギリスみたいな国にしたいのだろうか?
Re:国策企業だから救済されただけでは (スコア:1)
「世界的に競争していない企業からお金を取って、」
日本の消費者が損失を被ります。
「世界的に競争している企業に支援する」
海外の消費者が恩恵を受けます。
「方が、国としては良いに決まっていると思うのだが。」
国はよいかもしれませんが、日本のいち消費者としてはそんな政策には当然反対です。
Re:国策企業だから救済されただけでは (スコア:1)
家庭に例えれば、稼ぎ手の人を家で働かせてダウンしたら、
家の人が困る。稼ぎ手の人を支援した方が得ということです。
会社は赤字と言っても、製造装置も国内でまかなえる日本では、
国際収支の面から言えば黒字でしょう。
Re:国策企業だから救済されただけでは (スコア:1)
> 家庭に例えれば、稼ぎ手の人を家で働かせてダウンしたら、
> 家の人が困る。稼ぎ手の人を支援した方が得ということです。
> 会社は赤字と言っても、製造装置も国内でまかなえる日本では、
> 国際収支の面から言えば黒字でしょう。
エルピーダが日本で唯一の外貨の稼ぎ手であればそうかもしれませんが、日本には外貨を獲得できる他の多くの企業が存在します。
公的資金を家族でたとえるなら、多くの優秀な兄弟が外で十分に仕事をして家庭をまかなえるにもかかわらず、家事も仕事もさほど優秀ではないエルピーダが仕事をこなせるために、他の兄弟が自分の仕事の合間にエルピーダの仕事を陰に日向に助けるような行為です。
家庭の収支だけを考えるなら、無理にエルピーダを外で働かせるよりは、適当に小遣いを与えてその他兄弟は自らの職業に全力を投入する方がよいのではないですか?
エルピーダの生産活動に他産業をりも強い性の外部性があるなら公的支援が効率性を高めるかもしれませんが、半導体産業にそのような性質はあるのでしょうか?
Re:国策企業だから救済されただけでは (スコア:1)
その兄弟も支援する対象と思いますけれど。
エルピーダ社員に単に生活費を渡すよりは、支援した方が安いのでは。
ICチップも材木チップもポテトチップも同じということはありません。
やはり国として持っておきたい分野です。
Re:国策企業だから救済されただけでは (スコア:1)
> その兄弟も支援する対象と思いますけれど。
> エルピーダ社員に単に生活費を渡すよりは、支援した方が安いのでは。
安い、というのが誰にとって、何の負担が少ないのか、が明らかではないように思います。
元のコメントが、
「世界的に競争していない企業からお金を取って、世界的に競争している企業に支援する方が、国としては良いに決まっていると思うのだが。」
でした。
このとき、
世界的に競争していない企業への課税(≒非貿易財)
→国内生産者と国内消費者が損失を被る、海外生産者、海外消費者への影響は不明
世界的に競争している企業への支援(≒貿易財)
→国内生産者に恩恵、国内消費者に損失、海外生産者に損失、海外消費者に恩恵
となります。
従って、非貿易財の負担ですべての貿易財を支援することで、企業は恩恵を受けるかもしれませんが、国内消費者は損失を被り,海外の消費者が恩恵を受けます。
家庭の例で考えれば、一国を全員家庭外で仕事をしているサラリーマン家庭と、自給自足の家庭の2つと考えます。
このとき、自給自足の家庭から現物徴収(自給自足なので課税ではなく現物徴収と言い換えています)をして、サラリーマン家庭に現物を配布した場合、自給自足の家庭は損失を被り、サラリーマン家庭とその雇用主が恩恵を受けます。
このとき、サラリーマン家庭と自給自足家庭の厚生の合計は、移転が生産性に影響を与えない場合であったとしても、雇用主に渡る恩恵の分だけ減少します。
外部性がない場合であれば、サラリーマン家庭と自給自足家庭の間で移転を行うことで生産性は低下するため、一国経済の運営として移転による生産性の低下(配分の非効率性)と余剰の国外移転が生じるので、一国の純損失になります。
従って、外部性がない場合は、消費者として損失を被ることは自明なので反対するのみならず、一国全体として特定産業優遇は高くつきます。
移転を行うことで生じる生産性の上昇が海外に移転する厚生の分を上回るほど外部性の効果が強ければ、一国全体として正の効果になるかもしれませんが、消費者が恩恵を受けるには一国全体が恩恵を受けるよりもさらに大きな生産性の改善が必要になります。
なので、消費者の立場としてこのような政策に賛成するケースは一国経済の運営者が賛成するケースよりも少なくなります。
> ICチップも材木チップもポテトチップも同じということはありません。
> やはり国として持っておきたい分野です。
日本の倍以上のGDPを持つアメリカですら選択と集中をしているのに、日本程度の経済規模で一国ですべてを持つのは今後ますます厳しくなっていくと思います。
第二次世界大戦後、冷戦終了頃までインドやラテンアメリカで採られた輸入代替策政策は経済発展における典型的な失敗例ではなかったでしょうか。
日本がDRAM産業を維持するために自動車、原子力、家電等競争力のある分野に負担をかけ、自前主義に拘るのが得策だとは思えません。
Re:国策企業だから救済されただけでは (スコア:1)
> 世界的に競争している企業への支援(≒貿易財)
> →国内生産者に恩恵、国内消費者に損失、海外生産者に損失、海外消費者に恩恵
そんなことはない。生産者と消費者を別に考えてすぎていると思う。
トータルで考えて、国に入るお金が増えるのに。消費者にメリットがないことはない。
国内的には、給料を安くして値段を下げても消費者のメリットにはならない。
いずれは自分に返ってくることを知るべき。
それに開発された技術も蓄積できる。技術に関しては、周辺産業にも言えること。
原子力は可能性が高いので積極的に支援するべき。
家電は発展途上国の技術の向上と共に、日本にはガラパゴス産業として残ると思う。
太陽電池もガラパゴス化と思う。ただ、その製造装置の方には頑張って欲しい。
自動車も頑張って欲しい。基礎技術の開発に支援すべきと思う。
Re:国策企業だから救済されただけでは (スコア:1)
> トータルで考えて、国に入るお金が増えるのに。消費者にメリットがないことはない。
国に入るお金というのは経常黒字のことですか?
となれば経常黒字の大きさが消費者に何のメリットがあるのかわかりません。
消費者が経常黒字が大きいと言うこと自体に選好を持っているのであれば別ですが、消費者のメリットは消費者の所得、消費を基準として評価しています。
> 国内的には、給料を安くして値段を下げても消費者のメリットにはならない。
> いずれは自分に返ってくることを知るべき。
給料はある企業の従業員の所得ですから、給料の低下は当該従業員のメリットにはならないのは当たり前です。
また、価格の低下は全ての消費者に恩恵を及ぼします。
完全競争市場であれば賃金の最適水準は限界生産物価値に等しく、財価格の最適水準は限界費用と等しい所になります。
> それに開発された技術も蓄積できる。技術に関しては、周辺産業にも言えること。
外部性が存在する、ただそれだけの理由では不十分であることを説明しました。
外部性の大きさが大きくなければなりません。
そして、外部性の大きな産業であれば、外部性を内部化するような仕組みが働くような制度支援をまずすべきです。
Re:国策企業だから救済されただけでは (スコア:1)
> 事はエルピーダ一社の問題ではありません。
> エルピーダに装置や材料を売っているメーカーにまで波及します。
エルピーダを支える事による負担も直接の負担に加え、負担する企業同士の取引を通じて負担が波及します。
多くの税を負担する企業やその取引相手が少しづつ雇用量を減らす事になるでしょう。
こうした広く薄い雇用減はニュースになりにくいですが、確実に一国の失業を増やすことになりますよ。
Re:国策企業だから救済されただけでは (スコア:1, すばらしい洞察)
そういう潰れたら困るような会社には、得体の知れている人間を送り込むのも必要なことです。
コネ入社した人がスネ齧りしていると思ったら大間違い。
大抵は使命を全うすべく全力投球されてます。
ただ、政治家のご子息には、evilであるという得体が知れている人がいるので、
そういう人には大切な仕事をさせることはできません。
ですから、ちやほやして仕事せずにプラプラ遊んでいてもらって、そして、何かの機会に放り出すのです。
今が正念場 (スコア:3, すばらしい洞察)
今はきついがあとDDR3が普及してきて、DRAM会社の整理が終われば今出してもらった金は返せるようになる。
逆に、今つぶしてしまえば海外のDRAMメーカに主導権を握られてしまい、二度と復活する事が出来ない。
否定はしないけど… (-1;荒らし同然) (スコア:1, すばらしい洞察)
薄利多売でしかやっていけないような経営方針を今後も続けていけばまた同じ事になるだけなんですけどね。むしろ景気が良くなって売れるようになって競争が激しくなった時にちゃんと利益を出しながらやっていけるだけの経営戦略があるのかどうかって気がしますが。他にどのような競争相手がいるかちゃんと把握し、生ものとも言われる市場価格の変動に対応しつつ、それなりの初期投資が回収できるメドが本当にあるのかなぁ。あるといいなぁ。
正直「DRAMを設計できる技術」と「DRAMで商売出来る経営」の差が埋まるかどうか…
むしろ数千億ぐらい投資(という言い方は変だけど…)し、一気に勝負ならわかるんですけどね。
Re:否定はしないけど… (-1;荒らし同然) (スコア:2, 興味深い)
> 薄利多売でしかやっていけないような経営方針を今後も続けていけばまた同じ事になるだけなんですけどね。
これやっているのが、主に韓国のメーカである事をご存じですか?
日本から半導体製造装置を買って、やたらめったら大量生産して市場を潰したがために、
日本でのD-RAM製造が立ち行かなくなったのです。
再生のためにやるべき事は、エルピーダメモリが半導体製造装置メーカーと共同して次世代
の製造装置を作り、他社に同じ装置を売る際にはがっぽりライセンス料を取るようにすれば
良いのですよ。その為にはもっと投資が必要な気がしますね。
--- de FTNS.
Re:否定はしないけど… (-1;荒らし同然) (スコア:1, 興味深い)
韓国の産業スパイを野放しにしたり、日本のDRAMメーカーの社員や装置メーカーが情報を漏らすのを野放しにした結果ですから。
日本は防諜体制がなってなさすぎです。
そんな日本ではハイテク開発はやるべきじゃない。
北朝鮮の核兵器もミサイルも、日本が支援して実現したようなものですよ。
知っていて放置するのは、立派な工作行為です。
Re:否定はしないけど… (-1;荒らし同然) (スコア:2)
あの...自分で金を出して開発したものから利益を得るのが、
どうしてカルテルになるのですか?
教えて偉い人。
--- de FTNS.
Re:否定はしないけど… (-1;荒らし同然) (スコア:1)
複数の半導体製造装置メーカーが情報交換して自社系列以外のメモリメーカーに装置を売らなくすればカルテルですけど、
1社が装置を他に売らなくなることはカルテルにはならないですね。
その1社が独占、もしくは他のライバルの装置に乗り換えられないような性質を持っている場合(≒高いシェア)には不当な取引制限になりそうですけど、
半導体装置メーカー同士の競争があるときにそれをやったらライバルに顧客を奪われるだけでしょうから、こちらも該当し無さそうです。
Re: (スコア:0)
資金を投入したからといって、潰れずに済むという保証は無いんだけどね。単にわずかばかり延命するだけ、という可能性も決して小さくはない
Re:今が正念場 (スコア:1)
社会経済学とか経済体制論?みたいなものにそれなりに通じてらっしゃるようで、最後の一文以外は概ね理解できる内容です。
しかし、
「結局のところ、国際社会できちんと独禁法を運営するには、スーパー301条みたいなのを作るしかないんでしょうね。」
というのが理解できません。
基本的に国際貿易における競争を維持する機能はWTOが担っています。(うまく動いているかは別ですが)
国際的なアンチダンピングもWTOの枠組みに含まれています。
他方、スーパー301条は米国企業を保護するため米国市場における他国企業からの競争圧力を無くす働きをもっており、米国の保護された産業が利益を受け、その他米国民が競争が失われる事による損害を受けるものだと理解しています。
バイ・アメリカ条項なども同様です。
従って、競争法の理念とは全く逆の働きをしているはずです。
元ACさんはどの様にお考えで、スーパー301が国際的な競争の維持に貢献するとお考えになったのでしょう?
日の丸ファブ構想はどうなるのか?! (スコア:2, 興味深い)
Re:日の丸ファブ構想はどうなるのか?! (スコア:1, 興味深い)
NECエレクトロニクスとルネサス テクノロジの事業統合について
http://www.necel.com/news/ja/archive/0904/2701.html [necel.com]
↑って実質的に日の丸ファブじゃないの?東芝と富士通はどうなるのか分からんが、むしろ、気付いたら一社しか残ってなかったっていうシナリオ?
数字が1桁まちがってない? (スコア:2, すばらしい洞察)
Re:数字が1桁まちがってない? (スコア:1, すばらしい洞察)
>このていどの金額で、充分返せる見込みもあって、なぜそんなに噛み付くのかと。
なら、あなたが投資すればいいのでは?
http://company.nikkei.co.jp/index.aspx?scode=6665 [nikkei.co.jp]
私は返せると思わないので投資しませんが。
Re:数字が1桁まちがってない? (スコア:1)
市場流通してる株を買っても会社には一銭も入ってこないし。
公募増資に参加するとか、社債買うとかなら話は別だけど。
Re:数字が1桁まちがってない? (スコア:2)
会社をわざわざ潰して、路頭に迷った失業者に税金投入するよりは、会社潰さないように税金投入したほうがいいしょ、ってことでしょ。
新しい仕事探すのにどれだけパワーを費やすと思ってんだ、全く。
Re:数字が1桁まちがってない? (スコア:1)
現在の雇用を維持するため将来倒産する企業の倒産を先送りする事の弊害として以下のようなものがあります。
1・将来駄目になる産業に新規に雇用される人がいる
2・既存の社員でも、さっさと転職していれば身につけられた他の会社で役立つスキルが身につかない
これらの効果により、先送りによって倒産による損失は大きくなります。
また、保護される企業に勤める人は公的資金で雇用が保障されるのに対し、他の企業に勤める人や現在の失業者には公的資金の恩恵が及びません。
エルピーダに勤める人よりも既に失業している人の方が経済的に困難な場合が多いでしょうから、この救済によって政府による再分配機能は悪化します
これらの多くの弊害があるにも関わらず将来倒産する企業の倒産を先送りにするメリットがわかりません。
一時的な金融機能の障害で将来生き延びる企業が倒産の危機に陥っているときに政府が底ざさえをするのなら理解できます。
今回のケースもそれに該当すると見なされたから公的資金投入が行われたのでは?
Re:数字が1桁まちがってない? (スコア:1)
ここで比較になっているのは「将来倒産する企業(≒自力で生存できない企業)の維持」と「公共事業による雇用創出全般」だと考えています。
既存の企業の延命全般と比較するのであれば、まずその企業が将来再生可能かどうかがポイントになり、将来再生可能なのであれば公的資金を投入する政策は有効な政策でしょう。
次に、将来倒産する企業の場合に政策を比較をしてみてください。
1,2が「臨時雇用ひねりだしの税金ばらまき」と同等だとして、倒産する企業を維持することには再分配上のデメリットまで存在するのでなお悪いのではないかと思うのですが、その点についてはいかがですか?
さらにいえば、「臨時雇用ひねりだしの税金ばらまき」と「臨時雇用を創出して受け皿にする緊急対策」が同一のものだとして、これに関しては税金投入によって生まれた雇用が持続可能な正規雇用になり得ますが、将来倒産する企業の場合はそれが起こりえません。
仮に将来倒産する企業を生き延びさせるメリットがあるとするならば、将来倒産する企業の従事者が転職できる可能性がきわめて低く、彼らを雇用させるために必要となる費用がが倒産する企業を維持する費用よりも少ない場合などを想定することになりますが、さすがにそこまでひどい会社はそうそう多くはないと思います。
炭鉱なんかは数少ないこのケースに相当するかもしれません。
Re:数字が1桁まちがってない? (スコア:1)
> デメリットをメリットが上まわると思います。
> 一朝一夕に立ち上げられない事業ですし、エルピーダ一社だけの問題でもないですから。
ここで述べているメリット、デメリットというのは公的資金が投入される際に分配の公平性に与える影響です。
エルピーダという企業の活動それ自体のメリット、デメリットというのは外部性がない場合であれば「将来倒産する企業」であればデメリット>メリット、「公的資金投入で立ち直る企業」であればメリット>デメリットです。
一社の問題ではないと仰っているように、外部性がある場合ならメリットがデメリットを上まわる企業であっても救済すべき価値がある産業ですが、そのような産業は危機的状況に陥る前から本来であれば支援をしておくべき産業です。
半導体産業がそのような産業である、とお考えなら仰っている趣旨もわかります。
そして私は半導体産業がそのような性質を持っている産業だとは考えていません。
(韓国がHynixを支援していることで,韓国の他の企業が大きく恩恵を受けていますか?)
> 「税金投入によって生まれた雇用が持続可能な正規雇用」は違います。
> まず、非正規雇用です。そして、その非正規雇用でさえも、税金を投入し続けなければ持続不可能です。
> そして、数年後には、税金の無駄づかいという批判を受けて、投入をストップして終わるでしょう。
> いままでも雇用対策として様々な「税金の無駄づかい」が行われ、批判され、打ち切られてきましたから。
公的需要によって生じた一時雇用が、将来公的資金がなくなれば全員必ず失業する、という極端な場合を考えたとしても、なぜ「今エルピーダにつとめている人」が「今失業している人」よりも優先して救済されなければならないのでしょうか?
分配上のデメリットとはそのことを指しています。
Re:数字が1桁まちがってない? (スコア:1)
> 分配の公平性といいますが、そこにはヒステリシスがあるべきですが、どう考えますか?
ヒステリシス、と言うのが具体的に何を指し示すのかわかりませんが、再雇用や転職にコストがかかることを否定しているわけではありません。
しかし、将来倒産する企業の救済はそうした費用の先送りではありますが、そうした費用を解消するわけではありません。
限られた公的資金の用途として、将来確実に発生する費用を先送りにするよりも社会的な費用を削減するような投資に向けるべきです。
ツリーが長いのでわかりにくいかもしれませんが、一時的な支援によって将来自立可能な企業救済を否定しているわけではありません。
> そのために、まずは国民全員を失業させて、それから失業対策で全員を救済しなければ、不公平ですね。
当然既存状態からの大きな変化にはコストがかかります。
大きな効率性の損失を生じさるような公平性の追求が好ましいかどうかは価値判断の問題ですが、私はそのような政策には反対です。
そもそも論題に上がっているのは、将来倒産する企業の救済(=移行費用の先送り)と、その他政策です。
効率性の観点から将来倒産する企業の救済を行うべき理由はありませんし、公平性の観点から言っても、救済される優先順位は、与件を一定にすれば、
現在の従業員>倒産しそうな企業の従業員=健全な企業の従業員
です。
さてはて (スコア:0)
Re:さてはて (スコア:2, おもしろおかしい)
Re:さてはて (スコア:3, すばらしい洞察)
『どっちが先にブレーキを踏むか』
じゃなくて
『どっちの橋が先に落ちるか』
の競争になってるような気がしてしょうがありません。
# 民間企業VS国営企業みたいな構図だからなぁ。
## あっちの橋が落ちるときは根元からぽっきりだろうけどね
# こっちは橋を架け続けられるかどうかが問題だな。
Re:さてはて (スコア:1, すばらしい洞察)
高い価格に見合う価値を提示してレースから抜け出せなかった時点で負けていたんじゃないのかな?
「ちょっとくらい品質が悪くても安いほうがいいや」のユーザーを説得するのは大変だよ?
#“韓国勢”とやらがいなかったら、あなたの手元の機器はそこに存在しえた(=買うことができた)であろうか
Re:さてはて (スコア:3, すばらしい洞察)
問題は「数年後、メーカーが絞られて寡占化した状態でも同じことを言えると思う?」ってコトだよね。
相手は国家ぐるみのダンピング企業なワケで。
「品質悪い癖にクソ高い」物を買わされる羽目になる、ダンピングチキンレースの終わった後を考えた方が良い。
Re:さてはて (スコア:1, 興味深い)
経営がギリギリなのは韓国勢も変わらんが、連中は決算前に
在庫分を原価割れでスポット市場に放出し、決算の帳尻を
合わせるような馬鹿な真似を平気でする。
その結果が市場価格の暴落であって、自分の首を一生懸命絞めて
いるわけだ。まさしく阿呆。
Re:さてはて (スコア:1, 興味深い)
残念ながら、Qimondaが潰れても解消されなかったわけだが・・・
Re: (スコア:0)
『エルピーダは蘇った』 [amazon.co.jp]
を書いた松浦さんに『エルピーダはやっぱり死んだ』という続編を書いていただきたいのココロ
舐めてるなあ。 (スコア:0)
>なお、事業の再構築に伴う人員削減等は予定されていないとのこと。
税金つぎ込む前に徹底的なリストラを条件にするべきだろうに。
Re:舐めてるなあ。 (スコア:3, 興味深い)
DRAM屋は、血を抜かれながらマラソンをしている状態。
必要なのは生き残るため血(現金)であって、刹那の身の軽さと引き換えに手足(人員)を捨てるのは、最もやってはいけないことだ。
しかも、技術的な面ではジリジリとリードを広げられそうな大事な局面なんだ、人なんて逆に増やしても良いくらいだ。
Re: (スコア:0)
人件費の安い国の技術者と入れ替えればいいんじゃないですかね。
Re:舐めてるなあ。 (スコア:2)
> 人件費の安い国の技術者と入れ替えればいいんじゃないですかね。
コストに占める人件費は支配的じゃないよ。
人員増員 (スコア:2, 参考になる)
Re: (スコア:0)
Re:舐めてるなあ。 (スコア:1)
DRAM専業ってあたりに無理がある。
発足当初からこうなることは目に見えてたのにな。
Re:舐めてるなあ。 (スコア:1, 興味深い)
こうなることを見越してNECや日立はDRAM部門を切り離したんじゃないのかな。
Re:舐めてるなあ。 (スコア:1)
なにを怒っているのかしらんが、
もう少しわかりやすい文章を書きたまえよ。
で、DRAM専業だが、DRAM自体が付加価値で勝負するのが難しい商品だ。
どうしたってスケールメリットでの価格勝負になる。
そのためには常に設備投資を続けていかなくてはならないが、
それはたいてい過重なので利益は出ない。
あなたが引用してきた業績回復の記事も、
売上向上の原因として、ウォン高と設備投資をあげている。
その設備投資はいまとなってはお荷物だろうなあ。
そもそもリーマンショック前の好景気に利益が数十億ってのがどうなんだか。
あと、エルピーダの短い歴史は赤字ベースだったはずでは?
# いっそメモリは上場先物にしてしまえばどうだろうか
ダンピング? (スコア:0)
所詮は鵜飼の鵜 (スコア:0)
国ぐるみでダンピングしている韓国メーカがウォン崩壊とともに消えますように。
鵜が鵜飼に逆らうとどうなるか...
高付加価値路線、本当に正しいの? (スコア:0)