Firefox は 2014 年から 2017 年まで既定の検索エンジンをそれまでの Google から Yahoo に変更しているが、Mozilla CEO のミッチェル・ベイカー氏によるとこの「失敗」により Firefox ユーザーが望む検索エンジンは Google であることが判明したという
(
Ars Technica の記事)。
この発言は
米政府と各州が Google を訴えたアンチトラスト訴訟で、証人として出廷したベイカー氏が述べたもの。Google は同社の検索エンジンが他社よりも優れているため大きなシェアを獲得したと主張して、Firefoxの検索エンジン変更を例に挙げており (
PDF)、ベイカー氏の証言はこれを裏付けるものだ。
2017 年の ComputerWorld 記事によれば、Yahoo は Googleよりも 1 億ドル多い年 3 億 7,500 万ドルを収益分配する条件で Firefox で既定の検索エンジンとなる 5 年間の契約を 2014 年に結んだのだという。この契約では、Firefox ユーザーにも少ない広告や少ないデータ追跡といったメリットが提供された。
しかし、Yahoo は徐々に約束を反故にし、検索エクスペリエンスも劣化していったという。ベイカー氏自身も Yahoo で検索することにうんざりして Google に設定変更したそうだ。契約は 5 年間だったが、他社が Yahoo を買収する際には有利な条件での契約解除が可能であり、2017 年に Verizon が Yahoo を買収したのを契機に契約を解除して Google と再び契約したとのこと。
ベイカー氏によれば、Yahoo がデフォルトだった 2014 年 ~ 2017 年には Firefox を使い続けるユーザーが目に見えて減少したという。この減少は Yahoo との契約だけではないが Firefox ユーザーが期待する検索エンジンが Google であることを明確に示したものであるとのことだ。