火星探査機「のぞみ」の危機 92
ストーリー by Oliver
希望をすててはいけない 部門より
希望をすててはいけない 部門より
37A曰く、"読売新聞で火星到達はのぞみ薄?…日本の探査機に3つの関門というタイトルで、「のぞみ」の危機が報じられている。記事では、原因は以下の2点と報じられている:地球重力圏を脱出させる際に燃料を多く使いすぎた、太陽表面の爆発の影響で部品の一部がショートしたことにより電源周りに障害が発生した。これにより、火星の周回軌道に入る際の燃料が心細く、電源障害により観測データが全く得られていないとのこと。
今後は、できる限り燃料を節約しつつ火星周回軌道に乗せる、遠隔操作で電源障害を復旧する、しかも電源の復旧は火星探査機の投入以前に行わなくてはならない、という3つのポイントを乗り越えなくてはならず、成功の可能性は高くないそうだ。
記事の最後のほうに「重量を抑えるため十分な燃料を積めなかったのが、のぞみのトラブルの遠因。H2ロケットでの打ち上げも可能で、軽い衛星しか打ち上げられないM5ロケットにこだわるべきではなかった」というアナリストの見解が載っているけど、「のぞみ」打ち上げ当時って、H2で打ち上げるほうがハイリスクだったような気がするんですけど…"
星ナビ7月号記事 (スコア:5, すばらしい洞察)
宇宙開発、あるいは、衛星による天文学研究に対して厳しい目が向けられるのは当然だと思います。それは、率直に受け止められるべきでしょう。一方で、あまりに何も知らずに何も調べずに、憶測と妄想だけで書かれた記事が大手を振ってまかり通る現状には耐えがたいものがあります。怒りを通り越して、諦めとも悲しみともつかない気分。
---いちおう関係者な通りすがりの天文屋
のぞみで行くからね! (スコア:1, おもしろおかしい)
そりゃ火星までは無理ぽ。
親子の会話 (スコア:2, おもしろおかしい)
まだ、「のぞみ」が走り始めてすぐのころです。
自分:「のぞみ」で行こう!
親父:(時刻表を眺めつつ)「のぞみ」、ないぞ(笑
あのさ、仮にも受験を控えてるんだからさ、もうちっと言い方ってものが…
結局、落ちたからAC
Re:親子の会話 (スコア:1, おもしろおかしい)
きぼう(宇宙ステーションの日本モジュール) とか、
どうにも絶望の淵から見上げるような名前ばっかりで暗いなぁ、
…って思うんですけど考えすぎ?(^^;
「ひてん」「はごろも」とか、イカス名前もつけてるのに、火星探査機が「のぞみ」ってのは、やはりかなり成功率が低いと踏んでたのかな。
#イオンスラスタの実験が成功すれば、燃料不足で泣くことも減りそうですねー。
Re:親子の会話 (スコア:3, 参考になる)
「Nozomi -- which means "hope" in Japanese --」
「KIBO -- which means "hope" in Japanese --」
「HOPE-X」
っていうのばっかりで、向こうの人にとってはみんなhopeって感じなんだろうなと。
Re:親子の会話 (スコア:0)
Re:親子の会話 (スコア:1)
うーん?同意したいところなんだけど、 どうも逆に思えるんですよね。
「希望」って
「望みがうすい」って意味では?
だから、希望の方が "wish" の意味に 取れるんではないかなと思うんだけど。
冀望(きぼう:こいねがう) (スコア:1)
#冀(こいねがう)の意味だし。
#Win文字依存かも知れんがAC。
Re:親子の会話 (スコア:0)
縦割りの問題? (スコア:1)
ってこともなかったと思うけど、H-IIはNASDAで
M-VはISASなのよねー。ってことで。
それより、読売の記事の下のほう、
が気になる。今月打ち上げて年末に届くのか!速い。
May the source be with you... always.
Re:縦割りの問題? (スコア:2, おもしろおかしい)
# 殺されるほうが先か?
Re:縦割りの問題? (スコア:2, 参考になる)
でも、
・1998年2月21日 H-II・5F
→2段目エンジンの燃焼ガス漏洩で衛星の所定軌道投入に失敗
・1998年7月4日
→「のぞみ」打上げ
・1999年11月15日 H-II・8F
→1段目エンジン停止で小笠原近海に落下
という時系列ですから、H-IIで打ち上げる予定にしていたら、そもそも打ちあがらなかった可能性が高いのです。
まあ、コメンテイターの名前をみてどうせそんな程度だろと思いましたけど。
Re:縦割りの問題? (スコア:1, 興味深い)
# 本や著者が勘違いだったらどなたか御指摘お願いします…いいがかりになっちまう。
またこの人ですか… (スコア:3, 参考になる)
H-II8号機の打ち上げ失敗の際は「今回の失敗で日本の宇宙ビジネスは全部チャラ、最初からやり直しだ」と発言。(とあるニュース番組にてコメント)
スペースシャトル・コロンビア号の空中分解事故では「シャトルのコンピュータなどにハッキング(原文ママ)された可能性もある」と発言。
毎日新聞 [mainichi.co.jp]・日本経済新聞 [nikkei.co.jp]
そして今度は「燃料積んでなかったから」と発言。ひょっとしてNASDAやISASやNALになんか恨みでも持ってるんでしょうかこの方。もはや誹謗のレヴェルに達してるような気がしてなりません。
私はこの方のご発言は、既に信用云々とかじゃなくてウォッチ対象としてみています。
Re:またこの人ですか… (スコア:1)
毎日の記事
> そのうえで「機体を制御するシャトル後部にある小さな翼(約8メー
> トル×約2・5メートル)が何らかの原因で脱落し、その後部にある
> メーンエンジンに高温の大気が入り込んで爆発した可能性もある」
> と話した。
メーンエンジン(SSME)って上昇終了時点で、燃料タンクを切り離してあるから爆発させるのは難しいと思う、しかも大気で...(笑)
OMS/RCSだったらまだわずかでも可能性はあるけど。
>ひょっとしてNASDAやISASやNALになんか恨みでも持ってるんでしょうかこの方。
私は、単に不勉強かつ知ったかぶりなだけだと思います。
Re:またこの人ですか… (スコア:0)
自分がその分野でまともな事ができないから、他の仕事にケチをつけることしかできない。
中冨は特にひどいけどな!
某宇宙工学アナリスト (スコア:1)
ついででなんだけどその記事の訂正を:
書名→「アメリカ宇宙開拓史」
キャプションの誤り→「国内静止通信衛星の地上局」
でした。
Re:縦割りの問題? (スコア:1, 興味深い)
打ち上げ失敗を結果論であげつらうのはフェアじゃないと思いますよ。計画段階ではH-IIはまだ失敗していませんでしたし、「のぞみ」のひとつ後ろのM-Vは打ち上げ失敗してますし。
「燃料不足」と言ってしまうのは確かに乱暴ですが、M-Vの打ち上げ能力が低いために探査機がギリギリの設計を強いられているという側面はあるでしょう。打ち上げ能力に余裕があれば、不可視領域での月加速スイングバイというバクチを打たずにすんだわけですし、電源系のトラブルもシールドに充分な余裕を持たせていれば防げたのかもしれません。
Re:縦割りの問題? (スコア:1)
火星航路は大混雑 [srad.jp]らしいです。
Just a whisper. I hear it in my ghost.
遅くなったのぞみ (スコア:1)
今年は、地球と火星の位置関係が良いのでそうなるのです。
「のぞみ」の場合も、最初の地球スイングバイで、燃料を使い過ぎなかったら、1998年7月の打ち上げから1年ちょっと(1999年10月)で火星に到着していたんですけどね。
masamic
6月19日に第2回スイングバイ (スコア:1)
とりあえず軌道変更を行う予定のようですよ。
Re:6月19日に第2回スイングバイ (スコア:5, 興味深い)
近地点でのOMS噴射時のバルブ開コマンドが通り損ねたおかげでめくら撃ちになったコマンドがビット化けでタイマが暴走、推進剤を大幅に無駄にしたものの諦めずに執念で地球スイングバイ7回、視野1度のハイゲインアンテナを地球に向けると電力が取れないから太陽指向でめくら飛行、そしてめくら状態の地球スイングバイで北極方向に飛ばし、そしてどんぴしゃの帰還です。
軌道制御の精度は世界一と言って問題の無い水準です。
努力は凄まじいのですが、探査機はなんというか設計間違えている気がしました。自分が事業団系の設計に漬かっている所為もあるのでしょうが、もちょっと堅い仕様と、現代風の設計で、等とも思ってしまいます。あと、運用に負担のかかり過ぎる点は要改善項目でしょう。
しかし軌道操作の予定が出てるという事は、不具合は抱えているもののバスは生きているという事であり、うまくいく可能性は結構高そうです。
Re:6月19日に第2回スイングバイ (スコア:1, 参考になる)
三機関統合で、融通できるリソースが少しでも増える事を祈ります。
Re:6月19日に第2回スイングバイ (スコア:1)
機関統合で、互いに良い影響が及ぼせる事を祈っています。
Re:6月19日に第2回スイングバイ (スコア:1)
ってのはどうかと。
Re:6月19日に第2回スイングバイ (スコア:1)
ちなみに地球近傍だと、タイミングが1秒狂うと30キロずれます。
むむむ (スコア:1)
・推進剤に余裕がない
・正確な位置(軌道)測定が出来ない
で良いのでしょうか?
で、通常は
「スイングバイ軌道に軌道変更するには、
(1)軌道の変更情况を観測しつつ、
(2)何度かにわけて推進剤を噴射する」
のでしょうか?
今回は(1)も(2)も思うように出来ないのを計算で全てカバーした、という理解でよろしいのでしょうか?
#「でしょうか?」ばっかしだなぁ。
Re:むむむ (スコア:1)
噴射はおそらく1度です。まず探査機をスピンアップし、姿勢制御して推力軸線を確定して、適切なタイミングで適切な間OMSを噴射することになります。その後スピンダウンし、再び太陽指向に制御を戻すことになるでしょう。
オペレーションが全て順調に進めば、地球スイングバイで必要なデルタVを獲得し、そして探査機は減速に必要な推進剤を温存したまま火星に到達できるでしょう。しかし、全てが巧く行くなんて考えないのが宇宙開発の世界なんで……
Re:6月19日に第2回スイングバイ (スコア:1)
# でも、今後は「手間いらず」とか「朝飯前」とかう名前の探査機を打ち上げて 欲しい。
-- 哀れな日本人専用(sorry Japanese only) --
SAC掲示板に今回の記事に関するコメントが! (スコア:1)
のぞみの開発段階からの状況等も分析されていますので参考になるかと。
従来から読売は宇宙開発に対して否定的な記事を書くことが多かったと認識
しているのですが、これは記者個人のスタンスなのか読売自体のスタンスなのか、、
個人的に気になるところではあります。
# 否定的だった記事へのリンク入れようと思ったら全部リンク切れの罠。
# 読売オンライン(だけでは無いが)ってすぐにリンク切れちゃうんですよね。
# と文句言いつつ読売新聞を購読しているのは洗剤に目が眩んだカミサンのおかげ。
実は・・・ (スコア:0)
・・・負けるな「のぞみ」タン
でもって、
「ホンモノ(の火星)がどんなものか、
この目で見させてもらおうじゃねーか!!」
ってことで。
Re:実は・・・ (スコア:1)
勇者特急隊 出動だぁ!
#失礼しました
____
#風邪をひきました、脳が故障しています
#残念ながら仕様です。
Re:実は・・・ (スコア:0)
「ひかり」でだめなら「こだま」…
Re:実は・・・ (スコア:1)
Re:実は・・・ (スコア:1)
それだと、「やまびこ」も駄目ですね。
#あ、「はやて」なら今から打ち上げても間に合いそう。
Re:実は・・・ (スコア:1)
#ごめんなさいごめんなさい
Re:実は・・・ (スコア:0)
Re:実は・・・ (スコア:0)
野暮なのでAC
(-1:Flamebeit) (スコア:0)
> 約200億円を投じた計画は、宇宙のかなたに消えてしまうのだろうか――。
たかが200億程度でぎゃあぎゃあ抜かすな。
その気になれば11発も打ち込める [asahi.com]カネあるんだからよ。
6発分も赤だしてる [fujitsu.com]カイシャもあるしな
Re:(-1:Flamebeit) (スコア:2, 参考になる)
> 約200億円を投じた計画は、宇宙のかなたに消えてしまうのだろうか――。
後半は確かにフレームの元かもしれませんが、毎日新聞はかつてこういう [mainichi.co.jp]記事の中で、
>打ち上げに失敗すると、しばしば「○○億円が宇宙のごみに」などと
> 報道される。だが、この表現は当たっていないと感じた。なぜなら、
> ロケット製作にかかる費用の大部分は「技術料」だからだ。いったん
> 技術者が身につけた技術は、無駄にはならない。試運転が出来ない
> ロケットにとって、失敗は進化するための材料だとも言える。
などと書いたこともあるのですから、もうちと書き方があるように思いますけどね。ちなみに、ISASの科学衛星はNASDAのロケットに輪をかけてチャレンジ精神にあふれたものですし。
つまり (スコア:1)
「思い出」はあなたの中に残ったのよ。
ってお話ですか?
#まだ消えてないって>のぞみ
Kiyotan
Re:(-1:Flamebeit) (スコア:0)
報道全般ってことならOKです。
間違いです.. (スコア:1)
わ、すみません、何故か混同してました(^^;;
> 報道全般ってことならOKです。
今回のは勘違いですが、基本的にはメディア全般に対してそういう
思いはあります(宇宙開発関係に限らず、技術開発に関して)。
指摘どうもです。
確かに... (スコア:1)
ポンと民間企業の穴埋めで国庫から出せてしまうんですね。
そう考えると、宇宙開発事業ってずいぶん安いなぁ。
銀行なんて幾ら潰しても構いやしませんから、
どんどん将来性のあるプロジェクトを進めて欲しいです。
# 全額保護される範囲内の資産しかないので暴言
Re:確かに... (スコア:1)
> ポンと民間企業の穴埋めで国庫から出せてしまうんですね。
だったら、気象衛星のほうもとっとと打ち上げて欲しいポ!!
*-----------------------*
-- ウソ八百検索エンジン --
Re:(-1:Flamebeit) (スコア:0)
#あまりに非常識な額なので混乱してしまう
誰か突っ込めよ (スコア:0)
2.2兆÷200億=110
かの美しき象(かたち)は翼を開きてわが前に現わる (スコア:1)
ISASを責めるのはみずほ銀行首脳陣を110回くらい責めてからにしてください。
>何十億円も無駄にしながら,どうせ今回も,だれも責任とらないだろうな。
みずほ銀行の・・・
比較するのはアレですが、失敗しないと技術ってのは身につきませんから
十億二十億でガタガタ言うのはナシにしましょうや。
今後の実用衛星にその教訓が活かされるんなら安い買い物です。
そもそも火星探査機なんて失敗の歴史 [toyama.jp]なんですから。米ソも激しく失敗しまくって今があるのです。
一度二度の失敗にめげてたら宇宙なんて永遠に手に入りませんよ。
だからISASがんばれ。超がんばれ。
昨日読んだ本:栄光なき天才たち(8)「宇宙を夢みた男たち」
性質の違い (スコア:1)
だから新しい技術を試してみて、失敗するのも仕事のうちだったりするわけです。
失敗しないことには技術のノウハウってのは蓄積されませんから。
(もちろん、失敗の原因を探って二度と同じ失敗をしないようにする
必要があるのはもちろんです)
で、銀行の仕事ってのは……なにも技術的なチャレンジは必要ありませんよね?
堅実に、預かったお金をしっかり堅実に運用するのが仕事ですよね?
自ずから二者の違いは明確であり、失敗するのが仕事である宇宙開発が
失敗を責められてそうではない銀行の失敗が看過されるってのは
やっぱなんか違うと思いますのだ。
必要な無駄金、そうでもない無駄金 (スコア:2, すばらしい洞察)
堅実なはずの事業で失敗したなら、そりゃあきっちり責任を追及するべきだろう。けれど、宇宙開発のような最初からリスクが大きいとわかってるところで、同じことをやるのは得策じゃない(あるていど失敗することは最初からわかっているのだから)。
ぶっちゃけ、無駄金に終わるかもしれない可能性は最初から見えているのだ。それでも金を突っ込む以上、どの程度のどういう失敗なら許されるのか、という線引きが必要なんだと思う。そのへん決めずになんとなく成功だ失敗だと騒いでいたんじゃ、ますます無駄金が無駄になる。
# そういう意味では、宇宙開発の現場はかなり誠実にやってるんじゃないかと、思うのだけど。