酸化亜鉛を素材とした青色LEDの開発に成功 58
ストーリー by Acanthopanax
亜鉛の青 部門より
亜鉛の青 部門より
KAMUI 曰く、 "河北新報の記事に依ると,東北大学金属材料研究所の川崎雅司教授らの研究グループが,酸化亜鉛を素材として青色発光ダイオードを作る事に成功した。(ニュースリリース:酸化亜鉛のp型伝導制御とpn接合の青色発光に世界で初めて成功)
酸化亜鉛(ZnO)は日焼け止めや化粧品などの他,半導体材料まで広く使われる非常に安価な産業用素材。従来の窒化ガリウム(GaN)に代る青色LEDの素材としても期待されていた。発光ダイオード(LED)を作るには負の電荷を持つn型半導体と正の電荷を持つp型半導体が必要とされる。酸化亜鉛ではp型の生成が難しかったが,今回,結晶の成長にレーザー加熱などを用いる事で結晶の品質を維持してp型の生成を行ない,安定発光する青色LEDの試作品を完成するに至ったという。
詳細は Nature Materials誌に掲載されるほか,ウェブでも公開されている(要登録)。"
キックオフ (スコア:3, 興味深い)
どちらの陣営にとってもサッカー・ワールドカップ・ドイツ・2006に合わせて今回の青色発光ダイオードを使ったリーズナブルな価格のレコーダーを発売したいでしょう(日本代表がドイツに行く場合は特に)。
でも、実用化は「3年をメド。」
産学共同研究で今回の青色発光ダイオードの開発が加速されるでしょうね。
# でも、間に合うのか?
Re:キックオフ (スコア:3, 興味深い)
新聞発表の読み方
三年後を目処 = ほぼ無理
五年後を目処 = 絶対無理
だって、実用化について言及しないと
載せてくれないんだもの。
Re:キックオフ (スコア:2, 参考になる)
河北新報の記事で「さらに、高性能DVDの開発も期待できる」と話している」と書かれているのは、BluRay や HD DVDを飛び越して、次々世代DVDの開発を指しているのかも。
# 次々世代でも UVRay 対 SHD DVD とかやるのはやめてね!
Re:キックオフ (スコア:0)
Re:キックオフ (スコア:1)
ピックアップ部分のダイオードの値段が、そのレコーダー全体の価格をそんなに左右するんでしょうか?
Re:キックオフ (スコア:1)
夏季五輪ほどの特需は期待できないでしょうね。
夏季五輪>>ワールドカップ>>>>>>>>冬季五輪ってとこかと。
(他のスポーツイベントは割愛)
むしろ地上デジタルの浸透具合が鍵になるんでは?
2年後なら出揃っているだろうし買い換え需要とかもありそう。
---- 何ぃ!ザシャー
Re:キックオフ (スコア:1)
日本人よりもサッカーに熱中してて、かつ日本よりもDVDレコーダーが普及してない地域の方が多いと思うし。
あ、でも日本以外の人たちは、サッカー中継をDVDで残したい!とはそんなに思わないのかな・・・
Re:キックオフ (スコア:1)
サッカーに限らず、日本ほど録画を残しておきたがる国は珍しいそうです。欧米では後で見るために録るだけで、見たら消すのは惜しまない。なのでHDへの録画しかできないTiVoでも十分なので流行った。日本は、スポーツでもドラマでもマイライブラリを作るのが好きな人が多い。なので、 Sony が Cocoon とか出したけど、DVDへ録画できないので流行らなかった。東芝などがHD録画と DVD録画を組み合わせて初めてブレークした。
Re:キックオフ (スコア:0)
私もFIFA,UEFA詣でを何回もしたくらいだから。
現在は昔より大きいと思う。(伸び率は鈍化してるが)
Re:キックオフ (スコア:0)
サッカーもそれなりにはイベント性があるようです。
で、ピックアップの値段についてはあまり関係ないかもしれませんね。
少なくとも3年のうちに実用化したとしても現行品の1/100の値段とかになるとは
思えませんし、なっても貢献度は低そうですし。
Re:キックオフ (スコア:0)
>価格をそんなに左右するんでしょうか?
それなりに左右するのでは?
ここ3年ほどのDVD-R関係のドライブの価格の推移を見ていると
劇的なものがあるし、その中で安くなる要素がある部品は
ピックアップ部ですし
Re:キックオフ (スコア:1, 興味深い)
次世代DVDには影響の無い話だろうきっと。
すごいけど。 (スコア:2, すばらしい洞察)
そして (スコア:2, 興味深い)
八木宇田アンテナとか光ファイバとかみんな使ってるモノなんだからもっとアピールしてもいいと思うのに。
いや・・・・ (スコア:0)
なので今回もなんかCOOLでカコイイ
Re:いや・・・・ (スコア:1, 興味深い)
COOLな態度ですが、昨今の理系離れを考えるとCOOLな成果を
出した時ぐらい、アピールしても品位を損ねないでしょう。
なるほど、 (スコア:1)
#こわいよ~
Re:なるほど、 (スコア:1)
そういや酸化亜鉛で紫外線の発光に成功した所もあったなぁ...
なんでも結晶を細かくしたんだそうだ...結晶サイズが色に?
# ↑昨日の日経産業新聞だったと思う
Re:なるほど、 (スコア:1)
>そういや酸化亜鉛で紫外線の発光に成功した所もあったなぁ...
>なんでも結晶を細かくしたんだそうだ...結晶サイズが色に?
お察しの通り、結晶サイズにより光の屈折率が変わったのが原因だと思います。
サファイアと呼ばれるコランダム鉱物のうち酸化クロム含有率の高いものだけルビーと呼ばれるのは有名ですが、この場合も酸化クロムにより光の屈折率が変わるのが色の違う原因と聞いています。
---- 何ぃ!ザシャー
Re:なるほど、 (スコア:2, 参考になる)
ありえません.
(通常の)発光はローカルな現象なので,屈折率云々は関係ありません.
#というか,多少結晶が小さくなったところでローカルな意味での
#屈折率は変わらない.
無論,量子効果が効くようなメゾスコピック以下ならサイズ効果も効きますが.
高エネルギーの発光素子で問題になっているのは余計な不純物準位での
再結合過程だったと記憶していますが?
ワイドバンドギャップの物質でも途中の準位で再結合すると低エネルギーの
発光になりますから,いかに不純物や欠陥を減らすかが鍵ですね.
>サファイア(中略)光の屈折率が変わるのが色の違う原因と聞いています。
どこで聞いたんだか知りませんが,出鱈目です.
あの色,単なるCrのd-d遷移ですから.
で,Crの濃度により配位環境による10Dqの大きさが変わるんで色が変わる,と.
このためCrの濃度が高すぎても低すぎても違う色になりますから,
>クロム含有率の高いものだけルビーと呼ばれる
も嘘.クロム含有率のちょうど良いものだけがルビー.
Re:なるほど、 (スコア:3, 参考になる)
たぶん元コメントの人は干渉と混同しているのではないでしょうか。
(そもそもルビー、サファイアは干渉ではありませんが)
>高エネルギーの発光素子で問題になっているのは余計な
>不純物準位での再結合過程だったと記憶していますが?
どのことを指しているのかよく分かりませんが、不純物による準位での
再結合過程は私の知る範囲での実際の開発の問題としては支配的ではないと
考えられています。
(そもそも不純物を減らすだけでは解決しないことが多い)
むしろ電子の局在状態(の違い)による非発光過程をどうやって減らすか
のほうが論点となっています。
物質にもよりますが、何でも完全結晶に近ければ良いというわけではない
というのが現在のところの私の研究している範囲での見解です。
>あの色,単なるCrのd-d遷移ですから.
はまあいいんですが
>で,Crの濃度により配位環境による10Dqの大きさが変わるんで色が変わる,と.
これは言いすぎじゃないですか?
コランダムに区別される範囲であれば、Crの濃度ではCrの配位状態はさして
変わらないと思いますが、もしその様な記述があれば出展を教えていただけます?
コランダムは見ておりませんが、他の物質での経験上Crの濃度が少々変わっても
配位子場は大きく変わらないと認識していますがどこかその相関を出されて
いますでしょうか?
>も嘘.クロム含有率のちょうど良いものだけがルビー.
もちょっと誇張表現のように感じます。
ルビーというのがそもそも色から名付けていてサファイアとの閾は
明確ではありませんし、Cr以外を含むルビーももちろんあります。
Crだけに着目すればCrの濃度によって赤色が濃くなりますので、
多すぎれば単に黒っぽくなる、が平易な解釈ではないでしょうか。
エメリー等はまた別の要因も含みますし。
Re:なるほど、 (スコア:2)
>のほうが論点となっています。
ああ、そうなんですか。
ちょうど身近で研究している方の今の問題が変なところでの再結合過程だった
んで、それが主なのかと思ってました。
>これは言いすぎじゃないですか?
はい、その通りでございます。別なものと勘違いしておりました。
#あっちはそもそも構造が違ったんですよね。調べなおしてて気がつきました。
#失礼。何と間違えたのかはまあ言わぬが花ということで。
>もちょっと誇張表現のように感じます。
確かに境は明確ではないんですが、多くても少なくても駄目なわけで、
その観点から「ちょうどいい部分がルビー」ってのは誇張ではないと
考えております。
#私の言う「ちょうどいい」ってのはpointではなくregionという感じで。
Re:なるほど、 (スコア:1)
真実とかけ離れててちっとも用例の体をなしていなかったことに猛省。
ルビーのCr含有率は1~2%でしたっけ?
それ以上含まれるとどんな色になるか参考までに知りたいです。
(既にオフトピですが)
# それにしても敷居の高すぎる話ですね…
# 用語から単位から専攻しないとついていけなさそう
---- 何ぃ!ザシャー
Re:なるほど、 (スコア:1)
そりゃもちろんエメリーになりますんで,灰色とか黒とかの不透明な,いわゆる
屑石になります.研磨剤にゃなるんですけどね.
#ちなみに少ないと色の薄いピンクっぽい石に.なんて言いましたっけか.
さすがに不純物が多いと構造はぐずぐず,まともな結晶にはなりません.
Re:なるほど、 (スコア:1)
宝石としては赤以外のコランダムはサファイアだと
思いますので「ピンクサファイア」かな。
Re:なるほど、 (スコア:1)
メイクアップで最もよく青色を使うのはアイシャドウ(次は頬のハイライト)なので眼で正しいと思われ
金研! (スコア:0)
ま、どうせ特許なんて迂回できればこっちのもんだし。 (スコア:0)
あのカリフォルニア大学サンタバーバラの中村のおじさんは
どうなるんだろう。
ま、どうせ特許なんて迂回できればこっちのもんだし。
学問としてのGaN LED (スコア:4, 参考になる)
GaNの結晶成長を行うにはサファイアと呼ばれる基盤の上に重ねて行きます。
サファイアというのは便宜的なもので、宝石のようにルビーとかエメラルドとか呼びわけしません
ところで転移というのがあります。
結晶の隣が抜けてしまったりすることで、ひとたび転移が発生すると
その上に作った結晶も転移になる(転移が伸びる)困りものです。
転移の部分でキャリアが消えてしまうので、半導体にかかわっている人は皆転移を嫌っています。
たしか青色LEDの研究が始まった頃はGaNもバンドギャップなどの特性で注目されていましたが
基盤がサファイアしか使えず、サファイアの原子間距離とGaNのそれでは
13%ほど異なることから、大量に転移が発生することが分かりました。
これを知ったとき、大抵の研究者はやる気をなくしてZnSeとか他の材料の研究を始めたそうですが
後発の中村氏は研究の進んでいない放置されたGaNで研究を行い、成功したと聞いています。
金研にもZnSeで青色LEDの研究で最先端を行っていた人がいたはずです。
ところで、GaNの転移の問題は解決したのか、というと、していないようなのです。
なぜ光っているか、色々言われているけれどハッキリしたことはわからないのではないでしょうか。
転移を減らす研究は色々あるようですが、根本的なところ、
GaNが転移だらけの結晶しかできないのに、なぜLEDとして機能するかが
たぶん分かっていないはずです。
現在は半導体とはまったく関係ないことをしているので、
なにか新事実が分かっているのかも知れませんが、
GaNの研究は、まだまだ分からない点が多いので商業的にはともかく
そちらの研究を続けることに意味はあると思います。
Re:学問としてのGaN LED (スコア:2, 興味深い)
GaNの開発が成功したのはこの特長があったことも大きいですね。転移があっても光る上にやたら丈夫な半導体で、寿命も長いです。
GaNの前に本命視されていたZnSe系の青緑色レーザーでは、ソニーなどが先頭に立って物理的に可能な限界まで転移を減らしたのに、結局寿命が今一歩伸びなかった経緯があります。
ただしGaNでも転移の影響は皆無ではありません。紫や紫外のLEDの発光効率に大きく影響しますし、転移が多いとまともなレーザーができません。このあたりが日亜(あとソニー、豊田合成?)など限られた企業しか実用レベルのレーザーを作れない理由になっています。
# だから安い海外製青色はあっても、紫、紫外、レーザーは無いはず。
ZnOもやっとLEDが出来た段階ですから、これから先、似たような苦労があるでしょう。でも最終的にGaNより高効率(低消費電力!)なものが出来ると期待されてるんですよ。 :)
Re:学問としてのGaN LED (スコア:1, 参考になる)
Re:学問としてのGaN LED (スコア:1)
研究、という観点からはやることはGaN,ZnO,ZnSeに限らず山積みだと思いますが・・・
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#そんなワタシはOS/2ユーザー:-)
Re:学問としてのGaN LED (スコア:2, 参考になる)
transitionが「転移」。
#現役ではナイ
Re:学問としてのGaN LED (スコア:1)
その後は(多分)コピー対策のためか、対外的に研究を発表するという事は無くなった様な気がしますが、この辺の経緯、詳しくご存知の方いらっしゃいますか?
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#そんなワタシはOS/2ユーザー:-)
Re:学問としてのGaN LED (スコア:1)
>ところで、GaNの転移の問題は解決したのか、というと、していないようなのです。
>なぜ光っているか、色々言われているけれどハッキリしたことはわからないのではないでしょうか。
これはまだちゃんとはわかってなかったはずです。レーザー発振ができるぐらいだから
なんか秘密があるんでしょうが、今ひとつ決め手に欠ける状況だそうです
Re:ま、どうせ特許なんて迂回できればこっちのもんだ (スコア:2, 参考になる)
中村氏とっては「研究のネタが増えた」というだけじゃないかな。
発明者は神。それを改良するのもまた神。 (スコア:1)
でも日亜は悔しいだろうね。この研究結果が二年くらい早く発表されてたら、希少金属を使って青色LEDを作る中村のおじさんにあれだけの額を払うこともなかっただろうし。
RはRevolution・Return・Rememberの意味です
Re:発明者は神。それを改良するのもまた神。 (スコア:2, 興味深い)
ことから来ているから、今回の発明で利益の算定額が下がれば、払うお金も減額されるんじゃないかな。
# 判決が確定して、支払い終わった後に今回の発明が出てきたらどうなったんだろう。
あぁ、「ン」が消えてるんですよ。「ビーフン・カレー」ね。
Re:発明者は神。それを改良するのもまた神。 (スコア:1, 興味深い)
中村氏の発明のキモは,それまでのレーザー・アニーリングでは無く単純な熱処理(アニーリング)でも青色LED用結晶を作れることを示したことです. 安い素材を使っても,レーザーが必要なのでは量産は厳しいのでは?
Re:発明者は神。それを改良するのもまた神。 (スコア:1)
ただ、いわゆるⅡ-Ⅵ族化合物半導体でPN接合ができたのは誇っていいと思います。
というか20年前に前澤教授、同じことしてなかった?
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#そんなワタシはOS/2ユーザー:-)
Re:発明者は神。それを改良するのもまた神。 (スコア:0)
まあ改良するのも神なのだから、みんな神なんだろうが。
Re:ま、どうせ特許なんて迂回できればこっちのもんだ (スコア:0)
基本的に教師。教えるのが職業。
研究目的で資金援助されているなら
成果が出ないと降格機動隊か could be!
でもぁ、脊髄反射で言ってると思うけど
安いかどうかより。製品は寿命で選択されるんよ
得にランプとしての目的だからね。
Re:ま、どうせ特許なんて迂回できればこっちのもんだ (スコア:1)
寿命なんてあまり関係なさそうですが。
表示用途LEDなら短寿命といわれていた頃の青色の寿命でも十分でしょう。
それこそ電球じゃないんだし(笑)
まあ本人がどうのというより、"世間的に"実はそんなにすごくなかったんだ
と思われればそれはそれでよいかもしれません。(笑)
Re:ま、中村のウザイ顔の露出が減ればそれでよし (スコア:0)
謙虚さを「有益に使う」って、ものすごく技術者を馬鹿にした発言ですね。
技術者は分を弁えて低い賃金でこつこつ研究でもやってろって? ふーん。
こういう発想をする人が出てくるというだけでも、東北の人の謙虚さは迷惑ですねぇ。
Re:ま、中村のウザイ顔の露出が減ればそれでよし (スコア:0)
まるで中村氏が低い賃金でこつこつ研究やっていたかのようだ。
ウソイクナイ
Re:ま、中村のウザイ顔の露出が減ればそれでよし (スコア:0)
正直、そういう醜い発想のネタに金研を引き合いに出すことが金研に対して失礼です。
単細胞なアンチ (スコア:0)
もしこれがブレークして川崎先生の名前が世にひろまったら ぜったい「アンチ川崎」が出てくるだろうな。
ま~個性強くないと物理学者なんてやってけないかもね~。
もちろんAC
Re:単細胞なアンチ (スコア:0)
要は、こういうこと [2ch.net]なんでしょうな。
Re:ま、どうせ特許なんて迂回できればこっちのもんだ (スコア:0)
今まさに街を艶ど(!?)っている青と白のイルミネーションは、
大陸、台湾製でいっぱい。
半導体の説明 (スコア:0)
「負の電荷を持つn型」、「正の電荷を持つp型」という説明には、ちょっと違和感がありませんか。
もちろん完全なる間違いではありませんが…。