無線は有限の無線帯域を複数人で分け合うという宿命であるがゆえに、その帯域を使って通信する人間が多いほど一人当たりの通信速度は落ちます。
普通に通信規制など行わなくても速度は落ちるんです。
あまりに通信リクエストが多発する場合上位の制御装置がパンクして死んでしまうため、混雑エリアの移動局…端末をざっくりグループ分けし、時間ごとに発信許可を順に与えることでリクエストの受け取りそのものを絞る、などをして最低限の通信と設備維持の確保をするそうです。
これがイベントや災害時に起こる「繋がりにくい」の正体の一つだそうです。
で、そこまでではない場合は単純に速度が落ちる、で済む場合がほとんどですが、
その場合、「全員一律に同じように速度を遅くする」と言うのは、ひっじょうーーーーに筋が悪いやり方だそうです。
単純に言えば「さっさと通信が終わるひとにはさっさと終わってもらったほうが、『混雑した人の数』は少なくなる」という理屈との事。
データ通信において具体的には
・通信量が少ない(=通信時間が短い)
・無線品質が良い(=通信速度が速い=通信時間を短くできる)
を基準に機械的に判断してるとか。
ただ無線品質はともかく、何のデータをやり取りしてるかはわからないため通信量に由来する制御は、「長く通信するほどリソース割り当ての優先順位が下がる」的なやり方をするそうです。
無論それだけだと「一人がいつまでたっても通信終わらない」的な事になりかねないので、もっと複雑な制御をするそうですが。
さあ、ここまで来ると察しのいい人はもうわかるでしょう。
そうです、「日ごろから1回の通信量が非常に多い≒1回のリソースの占有量が多い回線」というものの把握は、装置側での対応は不可能ではありません。
実際にそこまで細かい情報の記録は無理でも、「一定期間内にどれだけ大量の通信をしたか」程度なら現実的でしょう。
ならば「あ、この通信いっつも沢山無線リソース使う回線からだ。この混雑時にこいつにまともに付き合ってたら他の通信が割食っちゃうかもしれんなぁ。よし、ちょっと後回しにしちゃおう」という制御が可能になっちゃうのです。
というわけで、本来この制御は「無線リソースの割り当て順位が最初から低いため、混雑時にリソースを奪われやすく、通信が遅くなりやすい」程度のお話のはずなんです。HPでの文言が「遅くなる場合があります」とはっきりしてないのは、そういう理由からです。
ぶっちゃけソフトバンクの苛烈な規制が「???」だったんです。よっぽど設備がタコなんでしょう。
さて、こっから妄想過多な駄文。
ドコモが規制解除したのは額面どおり「快適に利用できる環境整備が整ったため」というわけでしょうが、より正確に言えば「規制されても気になるほど遅くはならない」から明確で一律な規制を撤廃したんでしょう。
多分もともと規制条件を公開していたのも、規制対象から通信スピードについて文句が来て、その対応に苦慮したからでしょうね。
また、ドコモは新プランで「スピードモード」なる
「もっと使え…もっと…もっと…そして死ねぇ!!(高額なパケット料金を突きつける)」
となりそうなプランを地味に押してるんで、変に規制かけるより早々にパケットパック上限まで使い切ってほしいのでしょう。
注)スピードプランによる追加パケット量にもあらかじめ上限を決められるので、無条件でパケ死ぬわけではないです。
auの3G制限は…なんででしょうね。結局新プラン潰したいんじゃないでしょうか。
あと、この手の制限は利用者に心理的な枷をはめて自発的に通信ピークを下げさせる効果があるみたいです。
なので、当分積極的な設備投資をしたくない、って意思の表れでもあるんじゃないでしょうか。