haloの日記: インタビュー ウィズ ブルース=スターリング (13) 9
13)Reflections on a future that has arrived. :sugarman asked
13) やって来た未来を検討する: sugarmanによる
We are starting to see parts of the future that you, Mr. Gibson, and others in the cyberpunk genre have predicted come true. Items such as the Mirrorshades are closer than ever to being a reality (the recent work by IBM on body portables being an example).
Are you surprised by how much what you forecasted has or has not come true? Is there anything you thought for sure was going to happen but didn't?
And though hindsight is often useless, in what ways would the current situation (cultural/political/technological) change the stories that you have written? Part of the trap with writing speculative fiction set in the near-future is that as the future date approaches, unless you are dead on with the predictions, the story will move into the realm of wild fantasy. John Carpenter's 'Escape from New York' serves as an example. In the end, it all comes down to the story. How well do you think your stories (and cyberpunk in general) will stand up in 20 years time?
―――あなたやギブソン氏やその他のサイバーパンク界の人たちが予言した未来の一部が、我々の前で現実のものになりつつあります。ミラーシェードのようなアイテムは、かつて無いほど現実のものに近づいてきました(最近のIBMによるウェアラブル・パソコンが一例です。)
あなたの予見がどれだけ実現し、またどれだけ実現しなかったかということについて、驚きはありましたか?あなたが必ず起きると確信していたことで、でもそうならなかったことはありましたか?
そして、後悔先に立たずとはいうものの、現在の(文化的/政治的/技術的な)状況が、あなたの書いてきた小説に与えた影響はどのようなものですか?近未来を舞台にしたスペキュレイティブフィクションを書くことに伴う罠の一部は、未来の日付が近づいてくるに従って、その予言がずばり的中でもしない限り、物語が的外れな空想の領域に入ってしまうことです。ジョン=カーペンターの「ニューヨーク1997」が一つの例を提供しています。最終的には、物語が全てなのです。あなたの小説(そしてサイバーパンク全般)は20年という歳月を持ちこたえられると考えていますか?
*I'd have to refer you to my earlier answer. I can tell you that I expect the year 2000 to be a pretty lively time. It's a good opportunity to shed a bunch of the old approaches and to think science fiction through from first principles again. Next time I write a science fiction novel, I hope will be a book which could only have been written during the 21st century.
*The part about it "all coming down to the story in the end" is completely bogus. "Escape from New York" is a great piece of pop futurist cinema, but it has no "story" in it. A guy goes on a quest with a time-bomb in his neck. That's not a "story." It's just a wind-up spring to get you through the ensemble cast and the set design. And the dialogue, which is great "Snake -- I heard you was dead." The movie works because it's a spectacular head-trip, not because of its so-called story-telling.
Sterling: 君には、前に出た僕の答えを参照してもらう必要がある。僕は、2000年がかなり活発な時期になると期待しているとは言える。古い方法論を束にして振り捨てて、サイエンスフィクションを第一原理から考え直すいい機会だ。僕がサイエンスフィクションの小説を書く次の機会には、それが21世紀にしか書けない物になることを願ってるよ。
「最終的には、物語が全てだ」とかの部分は全くのでたらめだ。「ニューヨーク1997」はポップな未来派映画の優れたものの一つだ。でもそこに「物語」は無い。一人の男が首に時限爆弾をつけて冒険に行く。そんなのは「物語」じゃない。それは君を登場人物のからみや舞台設定に放り込むためのバネ仕掛けに過ぎない。そして台詞、こんなすごいのだ。「スネーク……お前は死んだって聞いてたぜ。」 その映画がうまくいってるのは、それが豪快に頭をトリップさせてくれるからで、そのストーリーテリングとか言われるもののおかげじゃない。
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2問目にして、全く自信のなくなる設問です。
"In the end, it all comes down to the story."ってこれでいいんかいな。
reflect on (スコア:1)
Re:reflect on (スコア:1)
Re:reflect on (スコア:1)
「やって来た未来を(かつて予言したものと比べて)検討する」ってことですね。直します。
it all comes down to the storyとかなんとか (スコア:1)
"how much"と"but"が気になったのですが、日本語としてわかりやすいかなと「実現した/しなかった」を個々に分けたけど、くどくなったかもしれないですね。くどいといえば"Are you surprised"を「発見はあったか」というのもそうかな。
私の訳もなんだかおかしいような気がしないでもない。
これは...訳者味やね。はは。まあだいたい
という感じだと思うんですけどね。
Re:it all comes down to the storyとかなんとか (スコア:1)
(質問第3段落)
最終的には、それ(現実と物語とのズレ)が物語に影響するのです。
という訳も考えたんです。これだと質問第3段落は首尾一貫するんですよね。質問者は、物語が現実によって裏切られること、それはSFの宿命と言ってもいいんだけど、それをスターリングがどう捉えているかを主題にしてることになる。ただ、そうするとスターリングの回答とイマイチかみあわない。
「物語が全てだ」というのはスターリングの回答とはかみあうんだけど、質問の文脈がふらついてる気がする。
とりあえずここ [cambridge.org]を参考に今の訳にしてます。も少し考えます。
そもそも質問者が"Escape"なんかを例示するから、ややこしくなると思うんですけどね。文脈からするとむしろ「2001年」だと思うんですけど、インタビュー時期が1999年だったから持ち出せなかったのかな。
Re:it all comes down to the storyとかなんとか (スコア:1)
Janisの場合も問答単位で見ると噛み合ってないなあ、という感じのがあったんですが、まあ全体を通して見ると答えは出揃っているかな、と思って極端に気にしないようにしました。で、あまりにわかりにくいのは訳者補足部分を明示して、ここで間違ってたら訳者が悪いんだよ、と。
しかし"it all comes down to the story"は...そうですね。「物語を左右する/影響する」という質問を「その辺はでたらめだ」と一蹴しているような、乱暴な感じに誤読するのを誘いそう。
Re:it all comes down to the storyとかなんとか (スコア:1)
dead on (スコア:0)
Re:dead on (スコア:1)