オーストラリア連邦裁判所は 14 日、PC のモニターバンドル価格で消費者を欺くような表示を行っていた Dell Australia に 1,000 万豪ドルの罰金を命じた
(
裁判所文書、
ACCC のプレスリリース、
Ars Technica の記事)。
Dell は 2019 年 8 月から 2021 年 12 月にかけて、ウェブサイトで PC を購入する際にモニターを同時購入すると大幅な値引きが行われるかのように、モニター価格に打ち消し線を入れて値引き価格を表示していた。しかし、打ち消し線を入れた価格は標準小売価格であり、PC との同時購入でなくても値引きが行われていたことから、豪競争・消費者委員会 (ACCC) が消費者法違反で Dell を提訴。
6 月には連邦裁判所が差額の返金などを命じていた。
今回の罰金は価格に関する虚偽または誤解させるような表示を禁じた
豪消費者法 29 条 (1)(i) 違反に対するもので、罰金の最高額は 1,000 万豪ドルだ。Dell が不正行為で得た利益は 333 万豪ドル未満であり、3 倍しても 1,000 万豪ドルには達しないが、企業規模や経営陣の中に違法表示を知っていた人がいることなどを勘案して最高額の罰金となった。
罰金の内訳としては、打ち消し線を入れた価格表示に 700 万豪ドル、購入時の価格表示に 300 万豪ドルとなった。連邦裁判所では消費者が実際に購入したセット以外にも打ち消し線の入った価格を目にしているとして、打ち消し線に対する罰金の比率を高く算定している。