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プロ棋士による将棋ソフトを使った不正疑惑、「証拠無し」という判断 121

ストーリー by hylom
今後どうなるか 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、

先日、日本将棋連盟所属のプロ棋士である三浦弘行九段に対し、対局中に将棋ソフトウェアを使った不正を行っていたのではないかという疑惑がかけられる事件で、第三者調査委員会が「不正の証拠なし」という調査結果を発表した(朝日新聞)。

この疑惑について三浦九段は一貫して否定しているが、日本将棋連盟は三浦九段に対し年内の出場停止処分を行っていた。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by Anonymous Coward on 2016年12月27日 14時31分 (#3136288)

    将棋ファンの間では、最初の報道から1週間もした時点で既に、三浦の不正よりも、将棋連盟や告発した渡辺らの判断の方を疑う声が9割を超えている感じでした。

    各社報道の通り、まるで客観性があるがごとく発表されていた「長時間離席」や「ソフトとの一致率」といった証拠は、よく言えば勘違い、悪く言えばデタラメでした。スマホなどからも不正の痕跡は発見されず、「証拠不十分」のレベルではなく事実上の「証拠ゼロ」判定で、委員会が三浦氏の一刻も早い立場回復を望むと明言するほど。他の根拠として「トッププロの勘」みたいなものもありましたけど、そもそも三浦氏は自身がソフト台頭の前から10本の指に入り続けているトップ棋士の1人なので、彼を棋譜の違和感程度で裁ける人は世の中にいません。(一人「トップ棋士は譜面を見たら違和感で不正が分かる」とか言っている声のでかい、三浦より格下の棋士がいますが…)

    というわけで「不正を疑う証拠なし」という方はまあ今更驚くほどではない予想通りの結果だったのですが、ファンが気にしており、今回の調査でも不満に思っているのは、むしろ、少数の人間の印象のみで性急に人を裁く魔女裁判のようなことが起こってしまった経緯や、薄弱な根拠で告発して他人の人生を台無しにしかけた側(特に渡辺)の責任です。

    渡辺(ブログ休止中)は竜王戦の対戦相手という最大の利害関係者でありながら、おおっぴらに三浦に疑いをかけ、告発し、圧力をかけていた1人です。羽生の次に有名といってもいい最強棋士の1人ですが、三浦のことは苦手としていたので、対戦者変更によって直接利益を得たといえます。実際にこないだ別の棋士を相手にして竜王を辛うじて防衛成功し、数千万の賞金を手に入れました。

    渡辺には、将棋界最大級のイベント直前に自らの権力で「あいつが出るなら俺は出ない」のような感じでゴネて、苦手なライバルを盤外戦で蹴落として人生を台無しにした…という疑いがかかっており、その経緯を自ら週刊誌に喋っています。普通のスポーツなら、大会直前にこのようにゴネてライバルを潰し利益を受けようとするメダリスト候補は前代未聞です。ということで、目下ファンの批判は渡辺らと連盟の対応に集中しています。

    だいたい「連盟の処分はあの緊急事態ではやむを得なかった」というのが第三者委員会の判断ですけど、それを信じているファンも少数派です。何しろ疑惑自体は数ヶ月前から存在しており、事実2ヶ月も前に三浦がこっそり監視されていたことまで認定されています。イベント数日前のどうしようもない時期に起きた緊急事態なんて本来ないはずですが、「そのまま三浦が出場していたら大きな混乱を起こしていたことは必至だった」と認定する根拠は具体的に何だったのかについて、昨日の第三者委員会の会見ではボカされていました。「渡辺がマスコミにバラすと脅した」とか、そんなことなのかと思ってしまいます。

    今日連盟が記者会見するようです。実際に告発した側の責任問題にどこまで踏み込むのか注目したいと思います。

    …とここまで書いて、以下のブログ記事がよくまとまっていて、私とほぼ同じ意見だったので、紹介しておきます。
    http://d.hatena.ne.jp/akisaito/20161226 [hatena.ne.jp]

    • 批判されて然るべきとは思いますが、告発した側が責任を負う必要がありますか?
      でたらめをでっち上げたのなら処分が降るでしょうが、そんな証拠はなかなかでないでしょう。

      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2016年12月28日 10時08分 (#3136795)

        第三者委員会がデタラメでっち上げた証拠を作ってくれてますよ。

        >>第三者委は、疑わしいとされた対局でソフトの手との一致率を調べた結果、分析するごとにばらつきがあり、同程度の一致率は他の棋士の指し手でも数多く認められた
        >>食休憩後の30分におよぶ離席については事実がなく

        つまり、
        最初の訴えの内容からデタラメで、でっち上げと言う検証結果

        親コメント
      • by Anonymous Coward on 2016年12月28日 20時21分 (#3137046)

        元コメの人です。私個人としては、渡辺が最初から悪意満々で何かを捏造したとまでは思っていません。彼は自分のやっていることが正しいことだと信じていたと思います。もし渡辺が、あるだけの証拠を揃えて真摯に内部で告発し、後の判断を上層部に委ねて自らは謙虚に振る舞っていたのであれば、理解ができますし、結果的に彼が間違っていたとしても、また構わなかったでしょう。

        しかし重要な棋戦を1週後に控えた渡辺が利用したのはよりにもよって文春という扇動的マスコミ [fc2.com]でした。しょっぱなのリーク元が彼本人なのかどうかはさておいても、文春砲を用意させ、そのタイムリミットを利用することで連盟と棋戦を大混乱させ相手より優位に立とうとする意図は確定的にあったわけです。その後のいわゆる「秘密会合」にも堂々と参加し、「疑惑のある棋士とは指さない、タイトル剥奪されても構わない」といった強権的発言をしています。ここまでド派手な手法を用いて主張したことが間違っていたとあれば、三浦が受けた以上の罰を受けたとしても仕方がないでしょう。

        親コメント
    • by Anonymous Coward

      わざと勘違いさせてるんじゃないかと思える行動とる人が多いですね
      疑惑持ちが「注意されても長時間離席」したり「検査にお茶を出したり」と
      李下に冠を正さずと言われますが、これを逆に利用してるような気がしてならない

      # 紛らわしい行動をとって炎上させるまでがシナリオと思ってしまった
      # この後、何か声明が出たりして

      • by Anonymous Coward on 2016年12月27日 20時30分 (#3136538)

        棋士が対局中に離席して飯喰ったり休憩したり雑談したりは普遍的に行われてきたことなので、いくら疑惑があるとはいえ特定の棋士だけにそれを禁止したらその時点で公平さが失われる。

        少なくとも「お前、コンピューター使った疑惑があるから不利な条件(他の棋士は普通に許されてる離席を許可されない)で対局しろよ」という話になったら、ある意味もっと酷いことになるよ。
        「いやだ、気が向いたら離席させろ」と言ったら「なんだ不正するのか」と叩かれるし、その条件を呑めば何しろ不利な状況で指すはめになるのだから、その時点で「殴られるのと蹴られるの、どっちがいい?」ぐらいのクソな選択肢だ。
        (まあ、そう考えれば「対局させない」というのも現実的な選択肢だったのかもしれんが、それにしたって疑惑レベルかすら怪しい状況であんなことすりゃ批判されて当たり前だと思うぞ、将棋連盟は)

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  • by Y-taro (38255) on 2016年12月27日 14時46分 (#3136300)

    疑わしいが決定的でないから不正を認定できない、というものではなく、不正疑惑の根拠とされていたものは、完全に否定された。真っ白。

    会見の質疑では、

    Q. 証拠不足でグレーなのか
    A. 正確に言えば「真っ白」というのは悪魔の証明。提示された疑惑には、不正を認める証拠力は到底ないということ

    Q. 委員会の調査手法・期間は十分だったか
    A. できるだけのことはやれた。これ以上はやっても同じ

    というのがあった。
    最初聞いたときは意味のない質問にも思えたが、よくよく考えると、この辺を突き詰めたかったのかなとも思えてきた。

  • 証拠なしという結果になったにも関わらず、
    三浦弘行九段の地元で行われる将棋祭りへの参加を
    本人に知らせず勝手にキャンセルしたまま [fc2.com]なんだね。

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    /* SHADOWFIRE */
  • 報告書概要の中で、処分の妥当性を論じたP.5 第3の2(2) [mainichi.jp]では、処分時点において「疑惑が強く存在した」ことを前提に、処分を許容した。

    しかし、当時の「疑惑」が具体的にどのようなもので、どのように評価されるべきなのかの論証がない。
    本来なら、訴えの内容や証拠、連盟の調査方法や結果、といったものを検証した上で、当時の連盟が「疑惑が強く存在する」と評価したことが妥当であったかを、調査委員会で検討するべきはずなのに、これらをすっ飛ばして、唐突に「疑惑が強く存在した」と認定してしまっている。

    全文の方では論じられているのだろうか。

  • トップ棋士が不正ということでは将棋界が終わってしまう。
    将棋連盟の出場停止という判断が誤りだとすれば、事後処理が大変。

    ほかに結論の出しようがなかったのでは。
    • by Anonymous Coward on 2016年12月27日 16時02分 (#3136361)

      >トップ棋士が不正ということでは将棋界が終わってしまう
      これぐらいじゃ終わりませんよ。
      逆に、ほとんどクロと判定しておいてこのザマって事態のほうがよっぽど終わってる。

      親コメント
    • トップ棋士が不正ということでは将棋界が終わってしまう。

      終わるとは具体的にどのような状態なんだろう?
      トップ棋士とはいえ不正を行えば厳正に断罪するという姿勢であれば
      安心するというか、その不正をした個人が悪いって話になるけど…

      将棋連盟の出場停止という判断が誤りだとすれば、事後処理が大変。

      大変だからやらないって考えだと、もうズブズブなんだろうなあ、
      どうせ事なかれなんだろうなあ、将棋って強いだ弱いだって言ってるけど、
      積んだ金の量の話なんじゃね?(ハナホジー って思われても仕方ないよ

      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2016年12月27日 16時57分 (#3136395)

      別に竜王戦対戦させて勝った後でも、不正がはっきりしたらタイトル剥奪、仕切り直しなんていくらでもできると思うが。

      あれだけドーピングで時間がたった後でメダルはく奪がいくつもあっても、
      オリンピック終わってない。

      この程度で終わるとか、胆のすわってなさが半端ない。

      親コメント
  • 当初からの論点として「休場の意向」があった。

    • 三浦九段は「休場の意向」を示したのか
    • 連盟は、棋士に休場届の提出を命じる権限はあるか
    • 対局規定で定める書面での休場手続きに反する、口頭での「休場の意向」は有効なのか

    報告書概要P.5 第3の2(2) [mainichi.jp]では、「休場の申し出を行った」「撤回した」ことが前提事実として言及されるのみで、上記の論証はされていない。

  • 「プロ棋士がアルゴリズムを考えた将棋ソフト」がコンピューター将棋の世界で勝負する。

    プロ棋士の名人、かつコンピュータ将棋のアルゴリズム設計者の名人。

    そうなってほしいな

    • by Anonymous Coward on 2016年12月27日 21時49分 (#3136578)

      いや、だから、10年前のボナンザのころから、機械学習大事なんだって、どれほど言ったら。。。
      現在のトップ将棋プログラムも、作った人はそれほど将棋強くない人が多い。

      親コメント
  • 朝日新聞デジタルのアカウントが無いor作るのが面倒な人は
    こっちの記事も詳しいのでどうぞ。

    日本将棋連盟会見詳報「週刊誌に記事が…出場停止はやむを得ない判断だった」
    http://www.sankei.com/life/news/161227/lif1612270044-n1.html [sankei.com]

    やっぱりこのあたりが致命的

    ・三浦九段の指し手とソフトのそれとの一致率に関しても、実は一致率は状況によって20%ほどのばらつきが生じるとのこと
    ・三浦九段が30分も離席していたという指摘がありましたが、その場面は実際には6分、3分、3分でした。対局相手の棋士には、錯覚があったのでしょう。

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    /* SHADOWFIRE */
  • この件に関するこのサンスポのクソ記事は将棋連盟から金でももらってんのかというレベルでひどい。

    将棋ソフト不正使用疑惑の三浦九段には「李下に冠を正さず」をかみしめてもらいたい
    http://www.sanspo.com/etc/news/20161229/amk16122905000001-n1.html [sanspo.com]

    証拠も無い疑義をかけられた側に対して"「李下に冠を正さず」をかみしめてもらいたい"って、
    なんのつもりだこの今村忠ってゴミ屑野郎は。

    "ある高段棋士は「連盟が何とか丸く収めた感じですっきりしない」と話す。"とか
    "「彼とはやりたくない」という棋士も多いとか"と、
    出処不明の声を援用してるのも最低だ。

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    /* SHADOWFIRE */
  • by Anonymous Coward on 2016年12月27日 14時15分 (#3136282)

    ほぼイチャモンレベルだものなぁ。

    「指し筋が将棋ソフトに似ているから」って。。。

    対局中に将棋ソフト使ったら、そりゃイカさまでルール違反だが、
    普段の研究に将棋ソフトを使うのは禁止されていないしルール内。
    もちろん、「将棋ソフトと同じ打ち筋を記憶して再現する」のもルール内。

    研究にソフトを使っていれば打ち筋が似ることもあるだろうと言える。
    なので、「黒とか疑いを掛けるなら、まず対局中に将棋ソフトを使っているところを抑えない限りただのイチャモン」

    #私は黒か白か判断する気はない。現状、それ以前の段階だと思っている。

  • by Anonymous Coward on 2016年12月27日 14時22分 (#3136284)

    負けたときに相手がソフト指しじゃないかと疑心暗鬼になっとるんでないの

    • 負けたときに相手がソフト指しじゃないかと疑心暗鬼になっとるんでないの

      実際、ネット将棋でそれやっている人がいるんですよ。

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      コンピューターが将棋棋士に勝ったとき、
      将棋は衰退するのか、プロ棋士の存在意義は何か、これから何が起こるのか、と色々な人が考察したが、
      この事件も起こるべくして起きたことだろう。

      技術や情報の革新はプロや職人の価値や、それによって生み出されるものの価値を貶める。
      ラッダイト運動は社会の富の増大に逆らうものだから悪と言えたが、
      趣味や喜びや知的な楽しみまで機械に奪われるのが正しいとは中々言えないよ。

      • > 趣味や喜びや知的な楽しみまで機械に奪われるのが正しいとは中々言えないよ。

        ・趣味で人間同士、あるいはソフトウェアと将棋をうつ楽しみは奪われていない
        ・自動車のほうが速いからと言って、長距離走のトップアスリートの価値は損なわれていない
        ・「強い将棋ソフトウェアを開発する」という新しい「知的な楽しみ」が生まれた

        親コメント
  • by Anonymous Coward on 2016年12月27日 14時26分 (#3136287)

    将棋ソフトで練習しすぎると、意識していなくても将棋ソフトと同じ思考をするようになる「人工知脳」というものがあるのではないだろうか。

    #人工知能は1日1時間にしよう。

  • by Anonymous Coward on 2016年12月27日 14時35分 (#3136291)

    朝日新聞によると
    > 会見の終了間際、但木氏は「今回、全体の利益のために三浦さんが
    > 被った不利益がある」と述べた。出場停止によって、4千万円超の
    > 優勝賞金がかかった竜王戦七番勝負に出場できなかったほか、
    > 期間中の対局が不戦敗となりタイトル戦の予選クラスが降格になる
    > 恐れがある。「それについてはそれなりに公平な状態に戻すことが
    > 考えられるだろう。三浦さんと連盟の間で早急に考えて、一刻も早く
    > 正常化してもらいたい」と要望した。

    と第三者委員会の委員長が言ったそうです。
    とはいえ、「公平な状態」「正常化」ってまず無理じゃないかと
    いうくらい難しい。竜王戦は対局料と賞金の半額を出せば必要最低線は
    守られるけど、順位戦とかほかの棋戦の予選とか、現状回復が
    できそうにない。どうするんだろ、これ。

    • by Anonymous Coward

      順位戦については、B級1組から2名昇級、A級から1名三浦氏を除いて降級させ2017年度は11名で行うしかないのでは?
      で、2018年度はさらにB級1組から2名昇級、A級から3名降級させてA級を10名に戻す。
      B級1組は14名になってしまうが、それは2019年度にB級2組から2名昇級、B級1組から3名降級させて13名に戻す。

      日本将棋連盟の規約上はA級は「原則」10名、B級1組は「原則」13名となっているので問題ないです。

      • by Anonymous Coward

        でも、すでに三浦九段に順位戦で不戦勝した人がいて、
        その人たちは本来得るべきではない優位を得ているんですよね。
        じゃあさかのぼって本年度のA級順位戦で三浦九段との対局は
        すべて相手方の勝ちとする、とした場合はもうすでに負けてる人が
        不当に得をするような気がする。
        おまけに、三浦九段は1月から3月まで勝っても負けても
        昇降級関係なしで対局する? モチベーション問題とかありそうで、
        落としどころが判りません。

        • by Anonymous Coward

          対局が三浦氏だった試合は全部勝敗に数えないものとして、降級者は残り9名の総当たりの結果で決めるとか。
          三浦氏は無条件で残留。1〜3月の試合の対三浦戦をするかしないかはまああるけど。

  • a) タイトル戦中に疑惑が発覚する →結果黒(疑惑は事実。タイトルスポンサーからの責任追及。)
    b) タイトル戦に出場させない →結果白(疑惑は濡れ衣。棋士に対する回復不能に近い名誉毀損。機会損失。)

    連盟としては上記 b) の結果となってもかまわない覚悟を持って a) の結果を回避するべくタイトル戦に出場させない(年内の出場停止処分)という手段を取ったのでしょう。
    「証拠なし」の結果を受けた今、今回の事態について何をどう反省し、棋士一人の名誉を激甚に毀損した(免れ得ない)責任をどう取っていくのか記者会見に注目したい。

    #記者会見では以下が聴けるものと期待しているが、どうなるか。。。
    ・経緯説明
    ・謝罪と反省
    ・処分と(三浦弘行九段に対する)不利益の補填)
    ・新体制発表
    ・新公式ルール(対局中の棋士の行動に対する制約)発表

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